綾里街道・綾里峠と綾里崎は、リアス海岸の海と森、人の暮らしのつながりを感じる区間。
道を進むと、豊かな森と青い海、リアス海岸の大展望に出会い、先人の暮らしや地域の歴史・文化を感じることができます。
宿でいただくおいしい海の幸が、これらのつながりにより育まれていることも実感できるでしょう。
リニューアルした盛駅からスタート!
旅のスタート地点はJR大船渡線と三陸鉄道南リアス線が乗り入れる盛駅。JR線は運休中ですが、現在BRT(バス高速輸送システム)が利用できます。JR駅舎は改装され、待合室もきれい。三陸鉄道もふれあい待合室があり、お茶提供や土産販売が行われています。待合室でルートを確認し、出発!約4.1km (徒歩約50分)
駅周辺で町がたどった歴史を思う
盛川を越えて陸前赤崎駅へ。かつて駅周辺の入り江には、住宅街が広がっていましたが、東日本大震災の津波で多くの住宅が流され、駅舎も山側へ移設されています。この付近は貝塚が多く遺されているエリア。駅に隣接した大洞貝塚資料館で貝塚の歴史にふれることができます。約650m (徒歩約10分)
いにしえの歴史を物語るなだらかな丘にある貝塚
なだらかな丘陵地に広がる大洞貝塚は、縄文時代の終り頃としては最大級。動物の骨や角で作られた銛や釣り針など魚捕りの道具が数多く発見され、当時の漁猟や生活の様子を伝えています。この時期によく使用された大洞式土器が設定された遺跡としても有名です。約2.6km (徒歩約52分)
心地よい林間風景のなか、倒木に腰かけてランチタイム
大洞貝塚を出ると、いよいよ綾里街道・綾里峠の林道へ。古くから赤崎と綾里を結ぶ交易道路・生活道路に利用されたこの道は、ゆるやかな尾根筋をつづら折れに進みます。広葉樹と針葉樹の間に空や風を感じる心地よいトレイル。途中、お気に入りの倒木を見つけて、昼食をいただきます。赤崎町大洞側から綾里街道へ入るとすぐに尾根筋が続きます。道を踏み外したり、滑落しないよう注意して歩いてください。また、倒木が道をふさいでいるところもあります。
綾里峠の頂上を過ぎて不動滝へ向かう途中に谷側の道を進むポイントがあります。ここは、勾配が強いので注意しながら歩きましょう。
谷側の道を進んだ後に尾根筋を進むポイントがあります。道を踏み外したり、滑落しないよう注意して歩きましょう。
約2.7km (徒歩約54分)
トレイルの疲れを癒す、心洗われる神聖な水場
綾里街道の半分を過ぎると、日本の滝百選の一つ、不動滝に到着。上流に向かって右側を男滝、左側を女滝と呼び、その中央に不動尊が祀られています。高さ15mの男滝が白い飛沫を上げて垂直に流れ落ちる様は圧巻。周囲には、鳥居や祠、太鼓橋もあり、神聖な雰囲気が漂います。約3.2km (徒歩約64分)
地元のとれたて産直野菜やソフトクリームもある寄り道スポット
綾里街道を抜けて山あいの集落に出ると綾里駅に到着。その駅舎内にあるのが、綾里物産観光センター銀河。綾里で採れた野菜の直売のほか、地元スーパーの協力によって、肉や魚、日用雑貨なども販売されています。地元の生乳でつくられたソフトクリームもいただけます。綾里物産観光センター銀河隣接
峠から海へ。たくさん歩いた1日の終わり。
綾里駅は、まるでおとぎ話に出てきそうなかわいらしい外観が特徴。駅には綾里物産観光センター銀河のほか、会議室や展示室があります。駅を出たら、白浜地区にとった宿まで歩いて、1日目のトレイルを終了。宿までは綾里湾近くを歩くため、海が見えます。約2.5km (徒歩約45分)
綾里崎を巡る2日目は、田浜から登山をスタート
2日目は、リアス海岸の岬の一つ、綾里崎を巡ります。綾里崎は、三陸海岸特有の断崖美を誇り、中間に標高354mの立石山を擁します。宿から駅を経て、田浜集落の登り口から山登りをスタート!真っ直ぐに伸びた杉林の中を歩く爽快な山道です。約1.8km (徒歩約43分)
山道の入口は写真の道路を跨いだ対面の道になります。みちのく潮風トレイルのテープが目印です。交通量は多くはありませんが、道路を跨ぐ際は車が来ないことを確認してから渡りましょう。
おもしろい木が次々と。変化に富んだ飽きない山道
立石山のトレイルは、にょろにょろと枝を伸ばす木やアーチのような木、松林と変化のある木々の間を木漏れ日とともに歩きます。山道も下草が生えていたり、落ち葉でおおわれていたりと、ふかふかの歩き心地。自然と軽快な足取りを誘います。約1.0km (徒歩約20分)
分岐が多く道に迷いやすいので、みちのく潮風トレイルのテープ等を参考に十分注意しながら歩きましょう。
味噌玉にそっくりな巨礫が出現!
山道の途中に、表面に亀甲模様と白い斑点のある花崗岩の巨礫が出現!ひび割れていたり、白カビが生えているように見えるのが、昔、軒先や囲炉裏のそばに吊るされていた「味噌玉」にそっくり。ユニークな巨礫を前に、一緒に写真を撮るのもおすすめです。味噌玉石の近く
大漁の功労者・藤二を敬って建立
味噌玉石のすぐそばにあるのが、藤二大明神。この地に住んでいた藤二という人が、荒波の中に赤くなっている場所を見つけ、それを漁師に伝えたところ、大漁になったのだそう。その大漁礁を「藤二ヶ根」と呼び、発見した藤二を敬って鳥居と石碑が建立されています。約260m (徒歩約5分)
空の広さと太平洋の青さもランチタイムのごちそう
藤二大明神の先にあるのが、海の見える綾里崎展望広場。広々とした草原のなか、ベンチと東屋があるので、ランチスポットとしても最適。広い空と青い海を見ながら、ほおばるおにぎりは最高のおいしさ。お腹を満たした後は、綾里埼灯台をめざします。約1.3km (徒歩約27分)
岬に白い灯台が映える綾里埼灯台を展望
林道合流地点を過ぎると、すぐに分岐が現れます。みちのく潮風トレイルの杭を目印に右の見透線界を進むと綾里埼灯台です。分岐地点には展望スペースがあり、灯台のある岬の風景を眺めることができます。海の青さに松の緑と白い灯台が映える絶好のビューポイントです。約700m (徒歩約14分)
岬の先端から眺める脚崎と首崎の断崖美
灯台入口から、踏みならされていない道を下ると、絶景スポット・綾里埼灯台に到着。北方に対岸の脚崎(すねざき)、その後方に首崎(こうべざき)があり、リアス海岸の断崖美が望めます。高さ30mの白亜の灯台は壮麗ですが、側面には太平洋戦争末期に受けた弾痕が残っています。約700m 綾里埼灯台入口 (徒歩約20分)
約6.7km (徒歩約2時間14分)
かわいらしい駅との再会が旅の終着ポイント
灯台からは来た道とは反対である岬の北側を通って、綾里駅をめざします。しばらく林道を歩いたあと、漁港のある野々前地区に出ると舗装道路に。集落が見えてくると、2日間のトレイルも終わりに近づきます。綾里駅に着いたら、綾里物産観光センター銀河でお土産を買って、旅の思い出を残しましょう。