ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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十和田八幡平国立公園 十和田

398件の記事があります。

2008年01月24日吹雪の日には・・・

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 こんにちは、十和田自然保護官事務所の村田です。今日は日本全国各地で大荒れの天気のようですね。十和田湖もご多分に洩れず、大荒れです。


今日の事務所駐車場

 巡視など外に出る日の方が多いアクティブレンジャーですが、こういったあれた天気の日は事務所にいて、巡視で得たデータのまとめ、VCの展示物の作成などを行っています。最近の仕事では、来年度十和田事務所で行う自然ふれあい事業(自然観察会など)の計画案を話し合いました。来年度は、登山のネタを増やそう、とか、この場所で自然観察会を開いたらこういうネタができる、とか、あぁだこうだと話しながら計画を立てました。私の観察会の目標は、参加された方の世界観に新しい1ページを加える、です。(目標が遙か遠くにかすんでますが・・・。)観察会の詳細は正式に決まりましたら、東北地方環境事務所のWebページ上でお知らせいたします。来年度も皆様お楽しみにっ。


昨年度の初夏の十和田湖西湖畔自然観察会


昨年度の秋の十和田山自然ふれあい登山

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2008年01月17日国立公園巡回写真展

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

最近の十和田湖は、寒い日が続いています。
ぴーんと冷えた空気の中、事務所のまわりではツグミの「キィッキィッ」という声が賑やかに聞こえています。たくさん実っていたナナカマドの実も、鳥たちに食べられてだいぶ減ってきました。

さて、十和田湖の自然や景色を楽しみ、寒さや雪とも親しんだ後は、冷えた体を温めに十和田ビジターセンターへ行ってみましょう!
ビジターセンターでは今、日本全国の国立公園の写真を集めた写真展が開催されています。これは、昨年の4月から全国のいろいろな場所を回っている「巡回写真展」で、十和田ビジターセンターでは1月12日から1月27日までの開催となっています。

写真展の詳細はこちら↓
http://www.env.go.jp/nature/np/law_50th/photo_exh.html

展示写真は、30年に渡って全国の国立公園を回り撮影を続けられている森田敏隆氏をはじめ、四国を中心に活動されている高橋毅氏、(株)水中造形センターの作品を使わせていただいています。
プロカメラマンが撮った素晴らしい写真ばかりです。
自然が好きな方、写真が好きな方、ぜひぜひお越し下さい。
きっと、美しい日本の自然風景が残る国立公園の素晴らしさを再発見できると思います。






全国29箇所の国立公園に行ってみたくなること間違い無しです!

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2008年01月08日初巡視!

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 昨日、持塚ARとともに休屋内の巡視を行いました。この年末年始の間に異常がなかったか確認するための今年初の巡視です。
 車で通過するとあっという間の休屋地区も歩いてみると結構広いものです。 野鳥の記録をとったり、歩道沿いに危険なかかり木がないかなど、入念に見ながら歩いていると、いつの間にか夕方になってしまいました。


夕日と乙女の像

 このときは乙女の像まで除雪がしてあり、長靴でなくても行けるほどでした。昨年のAR日記は、風で大木が倒れて・・・という事件から始まりました。まだ、今年は事件も起こらず穏やかなようでした。

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2008年01月04日新年のご挨拶

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 新年あけましておめでとうございます。十和田自然保護官事務所アクティブレンジャーの村田野人です。まずはネズミ年ということでカワネズミの写真をご覧下さい。(カワネズミはモグラの仲間ですが、名前が似ているということで大目に見て下さい。)


すーいすい


シャカシャカ毛づくろい

 これら写真は一昨年の10月に撮ったものです。昨年は、撮影場所を通る度に探しましたが、ついに会えませんでした。ARになって以来、折に触れて国立公園内の野生生物の写真を撮影してきましたが、まだ会っていない種や、カワネズミのようにもう一度会いたい種がいます。今年も、国立公園内の生き物たち、自然の風景の写真を資料として残し、AR日記を見て下さる皆様にご紹介していきたいと思います。本年もよろしくお願いいたします。

