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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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磐梯朝日国立公園

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2021年09月15日磐梯山のコウリンタンポポ防除

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 村上英夫

9月7日(金)、地元のNPO法人裏磐梯エコツーリズム協会主催のコウリンタンポポ防除活動に参加しました。

〈天狗岩付近から櫛ヶ峰を望む〉

コウリンタンポポは繁殖力が強いため、「生態系被害防止外来種リスト」の中の「その他の総合対策外来種」に指定されています。高山の生態系を変え、特に磐梯山においては、固有種のバンダイクワガタを脅かしています。この日は、新型コロナウイルス対策のため関係者のみ約20名の方が参加し、天狗岩付近から櫛ヶ峰下部までの範囲に広がって防除作業を行いました。今シーズン5回目の防除なので花はあまり残っていませんでしたが、この日のターゲットは芽を出したばかりの小さな株で、良く見るとびっしり生えていました。

久しぶりの好天に恵まれて、裏磐梯方面は、私たちの事務所が見えそうなほど良い展望が広がっていました。

〈天狗岩付近から望む裏磐梯エリア〉

〈磐梯山山頂(正面奥)〉              〈沼の平付近のダケカンバ〉

                           

                  〈赤埴山から望む猪苗代湖〉作業後、赤埴山まで巡視を行いました。午前中、猪苗代湖側はガスに覆われて何も見えませんでしたが、午後はすっきり展望が広がりました。

今年から、猪苗代スキー場のリフトが登山者のために運行を開始したので、赤埴山や、沼の平から天狗岩を経て磐梯山山頂へ至るルートへのアクセスが容易になりました。ただし運行時間は6時30分から9時30分までなので下山時は徒歩になり、事前に時間と体力を考慮に入れて山行計画を立てる必要があります。

磐梯山はすでに秋の気配が漂い、錦秋の衣を纏い始める美しい季節が、まもなく始まろうとしています。

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2021年09月13日ついに!登山道合同保全作業!

磐梯朝日国立公園 羽黒 風間彩野

こんにちは。

羽黒自然保護官事務所の風間彩野です。

磐梯朝日国立公園では、飯豊連峰および朝日連峰において、環境省を含めた国、県、市町村および地域に深く関わる民間団体が集まり、飯豊連峰保全連絡会および朝日連峰保全協議会を立ち上げています。

人間が立ち入り、登山道を踏みつけることで荒廃していく自然を復元させ、原始性の高い飯豊連峰、朝日連峰の自然が長く維持されるように、その保全活動を推進することを目的に取り組みを行っています。

毎年夏から秋にかけて、それぞれの地域の荒廃部分を復元させるために合同保全作業を行っています。この現地での作業のために、前年の冬頃から計画を立てていきます。

今年は9月4日(土)に、飯豊連峰 梶川尾根にて登山道の合同保全作業を行いました。昨年は新型コロナウイルスの影響により中止になりましたが、今年の飯豊連峰では人数を制限し、泊まる小屋にも定員を設けるなど感染対策を充分行った上で実施しました。

当日の朝はまだ日が昇る前から出発しました。あいにくの雨。私の晴れ女パワーはどこに行ったのでしょう。

飯豊連峰は急登、鎖場、ガレ場など、危険な場所が沢山あり、難易度は高いです。特に登山口から主稜線までのアプローチに時間がかかり、かなりの体力と同時に精神力も必要です。

山脈を形成している岩盤の性質の影響により崩れやすい登山道になっています。人が通ることで踏み固められ、その後雨が降ると踏み固められた道を勢いよく水が流れます。そしてスピードの速い水の流れにより登山道が削られていきます。削られた道は他の場所よりも歩きやすいのでより多くの登山者がそこを通り、また踏み固められ・・・の悪循環が発生し登山道は荒廃していくのです。

梶川尾根の上部に出ました。いよいよ保全作業が始まります。

梶川尾根の上部はこのような白い色の登山道であり、これがとてももろく崩れやすいのです。今回の作業は、ヤシ製の土嚢を使って土砂をためることです。流れてきた水の中に含まれている土砂を、ヤシ製の土嚢で止めます。そうすることで、削られて窪んでしまった登山道に少しずつ土砂がたまっていきます。

