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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

見るだけ、カエンタケ

2023年09月29日
池田 理恵
こんにちは。宮古自然保護官事務所の池田です。
森の中を歩いているとクルミやナナカマドの実が落ちているのが目に付き、気温の低下とともに秋を感じるようになりました。そしてなによりたくさんの種類のきのこが見られ、きのこ好きとしてとても感動しています。

環境省が管理している園地では毎月1回、施設の巡視点検を行いますが、やはりこの時期はあらゆる場所できのこを探してしまいます。きのこには種ごとに様々な特性があり、食べるとおいしいものや食中毒をおこすものなどいろいろあります。
そんなきのこの中でも特別に注意を払わなければならないのがカエンタケです。
 
テキスト
カエンタケ  2023.9.8
カエンタケはその名の通り、炎のような色をした棒状または手のような形が特徴のきのこです。茶色や緑の林内ではとてもよく目立ち、まるで「私を見て!」と言っているかのよう。名前から連想されるように、強い毒性があり、過去には食中毒による死亡例もあるそうです。また、人によっては触っても皮膚炎を引き起こすと言われています。
 
環境省が管理している園地の中では特に姉ヶ崎園地で発生が確認されています。今年初めて確認したのは8月5日でした。また、みちのく潮風トレイルの宮古市内のルートでも発生を確認しています。
テキスト
2023.9.7 宮古市重茂半島のトレイルルートにて(形がカブトムシの角のようでかなりかっこいい!)
カエンタケは触ったり、食べたりしなければ、人に危害を加えることはありません。独特な見た目と特性から怖がられることもありますが、生態系の一部として一生懸命生きています。これまで何回かカエンタケを見ましたが、色や形にバリエーションがあり、それぞれ個性的な姿をしたきのこだと感じています。もしカエンタケに出会ったら、触らずに、その美しい色や面白い形を観賞してみてはいかがでしょうか。