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2007年12月19日御前ヶ浜でアニマルトラッキング

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

最近の十和田湖は雪の降る日が多くなり、外輪山もすっかり雪化粧しています。




昨日、業務の合間に十和田湖畔の御前ヶ浜を、乙女の像まで歩きました。
春から秋のシーズン中は観光客でにぎわうこの歩道も、冬の間はとても静かです。
まばらな人の足跡に混じって、動物の足跡もたくさん見られました。

そんな中、湖畔ならではの足跡を発見!


オオハクチョウの足跡です。
手を精一杯広げたくらいのサイズです。
11月初めくらいから十和田湖に姿を見せ始め、今では御前ヶ浜はハクチョウの元気な声でにぎわっています。
そのほか、水面でじっと漂っているホシハジロの一団や、一生懸命餌をとりに潜っているホオジロガモの夫婦も見られました。

そして、地面に落ちたホオノキの実をつついた誰かの足跡も。


カラスでしょうか?
周辺を見渡すと、足跡はここだけのようです。
きっと落ちている実を見つけて飛んできて、ちょっとつついて転がして、「なんだ、からっぽだ」とまた飛んでいったのでしょう。

乙女の像を見に行く途中、ハクチョウの声を聞きながら御前ヶ浜でゆっくりアニマルトラッキングはいかがですか?
きっとちいさな発見がたくさんあります。
ただし、防寒着と手袋は必需品です!
そして、歩道の途中のデッキは、凍っていると滑りやすいので、気をつけてくださいね。


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2007年12月04日【実施報告】冬の十和田湖自然観察会

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

12月2日(日)に、十和田自然保護官事務所で行う今年最後の観察会、『冬の十和田湖自然観察会』が行われました。
当日は、下見の時にあった雪はすっかり消えてしまい、雪上の動物の足跡観察はできませんでしたが、代わりに、地面に落ちていたブナやイヌエンジュ、ヤマブドウ、ツルウメモドキ、サルナシなどの木の実や、ハリギリの落葉に刻まれたハモグリバチ(もしくはハモグリバエ)の幼虫が葉の中で生活していた跡などが観察できました。

ツルウメモドキ(右上は拡大図)


ハモグリバエまたはハモグリバチの痕跡。別名「字書き虫」。


そして皆さんが興味津々だったのは、ツキノワグマの痕跡でした。木製の看板がクマによってバキッと割られ、そこにクマの毛が数本と爪や牙の跡が残されていました。



クマの毛

でもどうして看板がかじられているのでしょう?
クマはガソリンなど油のにおいにも寄ってくる性質があるので、看板の防腐剤やペンキのにおいに寄ってくるとか、マーキングのためだとか、いろんなお話を聞いたりしますが、「要するにここはクマのテリトリーの中だということです。」という言葉に、納得。人工物だからこそマーキングをして、人間に対して「来るな」と言っているのかも知れません…

この観察会では、前回の下見の日記でも書きましたが、講師に自然公園指導員の山下さんを迎え、『森と動物と私たち』と題して、自然と人との関わりについても考えてみようという趣旨で行いました。
“たとえば、木材生産のためにブナの林をスギの造林地に変えてしまったら、生態系にはどんな影響がでてくるだろうか…?”
戦後、木材が多量に必要となり、国を挙げてあちこちにスギを植えました。豊かな自然が残されている国立公園の中や周りにも、スギの人工林はあります。
ブナ(落葉広葉樹)の林がスギ(常緑針葉樹)の林に変わると、土が変わり、沢や湖のプランクトンが変わり、それを食べる水生昆虫、魚、そしてそれを食べる鳥、動物…と、つぎつぎに波紋が広がり、生態系の中で「何か」が変わっていきます。ブナ、ドングリなど、動物たちの食料が減ることも大きな影響です。
生態系の中での生き物同士のつながりは、とても緻密で、すべてがつながっていて、だからこそとてもデリケートなんだということを、私個人としても改めて感じました。そして、私たちは自然とつきあう中でそのことを十分に考えた上で行動を起こさなければならないということも。

