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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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十和田八幡平国立公園 十和田

398件の記事があります。

2008年05月27日新しい仕事の話

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 先日、初めて国指定小湊鳥獣保護区の巡視に行ってきました。小湊鳥獣保護区はこの4月から当事務所の担当になった三つの鳥獣保護区のうちの一つで、当事務所からだと八甲田の向こう側、青森県平内町、陸奥湾に突き出た夏泊半島にあります。この鳥獣保護区は、シベリアから日本に渡来するハクチョウ及びガンカモ類の重要な集団飛来地として指定されており、海と海岸の鳥獣保護区です。
 この日は、小湊鳥獣保護区の管理員の方と一緒に歩いて、現地の状況をいろいろ教えていただきました。その中で十和田鳥獣保護区とは、違う点が何点かあり、これまで山と湖の鳥獣保護区しか担当したことのなかった私にとっては、見るもの聞くこと全て新鮮で楽しい一日でした。例えば、違いの一つとして、鳥獣の生息状況を把握するための調査法の違い、がありました。この調査は、毎月鳥獣保護区管理員さんが行い、報告してもらっているものです。この調査方法が、海鳥の状況を効率よく把握出来るように若干アレンジされていました。
 4月末、まだ現地を見ていない段階で、管理員さんから提出された鳥獣保護区の報告を読んだ時は、どうして調査法にアレンジが加えられているのか理解できず、不思議に感じる点がありましたけれど、この巡視により、すっかり理解することが出来ました。現地にでるって重要ですね。この調子で、新しく当事務所の担当になった残り2つの鳥獣保護区の巡視にも、行こうと思っております。
 小湊鳥獣保護区の様子を知りたい方は、インターネット自然研究所のホームページから「国立公園・野生生物ライブ映像」をクリックし、さらに「小湊海岸のハクチョウ」をクリックして下さい。鳥獣保護区の観察舎に設置されているライブカメラの映像を見ることが出来ます。今の時期は、ハクチョウ類やカモ類は北に帰ってしまってちょっと寂しい風景ですけれど、このライブカメラでは、過去の映像も見られます。2月のむちゃくちゃ賑わっている時の映像も見られますよ。

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2008年05月08日【お知らせ】春の蔦野鳥観察会を開催します!

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

5月17日(土)、十和田自然保護官事務所では、蔦野鳥の森で「春の蔦野鳥観察会~鳥たちの楽園へ出かけよう~」を開催します。

日本野鳥の会青森県支部の津曲氏と、当事務所アクティブレンジャーの村田さんを講師に、蔦の森に棲む野鳥たちを観察します。
森の中では南の国から渡ってきたばかりのキビタキなどが、森の中に点在する沼ではオシドリなどの姿が見られるかも知れません!
もしも姿が見えなくても、きっと森の中は鳥たちの声が飛び交っています…♪

小鳥のさえずりを聴きながら、木々の芽吹きや春の花々など、蔦の森の「春」楽しみながらのんびり散策してみませんか?

まだ定員に余裕がありますので、春の森を散策したい人、鳥が大好きな人、これからバードウォッチングを始めてみたい人、ぜひぜひご参加下さい。お待ちしています!


春の蔦沼

春の蔦野鳥観察会
~鳥たちの楽園へ出かけよう~

日  時:平成20年5月17日(日) 7:45~12:00
集合場所:蔦温泉駐車場7:45集合
募集定員:20名(先着)
参加費:100円(傷害保険料
参加資格:小学生以上で半日程度のハイキングが出来る体力のある方
      (小学生の場合は保護者同伴での参加をお願いいたします)
締め切り:5月14日(水)

