東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

西目屋小学校とのっぽさんの白神学習

2023年06月09日
下堂前 大樹
白神山地ではタンポポが咲き、タラの芽が育ち季節の移ろいを感じます。
西目屋自然保護官事務所では年に数回、西目屋小学校の総合学習のお手伝いをしています。
今回は小学四年生の白神山地の自然観察会の様子をお伝えします。

今回森を案内してくださる講師は、児童達からは「のっぽさん」の愛称で親しまれている自然ガイドで元アクティブ・レンジャーの谷口さん。
西目屋小学校の児童達はそれぞれ探検バックと観察ノート、お手製のビンゴシートを持って森を散策します。
ビンゴの番号のところには動物や植物の名前が割り当てられており、児童達は生き物を発見したり鳴き声などの痕跡を聞いたらそのマスが開けられるルールです。
はじめに全員で入林する際の注意点を音読してスタート!
のっぽさんと一緒に音読して
入山の説明を聞く児童達
児童達が使うビンゴシートの
ビンゴの項目一覧
最初に歩いて行くと池がありました。
みんなで目を閉じて耳を澄ましてみると「水の流れる音」「鳥の声」「虫の羽音」「カエルの鳴き声」「葉っぱが揺れて擦れる音」いろいろな生き物の音が森の中から聞こえてきます。
そして池を観察してみるとクロサンショウオの卵とモリアオガエルの卵塊がありました。
実際に触ってみたり、触った指の匂いを嗅いでみたり興味津々。
児童達はサンショウオの仲間とカエルの仲間のマスが埋まってうれしそうです。
池の中にある白いアケビ状の
クロサンショウオの卵
池の周りに泡状の
モリアオガエルの卵を観察する児童
森に移動して次は針葉樹林と広葉樹林の地面を掘って地面を観察しました。
「さらさら」「ふかふか」「しめってる」一人一人感じ方は様々、観察ノートに自分の感じ取った感覚をことばにしていきます。
途中のっぽさんがクイズを交えながら土壌の分解について解説を聞きます。
埋まっていた枝が簡単に折れていく様子を見て、児童達からは「焼き芋みたい」「ちょっとおいしそう。。。」という声がこぼれます。
 
ブナ林の土を掘る様子
土の中に埋もれていた
枝を用いて分解を説明するのっぽさん
森を出てビオトープへ移動します。
ビオトープの説明をしているとコンコンコン!と木を叩く音。
さっきいた森のほうからキツツキの仲間がドラミングの音が響いてきました。
キツツキのマスでリーチしていた児童から「やったービンゴ!」と声が上がります。
一方、マスの配置が違う子は「ツキノワグマとヘビでリーチだ~」と苦戦している様子。

のっぽさんがビオトープの池の中に網をガシャガシャと入てみると「捕れた!でっかい!」と何かを捕まえたみたい。
網の中を覗いてみると立派なドジョウが捕れていました。
児童達も感化されのっぽさんの真似をして網をもって駆け回っていきます
のっぽさんがビオトープで
捕獲した立派なドジョウ
何か生き物を探して
網を持って池を探す児童
最後にのっぽさんから、豊かな白神山地の森を守っていくために、これまで行ってきた活動や森の仕組みを教わります。
針葉樹林と広葉樹のブナ林の違いや、そこに生息する生き物たちこれまで白神の森と人が営んできたことを児童達は五感と心で学ぶそんな自然観察会でした。
 
土壌と樹木の成長の関係を説明するのっぽさん
人の手が入ることで
明るくなった林床の中で白神の話を聞く児童達