ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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十和田八幡平国立公園 十和田

398件の記事があります。

2010年02月09日【実施報告】「裏山スノーシューハイクin十和田湖~発見!大自然」

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

 観察会の報告を致します。

 先週末、6日(土)に十和田湖畔休屋において十和田自然保護官事務所主催自然観察会「裏山スノーシューハイクin十和田湖~発見!大自然~」を行いました。参加者18名、講師2名、スタッフ11名の総勢31名です。多くの参加、有り難うございました!

 この観察会は、休屋の裏山である中山半島の裾の部分をスノーシューで歩き冬芽や動物の足跡などを見る雪上観察会だったのですが、天気はあいにくの吹雪。歩く分には支障のない程度だったのですが、やむなく午前のみでコースを短縮。2時間ほど平地と山の境界の林を散策して終了となりました。
 今観察会の目玉は十和田湖最深部、中湖(なかのうみ)を見渡せるビューポイントだったのですが、短縮コースでも新雪が一瞬の陽光に照らされ林中が白く輝くという絶景に出会えました。広大な景色も感動しますが、こういった日常の刹那の美しさもまたいいものですね。
 こういった景色を、これからも多くの人に伝えていけるよう頑張っていかねば!と思った観察会でした。



風に飛ばされ雲が切れ、少しの間青空が覘く。



晴れたり吹雪いたり、不安定な天候の中の観察会。



たまにこぼれる陽光に、ついつい胸が高鳴ります。

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2010年02月03日【開催結果】アクティブレンジャー写真展お勧めスポット編in蔦VC

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

 ちょっと遅くなってしまいましたが、蔦温泉園地ビジターセンターで昨年12月1日から今年1月12日まで展示した東北アクティブレンジャー写真展お勧めスポット編の開催結果をお知らせします。
 この期間の来館者数(推計)は100人程度ということで、寒い時期だけにちょっとさびしい感じでしたが、来館者の方から「東北のすばらしい景色を楽しませてもらいました」という言葉を聞く事ができたので、一安心でした。また、アンケート結果では、お正月で帰省された際に見ていただいたのか、関東地方にお住まいの方も結構いらしたようです。
 夏、他の業務に時間をとられ思うようにできないビジターセンター等での展示を充実させよう、と東北のアクティブレンジャーで話し合って初めて取り組んだ写真展。十和田・八甲田地区での開催は今回の蔦ビジターセンターで全て終わりです。今後は、アンケート結果や展示作業を行う中で見えてきた課題を来年度へ向けて整理していきます。来年度はもっともっと東北の自然のすばらしさを知っていただける写真展となるよう努力したいと思います。
 ちなみに、以下の施設では、まだ東北アクティブレンジャー写真展を開催中です。見に行かれる際は、念のため下記連絡先に電話をお願いします。

【いきもの編を開催中!!】
開催場所:白神山地世界遺産センター西目屋館 〒036-1411青森県中津軽郡西目屋村大字田代字神田61-1
連絡先:TEL0172-85-2622(西目屋自然保護官事務所)

【北東北の水風景編を開催中!!】
開催場所:白神山地世界遺産センター藤里館 〒018-3201秋田県山本郡藤里町藤琴字里栗63番地
連絡先:TEL0185-79-3001(藤里自然保護官事務所)

【いきもの編とお勧めスポット編を開催中!!】
開催場所:休暇村乳頭温泉郷 〒014-1201秋田県仙北市田沢湖駒ケ岳2-1
連絡先:TEL0186-30-0330(鹿角自然保護官事務所)

【北東北の水風景編を開催中!!】
開催場所:森吉山ダム広報館 〒018-4512秋田県北秋田市根森田字姫ケ岱31
連絡先:TEL018-867-8588(秋田自然保護官事務所)

【いきもの編とお勧めスポット編を開催中!!】
開催場所:休暇村気仙沼大島 〒988-0603宮城県気仙沼市外畑16
連絡先:TEL0193-62-3912(宮古自然保護官事務所)