お申し込み・お問い合わせは
十和田自然保護官事務所(0176-75-2728)まで。

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2008年04月24日横岳

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

4月20日の日曜日、巡視で南八甲田の「横岳」へ行きました。
横岳には登山道がないので夏には行けず、冬の雪のある時期にしか行くことができません。実は私は、今まで横岳に登ったことがなかったので、この日をとても楽しみにしていました。
黒石市の沖揚平から山頂を目指してスノーシューで。初めの登りがとても急で、開始早々バテ気味でしたが、まわりの木々がブナからアオモリトドマツに変わり、だんだんと視界が開けてくると、そこにはとても美しい景色が広がっていました!テンションがあがって疲れもふっとびました!
私が一番感動したのは、北八甲田の山並みがキレイに見えたことです。
北八甲田には、だいたい10個の主要なピークがあるのですが、そのうち8つのピークが見えていて、ものすごい迫力でした。
いつもはあっち(北八甲田)から見ていた横岳から、こんなにすごい景色が楽しめるとは!!
お気に入りの場所が、またひとつ増えました。


横岳山頂へ向かう途中から見えた北八甲田の山々

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2008年04月14日4月の八甲田

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

十和田自然保護官事務所に来て、ついに4年目となりました。
このブログを通して、十和田・八甲田地域の魅力をお伝えしていきたいと思います。
今年度も、どうぞよろしくお願いいたします。

13日(日)は、久々の快晴でした。
前日に少し雪が降ったため、スキーにはもってこいの日和。
八甲田の山岳スキーの出発点の一つである田茂萢岳山頂を目指すロープウェーは、とても混雑していました。


酸ヶ湯公共駐車場から見た八甲田の主峰:大岳。

この日の午前中、毎年行われている『スノーモービル乗り入れ防止合同パトロール』が行われました。
国、県、市、地元の関係団体が集まり、乗り入れ規制区域に違法に乗り入れているスノーモービルがいないか巡視を行うとともに、乗り入れ規制について周知を図るためにパンフレットを配りました。
その後、報告と意見交換会が行われ、依然として無くならない悪質な規制区域への乗り入れを防止するために、どのような対策が必要か等を話し合いました。
八甲田山の動植物へ悪影響を及ぼさないために、そして登山者やスキーヤーが冬の八甲田の静寂さや神秘的な景色を楽しめる場所を守るためにも、この話し合いで出た意見を取り入れ、違法乗り入れ根絶を目指していきたいと思います。

そして午後は、八甲田地区パークボランティア連絡会の総会が行われました。
総会ではなんと、約60名のパークボランティアのうち50名近くの方が参加されていました。
皆さんの熱意と八甲田に対する思いの強さを、ひしひしと感じました。
そんな皆さんと一緒に活動できることを、本当にうれしく思います。

総会の様子。

山の雪が融け始めてくると、八甲田PVもいよいよ活動開始です。
「美しい八甲田山をいつまでも」のスローガンのもと、私も皆さんと一緒に、今年1年、色々学びながら頑張っていこうと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

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2008年04月03日新年度のご挨拶

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 今日の十和田湖の天気は・・・どんな天気だったか思い出せません。天気予報によると、雨だったらしいですね。今日は一日、年度始めのデスクワークに追われておりました。
 こんな私ですが、4月1日でAR3年目に突入しました。1年目は、手元に回ってくる仕事だけをこなすだけでいっぱいいっぱいで、2年目は無人のビジターセンターに定期的に詰める業務や巡視をより計画的に行うなどの新しい業務に挑戦してきました。その成果(?)により、今年はすでに計画を立ててあったので、4月1日から定期巡視として蔦野鳥の森に行きました。全国のARでも勤務初日の4月1日に巡視に行ってるところは少ないんじゃないかなぁ、と一人で悦に入っております。(みんな普通に巡視に行ってたらどうしよう。)
 4月1日の蔦野鳥の森の様子を紹介いたしますと、その日は、雪で、軽く吹雪いているような有様でした。雪もまだ30~50㎝程度のあり、テレマークスキーやスノーシューで散策されている方がいらっしゃいました。実は、巡視の時にミソサザイのさえずりを聞くことが出来ると思い、ミソサザイの展示をVCでしようと前日から準備して行ったのですが、吹雪でさえずりは聞こえませんでした。その代わり蔦沼ではオシドリの夫婦を独り者の雄2羽が追いかけ回している姿とテンがひょこひょこと歩いている姿が見えました。蔦VCにはミソサザイについて、今日は見られなかったけど、そのうち・・・という書き方をしてきました。
 さて、蔦野鳥の森にこれから雪がある時期に行こうという方には以下の点に注意して下さい。
・蔦野鳥の森にはまだ積雪があります。歩道はまだ見えません。森の管理員の方がビニールひもで木に印を付けていますが、道に迷わないよう十分注意が必要です。
・沢の部分は地表と雪の間に大きな空洞が出来ていて雪を踏み抜く危険があります。
・蔦野鳥の森では、なるべく自然の状態を保つようにしているため、歩道の上でも木の枝が落ちてくる危険性があります。
 最後に今年度の私のテーマは『充実』と『まとめ』です。私が十和田・八甲田でARとして勤務できる期間は、長くてもあと2年、半分が過ぎました。自分が新しく始めた仕事を充実させ、後に何を残せるのか、それが今年の課題です。

