十和田八幡平国立公園
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2017年04月05日八甲田・十和田ゴールドライン開通
十和田八幡平国立公園 阿保 聡
昨年の11月下旬から冬季閉鎖されていた、八甲田・十和田ゴールドラインの酸ヶ湯~谷地区間の除雪が終わり、4月1日に開通しました。
今年は黄砂が少なく、雪の量も平年より多めなので、きれいで立派な雪の壁が出来上がっていました。
この写真の場所の雪の壁は高さ4~5mほどですが、高いところでは7m前後になっています。
今シーズンは雪が積もるのが遅く、記録的に雪が少なかった昨シーズンと同じ水準で推移していたのですが、2月中旬から3月に順調に積雪が増え、気づけば平年並みかそれ以上に積もっていました。3月下旬の積雪量としては平年より多いと思います。
現在の北八甲田です。右から高田大岳、小岳、大岳となっています。
今年の山は各所で亀裂らしい亀裂がまだ見られません。小岳の山頂直下もきれいなままです。しかし、今後気温が上がれば亀裂も増えてくると思われますので、特に毎年亀裂が確認でされている場所は、これからの時期注意が必要です。
今回ご紹介した八甲田・十和田ゴールドラインの酸ヶ湯~谷地区間は、4月21日(金)の9:00まで夜間通行止め(18:00~9:00)となっております。また、5月の連休までは降雪があったり、道路に流れ出ている雪解け水が凍っていたりなど、山ではまだまだスタッドレスタイヤが必要な状況ですので、お出かけの際にはご注意ください。
2017年02月07日奥入瀬スノーランブリング!
十和田八幡平国立公園 大野 花南
AR日記 「奥入瀬スノーランブリング」
十和田自然保護官事務所の大野です。
十和田湖周辺では雪がちらちらと降り続いています。
積雪は現在1mほどです。
さて、2/6に「奥入瀬スノーランブリング体験会」に参加してきましたので、
その様子を少しご紹介いたします。
スノーランブリングは、冬の森をのんびり散策することで、
普段見逃してしまいがちな魅力を発見できるのが醍醐味です。
今回の行程は、バスで奥入瀬渓流の上流(子ノ口)から下流(焼山)へ移動し、
滝などのポイントでバスを降り、ガイドさんに案内・解説してもらいながら散策する、というものでした。
まずはスノーシューを履いて...
銚子大滝です
銚子大滝は幅20m、落差7mの滝です。
滝の半分は凍って、きれいな氷瀑になっています。
普段こんなに間近で見られないので、大迫力!!
これだけでかなりテンションが上がってしまいました。
ルーペをお借りして、コケの観察もしました。
奥入瀬渓流でのコケ観察がここ数年流行っていて、ルーペはマストアイテム!とのことです。
奥入瀬渓流へお越しの際は、ぜひ、ルーペで小さな世界を覗いてみてください。
こちらは、馬門岩にできる氷柱です。
この場所では水が流れているのが見えないのですが、
ほんの少しずつ流れ出ている一つ一つのしずくがあり、冬になると凍って、
この立派な氷柱を作っているということを教えていただきました。
すごい。
他にもいくつかの滝を巡り、石ヶ戸休憩所では、ガイドさんが用意してくれた
紅茶とパウンドケーキを頂きながら本日の振り返りをしました。
冬の奥入瀬渓流は車で通過するだけでしたが、こうして雪の上をゆったり歩いてみると
樹木や岩の様子、滝の迫力、色々な発見や感動に出会うことができました。
ガイドさんの解説では、奥入瀬渓流やこの地域、自然への"愛"が感じられ、
とても興味深く、勉強になった体験会でした。
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十和田湖では「十和田湖冬物語」が開催中(2/3~2/26)です。
お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
2016年12月13日ヒレンジャク
十和田八幡平国立公園 大野 花南
ここ2日ほど雪がしんしんと降り積もり、
今朝外に出ると私の膝下くらいまで積もっていました。
十和田湖周辺もいよいよ根雪になりそうです。
朝の雪かきを終え、事務所の中で一息ついていると、
「窓の外に何かいるよ」と教えてもらいました。
望遠鏡で見てみると...
