ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2012年9月

7件の記事があります。

2012年09月28日「秋田駒ヶ岳登山道整備」

十和田八幡平国立公園 鹿角 阿部 明広

 9月24日(月)秋田駒ヶ岳シャクナゲコース、焼森付近の登山道整備が行われました。
この作業は公益信託自然保護ボランティアファンドの助成を受けて一昨年から行われているものです。

 東八幡平地区PV「ホシガラスの会」の奥州谷会長の呼びかけに今年も秋田県、仙北市、南八幡平を美しくする会などから総勢30名ほどの参加がありました。 
あいにくの小雨、背負いあげる資材は矢板、杭、植生回復マット、鉄筋などが八合目の避難小屋の前に広げられていましたが、手際よく分担され、作業が始まりました。

 現場では主に、流れる砂礫を矢板で止める作業、植生回復のためのマットの敷設などを行いました。マットから植物の芽が出ているなど一定の効果を確認することができました。登山者の方達から、ねぎらいの声をかけていただきました。

 来年も9月の第4月曜をこの作業を行うことにして本日の作業を終了しました。
 


あいにくの雨の中の荷揚げ作業。荒い息づかいが聞こえてきそうです。

矢板を取り付けるための杭の打ち込みを行うPV奥州谷会長。足下には昨年、一昨年に取り付けた矢板がまだ、流れる砂礫を止めています。

雨が上がり、記念撮影。後ろには片倉岳と八合目の避難小屋が見えています。今年も大勢の皆さんの協力により、秋田駒ヶ岳の登山道の補修作業を行うことができました。

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2012年09月20日朝日連峰・保全修復工事が完了しました。

磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹

 朝日連峰で実施している保全修復工事ですが、以東岳直登コースに続き、9/11~金玉水の施工を行いました。


 金玉水はかつて美しい雪田草原だったそうですが幕営地として利用された影響によって、現在は大規模に裸地化・崩落しています。
一雨降る度に土砂崩落が進み侵食が進行してしまうほど、深刻な状況です。


 写真は粗朶(昔から河川工事や暗渠排水等に活用されている広葉樹の枝)を使った土留め工です。
金玉水は地形的に雨が降ると雨水が集中し、その集中した水によって侵食が進行しています。
土砂を堆積させること、水が流れる速度を遅くして今以上の侵食を防ぐことを目的にこのような施工を行いました。


 こちらは別の粗朶と現地の石による施工です。



 雨水を集中させず分散させて排水させると、水による侵食作用を低減できます(これを分散排水と言います)
写真は、分散排水させるために、地面を掘って粗朶を詰めて暗渠排水を設置している作業です。


 最終日は天候に恵まれ、無事ヘリコプターによる荷下ろしも完了しました。
 地元山岳会や大朝日小屋の管理人さんを始め、様々な人に支えられ、9/14に一通りの作業を終了することができました。


 施工後の金玉水全体像の写真です。
分かりにくいかもしれませんが、景観になじむ整備を行いました。

 工事は終了しましたが、施行箇所は土砂が安定するまで少し時間がかかります。通行の際は十分にお気をつけてお通りください。

 飯豊朝日両連峰ではそれぞれの山を愛する人たち、関わる人たち、登る人たちの協働により、原始性の高い自然を永続的に維持することを目的とし、多様な主体が多様な方法で山を守ってきています。
 今回環境省が行った整備がその一助となることを願ってやみません。

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2012年09月13日登山道の通行状況について

磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹

 残暑が厳しい日が続いていますが、ようやく朝夕に秋を感じるようになりました。 
 
 夏山の時期も終わりが近く、これからはいよいよ紅葉シーズンです。
紅葉の山歩きに向けて、登山計画を立てている方も多いと思いますが、現在工事中の林道や通行に支障がある登山道がいくつかあります。

