ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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三陸復興国立公園 大船渡

82件の記事があります。

2020年11月17日家族でアウトドア in National Park

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

前回、宮城県唐桑町での国立・国定公園誘客推進事業のひとつ(前回記事リンク

をご紹介しましたが、先週末は岩手県大船渡市で同事業イベントが開催されました。

この事業は新型コロナウイルス感染拡大の収束までの間の地域経済の活性化などのために

国立・国定公園を活用しましょう!という目的で実施されていますが

主催者側も参加者側も、感染予防対策をしっかりおこない開催しています。

その名も『親子で体験!みちのく潮風トレイル ハイキング Go Go!』

キャンプ場でお泊まりして国立公園とみちのく潮風トレイルを2日間楽しむという企画。

キャンプとトレイルを合わせてアウトドア家族旅行を提案します。

1日目:碁石海岸トレイルの様子

 下りたら、上る

 子どもより大人がヒーヒー

 

2日目:広田半島トレイルの様子

震災後きれいに復活した大野海岸

クライマックスは黒崎仙峡

昨日歩いた碁石も海の向こうに見えた!

秋の発見を楽しみながらくじけず歩けました。

1日目、キャンプ場では明るいうちにみんなで協力してテント設営です。

貸し出しのポップアップテント、意外に簡単に完成しましたね。

寝床が完成したら、暗くなるまで自然観察会に参加。

パークボランティアの解説をじっくり聞いて勉強になりました。

お楽しみのキャンプ飯!

各自前日の夜から仕込んできた自慢のキャンプ飯を調理し、

さらに焼き師による炭火焼きサンマが振る舞われました。

一番右は、ゲスト長距離ハイカー長谷川さんの「いつ飯(いつもの飯)」

袋ラーメンにサラミ・チーズなど投入しごった煮にしてカロリー充填。

なんと星空観察会も付いていました。

朝から夜寝る直前まで楽しめましたね!

今回の参加ご家族は2組。

(写真掲載についてはご快諾いただいています。)

国立公園という自然のテーマパークで

学びつつ楽しむ2日間を体験していただきました。

日本の国立公園は全部で34カ所。

楽しみ方は無限大です!

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2020年11月05日国立公園に遊びに行きたい!

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

気仙沼市唐桑(からくわ)半島は宮城県の北東端、北西から南東に細長く三方を海に臨む地形で
海岸線はリアス式海岸特有のギザギザ、複雑な入り江や豪壮な岸壁、奇怪な岩礁などなど

とにかく景観が素晴らしく冬も温暖、昔ながらの野営場もあるとして

昨今のアウトドアブームに乗って注目のスポットになっています(願望!オススメ!)。

そんな唐桑半島の先端、唐桑半島ビジターセンターで行われた子供向けのイベントをご紹介します。

最初に密を避けるため5人一組で遊歩道のクリーン作戦(ゴミ拾い)へ出陣。

一組に1人地元のガイドさんが付き、解説が聞けるという贅沢なゴミ拾いです。

とはいえ遊歩道はとても手入れが行き届いていて、30分歩いて拾ったのはお菓子の袋1つだけ。

半島の先端に広がるロッキーエリア「八隻曳(はっそうびき)」。

打ち付ける波ぎりぎりのところで釣り糸を垂らすアングラーが何名か、何が釣れているでしょうか?

岸近くでは釣り上げることはできませんが、今の気仙沼沖はちょうど戻りがつお最盛期。

マグロより旨いのが戻りがつおだよ、ガイドさんとそんなおいしい話もしながら進みます。

違うグループのお嬢ちゃんが浜でお星さまを見つけてきました。

とてもうれしそうに見せてくれたのが印象的でした。

クリーン作戦も終わり、次は「こどもの広場」プログラムです。

津波で町内ほとんどの子供の遊び場が流失してしまったことから、支援で遊具が設置され

桜の植樹が行われるなど、家族憩いの空間として親しまれている「こどもの広場」。

自然循環と安全対策として間伐材をウッドチップに変えて広場の地面に敷き詰めています。

ちびっ子たちの力を合わせウッドチップバケツリレーにチャレンジ、

広場の地面が新しいチップでさらにふかふかになりました。

新品のチップが敷き詰められた広場で「唐桑かるた」が始まりました。

地域の小学校で作ったオリジナルかるたです。

字が読めない子はお母さんと一緒に参戦、1枚でも多くとみんな盛り上がりました。

そんなこんなであっという間にお昼、閉会となりました。楽しかったですね!