ヒレンジャクが群れで木に止まっていました。
60~70羽いたようです。
「ヒレンジャク」はスズメ目レンジャク科の鳥で、越冬のため日本にやってくる渡り鳥です。
目の回りのつり上がった隈取と、尻尾の先が緋色なのが特徴です。
(同じ仲間で、尻尾の先が黄色の「キレンジャク」もいます。)
ヒレンジャクはヤドリギの実が好物で、ヤドリギの種子散布に大きく貢献しています。
※ヤドリギはボール状に枝を伸ばし、他の樹木から栄養分をもらう寄生植物です。
ヤドリギの実を食べたヒレンジャクは、消化されなかった種と粘液を排出します。
この排出物が木の枝や幹にくっつき、やがてそこから発芽します。
十和田湖畔にある十和田ビジターセンターの窓からも鳥たちの様子を観察できますので、
近くにお越しの際はゆっくり眺めにお立ち寄りください。
(毎週水曜日は休館です。)
2016年12月08日しぶき氷のいろいろ
十和田八幡平国立公園 阿保 聡
先日、十和田湖畔を巡視していた際に目にとまった「しぶき氷」の写真を、何枚か撮ってみました。
しぶき氷は、湖の水が強い風にあおられて枝や草に付着し、それが低い気温で凍ったものです。
出来はじめの小さなしぶき氷です。湖面上に伸びた木の枝に出来ているのですが、これは十和田湖でよく見られるタイプのしぶき氷です。
湖岸に生えている草もしぶき氷で覆われていました。
単体で見ている分にはきれいで面白いのですが、これがずらっと並んでいる様子はちょっと気持ち悪かったです。
休屋の御前ヶ浜近くのウッドデッキの下にも、つらら状にしぶき氷が出来ていました。
そして子ノ口遊覧船乗り場のボラードにもしぶき氷です。
十和田湖周辺では、まだ本格的に雪は積もっていませんが、すでに真冬のような寒さでした。
冬の十和田湖では多くの渡り鳥や、しぶき氷のような他ではあまり見ることがない景色を楽しめますので、皆さんも暖かい格好で冬の散策を楽しんでみてはいかがでしょうか?
2016年12月01日平成28年度 東北アクティブ・レンジャー、アクティング・レンジャー写真展
十和田八幡平国立公園 鹿角 髙橋麻記子
こんにちは!鹿角自然保護官事務所の髙橋です。
休日にパークボランティアさんにお誘いされたワークショップでクリスマスリースを作りました。
室内でも自然を楽しめるのはいいものですね。
さて、「平成28年度東北アクティブ・レンジャー、アクティング・レンジャー写真展」の
開催のお知らせと設置直後の様子をお伝えします。
【期間】 2016.12/1(木) - 2017.1/31(火)
【会場】 休暇村乳頭温泉郷
秋田県仙北市田沢湖駒ヶ岳2-1
休暇村乳頭温泉郷のブログでも開催についてご紹介いただきました。
http://www.qkamura.or.jp/nyuto/news/detail.asp?nId=1207
【設置の準備中からじっくりご覧いただきました】
「平成28年度東北アクティブ・レンジャー、アクティング・レンジャー写真展」は世界遺産地域、国立公園、国指定鳥獣保護区など自然豊かなフィールドで活動する東北アクティブ・レンジャー、アクティング・レンジャーが日常の業務中に撮影したベストショット写真を展示します。5月に八幡平ビジターセンターで開催した時よりも会期が長く2ヶ月です。
各所管地やメンバー、活動の紹介もしてますので、ぜひお立ち寄りくださいね!
今後、よりよい写真展を開催するため、感想を備え付けのアンケートまでどうぞお聞かせください。
よろしくお願いします。
【喫茶コーナーなので、みなさんコーヒーなど召し上がりながら・・】
設置の準備中から、「この写真が一番好き!」「チングルマって何ですか?」「ここ行ったことある~!」「どの写真もすてきよ」と生のお声だけでなく、タブレットやスマホで、環境省のHPやこのブログを検索して頂きました。
限られた場所やパネル枚数での展示法を考えたりするのを「アートディレクション」と
言ったら大げさかもしれませんが、切り貼りといった地味な作業も多い中、全国への発信、
アピールの効果を実感できて、本当にうれしく思いました。
国道341号線の鹿角市八幡平トロコ(柳沢付近)~ 仙北市玉川ダム付近は11月30日で4月中旬まで
冬期通行止めとなりましたので、ご注意くださいね。
2016年11月17日晩秋の「蔦野鳥の森」
十和田八幡平国立公園 大野 花南
観光客で賑わう紅葉シーズンが終わり、
静かになった蔦野鳥の森へ巡視に行ってきました。
この蔦沼には、イワナやコイ、ヒメマス、イバラトミヨなどが生息しています。
イバラトミヨは背にトゲを持った、体長5cmほどの淡水魚です。
水温変化の少ない清らかな湖沼や河川に生息しています。
蔦沼周辺は落葉が進み、森の生き物たちの姿が見やすくなりました。
右の写真はコゲラです。
蔦野鳥の森は、特に紅葉時期の利用者が多いですが、
春の新緑、夏の深緑、どの季節も美しいです。
青森へお越しの際は、ぜひ散策しにいらしてください。
※ 12月1日から来年4月まで、蔦野鳥の森遊歩道が冬期閉鎖になります。
2016年11月16日冬の使者?
