報道発表資料
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志津川湾のラムサール条約湿地への新規登録について
この度、宮城県南三陸町の志津川湾がラムサール条約湿地に登録されましたので、お知らせします。
1.概要
ラムサール条約第13回締約国会議(COP13)が、10月21日(日)~29日(月)にアラブ首長国連邦のドバイで開催されます。同会議の開催に先立ち、ラムサール条約事務局が置かれているスイスの現地時間の10月18日(木)付けで、志津川湾(宮城県)がラムサール条約湿地登録簿に掲載されました。なお、国内では志津川湾のほかに葛西海浜公園(東京都)が新規で登録され、円山川下流域・周辺水田(兵庫県)の登録区域が拡張されました。
2.志津川湾について
太平洋に面する三陸海岸の南部に位置する海洋沿岸域の湿地です。北方からの冷たく栄養分を多く含んだ海水を運ぶ代表的な寒流の一つである「親潮」と南方からの暖かい海水を運ぶ代表的な暖流の一つである「黒潮」、さらに日本海を北上する暖流の対馬暖流が津軽海峡を東に抜け、その後三陸沿岸に沿って南下する「津軽暖流」の3つの海流の影響をバランスよく受け、多様な藻場が発達しています。
・登録湿地名
志津川湾
・所在地
宮城県南三陸町
・保護の形態
国立公園海域公園地区
・面積
5,793 ha
登録基準 |
該当事項 |
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基準1 |
特定の生物地理区内で、代表的、希少または固有の湿地タイプを含む湿地 |
アマモ場、コンブ場、アラメ場、ガラモ場の4つのタイプの藻場が発達。暖流と寒流の影響を受けマコンブとアラメが混生している。 |
基準2 |
絶滅のおそれのある種や群集を支えている湿地 |
コクガン(絶滅危惧Ⅱ類)、オジロワシ(絶滅危惧Ⅱ類)、オオワシ(絶滅危惧Ⅱ類) |
基準3 |
特定の生物地理区における生物多様性の維持に重要な動植物を支えている湿地 |
アマモ、スゲアマモ、スガモ、タチアマモ等の多様な海草・海藻類が生育。その他海洋生物の餌場や生息地となっている。 |
基準4 |
動植物のライフサイクルの重要な段階を支えている湿地。または悪条件の期間中に動植物の避難場所となる湿地 |
コクガン、オジロワシ、オオワシの越冬地である。 |
基準6 |
水鳥の1種または1亜種の個体群の個体数の1%以上を定期的に支えている湿地 |
毎年100羽以上のコクガンが越冬する(1%=25羽)。 |
【関連Webページ(環境省HP)】
○ラムサール条約第13回締約国会議(COP13)の開催及び条約湿地の新規登録について
https://www.env.go.jp/press/106071.html
○ラムサール条約と条約湿地