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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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磐梯朝日国立公園 裏磐梯

171件の記事があります。

2015年02月23日冬の五色沼 スノーシューイベントを実施しました!

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

皆さんこんにちは

裏磐梯の渡部です。

2月も半ばを過ぎ、裏磐梯の雪も水分を多く含んだ大きな粒の雪が降るようになってきました。皆様のお住まいの地域では春の足音が聞こえるようになったでしょうか。

さて、今回の日記では2月15日に行われた自然ふれあいイベント『冬の五色沼 スノーシューハイキング』の様子をお伝えします。

  

各班の様子と毘沙門沼流入口

   

スノーシューハイキングには15名の方がご参加くださいました。裏磐梯地区で活躍しているパークボランティアの皆さんの案内で、五色沼自然探勝路の竜沼またはみどろ沼までスノーシューを履いて散策しました。天気はあいにくの雪模様で、動物の足跡も消えてしまいましたが、散策中はときおり晴れ間も見えキラキラと輝く沼がとてもきれいでした。

冬の自然散策の醍醐味はスノーシューを履いて、道を外れて歩くことができることです。

今回の散策では雪の時季でしか見ることのできない沼にも足を運びました。

  

パークボランティアの皆さんが『苔沼』と呼んでいる沼
    

五色沼自然探勝路沿いで見られる代表的な沼の他、正式な名前がついていないような沼をみることができます。

五色沼自然探勝路は磐梯山の噴火によってできた流山が多く、地形が複雑になっています。一人では道に迷ってしまうような所もガイドさんがついていれば安心です。裏磐梯にはたくさんのガイドの方がいるので、連れていって頂くと一層裏磐梯での楽しみが増えるのではないかと思います。

   

毘沙門沼では沢山の水鳥も観察できました。オオバンやヒドリガモ、ヨシガモの他、下見の時にはいなかったコハクチョウも来てくれていました!

     

水鳥を観察する参加者の皆さん

      

普段は一人や二人でパトロールに行くことが多い五色沼自然探勝路ですが、今回は皆さんと一緒に沼や実、水鳥などいろいろなお話しをしながら歩くことができてとても楽しかったです。

裏磐梯はこれから春を迎え、ミズバショウや新緑が美しい時期を迎えます。春、夏、秋、冬、四季を通して美しい自然を楽しむことができます。自然探勝のほか様々なレクリエーションを楽しむことができるのもこの地域の特徴です。ぜひ裏磐梯に足を運んでいただけたらと思います。

    

冬の五色沼 スノーシューハイキングにご参加くださった皆様、雪の中お越し下さり誠にありがとうございました。とても楽しく充実した時間を過ごすことができました。

また、ガイドをしてくださったパークボランティアの皆様、関係機関の皆様、ご協力くださり、ありがとうございました。
     

最後に、パークボランティア募集についてお知らせです!

現在、裏磐梯自然保護官事務所では裏磐梯地区で活動してくださるパークボランティアの方を募集しています。

活動は磐梯朝日国立公園裏磐梯地区の五色沼自然探勝路を中心に、美化清掃や巡視活動、外来生物の防除作業、自然解説等を行っています。

パークボランティアに興味のある方、パークボランティアになりたいという方のご応募をお待ちしております。   

詳しくは東北地方環境事務所ホームページをご覧ください。

http://tohoku.env.go.jp/pre_2015/post_3.html

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2015年01月06日裏磐梯地区パークボランティア・スキルアップ研修会を行いました!

磐梯朝日国立公園 渡部 のり子

皆さん明けましておめでとうございます。裏磐梯の渡部です。
今年もよろしくお願い致します。
2015年が皆様にとって、より良い1年になることをお祈り申し上げます。

   

さて、だいぶ前の話になってしまいますが、今回の日記では先月12月13日(土)に行った裏磐梯地区パークボランティア・スキルアップ研修会の様子をご紹介します。

   

昨年9月に起きた御嶽山の噴火を受けて、登山者の方にも広く火山防災の意識が高まっています。裏磐梯地区パークボランティアの皆さんが活動する磐梯朝日国立公園の磐梯吾妻・猪苗代地域には磐梯山をはじめ吾妻山、安達太良山の3つの火山があります。今回の研修ではそれぞれの火山の特徴を確認し、火山防災について学び、巡視活動や自然観察会の際に役立ててもらうことを目的に行いました。
   

