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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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十和田八幡平国立公園 十和田

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2014年04月24日十和田ビジターセンターがオープンしました!

十和田八幡平国立公園 十和田 大野 花南

みなさま、はじめまして。

今年の4月より十和田自然保護官事務所のアクティブレンジャーになりました、大野 花南 (おおの かな) と申します。

私が勤める十和田八幡平国立公園十和田八甲田地域は、自然が豊かで新緑や紅葉の時期に山登りをするのが今から楽しみです。みなさまに十和田八甲田地域の魅力をお伝えできるように頑張ります!

さて、4/20(日)に行われた十和田ビジターセンターの開所式の様子と建物、展示等についてご紹介します。




開所式では、主催者である奥主大臣官房審議官の挨拶の後、ご来賓の青森県佐々木副知事、秋田県橋口副知事、十和田市小山田市長、小坂町細越町長よりご祝辞を頂きました。

地元のこども達による“よさこい”が披露されたり、TMG(十和田もてなしガールズ)のみなさんより来場者へバラ焼きが振舞われ会場は賑わっていました。

また、十和田湖PRゆるキャラの“南そボーヤ”が飛び入りで参加して、開所式を盛り上げてくれました。




十和田ビジターセンターは前ビジターセンターの老朽化のため200m離れた場所に移転新築されました。
平成24年10月に着工した新ビジターセンターは、延床面積が約840㎡となっており、前ビジターセンターの約4倍の広さです。木造2階建で、1階は常設・企画展示、レクチャールーム、ラウンジスペース。2階は十和田湖を一望できる展望ラウンジスペースとなっています。

常設展示では、十和田湖周辺の自然の様子を季節を通して紹介しています。
展示の一部をめくったり、引き出したり、触れたりできる体験型の展示となっていて、
楽しく知識を深められます。

展示している樹木は本物を使用しており、実際に森の中へ訪れた気分になれる展示となっています。




十和田湖を見渡す事ができるラウンジで、椅子に座りながら、ゆったりとした時間を過ごして頂けたら、と思います。

十和田を訪れた際は是非、新しくなったビジターセンターへお越しください。
みなさまのお越しをお待ちしております!


■十和田ビジターセンター■
 〒018-5501
 青森県十和田市大字奥瀬字十和田湖畔休屋486 番地
 ・電話:0176-75-1015(トワダ イコウ)
 ・入場料:無料
 ・開館時間:4 月下旬 ~ 5 月下旬 9:00 ~ 16:30 休館日なし
       6 月上旬 ~ 7 月中旬 9:00 ~ 16:30 毎週水曜日
       7 月下旬 ~ 10 月下旬 9:00 ~ 16:30 休館日なし
       11 月上旬 ~ 4 月下旬 9:00 ~ 16:30 毎週水曜日

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2014年03月10日パークボランティアスキルアップ研修

十和田八幡平国立公園 十和田 五十嵐 美保子

晴れた日が続き、このまま春になると思われましたが、雪がどさっと積もり、冬に舞い戻ってしまった十和田湖。少しずつ春に近づいているものの、まだまだ遠い道のりのようです。
年に数回行われる環境省主催の観察会もこの時期は天候によく左右され、中止になることもしばしば...
今年の冬の観察会は3月15日(土)に蔦野鳥の森で行う予定ですが、どんな天気になるでしょうか。

さて、今回はパークボランティアのスキルアップ研修として蔦野鳥の森をスノーシューを履いて巡ってきました。講師はネイチャーエクスペリエンス グリーンハウスで蔦や奥入瀬、十和田湖をメインにネイチャーガイドをしている太田氏に依頼し、パークボランティア9名とともに蔦の新たな楽しみ方を学びました。天気はたまに雪や強い風が吹くような状況でしたが、皆さんやる気満々で準備されていました。







