ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年7月

23件の記事があります。

2021年07月15日「磐梯朝日国立公園磐梯吾妻・猪苗代地域 満喫プロジェクト地域協議会」

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 田中謙行

「磐梯朝日国立公園磐梯吾妻・猪苗代地域 満喫プロジェクト地域協議会」

こんにちは。裏磐梯自然保護官事務所の田中です。

 今回のAR日記は、7月13日に行われた「磐梯朝日国立公園磐梯吾妻・猪苗代地域 満喫プロジェクト地域協議会」設立の報告になります。

「明日の日本を支える観光ビジョン」に基づき、国立公園の「ナショナルパーク」としてのブランド化を目指すため、環境省は「国立公園満喫プロジェクト」を立ち上げております。

 これまでの国立公園満喫プロジェクトの取り組みをもとに、「磐梯朝日国立公園」においても国立公園のさらなる魅力向上、新たな展開を図るため協議会を設立しました。環境省や県、それに関係する市町村、観光協会、山岳会などによるおよそ50人ほどが会場とオンラインに分かれての参加となりました。

会場のラコパふくしま

13:30司会の東北地方環境事務所の苅部氏の発声で開催スタート。

 我らが黒江保護管理企画官が設置要綱の説明をし、中山 東北地方環境事務所長が本協議会の会長を

つとめさせていただく事となりました。

「この地域の魅力を磨いて、そして地元が誇りをもっていけるような、そして多くの人に来ていただく。

当面、コロナでちょっと厳しいけれども、ゆくゆくは海外の人にも来ていただく。というような事を考えながら皆さんと一緒に進めていきたいと思います。」と会長の挨拶。

2025年までの当面の目標として、

・自然を満喫できる上質なツーリズムの実現とブランド化。

・コロナウイルスによる影響前の国内利用者の復活。

・訪日外国人利用者数1000万人目標を見据えた、コロナウイルス影響前の訪日外国人利用者の復活。

・取り組みを行う公園・地域ごとに個別の目標・指標の設定。

などを上げ、今後の部会において具体的な事項の検討を進めて行くとしました。

協議会のメンバーからは、観光客が年々減少している実情などが報告され、「精神文化、食文化とつなげたツーリズム」「農業体験ツーリズム」「自然アクティビティ体験ツーリズム」「教育旅行」などの充実、また「修景伐採、廃屋問題」「二次交通の確保」「登山道、村道の整備」などなど様々な課題が上がりました。

 この協議会を通して、国立公園を軸に利用することで(自然を壊すことなく)地域の活性化に繋げて行けるよう裏磐梯自然保護官事務所も一丸となって進みたいと思いました。

 良い意味で稼げる国立公園めざして頑張っぺ。

今回はこれで、おしまい。

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2021年07月14日八幡平外来植物駆除キャンペーンに参加しました

十和田八幡平国立公園 工藤紀恵

皆様こんにちは。盛岡管理官事務所の工藤です。

先日、八幡平市観光協会並びに八幡平市主催の八幡平外来植物駆除キャンペーンに参加しましたので、ご報告したいと思います。

このキャンペーンは毎年7月に八幡平市松尾中学校の全校生徒が、特別保護地区に指定されている八幡平山頂付近に入り込んだセイヨウタンポポやフランスギクを駆除するもので、環境省の他、岩手北部森林管理署、岩手県、八幡平自然散策ガイドの会などが協力し、当日は約100名の参加者がありました。

開会式では、松尾中学校の生徒さんが、「自分たちが誇りに感じている八幡平の自然景観を守るためしっかり駆除活動をしたい」と「宣誓」を行った後に、盛岡管理官事務所の塩野管理官から、タンポポは根を深く張っているため途中で切ってしまわないように慎重に作業する必要があること、他の高山植物にダメージを与えないように等注意事項の説明がありました。