家族みんなで自然の環境整備と自然を感じる遊び体験。とてもいいイベントですよね。

実はこのイベントは、主催者が、環境省の令和二年度補正予算での補助金を受け実施したものです。

新型コロナウイルス感染拡大の収束までの間の地域経済の活性化などのために使われる予算。

全国でたくさんの事業者が国立・国定公園への誘客の推進事業を現在企画・実施しています。

地域の自然や歴史、お宝再発見のチャンスですよ。

子どもたちの新しい『遊び場』としても、是非お近くの国立・国定公園へお出かけください。

今後もこの国立・国定公園誘客推進事業の各地でのイベントをご紹介していきますのでお楽しみに。

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2020年10月23日碁石海岸 オオハンゴンソウ駆除

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

ここ数年、碁石海岸地域内に特定外来生物であるオオハンゴンソウの侵入・生育が確認されていました。

オオハンゴンソウは漢字で「大反魂草」と書くそうです。なんともおそろしく強そうですよね。

実際にその生命力は非常に強く、一株当たり1000個以上の種をつけ、

主根が2グラム残るだけでそこから再生可能と言われています。

(↓2016年8月に確認した時のもの)

碁石海岸地域で確認されている生育範囲は大浜(おおはま)へのアクセス路である砂利車道の両脇、

距離にして約20メートルほどです。

(2016年8月確認時の遠景)

園地内ではあるものの、観光客が行き来する場所・遊歩道ではないことと、大きな広がりを見せないことから

慎重に経過観察をしていた(重い腰が上がらなかった?)案件です。

毎年、在来種の植物たちが可憐に咲き誇る姿を見ていて

「いかん、今より早い時はない!」いよいよ本格的に行動に移すこととなりました。

これまでは花が咲く前に地上部刈取りという処理をしてきましたが、

種子からの繁殖がないということで爆発的な拡大は避けられていたと思われます。

今は色々な駆除方法が研究・調査されていますが、

今回はオーソドックスな手作業による根の抜き取りを実施しました。

まずは9月末に駆除作業箇所確認のため下見をしました。

7月開花前に上部刈取りしているので、その後葉は成長するものの

冬に向かい寒くなるので開花には至りません。

しかし中には花開いているものも。(花自体小さく、勢いがありません)

そして10月にいよいよ抜き取り作業。

主根を残さないよう、慎重に掘り上げます。

根をよく観察し、切れてしまっていたらさらに周りの土を探りできる限り回収。

パークボランティア1名保護官事務所2名の計3名でこの地道な作業を2時間以上行いました。

〔作業前〕          ⇒          〔作業後〕

駆除作業をしながら採石の混じった場所で根掘り作業が多いように感じました。

こういう気づきも実際駆除作業をして観察をして発見できたものです。

それぞれの立場で考えいろいろな意見を出し合い、

地域みんなで環境を守っていくんだという意識を維持することが大切ですよね。

今回の成果はシート一面、乾燥・枯死させてゴミ袋3つ分にもなりました。

最後に駆除済範囲に印をつけて、来年の開花前に確認します。

結実し、土に落ちた種は数年間生き続けていると言われるので、

今回行った作業の成果はすぐには感じることはできないでしょう。

来年も再来年も同じ作業を繰り返す、長い戦いになります。

碁石海岸地域への侵入はまだ小規模ですので、今の段階で根絶できるよう

地域の皆さんと力を合わせて行きたいと思います。

最後に、オオハンゴンソウのような特定外来生物は生きたままの運搬が法律で規制されています。

皆さんのお家の庭などで見つけたときも刈ったり抜き取りした後

枯らす前にゴミで出さないようにお願いします。

詳しくは以下リンクをクリックしてご覧ください。

◎特定外来生物についてはコチラ

◎オオハンゴンソウについてはコチラ

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2020年10月12日秋の御箱崎千畳敷(おはこざきせんじょうじき)*釜石市

