久慈市のまちなかから、源義経の逃避行伝説が残る源道、
もぐらんぴあ水族館を経て、美しい森の中のトレイルを歩きます。
洋野町種市は伝統的な南部もぐりの技術が残る里です。漁師集落、漁業施設、漁場、美しい砂浜の海岸線を巡ります。
10:30
久慈駅(JR八戸線・三陸鉄道)くじえき(じぇいあーるはちのへせん・さんりくてつどう)
琥珀のロマンを感じる久慈駅からいざ、スタート!
JR八戸線と三陸鉄道北リアス線が乗り入れる久慈市の玄関口・久慈駅がトレイルの出発地点。JR久慈駅舎内には、琥珀を購入できるコーナーがあるのが、日本最大の産地ならでは。地図で行き先を確認したら、いざスタート!
10:45
道の駅くじみちのえきくじ
にぎわう道の駅で、久慈をまるごと満喫
町に出て、道の駅へ。ここは、物産館と昭和の思い出博物館がある「土の館」と、郷土資料展示とレストランがある「風の館」からなっています。土の館で焼きたての串もちや串田楽などの郷土食を食べたり、風の館で久慈秋まつりの山車を見物するのがおすすめ。昼食のお弁当を調達するのも忘れずに!
- 昭和の想い出博物館 レトロ館
-
地元に住む中野正利さんが50年以上かけて集めた昭和時代のおもちゃや生活用品数千点を展示。某テレビ番組の鑑定で高額とされた人形も見られます。昭和の時代にタイムスリップしたかのような博物館は一見の価値あり。
11:30
大銀杏の木(長泉寺大公孫樹)おおいちょうのき(ちょうせんじおおいちょう)
精霊が宿るといわれる巨木で歴史を感じる。
久慈川を渡って町の山側にある、長泉寺へ。平石敷きの参道を行くと山門の先に立つのが、樹齢1100年の大銀杏の木。昭和6年に国の天然記念物に指定された時、日本一とされた巨木です。秋には見事に黄葉し、落葉すると境内は黄色のじゅうたんが敷きつめられたようになります。
12:00
紲の森(北リアス病院裏の森)きずなのもり(きたりあすびょういんうらのもり)
木々に囲まれ、森のなかでランチタイム
お腹の虫が鳴く頃に、紲(きずな)の森へ。水車小屋もあるこの森は四季折々の表情が楽しめます。坂を登った先の展望台で久慈港と太平洋を眺めた後は、お弁当を広げてお待ちかねの昼食タイム。展望台には、慰霊の祈りが込められた、鎮魂の鐘があります。
14:50
厳島神社いつくしまじんじゃ
幾重に連なる鳥居の先で見つけた、牛島の眺め
赤い欄干に沿って山道を奥へ進み、厳島神社へ。急な坂や階段を登りきると、いくつもの鳥居が建つ社に到着。梁に掘られた龍や獅子の彫刻が見事です。久慈湾の端に建つ社から、海岸線を見下ろすと、沖に浮かぶ牛島を眺める絶景が広がります。
16:40
横沼展望所よこぬまてんぼうしょ
波と岩礁が見せる海岸線の美しさ
厳島神社から森の中のトレイルを北上し、本ルート随一の横沼展望所をめざしましょう。展望台からは、岩礁の続く海岸線に波がぶつかり合う景色に目を奪われます。撮影ポイントとしてもおすすめです。
17:10
侍の湯きのこ屋(閉業)さむらいのゆきのこや
海と山の静けさに
自然に体がほぐれる宿
絶景を見たあとは、侍の湯きのこ屋へ。食事や日帰り入浴のみも可能で、北侍浜野営場が近いため、キャンプ泊の入浴スポットとしても利用されます。お湯は疲労回復や腰痛などに効能があるヘルストン温泉。海の幸やきのこ料理と温泉で、1日の旅の疲れを癒します。
8:00(2日目:出発)
侍の湯きのこ屋(閉業)さむらいのゆきのこや
8:30
侍石さむらいいし
白波が間近に迫る
伝説も残る石畳
2日目、まずは侍石に向けて出発。1614年、南部藩主・南部利直公が津波被害の救済を指揮したとき、休憩に座ったのが、この侍石です。海に突き出した花崗岩の壮大な石畳は、絶景ポイントの1つ。目の前に迫りくる荒波が迫力満点です。時々大波が来るため、海近くまで降りるのは注意!