それぞれの班に分かれて1時間半程度の作業を行いました。松尾中学校では、本キャンペーンのために事前授業を行っており、生徒さんは高山植物や国立公園について予め学んでいたため、作業中に私が出した高山植物名前あてクイズや、国立公園に関するクイズにもすんなり答えてくれました。岩手県には十和田八幡平国立公園、三陸復興国立公園の2公園があり、豊かな自然を未来に引き継いでいく必要があると、うっすら感じていてくれていました。今はうっすらでもその種は10年20年経った後にはより色濃く、大きく成長してくれていると思います。

大きなごみ袋に3つほどタンポポの駆除ができました。

八幡平の自然を守るために若い皆さんが汗を流してくれていることを、AR日記をご覧の皆様にお伝えできて嬉しいです。日常の業務では若い方々と接する機会が無いので、私にとって新鮮な1日となりました。

国立公園でお会いしましょう。

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2021年07月13日十和田ビジターセンター企画展「霊山十和田への旅ー十和田湖へ続くいにしえの道ー

十和田八幡平国立公園 村田 野人

こんにちは、十和田八幡平国立公園管理事務所の村田です。

 今回は、企画展の紹介です。十和田ビジターセンターでは先週7月8日より企画展「霊山十和田への旅ー十和田湖へ続くいにしえの道ー」を開催しています。開催期間は令和3年10月3日(日)までです。

ポスター:霊山十和田への旅 十和田湖へ続くいにしえの道

 今回の企画展は、昨年、秋に実施した企画展「忘れられたもう一つの十和田湖『霊山十和田』」に続く十和田湖の信仰の歴史の第2弾です。第1弾では、霊山十和田の信仰の世界観について取り上げました。今回は、霊山十和田へ至る「道」についてです。

 かつて、十和田湖へ参拝するための道は、五戸町、十和田市、鹿角市、小坂町など多方面からあり、多くの人が信仰しそれを維持していました。また、途中には、儀式を行うための滝や岩、山や湖を望む遙拝所がありました。近年、地元有志の調査で、それらの遺跡が次々明らかになってきました。

 企画展では、十和田湖へ至る複数の古道の場所、古道上の遺跡について紹介し、参詣人の旅の様子について解説します。現在も歩くことのできる道やお参りできるお堂、当時の人々が拝んだ絶景ポイントがわかります。遺跡は国立公園の観光スポットとして有名な場所のすぐ脇にある場合もあります。参詣の最終地点である休屋にも複数の遺跡があります。企画展を見ていただければ、十和田湖が全然違って見えるかもしれません。十和田ビジターセンターをご覧になったあとは、江戸時代の旅に思いをはせつつ、散策してみてはいかがでしょうか?

 なお、十和田ビジターセンターでは、新型コロナウィルス感染症への対策を実施しております。お越しの際はマスクの着用をお願いいたします。

展示状況写真

※企画展の詳細はこちら

タイトル     霊山十和田への旅-十和田湖へ続くいにしえの道ー

主  催     十和田ビジターセンター運営協議会

監修・協力   十和田湖伝説の伝え方を考える会

協力   (一財)自然公園財団十和田支部

  東北地方環境事務所 十和田八幡平国立公園管理事務所

日  時     令和3年7月8日(木)ー10月3日(日)9時ー16時30分

         (期間中の休館日:7月14日(水))

場  所     十和田ビジターセンター

内  容      昨年度おこなった十和田山信仰の世界観についての企画展に続いて、発見の著しい霊山十和田への参詣古道についての企画展を『霊山十和田への旅』、『十和田湖へ続く道』をテーマに実施、十和田八幡平国立公園の新たな魅力を発信する。

問い合わせ    十和田ビジターセンター運営協議会

         TEL 0175-75-1015

         FAX 0175-75-1016

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2021年07月12日梅雨寒(つゆざむ)の日に

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

この日の執務室内の気温22度、外は20度を下回っていました。常時窓を開けているので半袖でいるには少し肌寒い、シトシト降り続ける雨、まさに梅雨寒。今週中には梅雨明けかと言われていますので三陸の今年の梅雨は短かったです。