当日、天気はまぁまぁ良かったのですが、風が強く寒かったため、「自然と人との関わり」について、その場でじっくりと話をすることができませんでした。しかし、この日に観察したことや、講師の山下さんの言葉の端々にそのメッセージは込められていました。

マルバマンサクの冬芽を観察。

観察会のアンケートでも、印象に残ったことが「自然の大切さ」や「自然共生のあり方」と答えていた方がいて、趣旨が伝わっていたことをうれしく思いました。


観察会の途中で見えた湖の北側にある御鼻部山(おはなべやま)。風が強く十和田湖は海のようでした。

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2007年11月28日自然観察会の下見

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

先日、12月2日(日)に行われる自然観察会の下見に行ってきました。
今回の観察会は、冬の十和田湖畔を散策。
十和田湖にやってきた冬鳥(カモの仲間など)、冬芽の観察、雪が積もっていれば動物の足跡もたくさん見られる場所です。
下見の日は、先週末に降った雪がまだ積もっていて、いろいろな動物の痕跡を見つけました。
一番多かったのはテンの足跡。そして、タヌキ、キツネ、カモシカ、ネズミ…。
雪の下から顔を出したモグラが、踏まれそうになってあわてて雪の上に飛び出し、いちもくさんに走って再び雪の下へ逃げていくのも目撃しました。
その逃げ足の早さと言ったら…「モグラだ!」と言う間もなく、指をさして「あー!」と言っている間にいなくなりました。

テンの足跡  爪の跡がくっきり


カモシカの足跡


今回の観察会は、地元の自然をよく知る自然公園指導員の山下清吉さんを講師に迎え、「森と動物と私たち」と題して、“自然と人とのかかわり”についても考えていきたいと思っています。
私たちは昔から、自然と深く関わって生きてきました。
時に、私たちの都合で、自然を変えてきました。
たとえば、木材生産のためにブナの林をスギの造林地に変えてしまったら、生態系にはどんな影響がでてくるだろうか…?
森の中ではさまざまな生き物がお互いにつながりを持って生活しています。
自然界のつながり、さらに、自然と私たちのつながりについて想像しながら冬の十和田湖畔を歩く観察会ができたらと思っています。

この下見で山下さんのお話を聞いていて、私自身も観察会がすごく楽しみになりました。
参加者の皆さんにも、自然と私たちとのつながりについて、何か感じてもらえたらうれしいと思います。

ここは本当にすばらしい自然があるんだなぁ。
何百年か先の、今と変わらない、むしろ今よりもっと立派な木々が立ち並ぶ十和田湖の自然を見てみたいものだなぁ…。
と、しみじみと語りながら帰路についたのでした。



青橅(あおぶな)湾と呼ばれる十和田湖北岸にある入り江。

観察会のお知らせはこちらをご覧下さい。
ご参加お待ちしています!


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2007年11月14日開催のお知らせ「冬の十和田湖自然観察会~森と動物と私たち~」

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 こんにちは、十和田自然保護官事務所アクティブレンジャーの村田野人です。今日は紅葉も終わり、初冬の雰囲気を漂わせる十和田湖から「冬の十和田湖自然観察会~森と動物と私たち~」開催のお知らせです。
 今年は自然公園法が制定されて50年という節目の年であり、当事務所では、四季にあわせた年4回の自然ふれあい行事を実施しています。今回(最終回)の自然観察会を通じて、自然と親しみ、また同時に自然公園法など、国立公園のしくみについても知っていただけたらと考えております。
 初冬を迎えた静かな十和田湖畔をゆっくり歩き、様々なものを観察しながら、森と動物、そして私たちの関わりについて考える観察会です。たくさんの方々の参加をお待ちしております。
 申し込み〆切は11月28日水曜日です。定員の20名になりしだい締め切ります。参加を希望される方はお早めに十和田自然保護官事務所までお申し込みください。
 申込先、詳細については近日中に東北地方環境事務所WebページTOPICSの一覧に掲載される予定です。少々お待ち下さい。

