ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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十和田八幡平国立公園 十和田

398件の記事があります。

2007年10月23日今日の十和田湖(七曲がり)

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 こんにちは、十和田自然保護官事務所アクティブレンジャーの村田野人です。今日はちょっと八甲田方面に行く用事がありました。普段なら奥入瀬渓流を通って、八甲田に向かいます。しかし、先週ぐらいから、紅葉を見に来たお客さんで、奥入瀬渓流は渋滞している場合があるので、今日は惣辺バイパスを通ってみました。

今日の十和田湖(七曲がり)
 写真を撮った場所は、惣辺バイパスの十和田湖側の入り口から、やや子の口よりにある道路脇の駐車帯です。紅葉の十和田湖と冷たい風が印象的でした。

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2007年10月18日今日の十和田湖とクロジ

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

こんにちは、十和田自然保護官事務所アクティブレンジャーの村田野人です。
 今朝は、寒さで、いつもより早く起きてしまいましたので、十和田湖の湖畔の散策をしました。今日の十和田湖は、風が穏やかで、紅葉の本番にはちょっと早いですが、いい天気でした。湖畔に出てみると、岸沿いに、散策している方がいました。特に乙女の像の方を双眼鏡でのぞいてみると、紺色の服を着た人がたくさんいました。修学旅行の学生さんだったのでしょうか。

今日の十和田湖
 さて、そんな賑わいを見せる休屋地区の隅の方で、散策の途中、クロジという鳥の死骸を見つけました。秋は紅葉だけでなく、鳥たちの命がけの旅がひっそりと行われている時期でもあります。夏、十和田湖の外輪山の上で、声だけ聞こえて姿が見えず、イライラさせられたクロジに、このような形で再会しようとは思いませんでした。私は渡り鳥をみると思わず、鳥はどこまでも飛んで行けていいなぁ、毎日いろんな新しいものを見ることができていいなぁ、などと考えてしまいます。でも、実際には・・・相当厳しいことが良くわかりました。


クロジ♂

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2007年10月16日秋と冬が出会った日?

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 ごぶさたしております。十和田自然保護官事務所アクティブレンジャーの村田です。今日は、秋と冬についての話題を一つずつお伝えします。
 まずは、秋の話題から、先日持塚アクティブレンジャーがお伝えしましたとおり、10月14日に「秋の十和田山自然ふれあい登山」が行われました。当日は秋晴れのいい天気で、しかも空気はひんやりと冷たく絶好の登山日和となりました。登山が初めてという参加者の方もいて、ちょっぴり不安でしたが、八甲田地区パークボランティアの皆さんの自然解説を受けながらゆっくり歩いたので、全員登頂し、下山できました。山頂からは、八甲田連峰はもちろん岩木山、岩手山なども見ることができました。
 続いて冬の話題です。ちょうどここまでアクティブレンジャー日記を書いたところで、電話のベルが鳴り、十和田ビジターセンターの方から、十和田湖の湖畔にハクチョウが来ている、と教えてもらいました。望遠鏡を持って湖畔にでかけていくと、群れからはぐれたのか、灰色の幼鳥が1羽だけ手の届きそうなところに漂っていました。周囲はまだ紅葉も終わっていない秋の景色なので、冬の初めての知らせが頼りなげなハクチョウの幼鳥1羽というのは、適当な気もしますが、早く仲間に再会できるよう祈りました。


自然解説の様子

山頂からの眺め

コハクチョウ?

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2007年10月05日八甲田の山々が色づき始めました!

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

今日は毎月第1・3金曜日に行っている酸ヶ湯(すかゆ)インフォメーションセンターでの窓口案内の日。十和田湖畔にある事務所から奥入瀬渓流を抜け、北八甲田と南八甲田の間を通る国道103号線の上り坂を上っていくと…。





目の前に飛び込んでくる景色が、緑の森から次第に赤や黄色の森に変わっていきました。1枚目の写真は睡蓮沼から見た北八甲田、2枚目は秋に真っ先に色づくヤマウルシです。紅葉のピークはこれからといった感じでしたが、一枚一枚の葉が鮮やかに色づいていて、本当にきれいで、感激しながら満面の笑みで車を運転してしまいました。
八甲田の山の上から始まる紅葉は、少しずつ降りてきて、これから十和田湖の外輪山や奥入瀬渓流の森を染めていきます。
10月末ごろまで、この楽しみが続きます。

そしてお知らせです!
十和田自然保護官事務所では、10月14日(日)に、十和田湖外輪山の一つ、十和田山で自然ふれあい登山を開催します。
詳しくはこちらのページに掲載しています。
秋の十和田湖の自然観察と、山頂からの紅葉の景色を楽しみませんか?
参加お待ちしています!