注意ポイント~高家川(こうげがわ)渡渉ポイント~
川を渡るポイント。遊歩道から川岸までは草が茂っている場合がありますので、注意深く進み、渡渉できるポイントを探します。渇水時は、濡れるのを構わず、靴をはいたまま川底を踏んで渡りましょう。(飛び石伝いに渡るのは危険です!)水量が多く渡れない場合は、無理をせずトレイルマップに記載している迂回路を利用してください。
10:50
大久保商店
(フレンドショップおーくぼ)おおくぼしょうてん
ふれあいも楽しい
トレイル途中のオアシス
県道へ出たら、地元の生活用品店大久保商店に立ち寄りましょう。飲み物やお菓子などの調達にも便利です。店名の通り、気さくで人懐っこいおばちゃんが名物。
12:10
有家駅うげえき
小さな砂浜はまるでプライベートビーチ
事前に商店などで昼食を調達したら、ランチスポットには有家駅がおすすめ。有家駅は、東日本大震災で津波を受けた駅のひとつ。現在は新しい駅舎です。目の前に海が広がる砂浜で、潮騒を聞きながらランチタイム。ごはんを食べた後は、砂浜を観察してみましょう。
注意ポイント~露頭(ろとう)ポイント~
地表が露出した海岸線を進みます。波がギリギリまで迫るような高潮時には、迂回路を利用してください。また、浜辺を通過中に地震、大波などが発生した場合は、線路を超える避難路が途中2ヶ所ありますので、そこを通って高台へ避難してください。
15:10
宿戸漁港しゅくのへぎょこう
働く人も訪れる人も
いきいき輝く活気あるハマ
海沿いを北上すると、岩手県のウニ漁獲高1位を誇る宿戸漁港に出ます。ここは、「育てる漁港」や「南部もぐり」で知られる漁港。5月の直販シーズンはウニを買い求める客で大にぎわい。威勢のいい漁師さんや行き交う船にハマの活気を感じます。
17:40
種市駅(JR八戸線)たねいちえき(じぇいあーるはちのへせん)
このにおいを思い出せば、
いつでもこの景色がよみがえる。
2日に渡ったトレイルも最後、終着点の種市駅に到着。種市駅は、大正13年の八戸線開通とともに誕生。種市が、南部もぐりの発祥地であることから、駅舎横のトイレは、南部もぐりのヘルメットの形になっています。帰りの列車を待つ間、潮騒のにおいのする町の景色を目に焼き付けましょう。
北侍浜野営場きたさむらいはまやえいじょう
炊事場、トイレ、テーブルなど設備が整っており、利用料も安価。海を見下ろす場所にあり、眺望が良い反面、風が強い日も。
ひろの水産会館 UNIQUEひろのすいさんかいかん うにーく
平成26年にオープンした特産物センター。館内には水産物直売所や物産展示コーナー、軽食コーナーがあります。物産コーナーでは南部もぐりの潜水服展示など楽しさ満載。
中野白滝なかのしらたき
連続した二段の大滝からなる中野白滝。滝までは2つのルートがあり、白滝神社から下るルートと、海側から向かうルートがあります。どちらも遊歩道があるものの、距離のある山道を歩くことになるので、軽装はNG。滝近くは暗いため、夕方出発も避けましょう。
小袖海岸こそでかいがん
海食断崖が続き、つりがね洞や兜岩、夫婦岩などの奇岩が楽しめる景勝地。岩礁とリアスの海岸線を縫うように走る曲がりくねった道は撮影のポイントとしてもおススメ。ただ、道が狭く見通しが悪い車道を歩くため、車には十分注意しましょう。奇岩に近寄ることのできる浜もあります。
1.つりがね洞(つりがねどう)
つりがね洞は小袖海岸を代表する奇岩です。かつて天井部分から釣鐘の形をした岩がぶらさがっていたことからこの名前で呼ばれていますが、明治29年の津波で釣鐘の形をした岩は壊れ、現在は大きな洞穴だけが残っています。夏至を挟んだ3週間ほどの期間だけ、洞穴から登る朝日を見ることができます。海岸に降りられるようになっていますが、大変危険なので立ち入らないようにしましょう。
2.兜岩(かぶといわ)
兜の角のような形をしていることから名づけられた奇岩。つりがね洞からトンネルを挟んで手前にある三角にとがった形をしています。波打ち際まで降りることができますが、玉砂利が歩きにくいので、注意が必要。撮影ポイントとしてもおすすめです。
3.五丈の滝(ごじょうのたき)
道の海側ではなく、山側に看板が出ています。長さが身の丈5ツ分あったとこうことから五丈の滝と名付けられた推定落差約20メートルの滝です。隣にも細い滝がありますが、ほぼ枯れていることが多いので、2つの滝が見れた人はラッキーかも?
4.夫婦岩(めおといわ)
海女センター横にある2つの大岩。海の神様を祀った社が建っている右側の岩は男岩、陸側の岩が女岩と言われており、夫婦を繋ぐようにしめ縄で結ばれています。
小袖海女センターこそであませんたー
「北限の海女」で知られる小袖海岸の海女の魅力が満載の施設。館内には、観光案内所や海の幸の直売所、海女の資料展示があります。夏期は潜水実演が行われ、採ったウニをその場で食べるイベントを開催。また、地元のNPO団体のガイドさんが駐車場を巡回していて、NHKの「あまちゃん」のロケ地を案内してくれるサービスも提供しています。
諏訪神社すわじんじゃ
源義経の逃避行伝説が残る神社です。この久慈・諏訪の森で、兄の源頼朝が送り出した刺客・畠山重忠と対峙しましたが、落ち行く義経に同情した畠山が敢えて弓矢を外し、義経は逃げ延びた、という伝説が残っています。その時の矢を御神体として祀ったのが、この諏訪神社です。久慈地域で最も古い木造建築で、優れた彫刻が施されており、歴史的な建築物としても価値の高いものです。
新街橋しんかいばし
長内川に掛かる古い木製の風情のある橋。空の広さを十分に感じられるほど周囲が開けているので、のどかな雰囲気を楽しみながら渡りましょう。車も通れますが、1台ずつがやっとです。修理で通れない場合は下流の長内橋を使って迂回してください。
もぐらんぴあ水族館もぐらんぴあすいぞくかん
東日本大震災で全壊しましたが、平成28年度より営業を再開。産直施設や防災教育施設、トンネル水槽や「さかなクン」コーナーなど、家族みんなで海の生き物や防災について楽しく学べる施設です。
- 高潮で海面や波が高いとき、海岸沿いのルートは危険です。無理をせず、迂回路を利用してください。事前に潮位表や天気予報で確認しましょう。
- 一部のルートには、車の交通量が多い場所もあります。周りに注意して、一列になって進みましょう。
- 漁港の入口のゲートが閉まっていることもありますが、ハイカーの通行は可能です。
- しっかりとした服装・装備を身に着け、クマ除けの鈴を携行しましょう。