"アリスの不思議な国"に迷い込んだような色合い、露をまとうガクアジサイ

そんな日ではありましたが、碁石海岸の植物調査へ傘を差しながら繰り出しました。

「植物調査」といいましたが、碁石海岸では園地内の植物について、環境省パークボランティアと碁石海岸インフォメーションスタッフで1年間とおして1~2回/月のペースで観察&記録するという試みを今年度行っています。植物の名前調べはもちろん、開花時期や見られるエリアも記録するので碁石海岸来訪者へのご案内に役立ちますし、今後の環境変化など調査する際のベースが作れると思っています。三陸復興国立公園の指定植物一覧とのすり合わせも行い、園内にある指定植物の把握もこの機会にしたいと思います。

思わぬ珍客に出会えることも!こちらは「キツネノハナガサ」。

儚くて美しいきのこです。雨に打たれてもう萎れかけでしたが、

開いている時間が数時間という幻の存在だそうです。

ちょっとの刺激で倒れてしまうので息を止め、触らぬようそっと観察しました。


こうして撮りためた記録は、載せる種類を精査し、碁石海岸植物ハンドブックのような冊子にできたらいいねと皆で盛り上がっています。4月からこれまで行った調査6回、チェックした植物は150を超えました。盛夏~秋に最盛期を迎える植物もたくさん控えているので、一年間でどれだけの植物と出会えるか楽しみです。

下の画像はこれまでの記録の一部です。葉⇒つぼみ⇒開花⇒結実と一連が見られるので、葉っぱだけだと分からないものは、花が咲くであろう1ヶ月後に答えあわせのクイズのようです。

雨の日の観察もいいものです。雨だからこそ見えるものがあります。帰り道ではでんでんむしとばったり会うこともできました。車道に出てきていたので葉っぱに乗ってもらい、茂みの中へご案内しました。

雨の日の話題を書きましたが、昨今の土砂災害や大雨・浸水など被害に遭われた方々へ心よりお見舞い申し上げます。

降雨の程度や前線の発生場所などについては人類誰もコントロールできるわけもなく、うける地面側がどんな状態であるか知っておくことがせめて自分にできることでしょうか。

巡視をしていて「土石流危険箇所」の看板があり、そのまわりや麓が住宅地という場所があったりします。自分自身がどのような土地に住まいを構えているか、地域のハザードマップやまわりの環境を確認し、家族全員で把握し備えなくてはと強く思います。

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2021年07月09日いよいよ始動!登山道保全作業!

磐梯朝日国立公園 羽黒 風間彩野

こんにちは。

羽黒自然保護官事務所の風間です。

今年度、磐梯朝日国立公園では登山道の保全作業が行われます。毎年、飯豊連峰保全連絡会、朝日連峰保全協議会を中心に行われています。前年度は新型コロナウイルスの感染状況を考慮し中止となりましたが、今年度は規模を縮小して作業を行います。

人為的な行為によって荒廃してしまった登山道を修復する、素晴らしい活動です。

いろいろな方にこの活動を知ってもらいたいものです。

さて、7月3日に登山道保全資材の梱包作業が行われました。一般の方からも募集し、大人数での作業となりました。この保全資材は飯豊連峰の天狗平ロッジ・朝日連峰の日暮沢小屋に置き、一般登山者の方に荷揚げの協力をいただいて山の上まで運びます。朝日連峰の以東岳へは、ヘリでの空輸も行います。

大きな塊の保全資材を、数キロずつに分け、ぬれないように梱包していきます。

中の空気を抜くために掃除機を使い、二重の袋で梱包しました。

皆さん作業がとても早く、午後までかかる予定でしたが午前中で終わりました。

3kg、5kg、11kgの重さの保全資材ができあがりました。

このあとそれぞれの登山口に搬入し、荷揚げの準備は完了です!

では、ここで、荷揚げ情報を掲載します。是非ご参加ください!

