綾里街道・綾里峠と綾里崎は、リアス海岸の海と森、人の暮らしのつながりを感じる区間。
道を進むと、豊かな森と青い海、リアス海岸の大展望に出会い、先人の暮らしや地域の歴史・文化を感じることができます。
宿でいただくおいしい海の幸が、これらのつながりにより育まれていることも実感できるでしょう。
モデルコース順路 1泊2日
周辺のおすすめスポット
11:15
盛駅（JR・三陸鉄道）さかりえき（じぇいあーる・さんりくてつどう）
リニューアルした盛駅からスタート！
旅のスタート地点はJR大船渡線と三陸鉄道南リアス線が乗り入れる盛駅。JR線は運休中ですが、現在BRT（バス高速輸送システム）が利用できます。JR駅舎は改装され、待合室もきれい。三陸鉄道もふれあい待合室があり、お茶提供や土産販売が行われています。待合室でルートを確認し、出発！
約4.1km (徒歩約50分)
12:10
陸前赤崎駅待合室りくぜんあかさきえきまちあいしつ
駅周辺で町がたどった歴史を思う
盛川を越えて陸前赤崎駅へ。かつて駅周辺の入り江には、住宅街が広がっていましたが、東日本大震災の津波で多くの住宅が流され、駅舎も山側へ移設されています。この付近は貝塚が多く遺されているエリア。駅に隣接した大洞貝塚資料館で貝塚の歴史にふれることができます。
約650m (徒歩約10分)
12:30
大洞貝塚おおほらかいづか
いにしえの歴史を物語るなだらかな丘にある貝塚
なだらかな丘陵地に広がる大洞貝塚は、縄文時代の終り頃としては最大級。動物の骨や角で作られた銛や釣り針など魚捕りの道具が数多く発見され、当時の漁猟や生活の様子を伝えています。この時期によく使用された大洞式土器が設定された遺跡としても有名です。
約2.6km (徒歩約52分)
13:40
綾里街道・綾里峠りょうりかいどう・りょうりとうげ
心地よい林間風景のなか、倒木に腰かけてランチタイム
大洞貝塚を出ると、いよいよ綾里街道・綾里峠の林道へ。古くから赤崎と綾里を結ぶ交易道路・生活道路に利用されたこの道は、ゆるやかな尾根筋をつづら折れに進みます。広葉樹と針葉樹の間に空や風を感じる心地よいトレイル。途中、お気に入りの倒木を見つけて、昼食をいただきます。
注意ポイント
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赤崎町大洞側から綾里街道へ入るとすぐに尾根筋が続きます。道を踏み外したり、滑落しないよう注意して歩いてください。また、倒木が道をふさいでいるところもあります。
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綾里峠の頂上を過ぎて不動滝へ向かう途中に谷側の道を進むポイントがあります。ここは、勾配が強いので注意しながら歩きましょう。
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谷側の道を進んだ後に尾根筋を進むポイントがあります。道を踏み外したり、滑落しないよう注意して歩きましょう。
約2.7km (徒歩約54分)
15:10
不動滝ふどうたき
トレイルの疲れを癒す、心洗われる神聖な水場
綾里街道の半分を過ぎると、日本の滝百選の一つ、不動滝に到着。上流に向かって右側を男滝、左側を女滝と呼び、その中央に不動尊が祀られています。高さ15mの男滝が白い飛沫を上げて垂直に流れ落ちる様は圧巻。周囲には、鳥居や祠、太鼓橋もあり、神聖な雰囲気が漂います。
約3.2km (徒歩約64分)
16:35
綾里物産観光センター銀河りょうりぶっさんかんこうせんたーぎんが
地元のとれたて産直野菜や
ソフトクリームもある寄り道スポット
綾里物産観光センター銀河隣接
16:50
綾里駅（三陸鉄道）りょうりえき（さんりくてつどう）
峠から海へ。たくさん歩いた1日の終わり。