ヤシ製の袋に土とヤシ繊維を詰めていきます。

そして、削れた場所に、階段のように置いていきます。

そう、この日は雨・・・。でも悪いことばかりではありません。登山道を削っていく水の流れが実際に見えるので作業がしやすいのです。先ほど作ったヤシ製土嚢の階段に水がたまっている様子を観察することができました。

今年度は少人数でしたが、登山道保全に向けて一歩前進することができました。10年後、20年後にこの場所の荒廃が少しでも収まってくれるといいです。

来年は大人数で作業ができたらいいですね。

登山中にヤシ製土嚢の様なものを見かけましたら、このような活動が行われているということを思い出していただけますと幸いです。

これにて今年度の飯豊連峰合同保全作業は無事に終了しました。

ヤシ繊維やヤシ土嚢の荷揚げをしてくださった方、合同保全作業に参加してくださった方、本当にありがとうございました。

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2021年09月08日一人写真展 「日々のすきま」

磐梯朝日国立公園 羽黒 風間彩野

こんにちは。

羽黒自然保護官事務所の風間彩野です。

山形は夏の猛烈な暑さも和らぎ、朝晩は少し肌寒い風が身を包むようになりました。

稲の穂も頭を垂らし、黄金の野原になりつつあります。

そんな景色を眺めながら散歩をするのが日課です。心洗われます。

さて、私は日頃からよく写真を撮ります。

とはいえ、羽黒自然保護官事務所の澤野保護官の前では写真が好きですなんて言えません。

レベルも熱意も違いますので・・・。

今までは記録用に撮っていた写真を掲載してきましたが、ここではちょっと変えて、おまけ程度にこっそり撮りためてきた写真をご紹介します。

風間アクティブレンジャーの一人写真展をどうぞ。写真展の名前は「日々のすきま」。

【月山の宝石】

月山開山祭のことです。当日は天候が悪く、視界はほぼなしで強風でした。そんな中、ふと足下を見ると草にきれいな水滴が。癒やされました。

【弥陀ヶ原のアカハライモリ】

月山の八合目駐車場から数分歩くと弥陀ヶ原という湿原に行くことができます。そこには池塘と呼ばれる池が点在します。その中をのぞき込むと・・・。沢山出会えますよ。

【種、捕獲!】

真ん中にある綿毛のついた種、見えますでしょうか。見えにくいですね。すみません。これは月山8合目駐車場に置いてある種除去マットです。貴重な草花が多い月山。そこに外からの種を持ち込まないために設置してあります。マットをよーく見るとしっかり種が捕獲されています。機能している証拠です。うれしくてシャッターを押しました。

【事務所の住人】

澤野保護官撮影の写真です。この鳥さんは、事務所のパイプ内に家をかりて住んでいるようです。自然に囲まれた土地ならではの光景ですね。癒やされました。

【旅の安全を】

羽黒山山頂にある、旅の神様のお社です。靴が沢山お供えしてあります。旅好きとしてしっかりご挨拶してきました。羽黒山山頂神社に行った際には是非立ち寄ってみてください。前の日記で羽黒の古道を歩いて山頂に行ったときのことを書いていますので、よろしければご覧ください。

【太陽によろこんで】

朝日連峰以東岳の山頂で撮影しました。小さな太陽を、水滴をつけた小さな草がよろこんでいる様に見えました。

【空の支配者】

こちらも朝日連峰以東岳から撮影しました。重く分厚い雲はまるで空を支配しているようです。下からの赤い太陽の光が幻想的ですね。一瞬しかとれない貴重な写真です。

【大きいハンマー】

登山者カウンター(設置や点検の事については前の日記をご覧ください)を立てるときに使うハンマー。手と比べても、すごく大きいことがわかります。また、ずっしりと重いです。設置の時はこれを担いで山に登ります。大事な仕事の一つです。

【小さな鳥居】

月山ビジターセンターから少し奥に行くと羽黒キャンプ場があります。その一角に小さな鳥居がありました。大山祇神社の鳥居です。鳥居をくぐると緩い坂が延びていて、しばらく歩くとひっそりとした神社が出てきます。前の日記でもご紹介していますので是非見てみてくださいね。