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

秋深まりつつある三陸、秋の味覚の代表「サンマ」は近年不漁つづきで

海水温の上昇、温暖化の影響について考えさせられています。

とはいえ木々は色づきはじめ、山の幸が楽しみな時期になってきました。

先日、パークボランティア活動で公園巡視へ行ってきたのでその時の様子をご報告します。

舞台である箱崎半島は北側に大槌湾から船越湾を、南側は三貫島を眺望でき、

半島先端の南側には花こう岩の巨大な奇岩が敷きつめられたような「千畳敷」があります。

陸中海岸を代表する景勝地といえます。

風のない日は潮だまりが空を映す鏡となります。

南側を望むと遠くに三貫島が見えます。

この千畳敷、およそ300メートルもの長さに渡り一面花崗岩の巨石がごろごろ。

まるで自分が小人(コビト)になってしまったかのような錯覚が起こります。

この千畳敷に降りるためには、ロープを使って岩の壁と闘います。

岩肌には今が真っ盛りのハマギクが。

こんなに素晴らしい環境が楽しめる千畳敷ですが、

ここに至るまで最寄りの駐車場から約4㎞の徒歩が必要です。

さらに近くの集落から駐車場を結ぶ林道に危険箇所が有り、車両は通行できず、

現在は林道と合わせて片道8㎞、往復16㎞もの道のりなのです。

簡単にアクセスできないからこそ絶景に会えた喜びはひとしお、
忘れられない風景となるでしょう。

遊歩道から岩場に降りる階段周辺をさっぱりと刈り上げてきました。

半島の先端には御箱埼灯台や神社があります。

一人でも多くの方と訪れて絶景と出会えた感動を共有できたらうれしいです。

三陸復興国立公園、どうぞ隅々までお楽しみください。

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2020年09月02日お宝マップができるまで2020①~陸前高田市広田小学校~

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

6月の日記でご紹介した陸前高田市広田小学校のみんなが作る「広田のお宝マップ」

いよいよ本格的に準備が始まりました。

みちのく潮風トレイルを歩くハイカーをはじめ、訪れた人にもっと広田を楽しんでほしいと

トレイルルート沿いで見られるおすすめポイントをまとめ、地図にしようという取り組みです。

今回は夏休みにみんなが撮りためた写真から一人数点ずつ厳選し

広田町の地図に落とすという作業を行いました。

4班に分かれ、シールを使って地図にポチポチ。

自分たちの住んでいる場所の近くで素材探しをしたので

広田半島まんべんなくシールが貼られていた様子。

近所の人しか行かない小さな神社で行われる盆行事

いつも見ている漁港のきれいな夕景

新しい特産品"椿茶"の畑

子どもたちの目線で切り取られた画はなかなか感心させられる構図だったり

興味がわくポイントが"色"だったり"構造物"だったり

たくさんの個性が表れていて面白かったです。

地図上でどこが探している場所なのかわからなくて苦労する場面もありました。

思い返してみれば自分の住む地域の細かい地図なんて小学生の頃見たことなかったかも・・・

みんなで協力しながらなんとか地図に落とし込みました。

次回のみんなでの作業は9月末。

今度は大人やおじいちゃんおばあちゃんの意見を聞いてポイントを増やす作業です。

地図上でシールが足りないところを調べてみてもいいですね。

作品展や運動会、修学旅行など、いろいろな行事が秋にぎゅっと詰まっている忙しいみんな。

自分たちで調べて完成させる「広田のお宝マップ」

たくさんの人に見てもらえることを楽しみに、頑張ろうね!!

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2020年08月03日碁石海岸は花盛り

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

今年は長梅雨で明けぬままとうとう8月に突入してしまいました。

北東北の梅雨明けはあと少し先でしょうか、三陸の短い夏、待ち遠しいです。

空はどんより曇り空でも、気温が高くなくても、

碁石海岸では夏を待ちきれず可憐な花が咲き乱れています。

一面のヤマユリ。碁石の夏といったらこの花です。

ゴージャスな容姿と香りで皆さまをお迎えします。

この株のヤマユリは見事!