綾里駅は、まるでおとぎ話に出てきそうなかわいらしい外観が特徴。駅には綾里物産観光センター銀河のほか、会議室や展示室があります。駅を出たら、白浜地区にとった宿まで歩いて、1日目のトレイルを終了。宿までは綾里湾近くを歩くため、海が見えます。
9:00 （2日目:出発）
綾里駅（三陸鉄道）りょうりえき（さんりくてつどう）
約2.5km (徒歩約45分)
9:50
田浜たはま
綾里崎を巡る2日目は、田浜から登山をスタート
2日目は、リアス海岸の岬の一つ、綾里崎を巡ります。綾里崎は、三陸海岸特有の断崖美を誇り、中間に標高354mの立石山を擁します。宿から駅を経て、田浜集落の登り口から山登りをスタート！真っ直ぐに伸びた杉林の中を歩く爽快な山道です。
注意ポイント
山道の入口は写真の道路を跨いだ対面の道になります。みちのく潮風トレイルのテープが目印です。交通量は多くはありませんが、道路を跨ぐ際は車が来ないことを確認してから渡りましょう。
約1.8km (徒歩約43分)
10:35
立石山たていしやま
おもしろい木が次々と。変化に富んだ飽きない山道
立石山のトレイルは、にょろにょろと枝を伸ばす木やアーチのような木、松林と変化のある木々の間を木漏れ日とともに歩きます。山道も下草が生えていたり、落ち葉でおおわれていたりと、ふかふかの歩き心地。自然と軽快な足取りを誘います。
注意ポイント
分岐が多く道に迷いやすいので、みちのく潮風トレイルのテープ等を参考に十分注意しながら歩きましょう。
約1.0km (徒歩約20分)
10:55
味噌玉石みそだまいし
味噌玉にそっくりな巨礫が出現！
山道の途中に、表面に亀甲模様と白い斑点のある花崗岩の巨礫が出現！ひび割れていたり、白カビが生えているように見えるのが、昔、軒先や囲炉裏のそばに吊るされていた「味噌玉」にそっくり。ユニークな巨礫を前に、一緒に写真を撮るのもおすすめです。
味噌玉石の近く
10:55
藤二大明神とうじだいみょうじん
大漁の功労者・藤二を敬って建立
味噌玉石のすぐそばにあるのが、藤二大明神。この地に住んでいた藤二という人が、荒波の中に赤くなっている場所を見つけ、それを漁師に伝えたところ、大漁になったのだそう。その大漁礁を「藤二ヶ根」と呼び、発見した藤二を敬って鳥居と石碑が建立されています。
約260m (徒歩約5分)
11:05
綾里崎展望広場りょうりざきてんぼうひろば
空の広さと太平洋の青さもランチタイムのごちそう
藤二大明神の先にあるのが、海の見える綾里崎展望広場。広々とした草原のなか、ベンチと東屋があるので、ランチスポットとしても最適。広い空と青い海を見ながら、ほおばるおにぎりは最高のおいしさ。お腹を満たした後は、綾里埼灯台をめざします。
約1.3km (徒歩約27分)
12:05
綾里埼灯台入口りょうりざきとうだいいりぐち
岬に白い灯台が映える綾里埼灯台を展望
林道合流地点を過ぎると、すぐに分岐が現れます。みちのく潮風トレイルの杭を目印に右の見透線界を進むと綾里埼灯台です。分岐地点には展望スペースがあり、灯台のある岬の風景を眺めることができます。海の青さに松の緑と白い灯台が映える絶好のビューポイントです。
約700m (徒歩約14分)
12:20
綾里埼灯台りょうりざきとうだい
岬の先端から眺める脚崎と首崎の断崖美
灯台入口から、踏みならされていない道を下ると、絶景スポット・綾里埼灯台に到着。北方に対岸の脚崎（すねざき）、その後方に首崎（こうべざき）があり、リアス海岸の断崖美が望めます。高さ30mの白亜の灯台は壮麗ですが、側面には太平洋戦争末期に受けた弾痕が残っています。
約700m 綾里埼灯台入口 (徒歩約20分)
約6.7km (徒歩約2時間14分)
15:15
綾里駅（三陸鉄道）りょうりえき（さんりくてつどう）
かわいらしい駅との再会が旅の終着ポイント