以上、風間アクティブレンジャーの一人写真展「日々のすきま」でした。また良い写真がたまりましたら随時開催しますね。ご来場ありがとうございました。

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2021年09月03日登山者カウンター ~ 飯豊

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 村上英夫

太陽がすっきりと顔を見せる日が少なくて、雨天曇天が続き、気温も下がってきた9月初旬、雨の合間を見計らい、飯豊連峰の川入口に設置した登山者カウンターの点検作業とデータ回収を行いました。

〈御沢小屋跡付近の登山者カウンタ-〉

80台収容可能な駐車場を備えた広々した野営場を出発し、10分ほど歩いて橋を渡った所に登山口があります。飯豊山は古い山岳信仰の山、修験道の山です。登山口には、ご神木である杉の巨木が並び、その傍らに小さな祠があります。ここが長い急登が続く「長坂」の起点。登り始めるとすぐに、ブナやミズナラなどの巨木の森の中に入っていきます

巨木に出会うといつも心の中で、「君はいつからそこにいるんだい?」と話しかけたくなります。巨木の森の中にいると心が落ち着いて、なぜか温かな気持ちになってきます。

〈トンビマイタケ〉

夏の終わりから秋の初めにかけて姿を現すトンビマイタケに出会いました。「マイタケ」という名はついていますが、大きくなると堅くなって食用には適さないようです。あちらこちらに少しずつ、キノコが姿を見せ始めました。

来週以降、また残暑が戻るようですが、山には確実に秋が近づいているのを感じます。

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2021年08月27日羽黒山 古道の不思議

磐梯朝日国立公園 羽黒 風間彩野

こんにちは。羽黒自然保護官事務所の風間です。

先日、羽黒山の古道「奥の細道古道」に行ってきました。

あの松尾芭蕉も通ったという道です。峰入修行で山伏たちが歩く道でもあります。

有名な石段の反対側に在り、知る人ぞ知る古道です。

まずは羽黒山について。

出羽三山の一つであり、三関三度(さんかんさんど)の霊山として栄えてきた山です。羽黒山で現世利益を、月山で死後の世界を体験し、湯殿山で新しい命をいただいて生まれ変わるという、蘇りを果たす山の一つがここ羽黒山です。

御開祖である蜂子皇子の修行の道は「羽黒派古修験道」として結実し、1400年もの長い間受け継がれています。今日では羽黒山伏の形をとって、厳しい修行道が続いています。

今回紹介する道は、その山伏が修行のために通る道です。

奥の細道古道の玄関口には、羽黒山修験本宗の本山である荒沢寺があります。出羽三山1400年あまりの歴史を継承する寺院であり、羽黒山奥ノ院と呼ばれ、山伏が修行する道場です。苔むした石碑に、至る所にいる神様に、歴史が刻まれた木製の門に、身が締まる想いで出発しました。

スギやブナに囲まれた道です。所々に石段がありますが、道自体は急でもなく自分のペースで心地よく進むことができます。途中で他の人に会うことはありませんでした。鳥の声と木々の音だけが私の周りを取り囲みます。

山道を進むと、突然開けた場所に出ました。峰中堂です。

羽黒派古修験道の修行の拠点になっています。長い木造の大きな建物です。

吹越神社です。

羽黒派古修験道の根本道場であり、吹越神社は三山の開祖・蜂子皇子を祀っています。ひんやりとした道をどんどん進んでいくと、大きな駐車場に出ます。その先は羽黒山山頂です。

山頂に着きました。出羽三山神社の大きな三神合祭殿が姿を現しました。

片道40分というところでしょうか。ちょっとした散策にはもってこいの道だと思います。

皆さんも古道を歩いて1400年の歴史を感じてみてくださいね。

おまけ。

帰り道、元来た古道を下っていたら私の周りを取り囲むように何かが崩落する音が聞こえました。鳥も一羽もいない場所で、何の音だったのでしょうか。今まで感じたことのない感覚に襲われて全身に鳥肌が立ち、足早で下山しました。不思議です。

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2021年08月24日登山者カウンター点検業務

磐梯朝日国立公園 羽黒 風間彩野

登山者カウンターの点検業務

こんにちは。羽黒自然保護官事務所の風間です。

羽黒自然保護官事務所では、飯豊連峰・朝日連峰の登山口に登山者カウンターを設置し、登山者数を調べています。飯豊は奥胎内口、朝日は泡滝口、朝日鉱泉口、古寺鉱泉口、日暮沢口の計5カ所です。