ーーーーーーーーーーー―荷揚げ情報―ーーーーーーーーーーー

●飯豊連峰 天狗平ロッジ

      荷揚げ先:丸森尾根

●朝日連峰 日暮沢避難小屋

      荷揚げ先:竜門小屋3階・狐穴小屋1階

7月4日~

どなたでも荷揚げに参加していただくことができます。

ご無理のない範囲での荷揚げの協力をお願いいたします。

荷揚げの際は、名簿にご自分のお名前や荷揚げした重さ等を記載ください。

登山道保全活動にご理解とご協力をお願いいたします。

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2021年07月08日文月の雨

十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ

先日の土砂災害の被害に遭われた方々へ、心からお見舞い申し上げます。

慈雨といわれるように、花や樹木を慈しむような雨もあれば、

時には豪雨のようにまとまって牙をむく。

十和田湖畔も雨が降り続いています。

そんな中で、今日も平穏で仕事をさせていただくことの

感謝の気持ちでいっぱいの朝でした。

通勤路で今年も見かけた、ミヤママタタビです。

〈7/6花はまだ咲いていないようでした〉

北海道を旅していると、あちこちで見かけるピンクの葉(一見花のように見えて、

ずっと何の花だろうと思っていた)が、本州のマタタビの仲間だと教わりました。

標高や緯度が高い場所にあるのか、八幡平の奧山にもあるという情報もあります。

6月後半の業務の一部の様子をお知らせします。

6/20八甲田パークボランティア オオハンゴンソウ防除活動

  〈作業説明:二人一組で根から引き抜くように説明〉

〈地域の方に呼びかけて参加者を募りました〉

  

〈大きな根はなかなか抜けない〉

〈自家製クロモジ茶を準備しました〉

〈当日の成果ゴミ袋7袋〉

6/26白神ブナモニタリング調査

※ブナモニタリング調査の詳細は:"http://monitoring.sakura.ne.jp/what/"

〈世界遺産のブナの森からのぞむ岩木山〉

〈とてもめずらしいホソツクシタケ:ホオノキの実にしか生えない〉

世界遺産白神ブナの森は、写真を撮る余裕があまりありませんでした。

6/30十和田山調査同行

今回は通常ルートからです。

〈ここから入って行きます〉

〈途中から少しだけ十和田湖の展望〉

〈長身の人は屈まないと歩けません〉

〈山頂で計画を練っています〉

〈展望が少ない中、高田大岳が見えて嬉しくなります〉

〈つい岩手山を探してしまいます〉

〈岩木山ものぞめました〉

事務所周辺の草刈り中に、ふと手を止めたら目に入った四つ葉のクローバー。

刈り取る前に、掘り起こしてみました。

成長点が踏みつけられることや、突然変異でできる確率は10万分の1ともいわれます。

牧草として利用される別名シロツメクサ(白詰草)は、江戸時代にオランダから

ガラスが輸入される際に詰め物として入っていたものが

発芽して広がったという説があります。

調べると様々なエピソードがあり興味深いです。

幸せの象徴とも言える四つ葉のクローバーが、

みなさんの元にたくさんの幸福を運んで来ますように。

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2021年07月08日森吉山野生鳥獣センター 6月の観察会と7月のお知らせ

秋田 成田苑子

皆さま、はじめまして!

4月より秋田自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーとして着任いたしました、成田苑子と申します。

さて、北秋田市にある森吉山野生鳥獣センターでは今年もイベントを実施しております!

6月の観察会のご報告をさせていただきます。

<カエル・イモリ観察会>

612日(土)、今年度最初のイベントである「カエル・イモリ観察会」を実施しました。

今年もNPO法人秋田水生生物保全協会にご協力いただき、開催いたしました!

当日は、森の中の湿度と気温が高めで、カエルやサンショウウオの観察にはばっちりの天候!

どんなカエルたちと出会えるのかわくわくです。

参加者の方にも水辺にはいり、卵を探してもらったり、発見したカエルを手に乗せてみたりと、どっぷりと両生類の世界の浸っていただきました。

また、遊歩道沿いでちょうど産卵しているモリアオガエルと出会うことができました!

