ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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十和田八幡平国立公園 十和田

398件の記事があります。

2009年07月14日風に吹かれて

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

私の朝の出勤は、自転車ですい~っと5分ほどです。
ある風の強い日。その日も毎度のように自転車で出勤しました。
何せ5分で着くので、風が強かろうが雨が降ろうが、土砂降りでなければ大した影響を受けないからです。

さて、その短い通勤途中。
左側にいたハクセキレイが、目の前を横切るように飛び立ちました。が、風に押されて元いた位置よりも奥に・・・。
そのハクセキレイは嘴になにやら咥えていて、巣の材料なのか、幼鳥のご飯なのか。定かではありませんが、何とも悲しそうな目で行きたかった方向を見つめていました。
特に体の軽い小鳥たちは、こんな風の強い日には、いつもなら一っ飛びの所を苦労するなぁと不憫に思いましたので「がんばれ!」とつい声をかけてから、心の中で、歩いて行けば?とも思ったり。
なんたってハクセキレイは歩くの速いですからね。

こんな動植物との一コマ劇場が多いのも、国立公園という豊かな自然環境のおかげなのだと、こんな些細なことで実感してしまう今日この頃です。
だから、この自然が壊されないようにもっと沢山の人に自然の大切さを伝えて、些細なことでも自然の営みと繋がっていることを感じてもらえるように頑張らねば。
と風に煽られながら思いましたとさ。

ささやかな通勤風景の一コマより。

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2009年07月14日蔦ビジターセンター業務

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 先週金曜日の十和田湖は大荒れで、所々で倒木が発生し一時通行止めとなった道路もあったようですが、管理している方々のご尽力によりあっという間に復旧したので、予定どおり蔦ビジターセンター業務へ出かけました。
 蔦ビジターセンター業務とは、アクティブレンジャーが6月から10月の第2第4金曜日に普段は無人である蔦ビジターセンターに勤務し、センターでの窓口案内、フィールドの案内、展示物の整理・更新や利用者の皆様への自然情報の提供、利用指導を行う仕事です。それから、この仕事には、蔦ビジターセンターの背後に広がる蔦野鳥の森散策路の巡視も含まれます。
 この日は大荒れの後なので、蔦野鳥の森散策路の巡視を中心に仕事を行いました。一周した結果、歩道を塞ぐような大きな落枝はなく、東屋や標識などの施設も壊れていませんでした。設置したばかりで、風で倒れていないか心配だった入山者カウンタも無事でした。装置が正常に作動している事を確認した後、入山者カウンタには、念のため補助用の支柱を新しくつけました。
 ここは自然地域ですので、倒木や落石がいつ起こるかわかりません。利用者の方々に安全に散策していただけるよう。これからもきめ細かな巡視や必要な情報提供を続けていこうと思います。

「キノコ」巡視中に見つけたきれいなキノコの写真をお届けします。この日はとにかく風が強くて、私の得意分野の鳥たちの声もあまり聞かれませんでした。

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2009年07月08日八甲田山地域高山植物等盗掘防止合同パトロール

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

先週日曜日、八甲田山地域にて高山植物などの盗掘防止合同パトロールが行われました。各関係機関(団体)から総勢56人が参加し、八甲田山地域を5班に分かれての活動となりました。

このパトロールは高山植物などの盗掘防止と、登山道・木道以外での踏み込みを防止し、貴重な自然環境の保護を普及啓発することを目的としています。

今回私が参加した班は南八甲田の櫛ヶ峰往復コース。
一番距離が長い班ということでしたが、晴れ続きだったおかげで登山道も歩きやすく頂上付近では曇りになるなど暑すぎず、寒すぎず、途中けが人なども出ず、楽しい登山となりました。

高山植物もとてもきれいに咲いており、盗掘跡も見られませんでした。
やはり自然のものはそのままが一番美しいと思います。湿原を気分良く歩いていて手折られた花や根本からごっそり持ち出されたような跡は見たくないですからね。また湿原に続く踏み跡などもないように見られました。
湿原は人が足を踏み入れるとすぐに壊れてしまう繊細な自然です。
南八甲田だけではなく他の場所でも、登山道以外の人の足跡などあまり見たくないものですね。

湿原を通った人みんなが同じ景色を見て、この景色を守っていきたいと思ってくれると良いなと思います。




イワイチョウ越しに休憩風景

登山道のすぐ脇や、段差、隙間などにも高山植物が花を咲かせていて、踏まないよう蹴っ飛ばしたりしないよう足下の確認は一時たりとも怠れません。
でも前方も確認しないと、顔面・頭に枝がクリーンヒットします。南八甲田の登山道に入る際はお気を付け下さい。

