寒流と暖流がぶつかる潮境にある田代島と網地島は、温暖な気候と海の幸に恵まれた島。
緑豊かな森と透明な海も印象的。喧騒とは無縁なのも島ならでは。
石巻沖に浮かぶのんびりした2つの島で、おだやかさと美しさにひたるトレイルを始めましょう。
キャラクターマスコットがにぎやかな石巻駅から出発!
旅の出発地点は石巻駅。駅または駅周辺で昼食を調達し、トレイルマップで方向を確認して出発!駅から石ノ森萬画館まではマンガロードと呼ばれ、石ノ森章太郎氏のキャラクターマスコットが点在。石巻港までのルートにもなっているので、キャラクターを探しながら歩きましょう。約2.2km (徒歩約30分)
フェリーに乗り込み、窓から海を見ながら昼食タイム。
旧北上川の河口沿いを行くと、定期船の発着所に到着。船着き場の建物には、東日本大震災の津波到達高が示され、自然の脅威をイメージすることができます。発着所内の券売機でチケットを購入し、乗船。大泊港までは約50分の船旅です。船内で買っておいた昼食をいただきます!船約53分
船着き場で猫がお出迎え。ゆるやかな時間のはじまり。
田代島・大泊港に到着。田代島は、猫が島民よりも多いといわれる「猫の島」として、近年観光客を増やしている島。上陸すると、さっそく猫が出迎えてくれます。おだやかな波と暖かな風。到着してすぐに、石巻市街とは違う時間の流れがあるのを感じます。約850m (徒歩約15分)
島の守り神・猫の神社にお参り。
森の中の舗装道を行き、猫神社へ。ここには、田代島の営みである漁業の安全と大漁を招く神様として猫が祀られています。拝殿の前に猫がかかれた石や小物が所狭しと奉納されているのが、なんともかわいらしい光景。お参りしていると、どこからともなく猫がやってきます。約1.5km (徒歩約20分)
森を抜けて、きらめくさざ波待つ海へ
猫神社を出たら、引き返して三又を左に。カーブミラーまで来たら、左折。森の中を抜けると、小さく海が見えてきますが、その美しさは歓声をあげてしまうほど。さらに島の西側に出ると、島の輪郭に沿って、美しい海を脇にしながらの気持ちいいトレイルが続きます。約4.3km (徒歩約60分)
田代島の最後は猫にさようなら
仁斗田集落に近づくと猫の数もふえてきます。猫を愛する島民も多いことから、軒先に猫のマスコットを飾る家も。早朝は、漁師さんからの"お裾分け"を目当てに、多くの猫が港に集まりますが、夕方はまばら。船着き場に唯一いた猫に「さようなら」の挨拶をして、田代島を後にします。船約13分
海に沈む夕日は、網地島ならではの景色
石巻沖の2つめの離島・網地島に到着。網地港近くの高台に宿をとり、1日目のトレイルを終えます。宿は夕日の絶好ポイント。太平洋側にも関わらず、海に落ちる夕日をきれいに見られるのは、網地島ならでは。翌日の昼食用のお弁当も宿に頼んでおきます。約500m (徒歩約5分)
透明度の高い白浜の海。今日はどんな色をみせる?
2日目のスタートは、宿のすぐ下に広がる白浜海水浴場から。東北屈指の透明度をもつ海水は、コバルトブルーともエメラルドグリーンとも称されています。海を見ながら、やさしい潮騒に耳を傾けて歩いてみてください。夏は海水浴で、その心地よさを全身で体感するのもおすすめです。約600m (徒歩約10分)
常緑のトンネルの中を木漏れ日とともに歩く
海のあとは森の道。この網地島を縦断する常緑広葉樹林の道は、背の高い木々が茂っていて、トンネルのよう。やや険しさはありますが、すがすがしく森の中らしい道。木漏れ日を楽しみつつ、途中で林相が変わるのを観察しながら歩いてみましょう。県道に出たら、すこし県道を歩いた後、大きくカーブする手前の電信柱を目印に山道に入ります。入口がわかりにくいので、よく見て探しましょう。
約5.1km (徒歩約70分)
波の"ドワメキ"を聞く島随一の絶景スポット
島の最南端まで歩くとドワメキ崎に到着。ここは、牡鹿半島や金華山が眺められる島一番の絶景スポット。灯台の色が海や断崖に映え、写真撮影におすすめ。灯台の先に、断崖絶壁に打ち寄せる波を眺められるスポットがありますが、危ないので足元には十分に注意してください。約1.0km (徒歩約15分)
迷い道がくれた集落での温かな出会い
絶景を後にし、港のある長渡集落へ。ここは網地島に2つある集落のもう一方。集落で道に迷ったところ、地元の方が道を教えてくれたうえ、軒先にある漁の道具について話を聞かせてくれました。こうした交流も、里を歩くみちのく潮風トレイルならでは!約100m (徒歩約1分)
防波堤で潮風を感じながらランチタイム。
集落を出ると、そこは港。お腹もぺこぺこだったので、防波堤に腰掛けてランチタイム。宿の方に握ってもらったおにぎりは格別です。船の時間を気にしながら、おだやかな長渡港で網地島の残りの時間を満喫。船が来たら、島の人たちとともに乗り込みます。船約28分
クジラの町で、島を見ながら旅を振り返る。
2つの島を巡ったトレイルの旅も、本土の牡鹿半島・鮎川港が終着点。鮎川は、かつて捕鯨が盛んだったクジラの町。東日本大震災で壊滅的な被害を受けたものの、徐々に復興が進んでいます。石巻市街までのバスを待つ約1時間の間、お土産を探したり、海を眺めたりして、旅を振り返りましょう。