20本以上ものヤマユリが一カ所に集まって咲き競っています。

ヤマユリ越しの海、贅沢ですね。

くるんとかわいらしいクルマユリ。

碁石海岸には数が少ないので毎年ちゃんと出てきてくれるか心配です。

今年も会えてホッとしました。

荒々しい岩場にマッチするスカシユリ。

三陸海岸を代表するユリの一つですね。

ちょっと奇妙なオオナンバンギセル。

ススキなどに寄生する植物で、影にひっそり恥ずかしそうに咲いています。

7月末から訪れる人が増えてきています。

いつもと違う風景、みんなマスクをして遊歩道を歩いていますね。

夏の碁石海岸は大船渡市内より2~5℃も気温が低いことがほとんど。

青い松林の木陰に伸びる遊歩道は気持ちの良い散歩道。

お近くにいらした際には是非お立ち寄りください。

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2020年07月14日永年の活動に感謝を込めて

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

今日は私たちの大切なパートナー、パークボランティアの嬉しい話題です。

この日記をご覧になっている方ならもうご存じですよね。

パークボランティアは国立公園で自然解説や美化清掃、施設の簡単な修繕などの活動をしている方々です。

三陸復興国立公園で大船渡事務所が管轄する南部地区では23人の登録ボランティアがいて

年間40回ほどの活動を実施し、2年に一度更新手続きがあります。

具体的にどのようなことをしているのかというと・・・

      ○自然観察会での自然解説・進行補助

      ○公園美化清掃活動

      ○みちのく潮風トレイルルート整備

      ○研修会・勉強会

      ○月一度の定例会

などなどです。

そしてパークボランティア制度において、活動期間が15年を超える方へ、

環境省自然環境局長より感謝状を贈呈することになっているのですが、

三陸復興国立公園南部地区パークボランティア発足から初めて今年度受賞者がいらっしゃいました。

左から 千葉さん、西村さん、武山さん、菊池さん、小山さん

15年間自発的活動をつづけていらっしゃったとは、本当に頭が下がります。

みなさんの自然を、三陸を愛する気持ちが多くの方へ届きますように。

これからも三陸復興公園をよろしくお願いします!

なお、今年度末に新規パークボランティアを募集する予定です。

岩手県/大槌町・釜石市・大船渡市・陸前高田市、宮城県/気仙沼市

で活動する仲間になりたい!という方はどうぞご応募ください。

募集については冬に東北地方環境事務所HPへ掲載します。

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2020年06月30日出前授業に行ってきました*2020~陸前高田市広田小学校~

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

梅雨らしくしっとり鈍色の空が続いている大船渡、

東北の短い夏に向けてこの時期にしっかり大地に水分を蓄え中です。

陸前高田市黒崎仙峡(くろさきせんきょう)展望台から眺める椿島(つばきしま)。

今回は624日に陸前高田市広田小学校へ出前授業に行ってきた様子をご報告します。

広田小学校への課外授業は今年で3年目。

6年生の総合学習「地域(広田)の宝を見つける」をテーマに

震災後の砂浜植生再生でご尽力されている岩手県立大学准教授島田先生とタッグを組んで

三陸復興国立公園・みちのく潮風トレイルを舞台に授業を行っています。

野外活動の前に教室での講義。

国立公園やみちのく潮風トレイルについて説明しました。

大切な自然、後世まで残したい自然、守ることはもちろんだけど

その素晴らしい自然を利用し楽しむための公園でもあるんだよという内容です。

広田小学校のある広田半島は先端の沿岸部ぐるっと三陸復興国立公園に指定されています。

そこに住む地元の人はその環境が当たり前すぎて気づきにくいですが

子どもたちには自分たちの住む地域が貴重な環境であるということ、

自然の素晴らしさや大切さを大人が伝えていくことが必要です。

自分たちの生まれ育った土地を様々な角度から知っておくことが

将来訪れるたくさんの出会いの中、役に立つ瞬間があると信じています。

教室での講義の後はお楽しみの野外活動、現地散策です。

舞台は三陸復興国立公園内に整備された自然歩道『黒崎仙峡を訪ねるみち』の一部です。

ここはみちのく潮風トレイルの陸前高田市ルートのハイライトと言える場所。

花や木々など植物はもちろん、浜や漁港なども含まれていて、

自然を生かして自然と生きる ということに触れることができます。

 

現場でのみんなの様子をご紹介します。

「島田先生のワークシート 黒崎仙峡でビンゴ」

「きれいな景色と思った場所で写真を撮る」

「ミサゴの巣を発見!ヒナが動いている!!!」

「おいしい恵みを特別に試食」

 

震災後、工事だらけの通学路。

ほとんどの生徒がスクールバスで登校しています。

外を歩くということ自体少なくなってしまっている今の子どもたち。

みんなと一緒に屋外を歩いて勉強なんて滅多にない機会に子どもたちはもちろん先生も笑顔。

広田の自然に触れ、何を感じてくれたでしょうか。

今回の野外活動の他、地域の宝をまだまだ調査する予定のみんな、

秋には調査したものをまとめて「広田のお宝マップ」を完成させます。

地域の宝のひとつとして自然を学んでいますが、

実はこの子どもたちみんなが地域の宝。

みんなが作る「お宝マップ」が今から楽しみです。

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2020年06月15日初夏の自然環境調査*大船渡市首崎(こうべざき)