頂上では360度がガスって真っ白だったので、櫛ヶ峰が誇る好展望は望めませんでした。



下山途中、頂上付近が晴れてきて、参加者で「あー・・・」と思っているところ。




今回は盗掘防止パトロールに加えて、7月1日より行われた無断伐採防止パトロールで発見された違法伐採の確認も行いました。南八甲田は国立公園特別保護地区で動物の捕獲や植物を傷つけたりする行為は一切禁止されているところです。しかしパトロールの結果、今シーズンは11本の木が切られてしまっていました。
このような違法行為が無くなるよう、今回のように八甲田に関わる様々な立場の方達と協力して取り組んでいくことの重要性を改めて感じました。

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2009年06月22日退院!

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

先日ご報告しましたアカゲラくん。
その後無事元気になったらしく、先週の金曜日に自然に帰ったということだそうです。
いやぁ、よかったよかった。


因みにアカゲラとは書いておりますが、オオアカゲラというアカゲラとよく似たキツツキもいて、頭をぶつけているようだったので、あまり詳しい判別に至らず種名がどちらかとははっきりと言えないです。
あれ?と思った方がいらっしゃったらスイマセンでした。
右に傾いでいる子をあまりいじれなくて・・・。

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2009年06月19日珍しい来客

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 いろいろと来訪される方の多い十和田自然保護官事務所。3年も勤務していると見覚えのある方である事が多いのですが、今日は初顔の方でした。

アナグマ

 アナグマです。最近、休屋で良く目撃されており、十和田ビジターセンターの職員の方は、子育て中の雌がお腹を空かせて人目を気にせずエサを探し回っているんだろう、とおっしゃっていました。実際に、事務所駐車場脇の地面をほじくり返して何かを探すのに夢中で、写真を撮ろうとしてもなかなか顔を上げてくれませんでした。

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2009年06月18日緊張のドライブ

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

先日、八甲田のホテルから窓ガラスに鳥がぶつかってきて、それを保護しているという電話が入りました。
県の方と相談した結果、鳥獣保護センターへの搬送が決まったのですが、その運転手に私が選ばれてしまったのです。

十和田湖から東津軽の平内までドライブ。
お相手はどんな方かしらと不安になりつつ、ホテルまでお迎えに行きました。

お相手は・・・


アカゲラくん。
いや、雄か雌かわかんないですけどね。若鳥かな?
窓ガラスが分からなくて衝突する若者が増えているようなので。

さて、窓ガラスに衝突したとあってどこか怪我とかしているのかと思ったのですが、足も羽根もそんなに痛々しそうではない。
しかし怪我をしているのには変わらないので、負担のないよう運転しなければ!

慎重に慎重に運転すること1時間半。
無事青森県鳥獣保護センターへと到着。



用意されていた鳥かごに入れられた時の様子。

歩かせてみて初めて分かったのですが、この子右に傾いでいるのです。
だから左の目で見ているようです。
たぶん頭を強く打ったんでしょうね。心配です。
なんとか元気になって自然に帰れるよう祈るばかりです。

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2009年06月15日もったーー!!

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

13日土曜日、十和田自然保護官事務所主催の観察会「山野の花を楽しむ白地山トレッキング」を行いました。

この企画は一昨年、昨年と2年続きで雨の為に中止・変更をしてきたもの。3度目の正直ということで「今年こそ山頂へ!」という思いがありました。
しかし13日の天気予報はなんだか怪しい雲行き。11日雨、12日晴れのち雨、13日曇時々雨・・・これで登山道は大丈夫なんだろうか。

などという不安を抱えつつ、11日は土砂降り、12日は悲しいぐらいの晴天のち小雨。そして当日。天気予報は曇のち夕方から雨。空を見れば中々の晴天。もってくれよ~と念じながら始まった観察会でした。


そして結果はこの通り。


これは午後の様子なのですが、きれいに晴れてくれました!
10時頃に1回だけパラついたのですが、すぐに持ち直し午後の展望は見事なものでした。



こちらは白地湿地帯。
長い山道を経てたどり着く湿地なので、到着するとテンションが確実にあがります。しかも高山植物たちのお出迎えや、山頂までこの木道を行くだけというのも加わるので楽しく散策できました。



湿地帯の入り口付近に咲いていたツバメオモト。
観察会で見た中で一番の美人さんだったのでご紹介します。

このように高山植物もきれいに咲いてくれていて、心配していた天気も最後までもち、事故など起こることなく無事観察会を終えることができました。
ただ主催側の方では反省点が多々残る結果となってしまい、今後はそれも生かしてこれからの観察会など励んでいこうと思います。