研修会の様子

   
研修会の講師には磐梯山噴火記念館の佐藤公副館長をお招きして、「火山の基礎知識と火山防災」について実験を交えながらご講義頂きました。
   

火山の基礎知識として、火山のできる場所や火山の種類、噴火の種類などを学びました。また、火山防災に関してはハザードマップの見方を教えて頂いたほか、火山災害を始めとした災害に対応するには日頃から『自分自身の住む地域や活動する地域の大地を学ぶことが命を守ることに繋がる』ということを教えて頂きました。
   

講義の他に火山に関する実験も行いました。1つめは成層火山が出来上がる様子を再現する実験、2つ目はマグマの粘り気の違いを見る実験、3つ目は模型に液体を流して泥流を再現する実験を行いました。
成層火山の実験では、火口となる穴から噴出物となる色違いのドロドロが幾重にも重なり、層ができる様子をよく理解することができました。
  

左上:火口となる穴から色のついた粘土のような素材を出す作業
右上・左下:色が違うものを何度も火口から出しました
右下:ストローを使ってボーリング調査!そして切ってみるときれいな層に!

  
マグマの粘りに関する実験では、サラサラな緩いマグマとドロドロな固いマグマの違いを観察しました。きなこで作った山の下から粘り気が違う2種類の液を使って再現しました。サラサラなマグマの方が山の崩れ方が大きく裾野にあたる所まで流れ、ドロドロなマグマは山の崩れ方が小さく、下まで流れていかないという違いが見て取れました。実験を交えての講義だったので、とても分かりやすく、そして楽しく火山について知ることができました。
  

左:サラサラなマグマ
右:ドロドロなマグマ


普段は温泉や美しい景観など、火山の恩恵を受けて生活していますが、火山には噴火という一面もあります。沢山の性質を持つ、火山とどう付き合っていけば良いのかを改めて深く考え、学ぶことができました。
とても分かりやすく講義をして下さった磐梯山噴火記念館の佐藤副館長様、心より御礼申し上げます。
そして、お集まりくださったパークボランティアの皆さん、本当にありがとうございました。


最後に、昨年の12月12日に吾妻山(一切経山)の噴火警戒レベルが2に引き上げられました。大穴火口から半径500mが立ち入り規制区域となっています。(気象庁基準)
現在は冬季のため、磐梯吾妻スカイラインが冬季通行止めとなっておりますが、福島市の対応として高湯ゲート、土湯ゲート、微湯温泉からの登山口で入山規制が行われ、登山を自粛するよう呼びかけを行っています。
山形県側の登山口にも注意喚起の看板が設置されているそうです。各自治体の案内に従って、安全第一とした対応をお願い致します。

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2014年10月29日猪苗代湖クリーンアクション2014 Vol.3に参加しました!

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

みなさんこんにちは。裏磐梯の渡部です。
近頃はめっきり寒くなってしまって、今日の磐梯山や吾妻連峰は雪化粧をしています。

さて、猪苗代湖の天神浜では今年度3回目となるクリーンアクション2014が行われました。主な作業はゴミ拾いと浜辺に打ち上げられた水草の回収です。今回の日記ではクリーンアクション2014の様子をお伝えします。

毎年この時期になると猪苗代湖の水草が枯れ、強い風で東岸の浜辺に打ち上げられます。水草自体はリンや窒素を吸収し、水質浄化の役割を果たしますが、そのまま枯れて湖の中に残ったまま腐ってしまうと富栄養化の原因となってしまいます。そのため、打ち上げられた水草を回収しなければいけません。


写真左:打ち上げられた水草
写真右:今回の作業に参加された皆さん

水草回収作業は今回のクリーンアクションの他に9月中旬から11月上旬の毎週土曜日と日曜日に行っているものがあります。『清らかな湖、美しい猪苗代湖の水環境研究協議会』や『ロータリー猪苗代湖水環境協議会』が主催で行っている活動です。こういった団体の皆さんやボランティアの皆さんが毎週水草を回収し、きれいにして下さっています。しかし、毎週作業が行われている天神浜には1週間たたずして大量の水草が打ち上げられていました。


