東北地域のアイコン

東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

ラムサール条約湿地登録周年記念事業はじまる

2025年04月25日
鎌田 和子
こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。
新年度が始まりましたが、令和7年度は伊豆沼・内沼ラムサール条約湿地登録40周年と蕪栗沼・周辺水田ラムサール条約湿地登録20周年の年となります。2月には早速、蕪栗沼・周辺水田ラムサール条約湿地登録20周年記念事業に関わるワークショップが始まりましたので、お伝え致します。

大崎地域世界農業推進協議会事務局が主催する「おおさきGIAHSアカデミー(in 蕪栗沼・周辺水田)」(ワークショップ)が2月3日に開催されました。このワークショップは、世界農業遺産であり、ラムサール条約湿地である「蕪栗沼・周辺水田」の自然環境を活用することで人と環境の関わりについて学ぶことを目的に、宮城県古川黎明高等学校の1学年と2学年の希望者の皆さん15名が受講されています。第1回目のワークショップでは、当事務所の源関自然保護官がラムサール条約の成り立ちやユース決議(COP14)等についての話をしたほか、大崎地域世界農業推進協議会事務局の三宅さんからはガン類の生態や昔は害鳥扱いであったことなどについて話がありました。
話を聞き終わった後は、ふゆみず田んぼと蕪栗沼のねぐら入りを観察するため、学校のバスで出発です。
自己紹介する源関自然保護官
この日参加した高校生に自己紹介している源関自然保護官です。 これからの写真は、皆さまから撮影および掲載の確認をいただいております。
ふゆみず田んぼのマガンを観察
望遠鏡で、ふゆみず田んぼに飛来しているマガンを観察中。高校生の皆さんはすぐにスマホのカメラと望遠鏡を連動させており、うまいものです。
マガンのねぐら入りを前に記念撮影
記念撮影をいたしました。みんなの指に注目、仙台育英高校の生徒さんと日本雁を保護する会の呉地会長が生み出した雁ピースをしています。みんな笑顔が素敵ですね。
蕪栗沼白鳥地区のねぐら入り
マガンのねぐら入りをちゃんと見るのは、ほぼ初めての皆さんです。通学している学校や自宅の上空を朝も夕方もマガンの群れは飛んでいるのですが、この地域では当たり前過ぎて、これが特別だったことに驚いていました。
受講された皆さんからの感想等をいただきましたので、その中の一部を抜粋します。

・今日の講演と現地での観察で、湿地を理解することができた。
・ラムサール条約についてある程度知っていたが、肝心の湿地の定義が想像以上に広く驚いた。
・マガンの魅力を感じ地元でもあまり知られていないマガンを広めるため頑張ります。

ユース決議にあるように、意思を持ち歩き始めている宮城県古川黎明高校の皆さんは、新年度も学びを深めて、今年11月8日に開催される蕪栗沼・周辺水田ラムサール条約湿地登録20周年記念シンポジウムでユース宣言をするまで、学びや交流があるそうです。

続いて、3月20日に第63回伊豆沼・内沼クリーンキャンペーンが実施され、こちらにも参加してきました。ラムサール条約湿地登録40周年を迎える伊豆沼・内沼でのクリーンキャンペーン清掃活動には、およそ600名が参加されていました。栗原市と登米市にまたがる伊豆沼・内沼若柳地区、迫地区、築館地区の3地区のサンクチュアリセンターに集合して広範囲のゴミ拾いを行いました。
企業でゴミ拾いに集まる人々
伊豆沼・内沼クリーンキャンペーンには家族や企業、サークルなど様々な方々が集まってきます。ゴミ袋や火バサミを持ち、準備万端です。写真は宮城県伊豆沼・内沼サンクチュアリセンターに集合している皆さんです。
ご当地ヒーロー
栗原市のご当地ヒーロークリハライザープロジェクトも参加しました。
鳥獣保護区管理員さんも参加
伊豆沼鳥獣保護区管理員さんも参加しました。普段は、鳥類調査を実施していただいていますが、クリーンキャンペーンでは、タイヤ等の大きなゴミを拾ってくださいました。
ゴミ回収に協力している企業の皆さん
ゴミ回収に協力して頂いている企業の皆さんの視線の先には、古いタイヤやテレビ、パソコン等がありました。
今年も参加された多くの皆様のお陰で、伊豆沼・内沼の周辺がきれいになりました。

伊豆沼・内沼ラムサール条約湿地登録40周年、蕪栗沼・周辺水田ラムサール条約湿地登録20周年、それぞれのラムサール条約湿地が良好な環境を維持できますように、また、そこに関わる皆さまの活動のたすきが、若い世代に繋がりますように願っています。