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2007年11月08日初冬の森

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

先日の11月4日、八甲田の南に位置する蔦野鳥の森(6つの沼が点在しています)と、少し離れた場所にある赤沼という所に行ってきました。
すっかり葉が落ちて見通しの良くなった森の中を落ち葉を踏みしめながら歩いた、気持ちの良い1日でした。
森の中では、これから来る冬に向けて、樹木の「冬支度」を観察することができます。
そう、冬芽です。
葉っぱの落ちたあと(葉痕)も観察することができます。
葉痕はまるで何かの「顔」のように見えるものが多いので、気になりだすとおもしろくてはまります。

1 サワグルミの葉痕。眠っている顔みたいです。
2 これもサワグルミの葉痕。枯れ枝で見つけたもので、黒い顔をしてました。
3 イタヤカエデ。何となく凛々しい顔つきです。
4 ハルニレだと思います。帽子をかぶった小人のようです。

そして、まずは赤沼に到着。


赤沼はとても水が澄んでいて、なんとその透明度は本州では1番!
日本で5番目です!
(ちなみに日本一は摩周湖。十和田湖は10位だそうです。)
山奥にひっそりとたたずむ赤沼は、いつまでも大切に残したい場所です。
そして、松森とよばれる場所を通り、蔦野鳥の森に抜けました。


 赤沼


 月沼(蔦野鳥の森)


 鏡沼(蔦野鳥の森)

葉の落ちた木々の間からは空が見え、夏の間より、沼がキラキラして見えました。

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2007年11月01日コミュニケーション

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

十和田湖畔の休屋では、毎朝「十和田湖早朝自然ガイド」が行われています。これは十和田湖畔に住む地元のボランティアガイドが、朝6時から1時間、「乙女の像」や「十和田神社」などを案内するものです。ホテル等に泊まった観光客の方々に、朝食前の開いている時間(団体のツアーの方もこの時間なら自由なはず!)に湖畔をゆっくり散策してもらいたいという思いで行われています。私も十和田に来た2年前から参加させていただいています(以前の日記でも一度紹介しています)。初めはただついて行くだけでしたが、最近では時々私も案内させていただくようになりました。
先日のガイドの日、まだ少しだけ薄暗いビジターセンターの前に9名の方が集合してくださいました。
今日は私が案内役。
カツラの葉の甘い香りをかいだり、十和田湖にやってきたハクチョウを見たり、乙女の像、十和田神社の話などをしながら歩きました。
天気が良く、外輪山が紅葉と朝焼けで赤く輝いているのがとても印象的でした。
参加者の皆さんは、とても真剣に話を聞いて下さって、そしていろんな話をしてくださいました。この早朝ガイドは、公園利用者の方の声を直接聞くことができる大切な時間でもあります。
皆さんが十和田湖の景色を見て、「綺麗だね」「いいところだね」と話しているのを聞いていると、なぜか勝手に私が、うれしく誇らしい気持ちになってしまうのでした。
解説についてはまだ知らないことがたくさんで、もっとうまく伝えられるようになりたいと反省ばかりですが、それでも今日は、参加者の皆さんとのコミュニケーションがうまくとれたような気がしました。

そして一番うれしかったのは、その日の昼間、早朝ガイド参加者の方と偶然にまたお会いした時に「今朝は有意義な時間でした。ありがとう。」という言葉をいただけたことです。
このガイドに参加し始めたころの目標に、少しずつ近づいているのかな?と思えた一日でした。



10月30日の十和田湖。
甲岳台という展望台から休屋が見えました。(湖に突き出た半島の付け根部分です)
10月初めに八甲田の山頂から始まった紅葉は、十和田湖では今終盤を迎えています。

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