 下記に状況をまとめましたので、登山計画にお役立て下さい。

<月山>

・肘折コース
   念仏ヶ原と千本桜の中間にある清川橋が雪害によって倒壊しています。
   通行することは困難です。

<朝日連峰>

・白滝コース
   登山口から3基目の目白沢橋が損傷しています。
   地元山岳会によって通行できるように応急処置が行われていますが、
   十分に注意して通行して下さい。
・日暮沢小屋林道
   9月下旬まで日暮沢小屋への林道が工事の為、小屋手前約3キロの砂防ダムから車による通行ができません。
   砂防駐車場に駐車して徒歩で日暮沢小屋まで通行して下さい。

<飯豊連峰>
・ダイグラ尾根コース
   檜山沢吊り橋のワイヤーが破損し、人が渡ることができない状態です。
   渡渉することも困難です。
・杁差岳西俣コース(大熊尾根)
   大熊小屋手前の本流に架かる橋が破損して渡れない状態となっています。
    
※最新情報等詳細については、各市町村にお問い合わせ下さい

 9月中旬頃から標高が高いところでは色がつき始め、紅葉前線が山頂から山麓への下がって行きます。
出羽三山、朝日、飯豊の紅葉はそれぞれに本当に見事なものです。


 写真は昨年の10月上旬に撮影した朝日連峰・大玉山の稜線写真です。

 事前にしっかりと情報を収集して、楽しい登山をなさって下さい!

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2012年09月12日本州最東端の地 魹ヶ埼(トドガサキ)灯台

三陸復興国立公園 宮古 高屋敷 七恵

みなさん、こんにちは。
少しずつ暑さが和らぎ、夕暮れになると、なんとなく肌寒く感じられる日が出てきました。
そろそろ夏が終わり秋に移ります。秋は虫の鳴き音、紅葉、キノコに、海産物、自然の中でも、賑わいを見せる季節ですね。

さて、今回は宮古市にある本州最東端の地、魹ヶ埼灯台へ至る歩道の調査の様子を紹介します。
9月4日、植物専門の方々とともに、重茂半島姉吉から魹ヶ埼灯台までの歩道調査を行いました。姉吉から魹ヶ埼灯台までは、陸中海岸国立公園の自然歩道の中でも、利用者が多く比較的歩きやすいコースだと思います。
震災で自然歩道の入り口が崩れ、通行止めとしていましたが、現在は歩くことができるようになっています。(北側の与奈~魹ヶ埼灯台までは、現在も通行止め)歩き始め、少し急な登り坂が続きますがそれを過ぎると、なだらかな道になり、植物の調査をしながら歩いて約1時間30分で、灯台へ到着します。
今回は、植物に精通した方々に色々と教えていただいたおかげで、今まで分からなかった植物の名前やその由来、そして周辺の植生の特徴などを学ぶ事ができましたし、魹ヶ埼灯台周辺には思った以上に多くの植物が存在していることを知りました。リンドウ、ラセイタソウ、ハマギクの他に、ハイメドハギ、ナガボノシロワレモコウ、カラマツソウ、岩場の隙間からヤマブドウが実を付けていたのには驚きました。自然歩道には、ヤマジノホトトギスや、フシグロセンノウ、ハギ類が花を付けていました。中でも、ヌスビトハギの名前の由来には、驚きました。(よかったら、調べてみてください)

トイレは、姉吉キャンプ場跡地の駐車場に仮設であるのみです。灯台前のトイレは現在使用できませんので、ご注意ください。
先ほど、「歩きやすいコース」と言いましたが、それでも、しっかりとした装備は必要です。たまに、サンダル、そして何も持たずに来る方とすれ違うことがありますが、それだと非常に危険です。魹ヶ埼灯台までは、林道を歩くのですから、様々な生き物に出会うこともあります。それだけでなく、約4㎞の舗装されていない道を歩くのは、体力も必要です。トレッキング経験者で慣れている人こそ、装備をしっかりとしているように思います。これから来る方は、動きやすい服装、飲み物や軽食など持って、万全の準備をして灯台を訪れてほしいと思います。
汗を流して、たどり着いた先にある灯台を見るのは、格別なものだと思います。