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2009年12月02日十和田湖の冬鳥

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

各地で冬鳥の話題があがっていますね。ここ十和田湖では11月5、6日頃からオオハクチョウの姿が見られるようになりました。それ以前にも夜、上空で声が聞こえていたので、もしかしたらもうちょっと早く飛来していたのかもしれません。
しかしまだまだ前衛部隊のようで、十和田湖でちょっと休憩し、すぐにみんなどこかに行ってしまいます。

その他の冬鳥も10月下旬から11月頭にかけてやってきており、ホシハジロやキンクロハジロ、ツグミやウソなどが見られるようになってきました。

冬は十和田湖の利用者は一気に少なくなりますが、飛来する冬鳥の観察や雪上トレッキング等冬ならではの自然の魅力も沢山あります。
これからも十和田湖の冬の楽しみ方や巡視で見つけた「発見」等をみなさんにたくさん紹介していきたいと思います。

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2009年10月07日休屋危険木処理作業

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

 9月末の3日間。十和田湖畔休屋にて、枯れて落ちてきそうな枝の伐採作業が行われました。少し立ち会ったので、ご紹介いたします。

 この作業は高いところにある枯れ枝や太くて長い枝を重点的に伐採するので、この高所作業車が大活躍します。



 最長22m伸びるそうです。これに乗って枝を切り落としていくわけですが、国立公園なので景観にも配慮しなければなりません。なるべく切り口が目立たない切り方をし、見えてしまうところには炭を塗っていきます。
 細かい作業ですが、一本一本丁寧に行われました。

 最後に高所からお土産で、あまり近くで見ることの出来ないヤドリギをプレゼントされました。



 ヤドリギ(左)とホザキヤドリギ(右)。と、中央のピンク色はキタコブシの実です。

 2日後こうなりました。

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2009年10月07日蔦野鳥の森歩道巡視

十和田八幡平国立公園 十和田 村田 野人

先日、定期的に行っている蔦野鳥の森歩道の巡視に行きました。巡視では、歩道の安全点検、利用者へのマナーの周知、自然情報の収集、植生荒廃の有無の確認などを行います。さらに、巡視の際の重要なチェック項目の一つに歩道沿いの草刈りがあります。下草が少なく日が余り差さない蔦野鳥の森も、所々に大きな枯れ木があります。その下だけは、下草が元気いっぱいに茂ってくるので、歩道沿いのそういった場所では定期的な草刈りが欠かせません。人一人が歩ける程度の歩道幅の中に植物が入っているかどうか、安全に通行できるかどうか等を考えつつ作業を行いました。
 そういった作業を行いつつ歩いていると、足下に真っ赤なきのこを見つけました。通りかかった地元の方に名前を聞いてみました。


アカエゾヤマタケ

アカエゾヤマタケだそうです。同じ赤いキノコでもタマゴタケとはちょっと違う透明感のある赤が素敵です。蔦野鳥の森を利用する皆様にビジターセンターで提供できる情報が一つ増えました。

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2009年09月28日秋の奥入瀬観察会実施報告

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

 9月27日の日曜日。天気晴れ。少し冷たい風の吹く中、東北地方環境事務所十和田自然保護官事務所主催の自然観察会「秋の奥入瀬で岩めぐり~地層のおもしろさ知ってる?~」を実施いたしました。

 今年は例年の秋の登山観察会から奥入瀬での岩石観察会と、一見地味な印象を与えてしまいそうな観察会に変更となったわけですが、とんでもございません!岩石の歴史は地球の歴史。開催場所は平成の奥入瀬でも、その話は縄文時代の十和田湖から氷河時代の八甲田、果ては人類誕生の頃の十和田湖一帯と実に壮大なものとなりました。
 
 内容は奥入瀬渓流の上流子ノ口から、下流へ約6km歩いて雲井の滝まで8時から13時半までのゆったりハイキング。途中見られる植物などはスタッフの八甲田地区パークボランティアの方に解説をしていただきまして、岩と植物の両方で観察会を実施いたしました。
 
 今回の観察会では、いつもは植物や樹木の下になって見えない岩や地層に焦点をあてたことで、現在の奥入瀬渓流ができあがるまでの長い歴史を学んでいただきました。
 このことが十和田八幡平国立公園が「国立公園」となった意義や、その希少な自然を守っていくことの必要性を改めて考えていただく良いきっかけになってくれれば幸いに思います。




