2021年8月 6日
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2021年08月06日十和田湖夏だより
十和田八幡平国立公園 十和田 伊藤 あけみ
各地で猛暑の報告がされています。
ここ十和田湖畔も観測記録上最高気温だったと、先日の新聞に掲載されていました。
夏らしい風景が広がっています。
〈業務中に通った牧野の風景:入道雲とヨツバヒヨドリ〉
〈水位が下がってきている十和田湖〉
春から取り組んできた、十和田八幡平国立公園写真展の最初の会場の展示が終わり、
少しほっとしている伊藤です。
十和田、盛岡、鹿角3つの事務所のアクティブレンジャー5人が、業務中などに撮った写真を展示し
国立公園の素晴らしさや、環境省の業務内容を広く知ってもらおうと、3年前から開催しています。
東北地方環境事務所ホームページ
http://tohoku.env.go.jp/to_2021/post_149.html
に詳細の案内があります。最寄りの会場に足を運んでいただき、ご意見をいただければ幸いです。
今年度はスマートフォン等でQRコードを読み取る方法でアンケートを実施しておりますので、
どうぞよろしくお願いいたします。
さて時はすでに8月となり、まもなく秋の風が吹くようになりますが、
風のように通りすぎた7月の業務の一部を振り返ってみたいと思います。
7月16日、八甲田山地域高山植物等盗掘防止合同パトロールが行われました。
今年度は、登山道のパトロールはせず、八甲田周辺の道路沿いを巡回し、
周辺の施設への啓蒙や、湿原の巡視等を行いました。
私は田代平湿原やグダリ沼が含まれているコースに参加しました。
〈キンコウカ満開の田代湿原をパトロール〉
〈啓蒙のチラシを配る十和田八甲田地区パークボランティアの会員さん〉
〈八甲田の短い夏を生きる花や虫達〉
8月1日は、雨にも負けず、十和田八甲田地区パークボランティア活動の一つである、
蔦野鳥の森歩道整備を実施しました。
紅葉の時期、朝焼けで赤く染まる沼の様子が、あまりにも有名になってしまいましたが、
この時期の特に雨の日は人も少なく、静かな蔦沼を楽しめます。
紅葉の時期は、渋滞対策による入場制限が今年度も実施されます。詳細はHPにてご確認ください。
https://www.city.towada.lg.jp/kanko/guide/tutanuma.html
〈雨の中の作業お疲れ様です〉
この時期は派手な花は少ないものの、良く目を凝らすと、素敵な物を見つけられます。
〈ハエドクソウ:トイレの虫殺しと教わりました〉
〈ヤマジノホトトギス:ひっそり一株だけ〉
〈ミズヒキ:実になると縁起が良い紅白になります〉
〈エゾアジサイ:受粉が終わるとくるりとひっくり返ります〉
〈蔦沼の中の巨樹の一本ハリギリ:若いうちはトゲがありますが、老木はありません〉
植物も、秋冬の準備が着々と進んでいます。
私も、前を見すえて日々の行動を考えて進んでいこうと思います。
〈田代平湿原の可愛らしいモウセンゴケの蕾と花〉
こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。
さわやかな夏の三陸海岸のはずが、ここ最近は連日猛暑続きです。夏休みの子どもたちも涼を求めて水遊びを楽しみ、二学期が始まる頃には真っ黒こげパン色の肌を自慢し合うのでしょうね。
さて、昨年度に引き続き岩手県の陸前高田市立広田小学校では"みちのく潮風トレイル広田半島マップ"を6年生が作成しています。(昨年度完成報告時の日記)
〈2020年度版の広田半島マップ〉
6年生の総合学習で岩手県立大学島田先生監修のもと「地域を知る」がテーマの授業にみちのく潮風トレイルを取り入れ、私も講師で授業に参加しています。昨年度先輩たちが作ったマップが地域の人たちにも歩きに来たハイカーにもとても好評ですが、その評判を後輩たちも耳にしていて、「自分たちのマップを作るぞ!」と意気込んでいます。彼らは今夏休みですが、このマップの材料となる調べ物や現地確認を宿題として取り組んでいるはずです。暑くて外の調査は大変だけど、2学期になってみんなから提出される結果を楽しみにしているところです。みんながこれまで取り組んできた授業の様子を1学期のまとめとして今回の日記でご紹介しようと思います。