左上:開会の様子  右上:散策入り口の雪壁
左下:散策の様子  右下:ルーペで幹を観察中

冬は他の季節と違って雪の上を歩くのでいつもは行けないようなところまで行くことができます。今回は雪壁になっているところから入ったり、沼に積もった雪の上を歩いたりと新鮮な体験をしました。
ただ歩くだけではなく、ルーペを使ってブナの幹に付着している様々なコケを観察したり、ルート上でキノコやトチノキの芽、サワグルミの葉痕、クマの爪痕などいろいろなものに出会ったりなど多くのものをみて、その都度講師の方に説明していただきました。
例えば、サルノコシカケ一つでも、「木を腐らせる」という見方ではなく、「木を軟らかくする」という表現から、軟らかいところに虫が住みつき、キツツキがやってくることや、次の生物のための養分となり、次世代につなぐ役割があることなど話題が広がりました。
また、つる性植物がどうやって別の木に移動するのかという疑問について参加者全員で考えてみるなど、たった2時間の散策でしたが、楽しく充実した時間でした。


左上:ブナの幹についたモジゴケ  右上:キツツキがあけた穴
左下:サワグルミの葉痕       右下:クマの爪痕

講師の方、パークボランティアの方々のおかげで良い研修になったと思います。ありがとうございました。そして、3月15日(土)に行う予定の観察会はよい天気の中でまたいろいろな動植物に巡り会えることを楽しみにしています。

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2014年02月17日酸ヶ湯現地確認

十和田八幡平国立公園 十和田 畑中 亮輔

 十和田自然保護官事務所の畑中です。やっと八甲田の天気が良くなったので、松山自然保護官と酸ヶ湯にある野営場と、インフォメーションセンターの現況確認をおこなってきました。冬期間は普段通行する103号線が谷地温泉から通行止めとなるため、田代を経由しないと酸ヶ湯に行くことができません。田代周辺は吹雪くことも多いため、慎重に運転してきました。
 雨男の私には珍しく、雪化粧の北八甲田を見ることができました。こんな天気の中、山頂から見える景色はどんなものか体験してみたいものです。


田代から見た雛岳

 野営場の状況については、スノーシューを履いて新雪と格闘しながら、確認しましたが今の所問題はありませんでした。松山自然保護官によると、例年に比べて今年は1メートル程雪が少ないとのことでしたが、アメダスの積雪量では3.5メートルを示しているのですから驚きです。今後の積雪で建物が破損することも十分考えられるため、定期的に状況を確認する必要がありそうです。
 インフォメーションターについては、駐車場の壁を登るのが精一杯だったため、そこから数百メートル進むのは厳しいと判断し、遠くからの確認となりました。こちらも特に問題はなさそうでしたが、次回の確認の際には、近くまで行って確認する必要がありそうです。


左上→野営場の管理棟(2階建です)
右上→野営場の様子
左下→インフォメーションセンターからの大岳
右下→大岳山頂付近の様子

 その他、地獄沼、三十三観音、まんじゅうふかし等酸ヶ湯周辺には見どころ満載なのですが、あいにく雪の影響で地獄沼しか確認することができませんでした。厳しい冬のを垣間見た気がします。

地獄沼から見た大岳

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2014年01月28日休屋巡視

十和田八幡平国立公園 十和田 畑中 亮輔

十和田自然保護官事務所の畑中です。皆様遅くなりましたが、本年もよろしくお願い致します。
さて、先日十和田自然保護官事務所がある休屋地区を一周してきましたので、現在の休屋地区の紹介をしたいと思います。「まだ雪が少なくこれから冬本番だ」という地元の方の言葉に、十和田湖の冬は想像以上に厳しいのだなと感じています。巡視中に発見した野鳥たちも心なしか寒さにじっと耐えているように見えました。ただ、ウサギについては、軽快な足跡で冬の十和田湖を楽しんでいるようでした。


写真左上→カモメ
写真右上→ホシハジロ
写真左下→オオハクチョウ
写真右下→ウサギの足跡


つい最近まで事務所前のナナカマドやヤドリギの木にツグミ、ヒレンジャクが訪れ賑わっていたのですが、今ではすっかり静かになってしまいました。交代するように2月7日から開催される「十和田湖冬物語」の準備に陸上自衛隊八戸駐屯地から33名の自衛官の方々が駆けつけてくれて、違った賑やかさが休屋では見られます。また、地元の方も祭りを盛り上げるため、一生懸命準備をおこなっています。どんな祭りになるのか今から楽しみです。詳しくは下記十和田湖冬物語実行委員会ホームページをご確認ください。
http://www.towadako.or.jp/archive/?c=kanko&id=24