雪で折れた制札(この後無理矢理起こしました。)

八甲田ゴールドラインの開通を祝う人たち

誰かが踏み抜いた跡(私の立っているところが橋です。)

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2008年03月17日十和田湖に春の訪れ

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

今日は十和田湖畔の休屋を巡視しました。
御前ヶ浜にいるオオハクチョウたちは、旅立ちが近いのか、なんだかそわそわしている様子。
ばたばたと水面から飛び立っては、2~3回旋回して水面に戻ってきます。
体慣らしでしょうか?はたまたイメージトレーニング?
北国へ戻る日も、近づいているようです。

そしてそのハクチョウたちの群れのすぐそばでひっそりと咲いていたのは…


マルバマンサクです。
春、誰よりも一番に咲く花です。
あまりのひっそりさに、一度気づかず通り過ぎてしまったほど。
後で、「そういえばマンサクを見忘れた!」ともう一度戻って、写真を撮りました。
よーく見ないと気づきません。
一見地味ですが、とてもかわいらしい花ですので、ぜひ探してみてください。


だいぶ雪融けも進み、だんだん春が近づいているのを感じますが、まだまだ風は冷たい十和田湖です。


紫明亭からの十和田湖

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2008年02月28日冬の八甲田山

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

2月26日、酸ヶ湯(すかゆ)に巡視に行きました。
ここは、北八甲田(八甲田山とは山の名前ではなく、この辺一体の山々の総称です。)の登山口の一つであり、夏場は登山者や観光客でにぎわう場所です。
標高約900mという高地のため、現在積雪は4mほどあります。
冬期閉鎖中の道路もあるので、現在は利用者の姿はそれほど多くはありませんが、もうまもなく、八甲田山の山岳スキーのシーズンが到来となります。
酸ヶ湯には、昨年夏にリニューアルオープンしたキャンプ場があります。
この日の巡視では、そのキャンプ場の施設の状況を確認しました。

夏(7/26)はこんな感じだったキャンプ場の風景が…




今はこんな感じです。


すっかり埋まっています。
左に見える建物は管理棟で、半分以上雪に埋まっています。
中央に見える炊事棟は、屋根のてっぺんだけ少し見える程度です。

この日は、夏の写真中央に見えている八甲田山の主峰・大岳(1585m)の山頂は見えませんでしたが、時々、雲の切れ間から、転々と立ち並ぶ『樹氷・モンスター』が見えました。
10月には初雪が降り、6月までたっぷり雪が残っている八甲田の山々は、一年の3分の2ほどの間雪に埋もれています。
八甲田山はまだまだ冬の気配です。
今はひっそりとしている山々に、たくさんの高山植物が咲き、木々が芽吹く頃が、もう今から待ち遠しく思えてきます。

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2008年02月21日雪灯籠で地域貢献?