写真左:水草回収の様子
写真右:ブルドーザーを使っての水草の積み込み

強風の中、約250名で水草の回収にあたりました。荒い波や、水を含んだ重い大量の水草に悪戦苦闘しながらの作業でした。水草が大量だったため、運搬が間に合わず最終的には水辺から水草を離して水草を集める作業になりました。


写真左:きれいに回収できた箇所
写真右:水辺から離して集めた水草

思いのほか大変な量の水草に悩まされ、砂浜が見えるくらいにきれいに回収できた部分は1/3ほどでした。しかし、作業を行った人数も多かったため、ほとんどの水草を水辺から引上げることができました。
作業後はけんちん汁が振る舞われました。冷たい風に吹かれ、大変な作業のあとに頂いたけんちん汁はとても美味しく、身も心も芯から温まりました。

水草をはじめ、ヒシやヨシなど沢山の問題を抱えた猪苗代湖ですが、猪苗代湖の水質を守るために沢山の方々が活動しています。私自身もこうした活動に積極的に参加をしたり、情報発信を行ったりなど猪苗代湖をはじめとする湖沼の水環境の保全に貢献していきたいと思います。

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2014年09月25日コカナダモ防除作業に参加しました!

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

みなさんこんにちは。裏磐梯の渡部です。

日も短くなり、肌寒い日が続くようになりました。浄土平では葉が黄色や赤に変わりはじめ、本格的な紅葉シーズンを迎えようとしています。裏磐梯もこれから紅葉の時期を迎えます。皆さんぜひ遊びに来て下さい。

さて、今回の日記では、18日に裏磐梯の曲沢沼で行われた外来生物のコカナダモ防除作業の様子をお伝えします。

コカナダモは北アメリカ原産の水草で、各地の湖や沼に侵入し在来の水生植物の生育場所を奪っています。
外来生物法では要注意外来生物に選定され、特定外来生物のような法的規制はないものの、取扱いなどに十分な配慮をお願いしている生物です。


水中に繁茂するコカナダモ

裏磐梯の曲沢沼では、コカナダモが原因で景観に影響を及ぼすようになってしまいました。
曲沢沼は、周辺の景色が水面に映り込んだ姿がとてもきれいな場所で人気スポットとなっています。
しかし、近年コカナダモが繁茂し、その上にアオミドロが発生するようになってしまいました。そのため、水面に周辺の景色が映らず、コカナダモの上にもやもやとしたアオミドロが広がる景色となってしまいました。

そこで、昨年から北塩原村や裏磐梯ビジターセンターが中心となり近隣の方々や福島大学、関係機関に呼びかけ、コカナダモの防除作業を行っています。今年も沼にコカナダモが繁茂したため、防除作業が行われました。


作業の様子

胴長を履いてコカナダモを取り除いたり、深い場所ではボートからコカナダモを引き上げる作業を行いました。水中に繁茂するコカナダモは水分をたくさん含み、とても重く引き上げるのが大変な作業でした。

作業は約30名で行われましたが、取っても、取っても水中から次々上がってくるコカナダモに体力が奪われていきました。引き上げたコカナダモはトラックに積み込み運び出され、干して乾燥させます。

沼からの引き上げ作業と同時に、トラックに積んでは運び積んでは運びを繰り返し、半日で大量のコカナダモを取り除くことができました。そして、一部ではありますが水面に景色が映るようになりました。
今回の作業で、全てのコカナダモを取り除くことはできませんでしたが今後も継続して行われるようです。


作業前(左)と作業後(右)の曲沢沼

裏磐梯にはコカナダモをはじめとした外来生物がたくさん住んでいますが、それらの勢いが少しでも抑えられるよう、それぞれの外来生物に対して防除活動を継続して行っていきたいと思います。

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2014年08月12日オオハンゴンソウ一斉防除作業を実施しました。

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

こんにちは裏磐梯自然保護官事務所の渡部です。
先日の台風で裏磐梯も、強風で散った葉や枝が目立っています。
雨風が酷かったので、今後も二次災害など十分お気を付け下さい。また、登山道や探勝路には倒木があったり、折れた枝などが垂れ下がっているかもしれないので、お出かけの際には頭上や足元などに十分お気を付け下さい。

