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環境モニター制度の説明
2005年12月 東北地方環境事務所
環境モニターの役割
環境問題は、私たちの生活に密着した身近な問題です。
環境省では、地球温暖化をはじめとする地球環境問題や廃棄物やリサイクル問題、そして自然保護問題などの環境問題に国民がどのようにかかわり、解決するためにどのように考えているか、また、どのような環境問題を見聞したり体験したりしているのかを把握し、環境行政の参考としています。
環境モニター制度は、このような環境問題についての住民の方々の意見・要望などを全国的に把握し、これを環境行政に反映させることにより、環境行政の施策の向上に役立てることを目的としております。
このため、地域の環境問題について日頃考え、体験しておられることなどを報告していただくのが、環境モニターの皆様の役割となります。
環境モニターの主な業務
[1] 環境モニター報告
これは、環境モニターの皆様から、当面する環境問題についての意見や要望、あるいは皆様のお住まいになっている地域の周辺で生じている環境問題についての体験や見聞の結果を、随時に、所定の用紙(環境モニター報告書)または電子メールにより報告していただくものです。
内容としては、単なる苦情や陳情ではなく、環境行政の施策の立案などの参考になるような、積極的かつ建設的な意見や要望を期待しております。
例えば、[1]地球環境問題、[2]廃棄物やリサイクル問題、[3]自然保護問題、[4]河川や湖沼の浄化等推進問題、[5]交通公害や大気汚染問題、[6]騒音・震動・悪臭等の大気問題など、様々な環境問題について、「私はこう思う」、「私はこうするべきだと思う」などのお考えや、「私はこういうことを体験した」、「私はこういうほかに推奨できるような事例を見聞した」「私はこういう問題があるということを見聞した」などの報告をお寄せください。
(注) 「環境モニター報告事例」を、いくつかご紹介します。
[2] アンケート調査
これは、当面する環境行政の中からある問題を取り上げ、環境モニターの皆様にお示しし、これに対するお考えを回答いただくものです。(年一回程度)
近年実施した環境モニター・アンケート調査は以下のとおりです。
平成12年度 化学物質対策に関する意識調査
平成14年度 環境情報の収集・提供と環境行政全般に関する国民の意識調査
平成16年度 湖沼環境に関する国民の意識調査
環境モニターの選定
環境モニターは、環境行政に関心を持ち、かつ、環境モニターの仕事に熱意をお持ちの成人男女の中から全国で500人を選定しています。
具体的には、環境省が各都道府県ごとに人口規模に応じた定数を割り当て、年齢・地域別等を考慮し、住民の声を広く把握することを主眼として選定します。
なお、応募者については、当事務所において地域バランスや年齢バランスなどを考慮した上で候補者を選考し、環境省本省において最終的に委嘱します。
なお、次の方々は、環境モニターになることはできません。
(ア) 国会議員、都道府県議会議員及び市区町村議会議員
(イ) 常勤の公務員(官公庁職員、公立学校の教職員、警察官など)
環境モニターでなくなるとき
環境モニターが次の事由に該当するようになったときは、環境モニターの資格がなくなります。
(ア) 国会議員、都道府県議会議員及び市区町村議会議員となったとき。
(イ) 常勤の公務員(官公庁職員、公立学校の教職員、警察官など)になったとき。
(ウ) 健康上の理由など、止むを得ない事情により、環境モニターの仕事を続けることができなくなったとき。
(エ) その他、特別の事由で、環境モニターの仕事を続けることが適当でないと認められたとき。
(オ) 県外への転居したとき。
環境モニターの任期と身分
環境モニターの任期は、原則として委嘱から2年間としています。
(一回に限り再任可)
身分については、公務員の身分を持つものではありません。
環境モニターの報告事例
環境モニター報告について参考としていただくため、お寄せいただいた報告の中から、いくつかご紹介します。
