2021年5月11日
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2021年05月11日いよいよ始動開始!
白神山地 神孝子
みなさん、こんにちは。西目屋事務所の神です。
めっきり春めいてきたなと思っていたら、もう5月も半ばになろうとしています。
今年の冬は雪の降り方が面白く、降っては消え,降っては消えの繰り返し。
昨年より、雪かきをしたなぁと感じた割には、あっさりと消えてくれました。
雪解けと共に、こちら(西目屋)では、いよいよグリーンシーズンの到来です。
野外活動を開始してから早1ヶ月が過ぎてしまいましたが、
今日はその活動の一部をダイジェスト版でお伝えしたいと思います。
↑まずは、こちらの写真。これから一体、何をしようとしているのでしょう・・。
※右手にあるのは毘沙門天の「如意宝棒(にょいほうぼう)」ではありません。
正解は・・・・
←こちらです。
入山者数カウンタの計器の支柱を設置するために深さ40cmー50cmほどの
穴を開けているところです。こちらの写真は、昨年の4月、着任後すぐに白神岳に設置に行った時の雪本保護管です。(西目屋に来るや否やこの作業・・・・。この時は地盤が堅くて、なかなか刺さらず木槌がへこみました。)
・・・という訳で今年は「かなてこ」を購入してもらい作業もラクラクに。
この作業を疎かにすると計器が風で倒れてしまします。
大体1ヶ月に1度、データの回収に行くのですが、
もし、倒れてしまっていたら次のメンテナンスまで、入山者の人数が
カウントされない事態になってしまいます。
目には見えませんが、この作業はとても大事なことの一つなのです。
時々、クマの顔が"どアップ"で写り、迫力のシーンが撮れます。
また、この日、白神岳の登山口付近に、見慣れない物体が多数ありました。
下記の写真をご覧下さい。
↓
保護色のビニールシートなので、分かりにくいのですが何かを覆っているようです。
↓
拡大してみましょう。
こちらにはドリルで開けた穴が・・・・。もしや、これは・・・
ご存じの方もいらっしゃると思いますが、昨年、白神山地周辺で確認されたナラ枯れのくん蒸処理です。
写真は白神岳(日本海側)の様子ですが、内陸の西目屋村側でも確認され衝撃が走りました。
上の写真は、被害木に付いたカシノナガキクイムシ(以後カシナガ)
を伐倒くん蒸処理し、ビニールで覆い駆除する方法で、
下の写真は木に直接、薬剤を注入する立木くん蒸処理という方法です。
この作業は、カシナガが活動を休止している間(雪が降る前)にしなければなりません。
活動期に木を切り倒せば、別な木に移動し、さらに被害が拡大するからです。
なので活動が停止した秋に、一気に処理をします。
西目屋村の今年の冬は、厳しい日もありましたが比較的暖かな冬だったと思います。
今年は被害が増えないことを願いつつ、日々の巡視にも目を光らせたいと思います。
山での巡視は観察力、注意力、危険察知能力やリスクマネジメントが常に求められます。そして何より豊富な知識と経験は、自分の足で歩かなければ手に入りません。
私はまだ、白神山地のほんの入口を少し覗いたばかりなので、今年はもっと掘り下げて調べてみたいです。
白神は知れば知るほどおもしろい!
【白神山地高倉森のスプリング・エフェメラル達】
【高倉森からの津軽富士「岩木山」の展望は素晴らしい】
【おまけの話】
ブナ林散策道へ向かう入口の所に、環境省の世界遺産地域境界の標柱が立っているのですが、ここにくっついているこのクマゲラ君。
実は今年、お嫁ちゃんをもらうことになりましたー!
西目屋村では世界自然遺産登録30周年を前に、この標柱の向かい側にメスのクマゲラを置くそうです。完成すれば「つがい」のクマゲラが誕生。
もう、うちのクマゲラ君も寂しくはありません。
ここ数年、白神山地では声さえ聞かなくなったクマゲラですが、希望を捨ててはおりません。
この広大な白神山地のどこかに、きっとひっそり暮らしていると信じています。
「おとこもすなる日記といふものを 女もしてみむとてするなり」
通勤路でふと頭の中に浮かんできたフレーズは、
高校時代大好きだった授業のひとつ
「古典」のなかにあった「土佐日記」の冒頭でした。
日々、外の業務が増えるこの季節、
日記を記す時間がなかなか無いのですが、
写真だけは増えていきます。
そんな日常を写真でお伝えしようと思います。
〈5/2奥入瀬渋滞対策業務に向かう途中の奥入瀬渓流〉
〈5月2日:奥入瀬渓流渋滞対策業務〉
朝はみぞれの寒い一日、大きな渋滞もありませんでした。
〈5/6満開のサクラと橙色から萌葱色に変わりつつあるカツラ〉
〈満開のオオヤマザクラと白きたおやかな櫛ヶ峯〉
〈5/7休屋から子の口に向かう途中、宇樽部湖畔のニリンソウ群落〉
〈花びらは5枚~9枚までを見つけました〉
〈5/9十和田八甲田地区パークボランティアの皆さんと西湖畔自然観察会〉
〈雨だからこそ見られる花の風景〉
長い雨にあたった花びらが、水分を含んで透き通ってガラス細工のようです。
〈愛おしくて近くに顔を寄せてしまいます〉
〈西湖畔に多く見受けられる、クルマバツクバネソウ:葉が5~8枚まで見つけました〉
〈オヒョウの葉っぱは何故にこんな形なのでしょう?〉
〈カルガモの毛繕い:器用に足も使う〉
〈カツラの倒木には様々な植物が根付いて小さな庭園になっています〉
〈西湖畔の歩道は今ニリンソウロードになっています〉
日々刻々と変化する季節を楽しむ、そんな心のゆとりを持って生きたいものです。