東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

蔦(つた)冬物語

2024年02月08日
中園 顕三
こんにちは。アクティブ・レンジャーの中園です。
以前、紅葉の蔦沼(つたぬま)を紹介しましたが、今回は冬の様子をお伝えします。
 
節分前日の2月2日、スノーシューを担いで巡視に出かけました。
蔦の森には6つの沼を周回する遊歩道があり、雪のない時期だと1時間半ほどで歩くことができます。雪の積もった今はどれくらい時間が掛かるのか、初めての自分には予想がつきませんが、2時間くらいと見積もって行動を開始しました。冬季は道迷いのリスクも高まりますので、2名以上での行動が必須です。
 
休憩所
遊歩道の起点
入口
巡視開始
遊歩道に入ると、あるはずの木道がすっかり雪の中に見えなくなっていました。
こうなると、どこを歩いてもいいような気がしますが、それでは道に迷ったり思わぬアクシデントに遭遇したりする危険性があるので、なるべく遊歩道のルートをなぞるように歩きます。今はGPSと連動した地図アプリがあるので、スマートフォンで現在地をこまめに確認しながら進みました。
道標
案内板
遊歩道にはもともと道標や案内板があり、それを目印にすることもできます。
雪に埋もれて発見できない場合があり、これだけを頼りにすることはできません。
所々にピンク色のテープが樹木等に取付けられていたので、ルートを確かめるのにかなり役立ちましたが、それでも過信は禁物です。
沢
雪の下を流れる沢
森の中にある沢も雪に覆われていて、所々しか見えないのですが実際は雪の下を流れています。ちょうど雪が橋のようになっている所もあります。
ただ、本当の橋ではないので踏み抜いてそのまま水の中に…なんてこともあるので、十分に注意して渡る必要があります。
影絵
樹木の影絵
日が斜めに差す時間帯は、真白な雪面に木の影が映った美しい光景が見られます。
蔦の森のようなブナ林は適度な空間があり、ブナの樹形の美しさと相まってさながら絵本の世界に居るかのような感覚に陥ります。この日はそれほど好天気ではなかったのですが、一瞬の日差しが世界を一変させます。
蔦沼
鏡沼
沼はどれも静かなたたずまいで、それでいて様々な表情を見せてくれました。
紅葉の時期だけでなく、四季を通じて森と水の魅力がここにあります。
スノーシューを持っていれば、雪山歩き入門として絶好の場所ではないでしょうか。
その場合は、経験者やガイドと同伴であることをおすすめします。
長沼
菅沼
東屋
長沼の東屋
今回の巡視は、遊歩道沿いにある2つの東屋の状況を確認することが大きな目的でした。
かなりの量の雪が屋根に積もっていますが、倒壊する危険性はないようでした。
とは言え、建物の負担を軽減するために垂れ下がっている部分を削り取ってきました。
これから雪解けの季節になると屋根の雪が滑り落ちてくることもあるので、施設に近づく際には十分に注意しましょう。
 
結局、周回するのに3時間ほど掛かってしまいました。
今の季節、ここを歩く方はぜひ時間に余裕を持って行動してください!