秋晴れの元、望遠鏡で遠くの崖を観察。



ツキヨタケを見上げて。



玉簾(たまだれ)の滝。

元々ここが湖であったと分かる地層をしており、しかもそれを触って感触を楽しむことができる、今回の一番の見所。

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2009年09月08日井戸岳植生復元作業

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

 北八甲田の中にある井戸岳の南斜面。そこは昭和59年度より平成11年度まで青森県によって植生復元作業が行われていた場所です。
 そして平成17年度、老朽化が進んだ既存復元施設の補修を実施するため、環境省、八甲田地区パークボランティア、青森県、自然公園財団が中心となって八甲田大岳・井戸岳植生復元協議会が設立され、補修事業が開始されました。

 その活動が行われて今年度で4年度目。土留め柵を設置し、植生マットを敷いた成果か、着々と植生が回復してきたように思います。
 そして今年度に入って3回目の作業が先日行われました。平成17年度に設置した植生マットが老朽化してきたので、そのマットの上に、今回新たに導入する麻製のマットをかぶせてみます。今まではヤシ製ネットを使用していたのですが、麻製はヤシ製よりも保湿性が高く土留めの効果も期待できるそうなので、今後どうなるか楽しみです。




 植生調査は各年度毎で班分けし、これから先参加する時もその地区を受け持つというやり方で行っています。
 まだまだ試行錯誤、みんなで手探りしながらの状態ですが、活動始めよりも成果が見えてきていることで参加者の「やるぞ!」という意気込みが強くなっているのを感じます。
 皆様の勢いに負けないよう、活動がもっとやりやすくなるよう私も精一杯サポート等を頑張りたいと思います。





 もともと北八甲田は緑に覆われた山だったそうです。しかし一度荒廃してしまうと元の状態まで回復するのに長い年月と労力が必要とされます。井戸岳のように砂礫地で植物が生育するのが困難な場所や、湿原など変化に弱い環境では、復元作業も3歩進んで2歩下がっているような感覚です。成果は小さくてもその成果が出たということに嬉しくなってしまうのです。



 人の踏みつけで荒廃してしまった植生を復活させるには長い年月がかかるということを、利用する方達には忘れないで欲しいと切に願います。

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2009年09月02日【報告】酸ヶ湯集団施設地区自然体験プログラム~夏キャンプ&酸ヶ湯散

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

 『8月最後の週末。夏の終わりを惜しむように奥入瀬渓流や北八甲田には最後の涼を楽しむ人々で賑わいを見せました・・・』
というような地方ニュースが聞こえてきそうな週末、私たちは酸ヶ湯キャンプ場にて1泊2日のキャンプイベントを行ってきました。

 青森県のほぼ中央に位置する酸ヶ湯(すかゆ)。そこには登山道や周辺の自然情報を伝えるインフォメーションセンターやキャンプ場、大きな公共駐車場、東北地方の高山や湿地に生育する植物を楽しめる東北大学植物園八甲田山分園、そして温泉施設に高級リゾート宿泊施設などが集まっており、総合して「酸ヶ湯集団施設地区」と言います。

 その中の酸ヶ湯キャンプ場にて酸ヶ湯集団施設地区運営協議会「酸ヶ湯集団施設地区自然体験プログラム~夏のキャンプ&酸ヶ湯散策~」というイベントを行ってきました。
 参加人数は6名と少なめではありますが、スタッフ5名合わせて11名で楽しいキャンプとなりました。
 1日目の内容は、テント設営、アイスブレイク&ネイチャーゲーム、ダッチオーブンを使った炊事体験、星空観察です。




この日のメインは酸ヶ湯キャンプ場初導入のダッチオーブン!



