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東北地方環境事務所

○三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興H25.5

2013年06月18日

○三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興H25.5

東北地方環境事務所

東北地方環境事務所では、東日本大震災からの復興に貢献するため、「三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興のビジョン」に基づく取組を進めています。

三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興

 平成 23年3月11日に発生した東日本大震災からの復興に貢献するため、環境省では、平成24年5月に「三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興のビジョン」を策定しました。
 ビジョンでは、森・里・川・海のつながりにより育まれてきた自然環境と地域のくらしを後世に伝え、自然の恵みと脅威を学びつつ、それらを活用しながら復興することを提唱し、具体的な取組として7つのプロジェクトを掲げています。
 現在、この7つのプロジェクトの推進に取り組んでいます。

>詳細はこちら (三陸復興国立公園の創設を核としたグリーン復興

○7つのプロジェクト

三陸復興国立公園の創設
長距離自然歩道「みちのく潮風トレイル」
復興エコツーリズムの推進
森・里・川・海のつながりの再生
持続可能な社会を担う人づくり(ESD)の推進
自然環境モニタリング
里山・里海フィールドミュージアムと施設整備

三陸復興国立公園の創設

 三陸復興国立公園は、東日本大震災により被災した三陸地域の復興に貢献するために、平成25年5月24日に誕生しました。
 これは、岩手県久慈市から宮城県気仙沼市にかけて指定されていた陸中海岸国立公園に、青森県八戸市から階上町に至る海岸と階上岳を編入し、「三陸復興国立公園」として創設したものです。
 自然の恵みと脅威、人と自然との共生により育まれてきた暮らしと文化が感じられる国立公園を目指します。
 今後、南三陸金華山国定公園について、平成26年中の編入を検討していきます。


自然公園の再編成のイメージ

三陸復興国立公園指定記念除幕式

里山・里海フィールドミュージアムと施設整備

(1)
国立公園の利用施設の被災状況
東日本大震災による被害は甚大で、自然とふれあうためのキャンプ場やトイレ、ホテル等の公園利用施設124事業のうち、約5割が全壊・半壊となりました。


利用施設の被災状況(宮古市浄土ヶ浜)

(2)
国立公園の利用施設の復旧・再整備
東日本大震災からの復旧・復興を進めるために、国立公園内における被災した施設の復旧と再整備を実施しています。
 現在、震災廃棄物由来の再生資材をできるだけ活用し復旧再整備を進めているところです。一日も早い復旧のためにみなさんのご協力をお願いします。
 各地域における復旧の状況は以下のとおりです。

○浄土ヶ浜(岩手県宮古市)

 海岸歩道に漂着したがれきや落石を除去し歩道の通行を確保するとともに、被災したトイレの建替え、崩落の危険がある法面の対策工、地盤沈下による歩道の嵩上対策が完了しました。現在は、ユニバーサルデザインを採用した海岸歩道の整備等を実施しています。
 また、浄土ヶ浜ビジターセンターでは、三陸復興国立公園の指定を記念した特別展示や、各種イベントを開催中です。


浄土ヶ浜海岸遊歩道の復旧状況

>詳細はこちら
浄土ヶ浜地区(岩手県宮古市)の復旧状況と今後の取組について/2012.07.02
浄土ヶ浜ビジターセンターホームページ

○宮古姉ヶ崎・中の浜(岩手県宮古市)

 中の浜キャンプ場は、東日本大震災の津波により大きな被害を受けました。キャンプ場跡地は、自然の脅威を学ぶことのできる場として利用できるよう、公衆トイレと炊事棟を災害遺構として保存するとともに、震災廃棄物由来の再生資材を活用した展望台を津波の遡上高で整備する予定です。
 キャンプ場は、宮古姉ヶ崎の高台に移転し、非常時にも対応できる施設として整備を進めています。


災害遺構として保存する炊事棟

○気仙沼大島(宮城県気仙沼市)

 漂着したがれき類の撤去を行い、田中浜においては被災した体験四阿(自然体験施設)の復旧が完了しました。また、田中浜から高台への園路を避難路として整備しました。今後、震災廃棄物由来の再生資材を活用し、園地の嵩上げ整備を行います。
 小田の浜については、環境省が仮設トイレ・シャワー施設を設置しました。このこともあり、平成24年7月には、宮城県では唯一海水浴場が開設されました。


小田の浜の海開き(平成24年7月)

>詳細はこちら
気仙沼大島(宮城県気仙沼市)の公園施設の復旧状況について/2012.06.20

○碁石海岸(岩手県大船渡市)

 災害廃棄物由来の再生資材を活用し、キャンプ場を非常時にも対応できる施設として整備しています。また、公園利用者のために案内所を設置するとともに、ユニバーサルデザインに配慮した歩道や展望台の整備を進めています。

○種差海岸(青森県八戸市)

 平成25年5月に国立公園に編入した種差海岸階上岳地域において、国立公園の標識の設置や利用拠点の整備を計画しており、青森県八戸市の種差天然芝生地付近には、インフォメーションセンターや駐車場の整備を計画しています。


インフォメーションセンターのイメージ

 このほか、北山崎(岩手県田野畑村) 等で、遊歩道の安全対策を進めるなど、安全かつ快適な公園利用を推進することができるよう引き続き復旧・再整備に取り組みます。

被災地域での民間活動支援(グリーンワーカー)事業の実施

 施設の復旧だけでは無く、民間活動支援(グリーンワーカー)事業等により、地域の方々の協力を得て漂着ゴミの撤去や主要利用コースにおける清掃などを実施しています。

(主な清掃活動)

  • 浄土ヶ浜清掃活動
  • 碁石海岸清掃活動
  • 気仙沼大島清掃活動

 今後も、被災前の美しい自然や観光地を取り戻すための活動を実施していきます。