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 ご無沙汰しております。十和田自然保護官事務所のアクティブレンジャー村田野人です。
 昨年もお伝えしましたが、今年も2月1日~2月24日まで十和田湖畔の休屋地区で「十和田湖冬物語」を開催中です。ささやかな地域貢献、ということで今年もこのお祭りにあわせて事務所の前の道路沿いに雪灯籠を作ってみました。事務所前の道路は、国道から祭り会場へ向かう最短ルートの一つなので、お祭りを見に来て目にする方は多いと思うし、雪灯籠を見ながら会場に近づいていくと徐々に気持ちが盛り上がって行くのではないか、と勝手に思っています。たぶん・・・。
 個人的には、事務所の机に座って花火の音やねぶたのお囃子を聞いているより、ほんのちょっとお祭りに参加した気分になれるので、それだけで満足です。毎日、仕事帰りに点灯してから帰ります。

事務所前の雪灯籠
 最後に祭りの紹介をちょっとだけします。会場では、ねぶたハネト体験や冬花火、三味線のライブなどを毎晩行われていて、いらした方の歓声が上がっています。他にも十和田湖のおいしい物や楽しい物がたくさん体験できます。まだ来ていない方はぜひ一度どうぞ。詳しく知りたい方は
十和田湖総合案内所ホームページ をご覧下さい。

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2008年02月20日ブナの巨木

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

先日の暖かい天気の良い日に、スキーを履いて巡視に行きました。
目指すは、昨年、全国巨樹・巨木林の会巨樹調査員の方によって発見された、「ブナの巨木」です。
幹回りはなんと6.01m。一本木としては日本一だそうです。
そのブナの木を見に行くツアーなども行われているそうなので、利用状況などを確認するために巡視に行きました。
そのブナに会いに行くには、冬期閉鎖中の道をスキーで歩いて約3時間(夏場ならわりと近くまで車で行けるのですが)。
しかもずっと緩やかな上り坂です。
「暖かくていい天気♪」どころではありません。
夏の登山並みに汗だくになりながら、やっと到着!


木の左に写っている人の大きさと比べると「巨木」だということがわかると思います。

冬の姿も、堂々としていてとても立派でした。
しーんと静かな森の中に、いったい何年立っているのでしょう?
1つの種が芽を出し、ここまで大きくなるまでを想像していると、このブナの木が、そしてこの森がとてもいとおしく思えてきました。

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2008年01月28日ネイチャースキーin黄瀬川

十和田八幡平国立公園 十和田 持塚 陽子

1月26日(土)、自然公園財団主催の自然観察会(東北地方環境事務所後援)にサポートとして参加しました。この日は、歩くスキー(クロスカントリースキーなど)で、奥入瀬渓流に注ぐ支流の一つである黄瀬川沿いの林道を歩きました。
秋にも観察会で歩いたことのあるこの道は、すっかり雪景色となり、まったく違った表情を見せていました。

秋の黄瀬川

冬の黄瀬川

この日は、乾いた雪がさらさらと、しかしずっと降り続けていたため、鳥や動物の足跡などはあまり観察できませんでした。しかし、冬ならではの景色を楽しむことができました。

まずは氷の造形美、氷柱です。

太陽が出ていたら、キラキラと光ってさぞかしキレイだろうなぁ。


そして次は綿帽子。

渓流の中に転がる石の上に雪が積もり、まるで真っ白な綿の帽子をかぶっているように見えます。この日は一気に雪が降ったからなのかわかりませんが、ちょっと四角い帽子でした。


そしてモノトーンな中にも、グラデーションのある景色。

写真を見ると、川の水の暗い色と、岸に積もった白い雪の間に、グレーの部分が。
これは大雪の時など、川に降った雪が溶けきれずにシャーベット状になって残っている状態なんだそうです。


いつも自然公園財団主催の観察会で講師を務めている久末さんのお話には、植物や動物、地形などの自然科学のことだけでなく、その合間に、自然の美しい現象、色、風景など「アート」なお話もたくさん出てくるので、いつも興味深く聞いています。

自然のことはもちろんですが、それだけでなく十和田・八甲田の「いろんな魅力」を訪れた人に感じてもらえるように頑張りたいと思います。


真冬の世界も、おもいきって出かけてみれば、面白いものがたくさんあります。
そしてはしゃいでしまえば、寒さなんて忘れてしまいますよ!

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