さて、今回は8月8日に行ったオオハンゴンソウ一斉防除作業の様子をお伝えします。
平成19年から毎年行われている『オオハンゴンソウ一斉防除作業』を今年も裏磐梯の毘沙門沼一帯で行いました。
環境省をはじめとして、福島県や福島県自然保護協会、北塩原村、裏磐梯エコツーリズム協会、福島大学、猪苗代土木事務所、磐梯青少年交流の家、裏磐梯ビジターセンター、浄土平ビジターセンター等の関係団体の皆様に集まって頂き、総勢70名でオオハンゴンソウの抜き取り作業を行いました。


開会式の様子

抜き取り作業は6班にわかれて行いました。やぶの中に入る班や道沿いの班、河川沿いで作業する班など、沢山の方々にご協力をいただけたので、広い範囲で作業を行うことができました。


左上:河川沿いのオオハンゴンソウ刈り 右上:道沿いでの抜き取り作業
左下:ヤブの中に入っての作業  右下:集めたオオハンゴンソウの一部

黄色の花をつけるこの時期はオオハンゴンソウを見つけやすく、今の時期に取ってしまえば種による繁殖を防ぐことができます。
1時間半の作業でしたが、70名ものみなさんにご協力いただき、沢山のオオハンゴンソウを抜きとることができました。

オオハンゴンソウは北アメリカ原産の多年草の植物で、黄色い花が特徴です。明治時代に園芸用として日本にやってきました。現在では日本各地に生育地を広げ、もともとその地に住んでいた在来の植物の生息場所を奪っています。そのため外来生物法という法律によって『特定外来生物』に指定されています。


オオハンゴンソウの花

特定外来生物に指定された生き物は、生きたままの移動や飼育、他の場所へ放すこと、人に売ったり、あげたりすることが禁止されています。これらに違反した場合や許可なく行った場合、違反の内容によっては重い罰則が科せられます。

特定外来生物を他の場所に放すことで、いろいろな生き物のつながりによって成り立っている生態系のバランスを崩してしまいます。
このようなことが起きないよう、そして貴重な在来の生き物を守っていけるよう、外来生物の防除活動や啓発活動など様々な活動が全国で行われています。
外来生物について多くの方に知っていただけるよう私も情報を発信していきたいと思います。


オオハンゴンソウ一斉防除作業にご協力下さった各関係団体の皆様、当日ご参加くださった皆様、ご協力いただき、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

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2014年07月31日猪苗代湖、ヒシ刈り作業に参加しました。

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

みなさんこんにちは。
裏磐梯の渡部です。

梅雨も明け、ここ裏磐梯も夏らしい暑い日が続いています。
さて、今回の日記では猪苗代湖の北岸で行われたヒシ刈り作業の様子をお伝えします。

みなさんはヒシという植物をご存じでしょうか。
ヒシは一年生の浮葉植物で、湖底から茎を伸ばして水面に葉を広げています。ヒシの実は皆さんご存知の忍者が使う「まきびし」のヒシです。実がついて時間が経つと黒く堅い実が湖岸に打ちあがります。鋭いトゲは堅く、とっても痛いです。今の時期はまだ実はついておらず、葉がぷかぷかと浮いている状態でした。花をつけているのがちらほらとみられました。


左:ヒシとアサザが混ざって生育している様子(丸い葉:アサザ・ギザギザの葉:ヒシ)
右:時間が経って黒く堅くなったヒシの実

ヒシは全国でも普通に見られる植物ですが、猪苗代湖の浅瀬では近年、ヒシが急激に生息地を広げ、昔から生育していたコウホネや希少種のアサザの生息地を奪っています。そのため、毎年猪苗代湖の浅瀬に生育するヒシを刈取る作業を行っています。



左:湖ではヒシ刈り作業
右:陸では運搬作業です

胴長を着て、いざ作業場へ向かってみると、ヒシがびっしりと一面に広がっていました!!
ヒシを引き抜き、黄色の採集コンテナに詰め、舟で運び出します。
ヒシを刈り取っては運び、刈り取っては運びの大変な作業です。
そして、陸でも刈り取ったヒシを軽トラックに積み込み、畑と作業場所を行ったり来たりと大忙しです。



作業前:左 作業後:右

2時間後にはヒシをきれいに取り除き、湖面が見えるようになりました。
刈取ったヒシは畑の肥料として利用されます。
今回の作業は約20名で採集コンテナ176個分のヒシを回収しました。

