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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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十和田八幡平国立公園 鹿角

126件の記事があります。

2012年05月02日八幡平山頂早春のかんじきハイキング

十和田八幡平国立公園 鹿角 阿部 明広

 4月29日(日)快晴のもと(一財)自然公園財団と共催の「八幡平山頂かんじきハイキング」が行われました。

一般参加の方はキャンセル待ちがでるほどの盛況で、当日は33名の方が参加され、案内・スタッフとしてPV(パークボランティア)、自然公園財団、鹿角自然保護官事務所から9名がサポートをしました。

 コースは見返り峠駐車場のパークサービスセンターから八幡沼を通り、源太森の眺望を楽しみ、頂上を通って大回りをして戻ってくる約6キロ、4時間ほどの行程です。
 下界は桜が咲いて暖かい日が続いていますが、八幡平山頂周辺はまだ3メートルに近い積雪があり、かんじきをつけた参加者の皆さんには海抜1600メートルの気温を身体で感じていただくことができたと思います
昼食場所の源太森からは、360度の眺望が開け、目の前に岩手山、早池峰山、南には八甲田連峰、遙か南西の方角には中空に鳥海山を望むことができました。
 
 案内のPVの皆さんからは森林密度日本一とも言われる八幡平のオオシラビソの樹林のこと、雪のある時期にのみ見ることのできる火口湖などについての解説があり、晴天の山頂の春を満喫することができました。


パークサービスセンターは参加者の皆さんで一杯になりました。今月着任の福原自然保護官より着任の挨拶がありました。

参加者の皆さんは岩手山をバックに思わずこんなポーズがでてしまいました。寒いと思って着込んでいたら、登りで結構汗をかいてしまいました。

360度の眺望が開ける源太森からの風景には感動。ただ、風が少し寒いので風をよけた所でお昼にしました。足下には八甲田連峰が見えています。

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2012年03月14日初めての「ベコ谷地スノーシューハイキング」

十和田八幡平国立公園 鹿角 阿部 明広

 ベコとは方言で牛のことですが、昔このあたりで牛の放牧をしていた頃、牛が自然と集まってくる谷地というのが語源のようで、国土地理院の地図にもこの地名で載っていました。

 3月11日(日)ベコ谷地ハイクは一般参加の方が18名、遠くは千葉県からのエントリーの方もおられました。PVはじめ、サポートチームも14名と全体では30名を超す人数となりました。
3月とはいえ、八幡平は足下に3メートル超の雪、新雪は20センチほど、シバレは無くても立派な冬山でした。
とはいえ、初めてのスノーシュー体験はとても快適と喜んでいただきました。
出掛ける時、家族には「この天気に山に行くなんて」と呆れられた、と何人かの方が話していました。ところが、この景色です、「これを見ないのはもったいないことであった」としきり。
なんと言っても、夏場はかなりの藪で、根性が無いとここにはこれないのですから、熊もいるし。

 天候の関係で動物の足跡は少なかったのですが、下見で目を付けていた熊だな、しかもそのあたり一杯に広がる鮮明な爪痕付きの“熊だな群”は臨場感のこもったPV松田氏の解説により、とても印象に残るものであったようです。

 眼下に大沼を見下ろす尾根上で昼食を摂り、予定より少し遅れて出発地の大沼に全員無事に戻りました。話の種ができたと参加者の笑顔をご想像ください。
 

ずっと曇りかなとあきらめていましたが、一番良いところで青空が少しだけでてくれました。大沼を見下ろす尾根での食事風景です。

 PVの見上さんは通常4時間かかる道のりを、この日は天候を考慮して前泊での参加です。この写真は膝を折っている所です(本人の名誉のため)。

 PVの松田さんがアカゲラの食痕の解説をしています。冗談も交え、「今のは本当?」と笑いも出る自然解説中です。

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2012年02月22日乳頭ブナの森スノーシュウハイキング

十和田八幡平国立公園 鹿角 阿部 明広

「乳頭の森スノーシューハイキング」

 2月19日(日)曇/雪の中、休暇村乳頭温泉郷主催の「乳頭ブナの森スノーシューハイキング」に行ってきました。

 12名の一般の方を2班に分け、自然解説役のPV「ホシガラスの会」の皆さん9名が駆けつけてくれました。
本日の「空吹湿原コース」は夏場の道は完全に雪の下に隠れ、どのブナも重そうに雪を乗せています。コースのコンデションが悪くてショートカットしたことで、全行程3キロほどの行程で、先頭は膝までのラッセルです。