十和田八幡平国立公園 大野 花南
今日の十和田湖は雪がチラチラと降っています。
紅葉もすっかり終わり、地面は落葉でいっぱいです。
さて、2日ほど前、十和田湖の水辺を歩いていると不思議な光景に出会いました。
どこにもピントが合っていない写真で恐縮なのですが、
全体的に湖面上がモヤモヤしています。雪が降っているようにも見えます。
(手前の黒い点々は、水鳥のオオバンです)
十和田ビジターセンタースタッフの方に教えていただいたのですが、
このモヤモヤの正体は...
この時期おなじみ「雪虫」(アブラムシの仲間)です。
一斉に羽化した雪虫が湖面上や空中に大量発生しています。
このように大量発生するのは、
気温がガクッと下がる前触れだという事も教えてもらいました。
確かにこの日は穏やかで暖かい小春日和でしたが、
翌日からは気温が下がり冷たい風が吹いています。
まさに「冬の使者」でしょうか...?
(こちらは去年の十和田湖の写真です)
これからの季節は雪が降り、さらに寒くなりますが、
スキーやスノーシューなど冬ならではの楽しみがあります。
カモシカなどの動物にも出会えるかもしれません。
2016年11月02日あっという間に
十和田八幡平国立公園 阿保 聡
十和田八甲田地域では入山者数を把握するため、登山道入口等に赤外線センサー式の入山者カウンターを設置して7月~10月の入山者を計測していますが、11月になったのでカウンターを撤去するために酸ヶ湯まで行ってきました。
酸ヶ湯では前日の深夜から降雪があり、到着するとすっかり雪で白くなっていました。
積もるときはあっという間です。
カウンターにも10cm程度雪が積もっていました。
寒いので解体作業は厚手のグローブをつけて行いましたが、やはり細かい作業がしづらいです。2回ほど雪の中に小さい部品を落としてしまい、探すのに難儀しました。
作業後に酸ヶ湯周辺を少し歩いてみました。久しぶりの雪の感触が気持ちいいです。紅葉シーズン後の平日で、積雪も重なり、とても静かでした。
道路脇には除雪の目印となる竹竿が立てられていました。この地域は1日で1m近く雪が積もることもある豪雪地帯です。
ちなみに、気象庁のアメダスが設置してある地点で、日本で一番積雪が多い場所が酸ヶ湯です。
これからの季節、お出かけの際には、天気や道路状況等の確認をすることをお勧めします。
地獄沼の様子です。
足首まで雪が積もっていました。
作業を終えて事務所に戻る途中で十和田湖の御倉山を見ると、上がちょっとだけ白くなっていて、下の紅葉と併せて三色に色づいていました。
今回積もった雪は根雪にならずに消えてしまうとは思いますが、やっと私の好きな冬山のシーズンが来ると思うとそわそわしてしまいますね。
2016年10月27日秋から冬へ
十和田八幡平国立公園 阿保 聡
業務で蔦野鳥の森に行き、蔦沼の写真を撮影し事務所に戻ったところ、田畑首席自然保護官が前日に撮った写真を見せてくれました。2枚を比べると、この時期の1日の変化が見て取れたので皆さんに紹介しようと思いました。
これが26日に田畑首席自然保護官が撮った写真です。
そしてこれが27日に私が撮った写真です。思っていたよりも紅葉が進んでいて、もう終わりかけでした。
日の当たり方やカメラの違いもありますが、結構葉が落ちたように見えます。
こうしてみると、1日ずつ着実に冬に向かっていることを実感できますね。秋から冬への移行期間はなんとなく寂しさがありますが、冬には冬のおもしろさがありますので個人的にはとても楽しみにしています。
国内だけではなく、世界的に見ても有数の豪雪地帯である八甲田。その冬の魅力もお伝え出来ればと思っていますので、楽しみにしていて下さい。
4月より十和田八幡平国立公園管理事務所のアクティブレンジャーとして勤務する村田野人と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
東北地方環境事務所にて採用時の研修を行い、4日からは十和田湖畔休屋地区の巡視をしつつ、業務に関わる関係者の方々へ御挨拶をしております。
休屋地区のあちこちには除雪した雪の山が見られますが、季節は着実に進んでおり、鳥類の動きは活発です。早速、キツツキの仲間のアオゲラが姿を見せてくれました。
<休屋地区街路樹に現れたアオゲラ(赤い線の中)>
よい写真が撮れず、残念でした。
なお、環境省の十和田ビジターセンターでは、アオゲラの模型を展示しています。
<十和田ビジターセンターのアオゲラの模型(赤い線の中)>
十和田ビジターセンターは十和田湖の湖畔にある休屋地区にあります。十和田湖で見られる動植物の模型やジオラマがあり、そのつながりを紹介する展示が行われています。皆さんも十和田湖で気になる生き物を見つけたら、ビジターセンターを訪ねてみてください。その生き物のことがもっとよくわかるかもしれません。
<十和田ビジターセンター入口>
アクティブレンジャー日記では、十和田八幡平国立公園の様々な情報を発信していきます。少しでも魅力を感じて、国立公園を訪れていただければ大変うれしいです。どうぞよろしくお願いいたします。