ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

2021年5月14日

2件の記事があります。

2021年05月14日夏の訪れの予感

磐梯朝日国立公園 羽黒 風間彩野

気温が一気に上がってきました。

田んぼにも水が入り、蛙の鳴き声が合唱のように聞こえます。

夏の訪れを感じる今日この頃です。

羽黒山の麓に、月山ビジターセンターがあります。

ここでは、月山登山や周辺の散策に役立つコース案内、周辺の自然の季節情報の発信や出羽三山の資料の掲示等を行っています。週末にはイベントも行われていることがあるので(新型コロナウイルスの影響で延期、中止等になることがございます。あらかじめご了承ください。)、是非足を運んでみてください。

さて、月山ビジターセンターの裏には、散歩道があることをご存じでしょうか。

GW頃から木々が青々としてきました。

すてきな小道です。

頭の上では鳥たちが会話をしていました。夏が来たね、気持ちいいね、なんて話していてほしいものです。

森などの、自然の中を歩くと、ふと気持ちが良くなったり悩み事が軽く感じられたりした経験はありませんか。この現象は科学的にも根拠があり、「森林セラピー」として療法に用いられることがあります。現在では「自然欠損症」という症状まで認識されるようになっており、あまり自然に触れた経験のない子供は、暴力的になったり落ち込みやすくなったりする傾向があることがわかっています。人間の心のどこかにはまだ森で暮らしていた頃の名残があり、無意識に自然を求めているのかもしれません。

また、街中では厄介視される落ち葉ですが、森の中では様々な機能を果たしています。昆虫のえさ、動物の寝床、菌類の菌床、雨水をため込む効果まであります。そしてこの落ち葉がボロボロになって腐ることによって木や草の栄養となります。森のなかの生き物は、自分が落とした葉で自分の栄養を作るのです。これを専門用語では、「自己施肥」といいます。自然には無駄がないということです。まさに資源の循環ですね。

奥に歩いて行くと、展望台があります。

展望台からの景色は来てみてのお楽しみです。

今年も新型コロナウイルスの感染拡大により、思うような生活ができませんが、そんななかでも自然はいつもと変わらず、常に営みを続けているのですね。

月山ビジターセンターに足を運んだ際は、是非裏の小道を散歩してみてください。また、うまくいかないことがあったり悩み事ができてしまったときにも、森に足を運んでみてください。今の季節にしか感じることができないさわやかな森を味わうことができるはずです。そして、帰る頃にはきっと気持ちが晴れ晴れしているはずです。

ページ先頭へ↑

2021年05月14日クロコシジロウミツバメを迎える準備万端!

三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子

みなさん、こんにちは。宮古自然保護官事務所の古館です。

爽やかな春風に包まれた512日、国指定鳥獣保護区に指定されている日出島に上陸してきました。

 

上陸は昨年の9月以来8ヶ月ぶり。

9月の調査はこちらから

 

今回の目的は、修理した巣箱の再設置ほかいくつかありましたが、まもなくクロコシジロウミツバメが営巣にやってくるので、設置している巣箱の入口をきれいに整えてきました。

巣箱の中はクモの巣などがあったりする場合もあるので、快適に住みやすいよう綺麗に掃除。

【左:作業前 右:作業後】

 

そんな中、2箇所の巣箱にクロコシジロウミツバメよりも先に飛来するコシジロウミツバメを確認。1箇所には1羽、もう1箇所はペアで巣箱を使用していました。

オスメスの外見は一緒で見分けが難しいですが、山階鳥類研究所の方に教えていただいたところ、おなかの抱卵班(卵を温めるために、お腹の羽毛が抜けて皮膚が見えているところ)が濃いほうがメスだそうです。

【赤丸部分が抱卵班】

※鳥獣捕獲の許可を得た専門家が捕獲しています。

 

昨年は、クロコシジロウミツバメの成鳥と雛も確認しているので、今年も巣箱を利用してくれることを願います。

では、また!

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