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2007年08月23日ブナアオシャチホコ

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

今年の夏は、八甲田山の一部でブナアオシャチホコというガの幼虫が大量発生し、ブナの葉が食べられて林がまるで落葉した後のように明るくなっています。初めは北八甲田の青森市側の山腹やロープウェー山麓駅の近くなどで見られましたが、その範囲は少しずつ広がり、現在は谷地温泉のあたりの林もブナの葉が食べられています。


緑の葉が青々と茂る夏なのに、木に葉っぱが無く林内が明るいなんてびっくりしてしまいますが、これは異常というわけではなく、自然に起きていることなのです。
このブナアオシャチホコというガは、8?10年くらいの周期で大量発生します。大量発生は2?3年続きますが(昨年も八甲田の別の地域で見られました)その後自然に終息します。葉を食べられたブナも、翌年の成長にそれほど影響は出ないようです。
なんだか不思議な現象だなぁと思い、調べてみると、どうやら天敵であるクロカタビロオサムシとブナとの関係に秘密があるようです。
ブナアオシャチホコの幼虫が大量発生すると、これを食べるクロカタビロオサムシも増えるそうです。確かに、先日の巡視でブナ林を歩いているとカサコソと歩き回るこの虫を何度も見かけました。
また葉を食べられたブナは、翌年・翌々年にはタンニンという幼虫の成長を阻害する物質を多く含む葉を作るようになるという研究結果もあるようです。
これらはブナ林での食物連鎖のほんの一部ですが、いろんな生き物の関わり合いによってブナアオシャチホコの大量発生→終息というサイクルを作り出しているようです。


ブナアオシャチホコの幼虫
地面におりた幼虫はこれからさなぎになって越冬し、来年の6月ごろ成虫になります。


クロカタビロオサムシ
ちょこまかと歩いてすぐに枯れ葉の下に隠れてしまうのでこんな写真しか撮れませんでした…

谷地温泉付近のブナ林は新緑や紅葉がとてもきれいで、私の好きな場所の一つです。
食害によってこの場所で紅葉が楽しめなくなってしまったのは残念ですが、この林の中でいろんな生き物が生活している様子を思い浮かべながら、自然界の静かでダイナミックな動きに思いを馳せてみる、という違った楽しみ方もいいかも知れません。


一昨年の新緑の頃(6月)緑のトンネル。


食害を受けた後(8/22)

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2007年08月17日祝!!退院。

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 こんにちは。十和田自然保護官事務所アクティブレンジャーの村田野人です。保護していたハクセキレイ2羽が、きのうの夕方、自然の中に戻りました。
 このハクセキレイは8月15日の朝、十和田自然保護官事務所で保護した6羽のうちの2羽です。(3羽は保護した時点ですでに死んでいて、1羽はまもなく死んでしまいました。)どの個体も外傷はなく、素人判断では、何かにぶつかったものと思われました。日陰に置いたダンボール箱の中に入れて安静を保ち、鳥の体力の回復を待つ、という程度の治療しかできませんでしたが、元気になってなによりでした。

保護したハクセキレイ

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2007年08月13日十和田おもしろ自然体験キャンプ

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

先日、十和田湖畔の生出(おいで)キャンプ場で、地元の小学生を対象とした自然ふれあいキャンプが行われました。国立公園の豊かな自然にふれあいながら、2泊3日のキャンプ生活を体験します。※主催の自然公園財団十和田支部のブログもご覧下さい。
1日目、十和田湖畔の銀山という所で川遊びをしました。
強い虫探しということで、この川に住むカワゲラを探しました。

カワゲラ探しの様子
一番大きなカワゲラを捕った人がチャンピオン!一番大きなのもは体長3cm以上ありましたが、他にも同じくらいのサイズがたくさんいました。
「強い虫がたくさんいるということは、その虫が食べるエサが十分にあるということ。つまり、いろんな生き物がたくさんいるって事なんだよ」という講師の先生の話を、真剣に聞く子ども達の姿がありました。

カワゲラの仲間

その日の夜には、夜の昆虫や植物の様子を見てみよう!ということで、生出キャンプ場の管理をしている自然公園財団のスタッフの案内でナイトハイクが行われました。
自動販売機や外灯のまわりには、ガはもちろん、クワガタやカゲロウの成虫、コエゾゼミの羽化の場面にも出会えました。
また植物では、夜に葉っぱをオジギソウのように閉じている木がありました。その木は先日の西目屋ARの石橋さんの日記にもあった植物なのですが、子ども達に、この木は何という名前でしょう?と質問。夜は眠っているというヒントから、ネムリソウ、ネムリギなど色々でましたが、なかなか答えにたどり着きません。たくさんのヒントが出て、ようやく正解『ネムノキ?!』とみんなで大きな声で言えた時は、とてもほほえましい光景でした。
子ども達を見ていてとても感じたことは、さすが、この十和田で生まれ育っただけあって、みんな自然への興味がすごくあるな、という事でした。虫探しや、何かおもしろい生き物を見つけた時は、気持ち悪がったりすることもなく、みんな競争のように見たりさわったりしていました。
現代っ子は、外で遊んだりする機会が減っていると言われたりしますが、ここの子ども達は決してそんなことはないと思いました。
今は、特に都会では家の近くで自然とふれあいながら遊ぶことも難しくなっているのかも知れませんが、子ども達に自然への関心がないということでは無いと思います。子どもの感性はすごいです!
子ども達に自然とふれあう機会をたくさん与えてあげたい、そしてその中で大人も一緒に自然に対する感性を磨けたら…と思いました。
十和田自然保護官事務所で行っている自然観察会にも、是非親子で参加して欲しいです!