写真左上→ツグミ
写真右上→ナナカマドの食べ後
写真左下→ヒレンジャク
写真右下→冬物語準備の様子

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2013年12月10日新十和田ビジターセンター 

十和田八幡平国立公園 十和田 五十嵐 美保子

十和田湖の季節は冬です。周りの山々は雪景色。
東北の冬を暗いと思われていませんか。そんなことはありません。木々の葉が落ち、見通しがよくなって明るいです。奥入瀬渓流も茂っていた葉が落ち、渓流や周りの滝がよく見えるようになりました。   新しい発見…得した感じです。
冬の十和田湖・奥入瀬へ。新しい発見を探しに来ませんか。

さて、環境省では青森県十和田湖畔休屋地区に新たな十和田ビジターセンターを建設中で、建物は冬本番を迎える12月初旬にようやく、完成しました!
まだ展示物の据え付け工事などが残されており、来春の開館にむけて急ピッチで作業が進められています。ここで、皆さんに新十和田ビジターセンターを少しだけ紹介します。

建物は、ふんだんに木材が使われているので温もりがあり、見た目にも心地よい雰囲気となっています。今のビジターセンターの約2倍の広さで、展示スペースのほかに自然学習ができるスペースがあり、十和田湖を訪れた人々が最初に自然との出会いを間近に感じることができるように演出されています。
外側のテラスとともに中の階段を上ると十和田湖を遠望することができる展望ラウンジがあるなど、訪れた方がより親しめるような工夫もされています。


左:新十和田ビジターセンターの外観  右:テラス

今は、まだ展示物などがないため、建物内は吹き抜けて天井が高く、大きな窓が多いので広々とした空間の印象を受けましたが、これから十和田湖の四季やいきものなど十和田湖を中心とした展示や奥入瀬の自然紹介など各スペースが彩られていき、完成が楽しみで、ワクワクします。
どんな空間ができあがるかお楽しみに!



左上:展示スペース     右上: 入り口から見た様子
左下:レクチャースペース  右下:ラウンジに行ける階段

開館は、平成26年春の連休を予定しています。間近になりましたら、環境省東北地方環境事務所HPやアクティブレンジャー日記で開館日の情報を提供いたしますので、ご確認ください。
十和田湖の新緑時にぜひ、おいでください。新しいビジターセンターが十和田湖周辺の自然をよりわかりやく紹介します。
新たな十和田湖を発見しませんか。


【番外編】
十和田自然保護官事務所付近にサルが出現しました!
動物たちも新しい十和田ビジターセンターのことが気になっているのでしょうか・・・


十和田自然保護官事務所付近でみられたサル

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2013年10月29日観察会「秋の蔦六沼めぐり」

十和田八幡平国立公園 十和田 畑中 亮輔

 ここ最近、十和田湖周辺では朝夕の冷え込みもだいぶ進み、周辺の山々も様々な色合いを見せてくれるようになりました。

白地山からの十和田湖(10月20日撮影)

 遅くなりましたが、10月12日に蔦野鳥の森で環境省主催の「秋の蔦六沼めぐり」を開催しました。蔦野鳥の森には蔦沼、鏡沼、月沼、長沼、菅沼、瓢箪沼の6つの沼があり、森の中にはニホンカモシカ等の哺乳類、キビタキ等の鳥類、モリアオガエル等の両生類と実に様々な生物が生息しています。また、ブナをはじめとする様々な木をみることができ四季折々を通して、楽しむことができる場所です。
 当日は紅葉にはまだ早かったものの、蔦沼~瓢箪沼へと講師の方から非常に興味深い解説と十和田八甲田地域の様々な知識を披露していただき参加者の方も満足されていたようです。また、十和田八甲田地区パークボランティアの方々には観察会の下見と当日のサポートにご協力いただき本当にありがとうございました。


写真左上→蔦沼での解説の様子
写真右上→月沼での解説の様子
写真下段→蔦野鳥の森の様子

 初めての観察会で準備に追われて、もっとこうすべきだったなと反省点がいくつかあり参加者の方に100%満足してもらうことはできなかったかもしれません。今回の課題は次の観察会にしっかりと活かしたいと考えています。講師の方の説明を聞いて大変勉強になりましたし、巡視の際にも違った視点から自然を眺めてみようと考えさせられました。
 また、観察会の場所を決める際に候補地を色々と廻ってみましたが、十和田八甲田地区には本当に魅力ある自然がたくさんあるんだなと実感しました。これから冬の時期が近付くにつれて、外に巡視へ出る機会も減るかとは思いますが、可能な限り皆様へ旬な情報をお届けできたらと思います。
 