 キャベツを丸ごと使ったスープや、鯛の塩竃、ローストビーフとそうそうたるメンバーが顔をそろえました。
 重い蓋を開ける瞬間は不安そうだった参加者の方も、できばえには満足していたようでした。
 2日目は早朝散策、酸ヶ湯散策の2つ。講師の解説のもと、私も参加者と一緒になって勉強させて頂きました。
 八甲田地域は特に、登山に目が行きがちですが、それ以外にも素晴らしい自然がたくさんある場所だということを感じて頂く良い機会になったと思います。また、キャンプの楽しみ方も知っていただけたのではないかと思います。これからも豊かな自然を存分に味わうことが出来る“キャンプ”を広めていきたいです。

 あっという間のキャンプイベントでしたが、参加者・スタッフ共に充実した2日間を過ごせました。
 皆様お疲れ様でした!



次回以降の予定は・・・
・9月27日(日)「秋の奥入瀬で岩めぐり~地層のおもしろさ知ってる?~」
 詳細はこちらから
 http://c-tohoku.env.go.jp/to_2009/0831a.html
・10月後半 酸ヶ湯集団施設地区自然体験プログラム(日帰り)第二弾実施予定!

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2009年07月28日オオハンゴンソウ駆除作業

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

梅雨明けはまだまだな十和田湖です。

7月23日にオオハンゴンソウの駆除作業を関係各機関と合同で実施しました。参加人数が計30人。心配されていた雨も降らず、曇り時々晴れという外作業には打ってつけの天気。ただ湿気は多く、久しぶりの夏らしい気温で汗だくとなっての作業でした。

オオハンゴンソウはキク科の多年草で7~10月にかけて大きな黄色い花を咲かせます。種子繁殖の他にも地下茎で栄養繁殖もするため、根っこが大きな株となり、さらにその地下茎が横に伸びて広まっていくせいで他の植物が根付きにくくなってしまうのです。地上に出ている部分を刈っても完全な駆除にならず、また次の年になると生えてきてしまいます。
そのため作業はバール等を使って根を掘り起こし、抜き取った物は焼却処分となります。

花が咲いていれば見分けやすいのですが、花が咲く前に除去する必要があります。一見ヨモギと似ているので間違えないようにしないとと思いましたが、そんな心配をしなくても良いぐらいオオハンゴンソウが群生した状態でした。

前日の雨のおかげで土は軟らかく、面白いぐらい掘り出しやすかったです。
そのせいかこの日駆除されたオオハンゴンソウはトラック2台分、約2tもの量になりました。

作業時間終了になってもオオハンゴンソウが残っており、かなり後ろ髪を引かれる思いで作業を終了しましたが今回実施した部分はまだほんの一握りですので、これからも関係者と協力して駆除作業を継続していきたいと思います。
いったん外来種が進入し生態系を攪乱させてしまうと、元に戻すためには大変な労力と時間を要するため、外来種の進入防止のための水際対策の重要性を実感しました。




オオハンゴンソウの蕾。




作業風景。
この中に作業している人が7人います。




集められたオオハンゴンソウ。
これの他にもう1台あります。

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2009年07月15日十和田湖湖畔清掃

十和田八幡平国立公園 十和田 種村 由貴

朝8時。
十和田湖総合案内所集合。

そこには帽子と軍手と火ばさみ(デレキと言うらしい)を装備した地域の方々が32名!
私たち十和田ARも含めて34名が十和田湖休屋地区会と社団法人十和田湖国立公園協会主催の十和田湖湖畔清掃に参加しました。

湖畔沿いはゴミが目立つというわけではありません。なので湖畔清掃の必要性が薄く思われるかもしれません。
しかし、十和田湖を美しいまま守っていきたいと思う地域の方々が沢山集まり、「十和田湖をきれいにしよう」という普及啓発も込めて丹念にゴミ拾いをしていました。

約1時間後。集められたゴミはやはり大した量ではなく、日頃地域の方が目を配っている効果なのかなと嬉しく思いました。しかしゴミがあることもまた事実。タバコの吸い殻、包装用プラスチック、ガラス、空き缶、うちわの骨までありました。

こういったゴミが全てなくなってくれればいいのですが、それには地域の方達と協力し合って継続していくことが大事なんだと感じさせられました。

今回の湖畔清掃では、この土地に対する地域の方達の愛情と情熱が如何ほどかを存分に知ることができました。
これからも、地域の方々と一緒に国立公園を快適に利用していただけるよう頑張りたいと思います。

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