今回行った場所はヒシが繁茂する一部にすぎません。まだまだ岸に沿ってびっしりと生育しています。
この作業は毎週行われる予定なので、また参加してたくさんのヒシを回収したいと思います。

縮小してしまったコウホネやアサザの生息地が広がるよう、一生懸命作業を行いたいと思います。


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2014年07月07日特定外来生物ウチダザリガニについて出前授業を行いました。

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

こんにちは。
裏磐梯の渡部です。

昨年に引き続き、北塩原村のさくら小学校3年生のみなさんに外来生物であるウチダザリガニについて出前授業を行いました。
さくら小学校3年生の皆さんは、次回、裏磐梯でウチダザリガニの駆除体験を行う予定となっています。その事前学習として、ウチダザリガニの特徴やどうして駆除しなければいけないのかを学習しました。


みなさん、とても熱心に授業を聞いてくれました。

●ウチダザリガニは強くて大きいこと
●すぐに増えてしまうこと
●何でも食べてしまうこと
●もともといた生き物の住かを取ってしまうこと
といった特徴を知ってもらいました。



あらかじめザリガニについて勉強してくれていた生徒さんもいました。

3年生のみなさんからは、たくさんの質問や感想をいただきました。
中には、「捕まえたウチダザリガニはその後どうするのですか?」という質問もありました。

捕まえたウチダザリガニは殺処分することを伝えた時には「かわいそう」という声もありました。
しかし、3年生のみなさんはこのような、かわいそうな結果になってしまったのは、そもそも人が裏磐梯にウチダザリガニを連れてきたことが原因であることをしっかり理解してくれました。

こうした水辺を増やさないためにウチダザリガニが住んでいるところから「決して持ち出さないこと」とウチダザリガニが住んでいない場所に「絶対に放さないこと」が重要であることを覚えてもらいました。


ウチダザリガニです!


次回はさくら小学校3年生の皆さんにウチダザリガニをたくさん捕まえてもらい、少しでも多くの元から裏磐梯にいる生き物の住かを守ってもらいたいと思います。

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2014年06月23日吾妻山植生復元作業に参加しました。

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

みなさんこんにちは。
裏磐梯の渡部です。

ここ最近は梅雨空の日が多く、山に入るとブナの幹を雨水が伝い森に水が貯えられていくのがよくわかる季節です。

さて、6月21日(土)に、磐梯朝日国立公園 吾妻山 酸ヶ平(すがだいら)・姥ヶ原(うばがはら)地区植生復元作業に参加しました。今日はその作業の様子についてご紹介します。

酸ヶ平、姥ヶ原は浄土平を一切経方面へ行く途中にある登山道沿いの湿原です。登山道沿いには踏みつけやカメラの三脚を立てる等して土が踏み固められ、植物が生育できない荒れた状態となっている所があります。こうした場所に植物が再びもどるよう、植生復元作業が平成16年から行われています。

植物が生育しやすいように植生ネットを張ったり、荒れた土地に適応した植物の種をまいたりする作業を行いました。

はじめに、植生復元を行う場所にまく種を取りに行きました。種はヒメスゲで、荒地での生育に適した植物だそうです。まく種は他の地域からは持ち込まず、作業場所と同じ吾妻山の山域で採取したものを使用しました。


ヒメスゲ

採取した種を現場に持って行き、植生ネットを敷いて種をまきました。平成16年から行われてきた作業ですが、まだ荒れた状態が続いているようでした。ですが、ところどころにヒメスゲや低木の植物が石の隙間や過去に敷いた植生ネットの隙間からぽつぽつと顔を覗かせていました。吾妻山山域を大切に思い、活動を続けてきた皆さんの努力に応えるように、ただでさえ厳しい環境の中で育つ植物たちの生き抜こうとするその力強さに心を打たれました。早く緑が戻ったところが見たいなと思いました。


作業の様子

これから、荒れた土地に完全に緑が戻るには長い年月が必要なのかもしれません。「自分ひとりくらい踏んでも大丈夫」、「自分ひとりくらい湿原に三脚を立てても大丈夫」と思わず、美しい自然の姿が人の手で消えてしまうことがないよう、地域の人だけでなく訪れる人みんなで大切にしていければ良いなと思います。


ぽつぽつと根付く植物

今回の作業でまいた種がひとつでも多く根付くことを心から願っています。

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2014年06月10日平成26年度磐梯朝日国立公園パークボランティア合同研修会(1日目)

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

みなさんこんにちは。裏磐梯の渡部です。

5月31日(土)~6月1日(日)にかけて羽黒地区と裏磐梯地区のパークボランティア合同研修会を裏磐梯で開催しました。羽黒地区との合同研修会は毎年秋に行っていましたが、今年は春の開催です!!