 夏の頃の景色とはずいぶん違っていますが、夏の名残の「イワガラミ」、厳しい寒さによる凍裂の跡、ブナの木に残る熊だな、鳥の食痕、巨大なサルノコシカケ群、顕微鏡を持参しての雪の結晶の観察などの解説が好評でした(PVの方達の個性が出て、時に臨場感がある)。

 雪のブナ林の中で、前の人の踏み跡ではなく、新雪を自分で踏んで歩くことの楽しさを体験しながら、表情に少々硬さの見られた方達も次第に笑い声が聞かれ、休暇村に着いたときにはとても良い顔になっていました。

 閉会式の場面では、参加者の皆さんからPVの皆さんをはじめとするスタッフに拍手をいただき、今日はとても良い日になったと思いました。PVの方の中には悪天候の中、往復4~5時間をかけて来てくれた方もいましたので、これがボランティア活動の原動力になっていると実感できました。


冬のブナ林の解説中、雪の重さの説明は臨場感があります。

雪の高さがあるのでサルノコシカケも今日は目の高さです。それにしてもこんなに大きなサイズが木の上の方までダダーと生えていました。

新雪を自由に散策中なのですが、皆さん悪戦苦闘しています。カメラを向けたら、ゆとりの表情の方がポーズをとってくれました。

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2012年02月21日後生掛スノーシューハイキング

十和田八幡平国立公園 鹿角 阿部 明広

「後生掛スノーシューハイキング」

2月18日(土)自然公園財団主催の「後生掛スノーシューハイキング」に行ってきました。
天気予報は大荒れ、ということでこんな天気に観察会なの?とも言われましたが、期せずして青空がのぞき、絶好のコンデションとなりました。

一般参加14名を3班に分け、自然解説のPVの皆さんが10名駆けつけてくれました。
まずは、新雪の登り行程で、ラッセル要員の荒い呼吸音が聞こえてきそうですが、途中で見  
つけた木の洞には、冬眠なのか食事の痕跡なのか意見は分かれましたが、幅7センチ程の熊のものであろうという爪痕が生々しく残っていました。
財団の職員が持参した、ここで写したというモモンガの写真と懐から出したぬいぐるみはこの森にこんな生き物もいるんだ、という新鮮な驚きであったようでした。

後生掛温泉自然研究路は温泉熱で歩道は一部露出していましたが、どこが橋やら‥といった状況で、「橋から落ちないで‥」、との注意喚起にこれが橋なの?との意見もありました。平坦なはずの歩道が積雪により、いきなり3メートル近い段差になっているのです。
寒さの中、噴気がもうもうと上がり、泥火山は活発に泥を跳ね上げていました。
雪のない時期には見ることのできない場所からの観察もまた新鮮な驚きだね、と喜んでいただきました。






期せずして青空の下、初めてのスノーシュー体験は別の世界が広がりました。

ネコヤナギ?、と思ったらタムシバの冬芽でした。「まるで毛皮のコートを羽織っているみたい」と参加者の方から。

温泉の熱で雪が溶けていると思ったら、溶けていないところはいきなり3メートルに近い、雪の天井歩道です。

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2011年10月25日急遽の「熊棚観察会」

十和田八幡平国立公園 鹿角 阿部 明広

急遽の「熊棚の観察会」

 10月24日、今日は八幡平VCに集合して大沼歩道の樹名板の取り外しの日です。
集合時間の30分前には12名のPVの方達が集まり、周辺の熊棚のことが話題となり、それでは確認しなければならないということになり、出かけることになりました。

 ここ数日間の目撃情報によると、どうやらこの熊はお盆の頃に大沼を賑わせた母熊(仮称:大沼子)ではないか。小熊の目撃はないが、二頭が木に登っていたか、または親は木の下に枝を落として小熊がそれを食べた痕跡があるかを確認したいと思いました。

 場所は八幡平VCからアスピーテラインを200メートルほど下がったあたりの車道上、周囲をぐるりと見渡すと10カ所以上、あそこにもここにもと数え切れないほどの熊棚が見えます。ほとんどがブナの熊棚と思いましたが、ナナカマドも混じっていました。道路から10メートル程しか離れていない、爪痕の生々しい場所もたくさんあります。

今年のPVスキルアップ研修で熊の講義の先生は、地表にブナの実がたくさん落ちていれば熊棚をかけないと言われていました。とすれば、やっぱりブナの実の不作が原因かな、と想像できました。