大人が夢中になっている姿がとても印象的な観察会でした♪

<野鳥観察会>

カエル・イモリ観察会の次の日、613日(日)には、日本野鳥の会 秋田県支部の皆さまにご協力いただき「野鳥観察会」を実施しました!

この日もムシムシした天気でしたが、鳥見にはちょうどいい天候でした。

実は、前日のカエル・イモリ観察会と同じルートを使用しましたが、足元に注目して歩くのか、

頭上の様子や音に注目して歩くのかで森の様子も違って見えました。

お昼ご飯も森の中でのんびりと♪森の中はやっぱり気持ちがいいですね!

野生鳥獣センターに戻り、観察できた鳥の種類を確認すると、28種類になりました。

声だけ聞こえた鳥もいれば姿をばっちり確認できた鳥まで色々でしたが、沢山の鳥たちが森吉の森に暮らしていることが確認できました。

また、観察会の最後には、「100年後の森づくり」と題して、植樹体験も行いました。

秋田県自然保護課の職員の方に指導していただきながら、クマゲラが棲む森を想像して植樹を行いました。

7月も10日(土)に樹木観察会、24日(土)にコウモリ観察会、25日(日)に昆虫観察会と盛りだくさんの

予定です。

是非ご参加ください!

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2021年07月07日歴史がつまった月山開山祭

磐梯朝日国立公園 羽黒 風間彩野

皆様こんにちは。羽黒自然保護官事務所の風間です。

「出羽三山」をご存じでしょうか。出羽三山は、古来より日本三霊場の一つとされ、羽黒山・月山・湯殿山の三山のことを指します。羽黒山では現世利益を、月山で死後の世界を体験し、湯殿山で新しい命をいただいて生まれ変わるという類いまれな「三関三度(さんかんさんど)の霊山」として栄えてきた山です。1400年もの長い歴史の刻まれた聖地となっています。

その中の「月山」において、7月1日に開山祭が行われました。

当日は、平日にもかかわらず車が沢山止まっていました。

弥陀ヶ原は、月山八合目駐車場からすぐに行くことができます。

7月中旬以降、もっと花が見られますが、今はちらほらと咲いていました。ニッコウキスゲと前を歩く

澤野保護官です。

池塘と呼ばれる池が点々と存在する湿原です。右には鳥海山、左には庄内平野が広がっています。

月山に上る道には、歴史を感じることができる場所が沢山ありました。

とても風が強い天気でした。ダウンとフリースとニットの帽子を出したくらいです。7月の月山はまだ雪が残っています。登る際は、下の街が晴れていても防寒対策をしっかりとしていきましょう。

開山祭が行われる月山神社より先に月山の山頂に到着しました。ガスがかかっていて、周りは何も見えませんでした。晴れていると展望はいいようですが・・・。

月山の開山祭は撮影が禁止されている神聖な場所で行われましたので写真はありませんが、信仰が脈々と受け継がれているのだということを実感できた開山祭でした。

下山してくるとすっきり晴れました。

これからも出羽三山信仰が受け継がれていくことを願っています。

是非月山に登ってみてくださいね。

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2021年07月06日八幡平での高山植物盗採防止パトロール