岩手県 自営業 男性 「中学生による清掃登山」
全国的な中高年者登山ブームで、地元の霊峰、県立自然公園である五葉山もかなりの賑わいを見せています。豊かな自然を求め心身を癒そうと汗を流すことは、自然環境に興味を示すことにも繋がります。
5月の快晴の日、地元の中学校行事として清掃登山が行われました。清掃登山は、当初、野球部の有志によって行われていたそうですが、今では学校行事として定着し、もう15年位続いています。地元の中学生といえども、クラブ活動などで忙しい生徒にとっては数少ない自然に触れ合う機会です。登山口から約二時間上がった所に九合目避難小屋があります。生徒たちは、避難小屋広場周辺での清掃をしました。
最近は、登山者のマナーがかなり向上し、目立ったゴミはほとんどありませんが、過去には大量のゴミが地中に埋められました。そんなゴミが風雨によって、土が流され姿を表してきます。生徒たちは掘り出し集めていましたが、あまりに大量のゴミに驚き「なぜ?どうして?」「信じられない」と困惑の様子でした。それでも中学生たちは、快晴の下、太平洋を眺めながら、登山の心地よい疲れと環境美化活動に汗を流し、古里の山に愛着を深めた様子でした。ありがとう、お疲れ様です。
登山行為は自然に触れることで、心が豊かになります。そんな豊かな心を街に戻っても忘れず、ゴミ箱・吸い殻入れなどは必要としないマナーを持ちたいものです。
神奈川県 会社員 女性 「手を離れる前にもう一手間」
様々な資源が分別して回収されるようになりました。先日、資源分別センターに県外に行ってきました。ここでは、空き缶やペットボトルなどを分別してそれぞれ業者に受け渡すまでの行程を行っています。業務の大半は不完全な分別の徹底だそうです。つまり、中身が残っていたり、洗っていなかったり、ラベルがついたままであったりというものをより分け、中身を捨て、洗い、周りの異素材を取り除きラインにまわすという業務です。専門にその業務を行う人を雇うための予算は年間で500万円以上になるそうです。汚れていたり、異物が入っていたり、中身が腐っていたりします。また、分別しながら行うため、時間もかかります。中には処理しきれず、分別収集されても消却ごみにまわされリサイクルされないものもあるそうです。
我が家では、資源ごみが出る場合、ごみにする前に必ずそれらの処理をしてから出すようにしています。中身を捨てて洗い、ラベルをとる。大半のものは1分もかかりません。汚れの激しいものでも3分もあれば完璧です。また、自分で使ったものなのでそれほど汚いとも思いません。
まとめてあとで処理をしようとすると時間もかかり、いやになってしまうものです。それぞれの人がごみとして手放す前にわずかな一手間をかけることで、一気に解決できるのです。
富山県 主婦 女性 「お店とのパートナーシップでトレーを減らします」
日本は資源の乏しい国なのに石油からできている使い捨てのトレーをなぜいっぱい使うのだろう。スーパーではトレーを回収しているからと言って、安心してどんどん使って良いのでしょうか。そんな疑問から、私たちは仲間と共に富山市内のスーパーのトレー使用状況を調べ、冊子を作りました。すべてのトレーをなくすことはできませんが、無駄なトレー包装はまだまだたくさんありました。
スーパーにおける食品トレー使用理由の1位は「見栄え」で、「品質保持」「マナー対策」「産地区分」と続きました。900人の消費者アンケートの中では、「青果のトレーは不必要」という回答が大半だったにもかかわらず、スーパー側の使用理由の第1位が「見栄え」ということでした。まだまだトレー入りの方が見栄えよく、それが消費者の購買につながっていることが多いということです。
消費者の意識を変えることが最も大切ですが、消費者の努力だけでは限界もあります。この調査をもう一歩進め、行政と企業と消費者のワーキンググループをつくり、無駄なトレー削減を実現していこうと思います。
まず、私たち消費者はトレー入りではなく裸売りのものを選ぶこと、そして、裸売りや量り売りを増やしてほしいという声をスーパーに届けることから始めてみましょう。