では、これほどの数の熊棚は何頭の熊の仕業だったのでしょうか。この夏に大沼周辺での確認の熊は3頭ほどですが、これは複数の熊たちの食事の後だったのでしょうか。何時ぐらいの時間帯であったのか、紅葉のシーズンの車の人たちは目撃したのだろうか、熊は車を恐れなかったのだろうか。次々に疑問は膨らみますが、PVの皆さんは「県境を越えてでも複数のやつらがここに集まってやったに違いない」、という結論でした。そして、熊棚は奥山で見かける珍しいものと思っていたが、これほどの数を見るのは初めてということでした。
運が良ければ「大沼子」に会えるかもしれないと期待しましたが残念ながらPVの猛者連の前には姿を見せてくれませんでした。

熊の仕業の直径5センチ程の折られたブナの枝は半分ほどをかみ切った歯形が生々しく残っていました。

この観察会の2日前に幸運にも母熊の「大沼子」の木(アズキナシ?)の上での食事風景をカメラに納めることができましたので紹介いたします。


「あれも、あそこにも、すごい数だな」と熊棚の数を数えました。これは何頭の仕業なんだろうか。と口々に、観察会は静かな緊張に包まれました。

道路から近い熊棚に行くと、ブナの幹には登り・下りの爪痕が生々しく、足下には枝が散乱し、頭上には何カ所も熊棚がかけられていました。

食事中の「大沼子」心配していましたが、久しぶりに会うことができました。片足が枝から外れても掴まり直して食事に夢中です。邪魔するつもりはなかったのですが、この後、気づかれてしまい、どこかに行ってしまいました。

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2011年10月24日八幡平VC「森のめぐみでクラフト」

十和田八幡平国立公園 鹿角 阿部 明広

八幡平VC行事「森のめぐみでクラフト」

10月22日、今日は今年最後の八幡平VCの行事「森のめぐみでクラフト」です。
本日のメニューは大沼キャンプ場を会場にブナの落葉を使った草木染め、野外料理(燻製、焼きイモ)、リース作りで9:15の開催で終了15:30という一日がかりの行事でした。

 参加者の皆さんは早速、染めの準備に入りましたが、葉っぱを集めて、水を入れて、火にかけて、素材に絞りの模様をいれて、浸して、媒染の液にひたして・・・、この作業を繰り返しました。やや遅れての昼食のあとは午後からのリース作りの材料探しをしました。
VCの職員が夏から集めていた材料は豊富にありましたが、それぞれの感性で集めた材料を加えて作品作りが始まりました。

 リースとはクリスマス、と理解していましたが中には正月まで使えそうな豪華な物もあり、それぞれに個性が感じられてとても楽しい作品ができあがりました。
午前中に仕込んだ「ブナ染め」もなかなかしぶく染め上がりました。
 初めての試みとしてのイベントで内心ドキドキでしたが、結果として大成功、会場は笑い声にあふれ、「このイベントは年1回ではもったいない」、「この次はお友達も連れてくるわ」、などとてもありがたいお言葉をいただきました。

 
 さて、好評であったこのイベントを私たちはさらに膨らませるための「隠し球」を持っています。
それは、本日参加のPV田中氏はこの方面でただ者ではないということが確認できたからです。とりあえずはツル細工に焦点を絞ってみたい。本番が楽しみで仕方がない、と思っています。

 参加の皆さんの話題にブナの実のことがありました。「熊たちは何を食べているのから」、ここ大沼は不作といわれながらもある程度の実はついているようです。
この夏、大沼を賑わせた母熊の仮称:「大沼子」のまるまると太った姿を先日、幸運にも木の上で食事中の姿を観察することができました。久しぶり、良かったな、頑張っているね、というのが実感でした。


それぞれの素材で工夫をこらして絞り模様をつけています。

自分で集めてきた素材もプラスしてのリース作りが始まりました。欲が出て、だんだん豪華な物になりそうな予感。

工夫した絞り模様の成果がこれです。皆さんにほめられて照れてしまいます。

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2011年09月30日快晴の裏岩手縦走路稜線歩き

十和田八幡平国立公園 鹿角 阿部 明広

 9月25日快晴、今日は裏岩手縦走の日です。
07:30八幡平PSCに集合したら、遙か南の方向に鳥海山が見えました。しかも初冠雪(?)も確認できました。「鳥海に雪が降れば一週間で八幡平にも降る」と誰かが言っていましたが、めったに見られない遙か山形県境の鳥海山、日本海に付き出した男鹿半島まで見ることが出来、さい先の良いスタートです。