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

東北北部、梅雨入りしたと宣言がありましたが、ここのところ快晴の日が続いています。

梅雨入り前のまぶしい太陽を存分に楽しまなくてはもったいないですね。

今日は大船渡市の秘境の国立公園「首崎(こうべざき)」の巡視の様子をご報告します。

首崎はこの日記でも毎年1度はご紹介している場所です。

4時間かけて歩いてやっと到着できる、人里もビジターセンターもないひっそりとした国立公園。

三陸復興国立公園で指定植物とされている"マルバダケブキ"の開花時期を予想して

今年は6月上旬に様子を見に行ってきました。

間もなく満開を迎えるというちょうど良い時期にあたり、

見渡すかぎり黄色に輝く岬を見ることができました。

写真では収めきれないあの感動・・・技術がなくて輝きをお伝えできずすみません。

岬の先では青い空、青い海のもと絶景を収めることができました。

三陸復興国立公園といえばリアス海岸。南部のリアスは柔らかく優しい海岸線。

首崎先端に来るとひと目でその意味がわかります。

実は内緒にしたい絶景スポットです。

浮かぶブイが描く海上絵。

これは魚をとるための定置網という罠なんですよ。

帰り道に見つけたかわいいもの。

まだ若いウリハダカエデのしなる枝の先に作られていました。

最初下から見上げたときはおおきななにかのタマゴかな?と思ったのですが

枝を引っ張って上部をのぞいてみたら中には親指の爪の大きさほどの小さな鳥の卵が。

巣は私の握り拳よりも小さく、この中で親鳥が卵を温めたりエサやりをしていると思うと

かわいくてかわいくて仕方ありませんよね。

後で調べたところ、既に巣立ちの時期は過ぎていたので、

この残っていた卵は孵りそびれた一つだったようです。

そしてみなさんはあまり会いたくないですかね?(私は爬虫類好きなので)

まだ6月とはいえマムシが活動していました。

カサカサの枯れ葉にうまくカモフラージュしていますよね。

自然の草の上に素足で数分立っているだけでストレスが減る・・・ 

なんてことを耳にしました。

いつも緑に囲まれて仕事をしている私たちのストレスはマイナスか?

ということになってしまうので信憑性はなんともいえませんが

自然が癒やし、心落ち着く場所であることはきっと変わらないのでしょう。

身近な自然。空、川、公園でも沢山の発見の種は落ちています。

外へ出てゆったりと時間を過ごせるとき、その種を探してみませんか。

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2020年06月04日ご案内します 「みちのく潮風トレイル」*鍬台峠(くわだいとうげ)後編

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

みなさんこんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です

今日は前回の続き みちのく潮風トレイル*鍬台峠 後編 をお届けします。

                                  前編はこちら

一里塚のクリンソウ&ワラビ畑を抜けるとそこは大船渡市と釜石市の境、

鍬台峠ピークになります。

ピークには環境省のみどころ説明看板が設置されています。

設置業者は仕事とはいえ、資材を担いで山を登り、きちっと据えてくれました。

地図をじっくり作り込んだり、現地下見をしたり、設置後の最終検査など

私たちも同行した場面も多々ありますが、色々な人がこの道に関わっていることを

歩く方々に想像してもらえたら嬉しいです。

いよいよ釜石側へ下りていきますよ。

こちら側は南の大船渡側とは全く違う表情を見せてくれます。

石畳や石垣が残っていたり、

深く切り通して道になっていたり、

かつての交易路であったことが想像できます。

そして巨石に絡みつく根や風化して砕けた岩などからは時の流れを感じます。

まさに浜街道、歴史道。

摩訶不思議な岩が現れました!

『一刀両断石』前保護官が名付けていました。

大きな丸い岩の上部がスパッと切れずれている・・・不思議です。

歴史道も下りはあっという間、もったいないので振り向きながら歩くことをお勧めします。

林道へ合流した後久々に見た海が!(ちょっとだけ)

これだけでもなんだかホッとしていまいます。

おや?どっちでしょう?

最後の最後に油断大敵。

地図を見てこの先分岐があるなと頭に入れ、見落とさないように歩かないとですね。

正解は右です。

少し行くとカエルの大合唱が聞こえてきました。水辺が近いですね。

昨年の秋の台風で水の流れが変わったようで、

小さな池だったところが大きな池に変わっていました。

そしてその池の端が決壊、小さな滝が出現しています!

ルートを横切って水の流れができてしまったのでちょっとした沢渡り気分。

その後お供えのような動物の頭蓋骨やかわいい植物を発見しながら進み、

集落が見えてきました。もう間もなくゴールです。

標高およそ430m 鍬台峠制覇。

距離は5㎞ほどですが、登り2時間、下り1.5時間みておくと安心です。

全二回春の鍬台峠への想像旅行、いかがでしたか?

夏も秋も冬も(雪が残っているときは装備を!)見応えのある峠です。

今、徐々に規制は緩和されていますが、いまだ安心できる状態ではありません。

もうしばらく遠方へのトレイルハイキングは我慢ですね。

皆さまに実際に歩いてみてもらえる時がくるのを楽しみにお待ちしております。

想像旅行、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

 

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