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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2022年3月11日

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2022年03月11日震災遺構・震災メモリアルパーク中の浜

三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子

宮古自然保護官事務所の古館です。

本日311日で東日本大震災から11年。今年は曜日の並びが11年前と同じなので、震災前後の記憶も含め、色濃く蘇ってくる感覚があります。

 

三陸復興国立公園は、昭和30年に創設された陸中海岸国立公園の区域を平成25年に拡張し、創設された国立公園です。豊かな自然と、その地域で暮らす人々の文化や暮らしを感じられるだけではなく、自然の恐ろしさと震災からの復興を感じられる地でもあります。

 


こちらは、震災メモリアルパーク中の浜という震災遺構の施設です。

津波の被害を受けたキャンプ場の一部施設を震災遺構として保存しており、津波の怖さを伝えるほか、今後いつどこで起こるか分からない津波災害への備えについても学べます。今回は、その一部をご紹介いたします。

 


ほぼ被災当時の状態のまま残っている炊事棟(左)とトイレ(右)です。

 

炊事棟の左側の柱は海側に向かって折れており、津波が押し寄せるすさまじさだけではなく、引き波の威力を想像させるものとなっています。

このトイレの左側の基礎部分は写真には写っていませんが、本来ならある土壌が大きくえぐられています。こちらもまた引き波がトイレ横の岩にぶつかり渦を巻いたと想像させます。

 


園内にある展望の丘(左)と展望デッキ(右)からの風景です。

 

どちらも、ちょっとした高台にある景色の良い場所ですが、展望の丘の左側に見える赤いパネルには、東日本大震災の津波が押し寄せた高さを示す線が刻まれています。そう、この高さまで津波が押し寄せたのです。高さ15mほどですが、いざというときにはここよりもっと高いところに逃げなくてはなりません。

この震災メモリアルパーク中の浜の避難場所は、展望の丘の写真で右奥に写っている山の上にある展望デッキです。

園内には避難路に誘導する案内版もあるので、いざというときは慌てずに避難しましょう。

 

このほかにも、津波の遡上高や津波記念碑が守った集落の物語などについても展示しています。

 

震災メモリアルパーク中の浜は20145月に開園し、今年5月で丸8年を迎えます。

※開園から今までの出来事が気になる方はこちらの過去日記をチェック↓

20140618日 震災メモリアルパーク中の浜開園式・植樹祭①

20140623日 震災メモリアルパーク中の浜開園式・植樹祭②

20200520日 宮古市中の浜開園から6年目の生長

 

震災メモリアルパーク中の浜に限らず、いざというときに自分を、大切な人を守るための情報が得られる震災の記憶・記録を伝承する施設が、沿岸各地に点在しています。気になる方は、3.11伝承ロードもチェックしてみてください。

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