太陽の日差しから、木の葉が守ってくれます。時々風が吹いて気持ちよい自然歩道でした。

本日の灯台!何度来ても、そのときそのときで灯台が違って見えます。この日は、青空と青い海で、白い灯台がより一層栄えて見えました。

こんな景色も見ることができます。
海と岩の織りなす造形美、見事です!ぜひみなさんにも見て、感じていただきたい場所のひとつです。


【お知らせ】
10月28日(日)は、魹ヶ埼灯台が一般公開されます。浄土ヶ浜ビジターセンターでもそれに合わせてトレッキングイベントを開催予定です。(近日参加募集開始)本州最東端の灯台から見る景色は最高です。その日だけの眺めを、味わいたい方、是非、一緒にあるきましょう!お待ちしています。

是非、HPを覗いてみてください。
こちら→→→ http://www.jodogahama-vc.bz-office.net/

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2012年09月11日化女沼で外来魚駆除・調査体験 インターンシップとともに

仙台 鎌田 和子

こんにちは!仙台自然保護官事務所の鎌田です。
今日は、国指定化女沼鳥獣保護区で行われている魚類調査について報告いたします。
この夏、地域の新聞に大々的に載った記事のタイトルが「在来魚ほとんど姿を消す バスなど外来魚が98.5%」でした。

今年5月からNPO法人「エコパル化女沼」のみなさんが大崎市の委託を受けて調査を行っています。

丁度、インターンシップで「環境省の仕事とは」を体験している大学3年生の野田さんと、環境省の小保根職員と共に、化女沼で行われている外来魚駆除・調査に参加させていただきました。

エコパル化女沼のみなさんと一緒に、フィールドワークが好きという野田さん(右端)が定置網を引き揚げています。この日は、定置網6基を引き揚げました。

定置網にかかった魚は全て数えます。モツゴ(在来魚)11匹は沼に返し、残るは外来魚!

数えてみると、オオクチバス稚魚165匹、成魚12匹、ブルーギル33匹、カムルチー稚魚2匹、成魚1匹。大きさ、重さを計測、産卵期には、雄雌も調べるそうです。確かに化女沼は外来魚に占領されていることを実証するものとなりました。

NPO法人「エコパル化女沼」では、この沼を「ねぐら」としている亜種ヒシクイがここ数年減少してきているのは、釣りをする人が増えているからではないか、と考えています。そのため、この沼には外来魚がいなくなるように努力しているそうです。

「エコパル化女沼」のみなさんの努力が実を結ぶよう、私たちも協力できたらと思います。

野田さんはこの後、八木山動物公園で希少種の保全について、動物公園の取り組みを見学しました。短い時間の中で、生息域内(鳥獣保護区)、生息域外(動物公園)の取り組み、それぞれの間で環境省がどんな役割をしているのかを学んだようです。5日間のインターンシップでの経験が、いつか活かされることと思います。

この日、お世話になりました「エコパル化女沼」、「仙台市八木山動物公園」の皆様、ありがとうございました。

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2012年09月05日朝日連峰・保全修復工事のお知らせ(以東岳直登コース・金玉水)

磐梯朝日国立公園 羽黒 佐々木 大樹

 現在環境省では、磐梯朝日国立公園・朝日地域で自然環境保全の為、植生復元及び登山道の保全修復の工事を行っています。

 施工箇所は、①以東岳直登コース(標高約1445m~1588m付近) ②金玉水植生復元施設付近の2箇所です。


 ガスが少しでも出るとヘリコプターは飛行することができません。
 山の上の天気は気まぐれで、1分1秒で状況が変わってしまうので、ヘリによる荷揚げが無事終了するまでハラハラしました。


 今回の工事資材荷揚げに合わせて、9/29~30に予定している朝日連峰保全協議会の合同保全作業用資材も荷揚げしました。
 荷揚げした資材の一部は狐穴小屋管理人さんの協力の下、小屋の倉庫に保管いただきました。