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2007年07月30日普通救命講習

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

先週の火曜日、十和田自然保護官事務所のレンジャー、アクティブレンジャーで普通救命講習を受講しました。
内容は心肺蘇生法についてで、心臓や呼吸が止まってしまった人に対する救命処置について学びました。
日本では119番通報してから救急車が現場に到着するまで、全国平均で6分間以上かかるそうです。心肺停止から時間が経過するにつれて、命が助かる可能性はどんどん低くなります。6分経過した場合、救命処置を行うと助かる可能性は30%、何もしなければ15%ほどまで落ちてしまいます。
心肺停止の人を助けるためには、そこに居合わせた人による素早い119番通報→応急手当→救急救命士の救急処置→医療機関での救命医療という救命のリレーが行われることが重要です。

講習会でいただいた資料より

人工呼吸、心臓マッサージの他、今回はAED(自動体外式除細動器)という電気ショックを行うための機械の操作方法についても学びました。最近では空港や駅、デパートなど人の集まる場所等に設置されているので、見かけたことがある人も多いと思います。
十和田湖畔では、地元の小学校と中学校、診療所に設置されていると聞きました。また先日巡視で八甲田ロープウェーの山頂駅に立ち寄った時にもこのAEDがあるのを見つけました。どこに設置されているのか把握しておくことも重要です。
AEDの操作方法は思っていたより簡単で、音声案内もしてくれます。
とはいえ、実際にそんな場面に出くわしたら、はたして自分は落ち着いてできるだろうか…??
最近では、119番通報した時、その電話口で救命処置の手順を教えてくれるそうです。
普段から手順を頭に入れておくことは難しいですが、一度講習を受けていれば、説明された手順を理解し実行することが出来ると思います。
自然観察会など、万が一の時のために、受講できて非常に勉強になりました。

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2007年07月26日酸ヶ湯キャンプ場オープン

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 こんにちは。十和田自然保護官事務所アクティブレンジャーの村田野人です。八甲田はいよいよ夏本番という感じで、私たちアクティブレンジャーは山から山へと駆け回っております。
 そんな山から山へ駆け回るのと同時進行で、当事務所が中心となり、関係する諸機関の皆様と長い間準備してきた酸ヶ湯キャンプ場が8月1日、ついにオープンします。
 場所は酸ヶ湯温泉から歩いて5分ほど、酸ヶ湯公共駐車場の奥です。北八甲田への登山の際や家族でのレクリエーションにご活用下さい。ご予約・お問い合わせは、酸ヶ湯キャンプ場、電話017-738-6566までお願いします。
 ※酸ヶ湯キャンプ場を利用される皆様に一つお願いがあります。それは節水です。キャンプ場をオープンするにあたり苦労したのが水の確保です。キャンプ場の上水道は沢水を利用しているので、夏は水量が減ります。ある程度準備してはいますが、利用される方が集中する時期には、断水することも予想されます。料理をする時には、水を出しっぱなしにしない、トイレの水を流すのは一人一回など節水にご協力下さい。水が出なくなった水洗トイレほど悲惨なものはありませんので・・・。

〈料金表(予定)〉




〈酸ヶ湯キャンプ場位置図〉

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2007年07月10日八甲田近況

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 ご無沙汰しております。十和田自然保護官事務所アクティブレンジャーの村田野人です。6月末は自然観察会があったり、お客様が多かったり、とバタバタしていて、AR日記がおろそかになっておりました。失礼いたしました。
 先日7月9日に、そのバタバタで後回しになっていた6月分の鳥類調査に行ってきました。調査したのは蔦野鳥の森と八甲田山の北東側にある田代平湿原です。
 蔦野鳥の森では、先月あたりからよく見るようになったカワセミが、今日も姿を見せてくれました。小魚をくわえたカワセミが、蔦沼の奥の方へ水面すれすれを飛んでいきました。友人から聞いたところによるとカワセミの声はさびた自転車のブレーキ音にそっくりなんだとか。蔦沼に行くことがありましたら、湖畔でしばらく耳をすましてください。自転車のブレーキ音とともにカワセミが現れるかもしれませんよ。
 田代平湿原ではホオジロやアオジが元気にさえずっていました。けれどこの時期はどうしても花の方に目がいってしまいます。湿原は早くも夏の花が盛りを迎えていました。で、珍しいきれいな花があるとすぐそばに必ずあるのが、木道を外れて人が湿原に踏みいった足跡です。この日、巡視をされている自然公園指導員の方とすれ違ったのですが、湿原に踏み入っている方がいたので、ほんの少し前にも湿原に入らないようお願いしたばかり、とのことでした。美しい花があればそばによって見たいし、いい写真のアイデアが浮かんだら、その思いついたとおりの構図の写真を撮りたいという気持ちはとってもわかります。でも、ふらふらっと木道から一歩踏み出してしまう前にちょっと考えるゆとりを持ってほしいと思う今日このごろです。

トキソウ

ホオジロ

キンコウカ

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