今回の研修テーマは、それぞれの地域で活用できるよう「モニタリング」について学びました。また、講習の他に裏磐梯地区パークボランティアの皆さんの案内で「春の自然散策会」や「意見交換会」、昨年のテーマである〝外来生物〟について「ウチダザリガニモニタリング体験」を実施しました。

初日は、裏磐梯ビジターセンターを会場として「自然環境のモニタリングと裏磐梯の取組」について、裏磐梯エコツーリズム協会会長の伊藤延廣さんに教えて頂きました。



モニタリングは、ある事を継続的に調査、記録をし、変化があるか観察することです。継続的に観察することでその変化が良いものなのか悪いものなのかを知り、事前に対処することができます。モニタリングは専門的に行うものが多いのですが、今回は私たち周辺住民ができる手軽なモニタリングについて教えて頂きました。




野外活動では景観や道の整備、外来生物などに着目しながら五色沼探勝路で実習を行いました。

五色沼探勝路は裏磐梯地域の中で最も利用が多い場所となっています。さらに国立公園を保護する上で最も重要な位置づけとされる特別保護地区にも指定されている場所です。
自然の保護と利用を両立させるためにはモニタリングを行って〝利用〟に傾いていないか、〝保護〟に傾いていないか調査・観察が必要となります。景観や道の整備、外来生物など目的(見るべき所)を持って探勝路を歩くと、普段は気づかずに通り過ぎるような点にも沢山気づくことができました。




野外で活動するにはとても良い天気で、それぞれの沼が美しく輝いていました。羽黒地区、裏磐梯地区のパークボランティアのみなさんも着目する場所や植物に苦戦しながらも、和気あいあいと楽しく笑顔で活動されていました。

今回は景観や道の整備、外来生物など裏磐梯のモニタリングの取組を事例として講習、実習を行いましたが、今後それぞれの地域で国立公園の自然の保護と、自然とふれあうために必要な利用が共存できるように取り組んでいくための一歩となったのではないかと思っています。

二日目の様子は羽黒自然保護官事務所の白銀アクティブレンジャーからお伝えします!!

講師としてご協力下さった、伊藤延廣さん貴重なお話をありがとうございました。羽黒地区パークボランティアのみなさん、遠くからお越しいただきありがとうございました。裏磐梯地区パークボランティアのみなさん、ご参加、ご協力いただきありがとうございました。とても楽しかったです。そして、関係機関の皆様、沢山のお力添えをいただきありがとうございました。

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2014年05月22日安達太良山の山開きに行ってきました!

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

みなさんこんにちは。
裏磐梯の渡部です。

5月18日に安達太良山で山開きの安全祈願祭やイベントが開催されました。
今回の山開きは60回記念ということで、1万人を超える大変なにぎわいでしたが、皆さんも安達太良山に登られていましたか?

私はあだたら高原スキー場の奥岳登山口から山頂をめざしました。登り始めた時の天気は曇り時々雨、そして強風という厳しい天気でしたが登山道やゴンドラ乗り場は沢山の人であふれていました。


安全祈願祭の様子

山頂では安全祈願祭が執り行われ、裏磐梯自然保護官事務所からも自然保護官が玉串を納め、今シーズンの安全を祈願しました。
安全祈願祭の他にもミズ安達太良コンテストや餅つき、記念バッジやペナントの配布が行われ、たくさんの人が集まり、とてもカラフルな山頂となっていました。


たくさんの人で賑わう山頂の様子

安全祈願の神事が終わってしばらくすると雲が切れ、晴れ間が見られるようになりました。下山する頃には青空になり、智恵子抄でおなじみの「ほんとうの空」を見ることができました。


下山途中で見ることのできた青空

これから多くの山で山開きが行われ、皆さんも山に出かけられるかと思います。
今シーズン、皆さんが行く山々で安全な楽しい登山となりますように。

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