第一回目の授業は6月15日。
島田先生からこれから一年間かけて取り組むマップ作りについての説明と、私から三陸復興国立公園・みちのく潮風トレイルについての説明をしました。広田半島は国立公園に指定されている景勝地が点在し、さらにぐるっと一周トレイルルートが通ってるというこの授業にぴったりな土地です。みんなが当たり前に眺めているこの景色や文化はとても貴重で、大切にしていかなくてはならないものですよという話をしました。今年の6年生はどんな雰囲気かなぁとドキドキしながら話し始めましたが、とても元気で真剣に話を聞いてくれるみんなでホッとしました。
〈日本の国立公園について資料を興味津々に開くみんな〉
〈広田半島の地図に国立公園の範囲を色で塗ってみよう〉
第二回目の授業は6月28日。
みちのく潮風トレイルを実際に体験しようということで、国立公園且つトレイルルートである黒崎仙峡遊歩道をみんなで歩いてきました。この遊歩道を歩いたことがある生徒は20人中たったの2人でした。毎日通う小学校の目と鼻の先なのですが・・・。自然の中を色々教わりながら発見の連続で歩けてみんなだけでなく先生までも楽しんでいたのが印象的でした。ただ歩くだけより、情報を知れるともっと楽しめるよね。歩きに来るハイカーに向けて作るマップのヒントになったかな?
〈歩きながら見つけてビンゴを完成させていきます〉
〈トレイルの標識発見!迷わないようにてっぺんに矢印が書いてある!〉
第三回目の授業は7月14日。
昨年度取り組んでみて、次はもっとみんながマップを使う人について想像できるようにしたいと考え、「ロングトレイルとは」「歩く旅とは」について少し話してみました。「補給をしながら歩き続けること」「ハイカーは衣食住を背負って歩いていること」そんなことを実際のハイカーがもつ装備の写真を見せたりしながら説明したのですが、「そのパッキングってやってみたい!」「ハイカーっておもしろい!」と興味を引き出せたようでした。その説明をしたあと、この回はスペシャルゲストとの対面(Web)を用意しました。実際にみちのく潮風トレイルを歩いたことがあって、世界のトレイルをよく知る、本物のハイカーとふれ合ってほしかったのです。このご時世、遠くから人を呼ぶことはなかなか難しいですが、リモート対面ならいとも簡単にふれあいが可能に・・・便利な世の中ですね。
スペシャルゲストは私たちもみちのく潮風トレイル開通前から大変お世話になっている長谷川晋氏(一社トレイルブレイズハイキング研究所所長)です。世界のトレイルの話から始まり、6年生のみんなに長谷川さんが伝えたいことを熱弁してもらいました。生徒たちにはとても刺激的だったのではないでしょうか。最後は長谷川さんにみんなからの質問タイムで盛り上がりました。
〈人生初の"ハイカーとの対面"+"リモート対面"でみんな少し緊張気味〉
〈たっぷり話を聞いてちょっと疲れたね、みんなで伸びしよう!!〉
〈市観光物産協会の多勢さんから完成したマップがどう使われるか教えてもらいました〉
〈最後に全員で記念写真!みんなで再会を約束し笑顔でお別れです。〉
一学期はこのように3回授業をしました。材料集めを夏休みまでに済ませ、2学期はいよいよマップに落とし込んでいく作業が始まります。完成予定は来年の2月。みんなの目線で見つけた地域のお宝は何でしょうね。今からどんな地図ができあがるのか楽しみでなりません。2学期のまとめとしてこの日記でも途中経過ご報告しますのでお見逃しなく!
昨年度完成したマップはデータでダウンロードできるようになっています。ご興味ある方はぜひ覗いてみてください。⇒みちのく潮風トレイル広田半島ルートマップ(2020年度 広田小学校6年生版)