 本日の行事は一般参加の方が19名、自然公園財団3名、PVヒナザクラ会11名、鹿角自然保護官事務所2名がサポートに入りました。

諸桧岳も嶮岨森も快晴の雄大な景色の中、快適なトレッキングです。予定通りに大深山荘に到着すると、ペース的に大丈夫との判断から、少々遠回りになる源太ヶ岳コースを提案すると半数の方が希望され、2班に分かれて松川温泉を目指すことになりました。
源太ヶ岳稜線・頂上からのぐるりと360度の眺めの素晴らしさと感動は、案内の時に誰かが言った「見ないと後悔しますよ」の通りでした。
 ただ、お楽しみの後、松川温泉までのルートは連日の降雨により大変でした。それでも、自称ヒナザクラ土木部の皆さんは道具もないのに歩道のたまり水を排水させ、ルートの工作を頑張ってくれました。ARが冗談のつもりで、「今度からどこに行くにもスコップ唐鍬は必携ですね」、と言ったらPVの皆さんは照れていましたが、たぶん本気にされたと思います。

 先行していたグループと途中合流し、松川温泉到着後の入浴は格別であったに違いありません。

「鳥海に雪が降れば一週間で八幡平にも降る」、がずっと頭にありました。6月にはまだ、雪渓のルート工作を行っていたものが9月には夏山シーズンの終わりを意味する雪をみるとは、と思っていましたが、考えるまでもなく、あたりまえの毎年の繰り返しなのだ、と今更ながら思いました。


最初の案内「あれが鳥海山、雪が見えます。」肉眼で確認できました。



晴天の源太ヶ岳快適な稜線歩きです。



PSC岡野所長の解説に360度の展望を堪能しました。

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2011年09月30日駒ヶ岳焼森歩道の補修

十和田八幡平国立公園 鹿角 阿部 明広

9月26日、今日はボランティアファンドの助成による駒ヶ岳自然景観保護連絡会主催の焼森歩道の補修の日です。
助成主体である南八幡平PV奥州谷会長の呼びかけに秋田県から2名、仙北市から2名、日本植生(株)さんから2名、南八幡平を美しくする会から5名、PVホシガラスの会から11名、自然公園財団から1名、鹿角自然保護官事務所から2名の参加で作業を行いました。

 駒ヶ岳八合目避難小屋から焼森の現場までは少々距離がある関係で重い荷は遠慮したい方もいたようですが、山のような松杭・矢板、植生回復マットや道具類などを手際よく分担・ボッカ隊を編成して移動、早速歩道の補修作業が始まりました。

 焼森の作業は、昨年に続いて砂礫の土留めです。カケヤで杭を打ち込み、矢板を取り付け、土嚢を並べる作業です。特にPVの皆さんについては、スコップも唐鍬もカケヤもホーキの使い手も腰が決まっていて、それぞれの個性が丸出しでした。
先日、PVの方が、「今年もコマクサの盗採やカメラマンの踏み込みが目立って、このままでは駒ヶ岳が魅力のない山になってしまう」と憂いていました。心ない利用者に対して個々に様々な思いがあり、結論は自分の出来ることを行うだけ、ということになるのでしょうが、だからこそ、その仕事ぶりが印象に残りました。

 本日の作業は様々な立場の方達が大勢集まってくださいました。誰がではなく、みんなでやろうとの作業でした。
最後に集合写真を撮りました。ARが舞い上がるわけにはいかないと思い、無言でシャッターを押しましたが、「この山は俺たちに任せろ」とかけ声をかけたら握り拳を振り上げて「おー」と赤倉岳の方からこだまがかえるような大歓声があがったろうなと思いました。声を出すべきであったか、と後悔しています。


山のような資材を背に焼森の急坂を、荒い息づかいが聞こえてきそうです。

杭打ちと土嚢づくり、それぞれの得意な分担で、かかれ。

作業終了後の記念写真、撮影後にARの後悔がありました。

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2011年08月20日大沼歩道熊騒動

十和田八幡平国立公園 鹿角 阿部 明広

大沼歩道熊騒動
8月14日、本日も鹿角市と合同で大沼歩道の入り口で観光客の皆さんに熊注意のチラシ配布を行いながら、歩道の合同巡視2日目です。午前中は熊の姿を見ず、もう出るなよ、と念じつつ。

