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東北地方環境事務所

三陸復興国立公園 震災メモリアルパーク中の浜開園記念式典の開催について

2014年06月04日

三陸復興国立公園 震災メモリアルパーク中の浜開園記念式典の開催について

東北地方環境事務所
国立公園・保全整備課長:佐々木 真二郎
Tel:022-722-2874 Fax:022-722-2872
宮古保護官事務所自然保護官:櫻庭 佑輔
Tel:0193-62-3912 Fax:0193-62-3914

平成26年5月24日(土)13:30~ 岩手県宮古市崎山にて、環境省東北地方環境事務所の主催により「三陸復興国立公園 震災メモリアルパーク中の浜」の開園記念式典を執り行いました。
本施設はグリーン復興プロジェクトに基づき、東日本大震災により被災したキャンプ場跡地を「自然の脅威や震災の記憶を後世に伝える場」として再整備したものであり、三陸復興国立公園内で震災遺構を活用した初の施設となります。
第一部は約70名の来賓と多数の関係者が開園式に出席し、式典終了後に行われた見学会では園内の各ポイントで足を止め、地元ガイドによる解説に耳を傾けていました。
第二部では、経団連自然保護協議会主催の記念植樹が行われ、招かれた地元小学生や住民の方々など、総勢約100名で「復興・ふれあいの森づくりエリア」に地域の自生種の苗を植樹しました。

当日は澄んだ青空の下、絶え間なく潮騒が聞こえるエントランス広場前で式典が開かれました。
初めに牧原環境大臣政務官が主催者挨拶として、「関係者のご協力を得て開園の日を迎えられた。
今後も多くの方に当施設を利活用していただきたい」と謝辞を述べ、地元代表のご挨拶や来賓ご祝辞では「本日の開園は大変意義深く、今後の防災教育に活用していきたい」「震災遺構を目に見える教訓として後世に伝えていくことは大切な使命」などのお言葉を賜りました。その後、経団連自然保護協議会から宮古市の子供たちに生物多様性に関する図書の目録贈呈などがあり、最後にテープカットセレモニーにより「震災メモリアルパーク中の浜」の開園が宣言されました。
引き続き式典終了後に行われた「園地解説」では、参加者が歩いて園内を見学しながら三カ所のポイントで立ち止まっては、地元ガイドの解説に熱心に聞き入っていました。

震災メモリアルパーク中の浜エントランス
震災メモリアルパーク中の浜エントランス
 式典当日 テープカットセレモニーの様子
式典当日 テープカットセレモニーの様子

この「震災メモリアルパーク中の浜」(敷地面積 約15,000m2)では、東日本大震災の際に15mを超える大津波により壊滅的な被害を受けた中の浜キャンプ場の一部施設を、当時の姿をそのままの「震災遺構」として保存しています。訪れる人は鉄筋がむき出しになったコンクリート建造物などを目の当たりにすることで、自然の持つ凄まじい威力を感じることができます。また、震災廃棄物由来の再生資材を活用して造成された「展望の丘」に登れば、目線を津波と同じ高さ(海抜約15m)に置くことができると同時に、両崖に設置された津波遡上高(最高海抜約21m)のサインが目に飛び込んできます。これによって、この地にどれほどの大津波が押し寄せたかをありありと想像し、津波災害から身を守るためには迅速な避難が何よりも大切だということを学んでいただけると思います。その他にも、園内には震災の歴史や復興の歩みについての資料展示、そして避難指定場所である展望デッキ(海抜30m)に続く避難路を設置しています。

震災遺構(トイレ)
震災遺構(トイレ)
「展望の丘」 頂上からの風景
「展望の丘」 頂上からの風景

震災メモリアルパーク中の浜は、東北太平洋沿岸約700㎞の長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」の通過地点として現在検討されているところであり、平成25年9月に日本ジオパークに認定された三陸ジオパークのジオポイントでもあることから、環境省はこれらの取組みとも連携を図りつつ、地域の活性化・復興に貢献していきたいと考えています。