太平洋と鹿狼山に抱かれた新地町は、海・里・山の魅力がコンパクトに凝縮した里山。
民家や神社、田園風景を縫った後、山頂から小さくなった町を眺めると、
里山の営みに愛おしさを感じるはず。1日を歩けば、もうひとつのふるさとが見つかります。
10:00
浜通り最北の町・新地町の中心地からスタート!
今回のスタート地点は、福島・浜通り最北の町・新地町役場前のバス停。新地町には、JR常磐線が通っていますが、東日本大震災により被災。運行を見合わせているため、JR代行バスなどが主な公共交通機関となっています※。トレイルマップで方向を確認し、里山に向けて出発!約1.3km (徒歩約16分)
10:20
おだやかな里と海をのぞむ場所で、激しい震災を思う
住宅街を抜け、田園風景を歩いていると見えるのが龍昌寺。ここで旅の安全を祈願します。裏手に回ると、里と海のおだやかな景色が見られる高台があり、伊達右近の墓と震災の集合墓が建立されています。また近くにも観音様のモニュメントがあります。龍昌寺からボヌールやすひろ66に向かう途中には、分岐ポイントがあります。こちらは、分岐を右側(道なり)に進みます。
約4.7km (徒歩約60分)
11:40
地元に愛されるパン屋さんで、
本日のおやつをしっかり吟味
約1.4km (徒歩約18分)
12:10
ひんやりとした名水の泉が心地よく疲れをいやす
道の先に池が見えたら、そのほとりにあるのが右近清水。新地の三清水の1つで、「平成の名水百選」にもなっています。春には池を取り囲むように咲く桜の回廊でも有名。ウコンザクラをはじめとした数種類の桜が競演し、水面に花びらが浮かぶ散り際の情景が、目を楽しませてくれます。約4.2km (徒歩約60分)
13:20
町を見守りつづける鹿狼山に挑戦
鳥居をくぐって鹿狼山へ。新地町には5つの登山コースがありますが、鳥居のある登山口からは、傾斜のきつい眺望コースとそれよりなだらかな樹海コースが選べます。頂上までは、カタクリや紫陽花など季節の花が咲き誇ります。眺望の見事な山として知られる鹿狼山の山頂の見晴らしは最高!小さな民家や田んぼの先に海があるほっこりとした風景や、山の稜線が遠くに見える雄大な景色を眺めながら、持参の昼食をいただきます!買っておいたパンもパクリ。おいしい空気や眺めとともに空腹が満たされていきます。
約1.6km (徒歩約70分)
15:00
山の力が宿るお湯で体がじんわりほぐされる
山を下った後のごほうびは、日帰り入浴もできる旅館・鹿狼の湯。ちょうど登山口にあるので、汗と疲れを流すのにもってこい。岩をくりぬいてつくられた自慢の露天風呂で、相馬平野の眺めをゆったりと独占。そばのおいしいレストランや畳敷きの休憩室もあります。約6.1km (徒歩約79分)
17:00
ぎっしり並んだ元気なお土産、どれにする?
海が近づいてきた頃に見えるのが、あぐりや。毎朝地元の生産者が持ち寄った農産物や加工品が並ぶ直売所です。1日を過ごした新地町のお土産は、どれも旬のものだけに、迷ってしまいます。その場で食べるなら、特産のいちじくを使ったアイスが絶品!約1.1km(徒歩約13分)
17:30
小さな町のたっぷりの魅力が同じ景色を変えていく
旅の終わりは、スタート地点と同じバス停。海、里、山のすべてを足で巡ったあとに見る景色は、朝とは違う情景になっているはずです。思い出をさらに深めるように、帰りのバスで小さくなる新地町を見送り、今日1日お世話になった、もうひとつのふるさとに名残りを惜しみます。