今年度の合同保全作業については、下記をご覧下さい。
http://c-tohoku.env.go.jp/to_2012/data/0831ab.pdf
(朝日合同保全作業の開催通知へのリンク)


 以東岳の工事は9/2~開始しました。
 写真は植生復元を促進するために麻製の緑化ネットを敷設しているところです。
 その他、ヤシ製の土のう袋や粗朶、現地の石を使って土留めや歩行路のステップ、排水工を設置していきます。

 公共工事、と聞くとコンクリートなどの人工物を用いての大規模な工事を想像されるかもしれませんが、前回の日記で紹介させていただいた「近自然工法」の考え方に基づく工事です。
磐梯朝日国立公園の飯豊連峰・朝日連峰では、極めて自然性が高く奥深い山岳地域になじむ整備を心がけており、自然環境への影響が少ない天然資材等を用いての整備を行っています。

 工事中でも安全確保に努めていますが、施工箇所を通行の際は気をつけてお通りください。
 またヘリコプターによる資材運搬等、安全のために一時的に通行を規制するなどご不便をおかけする場合がありますが、ご理解ご協力お願い致します。

 本工事の概要等につきましては、下記をご覧下さい。

http://c-tohoku.env.go.jp/to_2012/0829a.html


 また9/22~23に予定している飯豊連峰保全連絡会の合同保全作業では、事前作業として資材の荷揚げのご協力をお願いしています。
 荷揚げにご協力頂ける方他、羽黒自然保護官事務所0235-62-4777まで問い合わせ下さい。

 飯豊の合同保全作業については、以下をご覧下さい。
http://c-tohoku.env.go.jp/to_2012/data/0831aa.pdf

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2012年09月05日国際空港の蒲生海岸

仙台 鎌田 和子

こんにちは!仙台自然保護官事務所の鎌田です。
仙台海浜鳥獣保護区もシギ・チドリ類の渡りの季節となりましたので報告いたします。

間もなく震災から1年6ヶ月になりますが、津波や、干潟の水質が目まぐるしく変化し、台風など多くの試練があった中、今年秋も、シギ・チドリの仲間にここ蒲生海岸は必要なところになるのか心配していました。
朗報です。

8月下旬になり、シギ・チドリ類の渡りが本格化してきました。調査では、オオソリハシシギ、チュウシャクシギ、トウネン、ミユビシギ、キアシシギ、キリアイ、ソリハシシギ、シロチドリ、メダイチドリなどが確認されています。

オオソリハシシギとキアシシギ8月30日撮影

蒲生干潟を眺めるチュウシャクシギ9月2日撮影

オオタカに追われて群れ飛ぶトウネン8月30日撮影

波打ち際で採餌するミユビシギ9月2日撮影(小さい写真ですみません。)
「蒲生を守る会」の皆さんが行っているセンサスに同行した際、写真の右下の赤丸のミユビシギの右脚にオレンジ色と黄色のフラッグが装着されているのを確認!調べてみると、何と、南オーストラリア州で装着したものでした。
この日、トウネン、ミユビシギ、キリアイ、オオソリハシシギ、チュウシャクシギなどを次々に確認していて、いつになく目元、口元がほころび、笑顔の広がるセンサスでしたが、さらに皆さんの心にも、私自身も、蒲生海岸は国際空港であり、長旅をする渡り鳥にとって重要な場所であることを確認したセンサスとなりました。
蒲生干潟、蒲生海岸を訪れる皆様へ
サーフィン、水遊び、釣りに夢中で、気が付かないこともあるかもしれませんが、皆さんの遊んでいるすぐそこにも、シギ・チドリ類が餌を求めたり、休憩のためいるかもしれません。ちょっと見回して観てください。もし、観察できたら、かわいい姿を観察し、小さな体で長旅をしていること、ちょっと頭の隅っこに置いて優しく見守ってくださいね。

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