ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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十和田八幡平国立公園

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2021年03月30日第四弾 網張ビジターセンターリニューアルのお知らせ 

十和田八幡平国立公園 工藤紀恵

盛岡管理官事務所の工藤です。ようやく盛岡でも最高気温が15度を超える日が増えて、

春が大股で近づいてきました。

網張ビジターセンターリニューアルの紹介も第四弾となりました。

今回は展示の紹介ではなくイベントの報告です。

先日、網張ビジターセンターリニューアル記念イベントとして

「十和田八幡平国立公園網張ビジターセンターに自分の作品を飾ろう!」を行いました。

以前AR日記でご紹介した館内のイラストを手掛けて下さったイラストレーターのさいとうゆきこ先生を

講師にお招きし、子ども達とその家族と一緒にポストカードフレームにお絵かきをして、完成した作品は

網張ビジターセンターの展示品としてしばらくの間飾らせていただくというイベントです。

イベント前半では岩手県立図書館の司書2名にもお越しいただき、自然に関する絵本、岩手山に関する絵本

を読んでいただき、参加者の皆さんには身近な自然について学んでいただくことが出来ました。

 

 

 

 

 

イベント後半ではポストカードフレームに動物たちの「おうち」をイメージしてお絵かきをしました。

それぞれ独創的な作品に仕上がっていて、子ども達の発想に感心させられました。

これらの作品は夏休みまで館内に展示しておりますので、皆様もぜひ子ども達の豊かな発想で描かれた作品を

鑑賞してください。

 

 

 

 

 

 

網張ビジターセンターHPはコチラ

※網張ビジターセンターでは、新型コロナ感染症対策として館内数カ所に消毒液を設置していますのでご利用下さい。またマスクの着用もお願いいたします。

国立公園でお会いしましょう

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2021年03月29日春の音

十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ

3月24日早朝、今季初の山鳩の声が聞こえました。

それに負けないように、キツツキの仲間がドラミングをして、

朝の静寂に心地良い響きを与えてくれます。

毎年やってくるアオゲラと思っていたら、アカゲラでした。

桐の大木の枯れ枝をつつき、自己アピールしているようです。

しばらくして場所を変えると、違う音になります。

餌を食べる時と、縄張りを主張する時で、つつき方が違い、音も違うようです。

森の音楽家ですね。

〈お腹がふくらんでいるように見えます〉

先日の地震で、皆様の地域に被害はありませんでしたでしょうか。

あの緊急地震速報の音には、毎回驚かされます。

津波という単語を聞くと、いっきに10年前の記憶が蘇ります。

そして、防災用品や非常食、車のガソリンのチェックなど、

たくさんの忘れていたことを思い出させてくれます。

先日、自宅周辺の日だまりの中にフキノトウを見つけました。

さっそく蕗味噌と天ぷらです。

〈4年間お世話になった十和田八幡平国立公園管理事務所にもフキノトウの目覚め〉

フキノトウは春の山菜ですが、雪の降り始めの12月に、

雪をかき分けて探したものを食べるのもまた良いものです。

まだまだ固い蕾ですが、しっかり春の香りがしています。

春の山菜の苦みは、冬の間に身体に溜まった毒素を排出するとも言われています。

ちょっと気が早いですが、様々な春の山の幸を味わうのが楽しみで、ワクワクしてしまいます。

手始めに、採取する適期が雪解け前と紅葉時期の落葉前後、というクロモジを採取して、

お茶にした残りを事務所の窓辺に飾っていました。(国立公園外の自宅周辺で採取しました)

〈まだまだ目覚めは先ですね〉

2週間ほど過ぎ、やっと新芽が開いてきました。

〈一年目の枝の葉芽:ふわふわです〉

〈花芽のついた葉芽は透明できらきら〉

とある薬用酒の会社が、原材料であるクロモジを買い付けに来るのは、

採取適期ももちろんですが、薬効の高い親指の太さ以上の枝ということです。

昨年は枝と新芽と花の三種のお茶を試し、今年は新芽が出る前のお茶を試しました。

このあと花の時期まで作業が続きます。

遠くに出かけなくても、自宅周辺に山の恵みがたくさんあるのは、とても有り難いことです。

また先日は、蔦野鳥の森に巡視に行ってきました。

〈早春の静寂も良きかな〉

〈まばゆいばかりの赤倉岳の稜線〉

紅葉の時期の朝焼けの風景が有名な蔦沼ですが、積雪期もまた趣があります。

遊歩道は閉鎖されていますが、自己責任のもとスノーシューで散策する方が多くいらっしゃるようで、

たくさんの踏み跡がありました。

この日は平日でもあり、誰も居ませんでした。

午後の日差しの中、ゆったりと時が流れていきます。

日が傾いてくると、森の向こうから光りが差し込み、

幻想的な光景になります。

〈静寂の菅沼〉

〈根開きの始まったブナ林〉

森を一人占め(二人でしたが)できる至福の時でした。

長く厳しい冬が終わりを告げるように、ときおり優しいなごり雪が舞い降りてきます。

まだまだ雪を楽しみたい私は、少し寂しい気持ちになります。

春は別れの季節で切ない時期でもあり、新しい環境で不安な気持ちにもなりますが、

心豊かになれることを探しながら、前を向いて歩いて参りましょう。

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2021年03月17日10年目に寄せて

十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ

今年も私の3/11が何事も無く過ぎました。

〈芽吹きはじめたヤナギと兜島〉

岩手在住の頃は、必ず仕事を休み、三陸の地に向かい黙祷していました。

青森に着任してからは、遠くなりましたが、平穏な日常に感謝しながら、

その場所で遠く離れた故郷を思い黙祷しました。

〈マンサクの祈り〉

震災後訪れた陸前高田の、真っ暗だった空に、星が綺麗だったこと。

明かりが全く無くて、砂利道を運転していたらすぐ側が海だったこと。

毎週のように通って、倒壊した家の片付けを手伝った時の臭い。

忘れたと思っていましたが、今朝、雪解けが始まった茶色の地面とそこに置かれたものが、

瓦礫の山に見えてしまいました。

実際に被害に遭われた方々の心を思うと、胸が締め付けられました。 

復興という言葉を耳にする機会が、秋田在住の今はほとんど無くなりましたが、岩手、宮城、

福島などは、10年が経っても復興はこれからも続いて行くと感じています。

何があろうと、花咲き乱れる春、綠深き夏、実りの秋と季節は流れて行きます。

〈はじらいながら。。〉

〈花 葉芽 いがいがした虫こぶ:マンサクメイガフシ〉

これから訪れる桜の季節は、別れの時期とも重なりセンチメンタルになりますが、門出の春でもあります。

心を癒やしてくれる風景や花々、自分しか見られない瞬間をこれからもお届けします。

〈穏やかな夕暮れ〉

たくさんの方々の命日に、合掌。