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2009年06月11日雨の湿原

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

ついに青森も梅雨入りして、天気ぐずぐず、登山道もぐずぐずの今日この頃です。
今日はそんな雨の中湿原への野鳥観察会に参加してきました。
残念ながら雨のため野鳥は見られませんでしたが、水もしたたるいいお花たちを見てきました。



東八甲田の田代平湿原のレンゲツツジです。今年は花が多いらしくで見応え十分でした。


ただ、この方は水がしたたるとしょんぼりしてしまっていました。


白い綿帽子がキュートなワタスゲです。
今田代平湿原はワタスゲの綿も見頃で、晴れていればワタワタした姿を見ることができたのですが、しょうがないですね。
因みにこれは花ではなく、タンポポの綿毛のように下の方には実がついています。
奥に見えるカラフルな影は観察会の参加者の列です。






こちらは田代平湿原の近くにあるグダリ沼から。
“沼”とついていますが、ここは川です。
そしてカメラのレンズに雨粒がついちゃったのですが、それだけ雨が降っていたということでご勘弁下さい。

因みにグダリ沼が有名になったのは「黒い雨」や「山椒魚」を書いた小説家、井伏鱒二の「グダリ沼探訪記」というエッセイがきっかけらしいです。
日本の原風景というものとはまた違った、異国情緒あふれるところでした。

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2009年04月27日曇りの隙間

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

24日金曜日。
この日自然公園財団十和田支部の観察会があり、サポートに行ってきました。
場所は南八甲田の一つ、乗鞍岳。猿倉温泉から入って沢沿いに行く、冬ならではの雪上ウォークです。

ここのところ十和田は天気が優れず、26日なんて桜見ながら降ってるのは雪だったりしてたんですが、この日はそんな合間を縫った見事な快晴。

あまりにきれいだったので自まn・・・お伝えします。

猿倉温泉から。
これから登るぞ、という時です。
見てください、空の蒼と雪の白。
この季節にこんなコントラストの山を登れるとは!
前日山では雪が降ったばかりだったので、腐ってなんだか茶色い雪ではなく、真っ白な雪を拝めたわけです。ただちょっと歩きにくかったですが・・・。

雲一つ無いですねぇ。
まさかこんなに晴れるとは思いませんでした。
木の枝先が白っぽく見えると思いますが、これは粗氷という樹氷の一種で、気温が高めの時にできるものみたいです。
つまりは枝先を氷が包んでいて、光が反射して白く見える、という訳ですね。

休憩中。

林を抜けて、開けた場所で一休み。
実はこの開けた場所は危険地帯だったりするみたいです。ここではなくてもう少し先に行ったところなのですが、そこには幹の太い木が折れて上がなかったり、その折れたものがごろごろしていたりするところ。
実はそれらは風で持っていかれたものだとか。
局所的な強風が吹く場所みたいで、ピンポイントでそこにだけ風速70~80kmの突風が吹くようです。原因はまだ調査中のようですが、もしそんな突風に居合わせたらとんでもないことになります。
かなり珍しいことみたいですが、乗鞍岳には3カ所そういった場所があるようです。皆さんも、急に開けて木々が折れているものが目立つ時は気を付けた方がいいかもしれません。とりあえず長居は無用です。


頂上にて。

寒くはなかったし、ちょうど正午だったので遠くまで見通すことはできませんでしたが、お昼をこんなところで頂けるなんて!
山登りの醍醐味の一つですね。


こんな悪天候の狭間の素晴らしい雪上ウォークとなりました。

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2009年04月23日春の訪れ

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

そろそろこの十和田湖にも春の気配が漂ってくる今日この頃です。
新聞では弘前の桜まつりが大きく報道され世間は春爛漫モードですが、こちらはまだ爛漫とはいかないみたいです。

しかし十和田湖から町へ降りると、町に近づくほど桜が咲いており桜前線がもうすぐそばまできているのが見て取れて、とてもワクワクします。
十和田湖の桜開花もカウントダウン開始です。


と、日々暖かくなっていく気温に嬉しくなっていたのに
今週は雨模様で気温が下がっています。
しかもさっき入った情報では、八甲田は吹雪だそうです。
積雪5cm。
この時期はまだまだ油断ならないですね。夏タイヤの方達が困っている姿がちらほら見られたとか・・・。


なんて、そんなことを書きたかった訳じゃないんです!
少し前なんですが、先週の金曜日、17日ですね。
巡視途中、ついにこの十和田湖でウグイスの初鳴きを聞いたのです!
春が確実に近づいてて嬉しいなぁ
ということを書きたかったのですが・・・。

こちらはまだまだストーブが手放せません。

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