先日、そのうちの3カ所(朝日鉱泉口、古寺鉱泉口、日暮沢口)の点検をしてきました。

このうち2カ所の登山者カウンターは登山口から少し登った尾根の上にあるため、点検道具を背負って山を登る必要があります。

このカウンターには、

  1. 日付②時刻③バッテリー残量④気温⑤登りの登山者数⑥下りの登山者数が記録され、専用のリモコンで操作することで数値が表示されます。

点検内容は

  1. バッテリーが動いているか②草木でソーラーパネルが隠れていないか③カウンターのセンサーは動いているか④傾いたり倒れたりしていないか⑤ねじの緩みはないか等です。

〈朝日鉱泉口〉

〈古寺鉱泉口〉

〈日暮沢口〉

今回バッテリーの調子がよくない場所がありましたので新しいバッテリーに変えてきました。

例年10月末頃まで点検を行い、冬前に回収します。そして次の年の夏前に設置します。

次回の点検は9月です。それまで無事に動いていてくれることを願っています。

―お願い―

誤ったカウントを計測しないようにカウンターの前では立ち止まらないでください。

登山者カウンターが倒れているなど何かお気づきの点がありましたら羽黒自然保護官事務所(0235-62-4777)までご連絡ください。

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2021年08月16日登山者カウンターデータ回収

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 村上英夫

登山者の数を自動的にカウントする装置「登山者カウンター」を、裏磐梯自然保護官事務所では10カ所に設置しています。約3週間おきに、ソーラーパネルやバッテリーの異常の有無の確認と、装置に蓄積されたデータの回収をします。先週は、吾妻連峰の浄土平と、磐梯山の猪苗代スキー場登山口で作業を行いました。

                 〈浄土平の登山者カウンター〉

作業後、浄土平から鎌沼へ上がり、登山道と湿原の木道を視察しました。当たり年となったコバイケイソウの花はすっかり終わり、チングルマも実をつけ、湿原にはモウセンゴケとリンドウ、登山道沿いにはアキノキリンソウが姿を見せていました。

〈タテヤマリンドウ〉                 〈モウセンゴケ〉

  〈チングルマ〉                  〈ミヤマアキノキリンソウ〉

鎌沼から1時間弱で東吾妻山頂に立つことができます。以前、山頂へ登り休憩時に地元の郡山市から訪れていた方と言葉を交わした際に、その方が「初めて来たけど、地元にこんな素晴らしい所があるとは知らなかった」とおっしゃっていました。比較的短いアプローチで来られるピークから、天気が良い日は、那須、飯豊、朝日連峰、会津駒ヶ岳や燧ヶ岳、さらに月山や鳥海山を望むことができます。

〈鎌沼〉

〈鎌沼より東吾妻山を望む〉

〈吾妻小富士〉


次の日は猪苗代スキー場登山口へ向かいました。スキー場トップの登山道入口にカウンターがあり、そこまでスキー場を登ります。

〈猪苗代スキー場上部の登山者カウンター〉              

スキー場とはいえ、たくさん花が咲いていてきれいです。この日はコバギボウシやツリガネニンジンが咲き始めているのが目立ちました。斜面の下には猪苗代湖が見渡せます。

〈コバギボウシ〉                   〈ツリガネニンジン〉

八方台からの入山者数は、休日の多い時で500名を超えることがあり、駐車場も満車になることが多いのですが、猪苗代スキー場からのルートは多い日でも50~60名程度で、駐車場は広く余裕があるので安心です。山頂までのルート上にはダケカンバの林や沢や沼があり、バリエーションを楽しめます。さらに猪苗代スキー場が今年から登山者のためのリフト運行を始めましたので、コースタイムはかなり短縮されるはず。お勧めです。

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2021年08月13日朝日連峰縦走業務

磐梯朝日国立公園 羽黒 風間彩野

こんにちは。

羽黒自然保護官事務所の風間です。

先日、2泊3日で朝日連峰に行ってきました。

目的は今年度の保全作業地の下見、保全資材の保管の依頼も兼ねた山小屋の管理人さんへのごあいさつ、荷揚げ状況の確認、現地の巡視です。

全国で熱中症警戒情報が飛び交う中、山に入りました。

汗が止まらず大変でした。実はこのとき、私も保全作業に用いる資材の荷揚げをしていました。

竜門小屋の三階に置いてある、登山道保全作業で用いる資材です。沢山の方のご協力により、ここまで荷揚げできました。一番重い資材は11kgもあるのですが、こちらも荷揚げしてくださった方がいるようです。ありがたいです。