14:00、巡視中に親熊、そして子熊を続けて目撃したので、熊よけスプレーを構えて警戒をしていたところ、木道脇の藪の中からこちらを伺っている熊と遭遇しました。熊よけスプレーを5Mの距離から発射すると、この熊は、側の立木に駆け上がり、駆け下って逃げていきました。

8月6日以来、頻繁に目撃されていた体長1M程の親熊でした。

 この熊については、害獣として駆除されるべきか否かについての議論がありました。すでに「熊出没中」・「もし熊に出会ったら」、の看板、人の存在を知らせる警鐘(ガンガン)の取り付けを自然保護官事務所として行っていたし、市と県との打ち合わせの中では、駆除の前に出来ることとして、熊出没の場所と対処についてのチラシの配布をする。盆中で観光客が増える期間の合同パトロールを行う。大沼の熊が食べている水芭蕉の実が無くなったら熊はいなくなるか?、ということを専門家に確認する。などをとりあえずの対策としていました。

 歩道入り口で熊の出没情報を告げ、チラシを配布すると、行かない方、途中から戻る方もいますが、「これだけ人がいるんだから大丈夫・山だから熊がいて当然・何度か会っているから大丈夫」と、散策に行かれる方も多いようでした。
現状では歩道の通行止めの必要はないと判断し、巡視とチラシの配布のみで対応しましたが、もし、歩道上で
事故があったら、この責任の所在はどこにあるのでしょうか。捕獲したら放獣をしてほしい、との申し出はしていますが、予算的な問題もあると聞きます。何かしらの被害があれば害獣ということになるでしょうが、現状で木道上に出ている親子熊の処遇について、皆さんはどう考えますか。
 
 ~8月14日の熊スプレーで対応して以来、8月19日現在、歩道上でこの熊の目撃はありません。



見栄えはよくありませんが、注意喚起の意味もあり、こんな物を数カ所取り付けました。



歩道の入り口に「もし熊に出会ったら」の看板を取り付けました。



悠然と歩道上に座って、こちらを伺っている母熊。

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2011年07月21日休暇村 乳頭温泉郷にて

十和田八幡平国立公園 鹿角 阿部 明広

 7月17日・18日は休暇村乳頭温泉郷の50周年記念イベントでした。
乳頭キャンプ場の特設会場に様々なアーティストの皆さんを迎え、東日本大震災復興チャリティーイベントとして、「ブナの森コンサート」や自然観察会など様々なイベントが開催されました。

 私たち(パークボランティア+AR)の担当は子供達に木登りを体験させてあげよう、との企画のズバリ「木登り体験」コーナーです。
ギャラリーの注目を得やすく、枝振りがよく登りやすい木の選定をしました。安全の確保のためザイルを取り付け、ハーネスをセットして、あっという間に準備完了です。
ただし、ここから、かつては少年であったPVの皆さんのアレンジが始まりました。
到達地点に鐘を取り付けよう、ご褒美としてヨーヨーをとりつけよう、アルプスの少女ハイジ風の大きなブランコを作ろう、などです。
 
 挑戦した子供さん達、最初はおっかなびっくりでしたが、到達地点の鐘が鳴ると、木の下の大勢のギャラリーからは一斉に「おー」との歓声があがりました。
子供につられて挑戦したお父さんの姿はとてもかっこよく映ったに違いありません。

 しかし、私がここで一番感動したのは、PVの方達の、その場その場でのアイデアのバージョンアップのことです。
木に取り付けた鐘は業務用缶詰の空き缶(ハンマー代用のスプーン付き)、褒美のヨーヨーは売店から借用、しかも難易度の高いところへの取り付け、ハイジ風のブランコを試乗したPVに対して周りのPVからは「アルプスのハイ爺」だとか「アルプスの廃人」だとかのヤジが飛んでいました。
少年の心を持った方達と言えば私がヤジられそうですが、頼もしい山の職人達の一場面を是非、日記に記したいと思いました。

私はこの4月に着任した(新人?)のARです。早くデビューしなければと思いつつ、今になってしまいました。自分もそうでありたいという思いを込めて機会あるごとに「山の職人」の姿を紹介していきたいと思います。

 
 


やさしさに包まれて、「ブナの森コンサート」

木の下のギャラリーは好きなことを言うけど、

「アルプスの少女ハイジ」風のブランコに乗った勇姿

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