灯台からは来た道とは反対である岬の北側を通って、綾里駅をめざします。しばらく林道を歩いたあと、漁港のある野々前地区に出ると舗装道路に。集落が見えてくると、2日間のトレイルも終わりに近づきます。綾里駅に着いたら、綾里物産観光センター銀河でお土産を買って、旅の思い出を残しましょう。
綾里大権現保存庫（綾里駅横）りょうりだいごんげんほぞんこ（りょうりえきよこ）
東北では、悪魔祓いや無病息災、五穀豊穣を願って、獅子頭をかぶって行う権現舞が行なわれてきました。綾里大権現の獅子頭は2m四方の大きさと200キロの重さで、日本一を誇っています。綾里駅のすぐ横にあるので、駅に立ち寄る際にはご覧あれ！
明治三陸大津波伝承碑めいじさんりくおおつなみでんしょうひ
明治29年に発生した明治三陸大津波を伝承するための記念碑。津波が到達したと思われる三陸町綾里中曽根に建てられていますが、これは東日本大震災の津波よりも奥に達しています。この石碑は、いつ起こるかわからない津波に対する心の戒めとして、地元の人の気持ちを引き締めています。
碁石海岸ごいしかいがん
1.碁石海岸穴通船
景勝地・碁石海岸の美しさをクルージングで満喫したいならこれ。腕利きの地元の漁師による操船で、穴通磯や雷岩・乱曝谷などを間近で見ることができます。特に穴通磯をくぐり抜ける瞬間はエキサイティング。荒々しい波と奇岩のおもしろさを体感してみましょう。
※運行期間：5月～11月
※波の高さにより通れない場合があります。
2.雷岩・乱曝谷（らんぼうや）
雷岩は、洞穴から雷鳴のような音が松林に響くとして、「残したい日本の音風景100選」にもなっています。現在は干潮時のほうがよく聞こえるようです。乱曝谷は、30mを越える断崖絶壁の狭い間を、波が水しぶきを上げて打ち当たる豪快な景色が見もの。
3.千代島・潮吹岩
碁石海岸最大の島で、まるで屏風のように直立した断崖が見事な千代島。かつて、海で遭難した人を供養するためにお経を上げたことから、経島（きょうじま）とも呼ばれていました。岩の間から海水が潮を吹く、潮吹き現象も見ものです。
4.碁石岬展望台
末崎半島の先端にある碁石岬の展望台。太平洋と岩礁美が目の前に迫るほど景色が広がり、晴れていれば、宮城県の牡鹿半島まで見渡すこともできます。付近には、木製素掘りの海神様が奉られた東屋や、白亜の碁石埼灯台もあり、撮影スポットしてもおすすめです。
5.碁石海岸インフォメーションセンター
2014年にオープンした、木造平屋建ての碁石海岸インフォメーションセンター。「三陸復興国立公園」や「みちのく潮風トレイル」の旬な情報を教えてくれます。また、観光情報の提供や、隣接する碁石海岸キャンプ場の受付等も行っています。
6.碁石海岸レストハウス
大船渡でとれた海産物や水産加工品、工芸品、銘菓などの土産物を豊富に品揃え。2階には大型食堂があり、大船渡の海の幸をふんだんに使ったメニューが並びます。なかでも、アワビやホタテが入った海鮮丼や海鮮ラーメン、「さんまらーめん」がおすすめです。
7.碁石海岸キャンプ場
2014年にリニューアルし、フリーサイトのほかオートサイトも誕生。オートサイトには電源・水道設備がついていますが、16エリア限定のため事前の予約をおすすめ。予約や問い合わせは、碁石海岸インフォメーションセンターで対応しています。開設期間が限られているため、要確認。
8.碁石浜
波によってなめらかに磨かれた玉砂利が浜に敷きつめられた海岸。碁石のような形をしたこの黒く美しい玉砂利が、碁石浜や碁石海岸の名前の由来になっています。
- 高潮で海面や波が高いとき、海岸沿いのルートは危険です。無理をせず、迂回路を利用してください。事前に潮位表や天気予報で確認しましょう。
- 一部のルートには、車の交通量が多い場所もあります。周りに注意して、一列になって進みましょう。
- 漁港の入口のゲートが閉まっていることもありますが、ハイカーの通行は可能です。
- しっかりとした服装・装備を身に着け、クマ除けの鈴を携行しましょう。