この日は雲がかかった夕暮れとなりましたが、幻想的でした。

二日目は、今年度の保全箇所でもある「中先峰」の下見を行いました。

全体的にガレ場が続いています。植物もまばらにしか生えておらず、保全の重要性を感じました。登山道の崩壊は「水」「霜」「人」の三つが主に原因となることが多いといわれています。それぞれの原因に対応する保全方法を試行錯誤しながら作業を行っていきます。作業で用いるものは、主に荷揚げしていただいたヤシ繊維です。

この日の夜の空です。大鳥小屋からは天の川が綺麗に見え、流れ星も絶え間なく流れていました。星を眺めるために訪れるのも良いのではないでしょうか。

今年度の登山道保全作業は新型コロナウイルスの影響により規模を縮小して行いますが、朝日連峰の登山道が少しでも良くなるような活動ができたらと思っています。

最後に、夏に山に行く際の注意点をいくつか記載します。

・山の中でも十分暑いです。水分補給や塩分補給をしっかり行ってください。

・途中の水場は100%出ているとは限りません。多めに水分は持ちましょう。

・蜂が出てきています。私も先日山で2箇所刺されました。ポイズンリムーバー等の常備をおすすめします。

・登山届を出しましょう。何かあったときの捜索の手助けになります。

山の環境に配慮する前にご自分の体調管理等をしっかり行い、楽しい山行にしてください。

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2021年08月12日パークボランティア始動式

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 村上英夫

国立公園において、自然解説や美化清掃、野生動植物の保護管理や調査などの活動に、自発的に協力していただける方々を「パークボランティア」として登録しています。裏磐梯地区では19人の方々が登録され、探勝路や登山道の巡視と清掃美化、オオハンゴンソウの防除などに活躍されています。さて例年は4月に始動式を行い、11月までの8ヶ月間の活動がスタートするのですが、昨年に続き今年も感染症対策のために、8月のスタートとなりました。

午前中は活動計画内容についての説明と事務連絡の後、意見交換が行われました。ボランティアの皆さんは、多くの知識と見識をお持ちで、経験も豊富な方ばかりなので、特定外来生物の駆除方法やシカ・イノシシ対策、登山道整備のあり方などについて深い議論が交わされました。午後は消防署から救急救命士を招いて救命講習を実施しました。

これから月に4~5回のパークボランティア活動が予定されています。それにより特定外来生物防除が着実に進み、探勝路や登山道の美化と景観維持が担保されるようになります。計画通りに活動が実施できるよう、感染症状況が収まることを祈るばかりです。

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2021年07月29日登山道保全技術講習会と保全箇所の下見に行きました

磐梯朝日国立公園 羽黒 風間彩野

こんにちは。

羽黒自然保護官事務所の風間です。

先日「登山道保全技術講習会」を行いました。

飯豊朝日地域では、登山道の荒廃が進んでいる場所が多々あり、それを補修し守っていこうという活動を行っています。

この登山道保全技術講習会は、登山道をどのように保全していくのか、その考え方や工法などを山岳関係者に伝えることが目的です。

今年度は新型コロナウイルスの関係により、オンラインで講師の方々に講義をしていただきました。

オンラインでも多くの方々が参加してくださいました。

その後、飯豊連峰の丸森尾根と梶川尾根にある、今後保全作業を行う予定の場所を下見してきました。

丸森尾根の登山道の荒廃箇所です。一歩足を踏み出す度にボロボロと崩れていきます。

梶川尾根の登山道の荒廃箇所です。

過去に施工された場所も確認してきました。

なんと、植物がヤシ土嚢から生えてきている場所がありました!これは植えたのではなく、外部から自然に種が入ってきた植物です。これこそ保全作業の成果です。しっかり定着して大きくなってほしいものです。

過去の作業地のモニタリングを繰り返すことで、次の保全作業に活かしています。

今年度の保全作業は新型コロナウイルスの影響のため、少人数での作業になります。早く大勢で力を合わせて活動ができる日が来ることを願っています。

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