 

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2013年10月10日第五回井戸岳植生復元作業

十和田八幡平国立公園 十和田 畑中 亮輔

 平地では紅葉には少し早いですが、八甲田の上の方では美しい紅葉が見られた10月3日登山の日に十和田八甲田地区パークボランティアの方々と当事務所総勢4名で第五回井戸岳植生復元作業をおこなってきました。今回の作業では、予め採取しておいた8種類の植物の種を新しい実験区へ播種しました。当日は雨こそ降りませんでしたが、風が強く実験区の新設作業するのも一苦労でした。実験区はそれぞれ異なる条件で3つ作成しており、どういう結果になるか楽しみです。
※今回おこなった種子の播種については、前回もご説明しましたが、許可を得ており、国立公園の特別保護地区では、許可なく種子を播種することは禁止されています。


写真左上→実験区の新設作業の様子①
写真右上→実験区の新設作業の様子②
写真左下→実験区の新設作業の様子③
写真右下→登山道の補修の様子

以前にもご紹介しましたが、ここ井戸岳は年間を通して風が強く、冬場には地面が凍って盛り上がる「凍土」という現象も起こることから、植物にとっては厳しい環境となっています。そんな厳しい環境の中で少しでも植生復元を早める方法はないかと考え、採取した種を播種することとなりました。来年この厳しい環境の中で、どれくらい発芽するのかわかりませんが、この方法が効果的で植生復元作業の効率が少しでも向上することを期待するばかりです。

写真左上→新設した実験区全体の様子
写真右上→実験区D1(矢板+ネット+種の播種)
写真左下→実験区D2(ネット+種の播種)
写真右下→D1及びD2の対照区(種の播種はおこなっていない)

冒頭でも触れましたが、この日は天気にこそ恵まれませんでしたが、美しい紅葉を楽しむことができました。中でも上毛無岱と下毛無岱との間から見られた紅葉は非常に美しく、多くの方々も紅葉を楽しんでいました。これからは、徐々に低地へと紅葉が進んで来ますので、しばらく八甲田周辺では紅葉を楽しむことができると思いますので、是非足を運んでいただければと思います。

写真左上→上毛無岱から見た下毛無岱
写真右上→下毛無岱の様子①
写真左下→下毛無岱の様子②
写真右下→下毛無岱の様子③

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2013年09月25日酸ヶ湯クリーン作戦

十和田八幡平国立公園 十和田 畑中 亮輔

 十和田湖周辺では、紅葉も進み秋の気配がすぐそばまで感じられるようになってきました。新聞では、今年の十和田湖紅葉の見ごろは10月18日頃とのことですので、皆様にもここ十和田湖へ足を運んでいただければと思います。

9月20日休屋にて撮影(ナナカマド)

 さて、9月10日に北八甲田でおこなわれたクリーン作戦に参加してきました。このクリーン作戦は酸ヶ湯集団施設地区運営協議会主催(当事務所が事務局)で毎年おこなわれています。今回は協議会の関係団体の方々総勢27名にご参加いただきました。ご参加した皆様お忙しいところありがとうございました。


開会の挨拶の様子

 大きく4班に分かれての作業となり、私は仙人岱登山口~大岳~毛無岱登山口と北八甲田の登山道を一周しながら清掃活動をおこないました。驚いたことにゴミはほとんどありませんでした。これも登山者の方々がマナーをしっかりと守っているおかげだと実感しました。
 大岳付近では紅葉しているナナカマド等も見られ、今後の紅葉が楽しみになりました。これからは紅葉シーズンで多くの人が北八甲田に訪れることになると思いますので、マナーを守ってゴミはお持ち帰りいただき、美しい八甲田を満喫していただければと思います。



写真左上→登山道清掃の様子
写真右上→大岳山頂付近の様子
写真左下→ナナカマド
写真右下→上毛無岱からの下毛無岱

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2013年09月25日第四回井戸岳植生復元作業

十和田八幡平国立公園 十和田 畑中 亮輔

 遅くなりましたが、9月4日におこなった第四回井戸岳植生復元作業のご報告をします。今回は青森県自然保護課、十和田八甲田地区パークボランティアの方々と当事務所の総勢7名で大岳避難小屋に保管してある資材の確認、施設の補修、来年度に向けての準備をおこないました。さらに、今年から新たな試みとして実験区へ種子を播種することから、その調整も併せておこなってきました。