十和田八幡平国立公園 鹿角 谷川真実

こんにちは。鹿角管理官事務所の谷川です。

季節も夏になり、山の植物たちもみんな生き生きと生命力に溢れています。

先月八幡平にて、盛岡管理官事務所と合同で「十和田八幡平国立公園八幡平地区高山植物盗採防止パトロール」を実施いたしました。

このパトロールは秋田・岩手両県の高山植物の生育状況及び盗採防止策の検討、公園利用者に対する高山植物保護の啓発を行うものです。

八幡平山頂付近一帯は特別保護地区に指定されています。

特別保護地区とは、全ての植物(キノコを含む)の採取や損傷、落葉・落枝の採取が規制されている地区です。絶対に植物を傷つけてはいけません。

                   パトロールの様子です。

秋田側はドラゴンアイ経由、岩手側は黒谷地から、2班に分かれてスタートします。

秋田側は、東北森林管理局、秋田県、鹿角地域振興局、鹿角警察署、鹿角市、自然公園財団、鹿角管理官事務所の職員の12人でパトロールを行いました。

チングルマ、ヒナザクラ、ワタスゲ、ショウジョウバカマ、イワナシ、キヌガサソウ、シラネアオイ、サンカヨウ、エンレイソウ、ベニバナイチゴ等の様々な植物を確認することができました。

     

         ベニバナイチゴ                 チングルマ

さて盗採です。

ドラゴンアイにさしかかった辺りでフキノトウが抜き取られた跡を発見しました。

                    抜き取られたフキノトウ

規制されていると知らずに取ってしまったのか知っていての確信犯なのかは分かりませんが、ここでの採取は禁止されています。

また、歩道を外れて歩いた事による植生の損傷も確認できました。

                 (2021.6.18当日のドラゴンアイ)

近年、ドラゴンアイは人気スポットになっており、非常にたくさんの方がドラゴンアイを見に八幡平に訪れます。

一人一人がきちんとマナーを守ることが大切です。

パトロール後、見返峠駐車場で岩手班と意見交換をいたしました。

ドラゴンアイの季節に限らず八幡平は非常に美しい自然がたくさんあります。

マナーを守り、美しい八幡平の自然を守っていきましょう。

環境省は今回の結果を踏まえ、登山者に注意を呼びかけるとともに、今後もパトロールを継続していきます。

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2021年07月06日小学校で授業を行いました

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 村上英夫

先日、地元の小学校の授業に講師として参加しました。ここ数年、毎年お手伝いさせていただいています。

まず6月28日(月)に外来種と特定外来生物についての授業を行いました。生徒は小学3年生8名。

この授業は、後日、野外で実施される「自然体験教室」の事前学習です。

パワーポイントを使って授業を進めます。これは当事務所の先輩レンジャーさんが作ってくださった

教材です。外来種の説明の後、裏磐梯に生息する特定外来生物のウチダザリガニを紹介します。

村上:沼にはいろんな生き物が住んでいますが、さあ、ウチダザリガニが入ってきたらどうなるんだろう?

生徒:うわあああああ(悲鳴)

村上:というわけで金曜日に、みんなにザリガニを減らすお仕事を手伝ってほしいんです。

手伝ってくれるかな?

生徒:は~~~い! 

村上:でも、沼の生きものたちを食べたり追い出したりするウチダザリガニは、悪者なのかなあ、、、

生徒:僕はちがうと思う。だってウチダザリガニは人間に連れてこられたんだから、、、悪いのは人間!

村上:ん~、そうだね~。ウチダザリガニはただ一生懸命に生きているだけなんだよね。

というようなお話を踏まえて、週末の金曜日に曽原湖の近くの小さな沼で、ウチダザリガニ釣りが行われ

ました。

村上:釣ったウチダザリガニは他の場所に持って行くことはできません。ではどうしたらいいだろう?

生徒:(ちょっと考えて)食べる~~~!

村上:そうだね。生きものはみんな他の生きものの命をいただいて生きています。このザリガニはレンジャーがいただくことにします。

生徒:僕たちも食べたーい!

村上:ん~、残念だけどみんなはもう学校へ帰らなくちゃね。

生徒:はーい。でもちゃんと食べてあげてね~。

村上:ありがとうという気持ちでいただきます。

生徒:クロレンジャー、ムラレンジャー、今日はありがとうございました~

一緒に参加していたレンジャーの黒江さんは「クロレンジャー」、アクティブレンジャーの村上は「ムラレンジャー」という愛称を子供たちからいただきました。終始、黄色い元気な声に包まれ、好奇心にあふれた瞳の輝きに触れ、こちらが元気をもらえた心温まる2日間でした。

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