写真左上→井戸岳の様子
写真右上→施設補修の様子
写真左下→施設補修後の様子
写真右下→種子播種予定地

 今回井戸岳付近で確認できた種子の一例は下記写真のとおりです。これら種子を次回の作業に播種する予定です。来年この中から新芽が少しでも見られることを願うばかりです。
※今回おこなう種子の播種は許可を得ておこないます。国立公園特別保護地区内で許可なく種子の播種をすることは禁止されています。

写真左上→ガンコウラン
写真右上→コケモモ
写真左下→マイヅルソウ
写真右下→マルバシモツケ

 最後に快晴の北八甲田の景色を紹介します。今回は青い空が際立っていて、本当に素晴らしい展望を満喫できました。次回の作業はこんな素晴らしい天気と紅葉の北八甲田を見られることを期待しています。

写真左上→上毛無岱からの大岳と井戸岳
写真右上→大沼と南八甲田
写真左下→大岳避難小屋の様子
写真右下→地獄沢付近の様子

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2013年09月05日十和田八幡平国立公園パークボランティア合同研修会

十和田八幡平国立公園 十和田 五十嵐 美保子

こんにちは。近頃秋晴れとはほど遠く、雨続きでぱっとしない十和田から先日おこなわれた研修会についてお伝えします。
8月31日~9月1日に十和田八幡平国立公園パークボランティア合同研修会がおこなわれました。今年の合同研修会は南八幡平のパークボランティアの方々に主催者として準備をしていただき、南八幡平地区、八幡平地区、岩手山地区、三陸復興国立公園、十和田八甲田地区から約60名のパークボランティアの方々が参加されました。

講演では日本貝類学会会員の川口洋治氏を講師に迎え、カタツムリについてお話をしていただきました。カタツムリはよく見かける動物ですが、講義を聴いて初めて知ったことがたくさんありました。冬眠時に張る薄い膜にはところどころ呼吸ができるような穴があいていたり、幼貝と成貝の違いは貝の口の部分が反っているか否かで見分けることができたり、カタツムリは貝殻の色や模様では種類を見分けることができない、など興味深いお話を聞けて充実した講演会になりました。


左:成貝  右:幼貝
口の部分が反り返っている

各地区の活動報告では、登山道の整備をメインに植生復元、ロープ補修、ビジターセンターの行事支援など様々な活動についての報告がされました。雪で荒れた山を整備するのは非常に骨の折れることですが、パークボランティアの方々が一生懸命に作業されて登りやすくしてくださっていることに改めて感謝したいです。

次に、実務研修として「体の不自由な方へのガイド方法」を学びました。車いすに乗られている方には同じ目線に立って話すこと、坂道では低い方に車いすを押す人がいること、耳の悪い方には相手の目を見ながら手振り身振りで伝えること、読唇術という口の動きで内容を理解する人もいることを知りました。
また、目の不自由な方へのガイド方法として、2人1組になり、実際に野外で目を閉じた人をもう1人が誘導してみました。目を閉じていると、ちょっとした空気の動き、地面の凹凸が異様に大きく感じられました。誘導する方もちょっとした段差や方向修正をこまめに伝えなければ、相手が恐怖を感じてしまうなどガイドの難しさを体験しました。


実務研修で道路上を誘導している様子

日が変わって、9月1日は秋田駒ヶ岳を八合目から登る予定でしたが、天候に恵まれず、山頂へ登ることはできませんでした。
八合目付近を散策してみると、ノリウツギやウメバチソウの花が霧の中でもきれいに咲いていました。パークボランティアの方からそれらにまつわるお話を聞き、勉強させていただきました。


左上:濃霧で見えにくい秋田駒ヶ岳の八合目  右上:ウメバチソウ
左下:ノリウツギ              右下:エゾシオガマ

南八幡平地区パークボランティア「ホシガラスの会」の皆様、準備等お疲れ様でした。とても充実した研修会になりました。
次回は十和田八甲田地区が主催となります。また充実した研修会になるようがんばりましょう!

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