ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

磐梯朝日国立公園 裏磐梯

171件の記事があります。

2010年08月26日いつもと違う角度から

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

皆さん、こんにちは。
相変わらず暑い日が続く裏磐梯です。熱中症には気をつけましょう。
さて、今回の記事はアップするのを忘れていたため、やや過去の出来事のように感じてしまうと思いますが、ご了承くださいませ。

台風4号が過ぎ去った翌日の8月13日、夏休みの混み具合と所管地の点検を兼ねた巡視をおこなうため、浄土平へ行ってきました。残念ながらこの日は台風一過とはならず、台風の余韻を残すような、どんよりとした薄曇りの天気でした。そんな微妙な天気にも関わらず、浄土平周辺は多くの観光客で賑わっており、夏休みらしさを感じさせる一コマでした。
今回巡視したルートは、浄土平を出発し、酸ヶ平(すがだいら)避難小屋を経由し、一切経山(いっさいきょうざん)まで行き、そこから下って登って、家形山(いえがたやま)まで行ってきました。なお、現在も一切経山の大穴火口から人体に有害な火山ガスが出ているため、直登ルートは立入禁止となっています。


浄土平の様子(左奥:東吾妻山、右奥:蓬莱山)
一応、晴れ間は見えるのですが、イマイチスカッと晴れません。


浄土平から歩くこと約2時間。家形山(1877m)に到着です。
上の写真は五色沼と一切経山(1949m)です。比較的この日は、多くの登山者と出会ったのですが、家形山山頂はゼロでした。暑い太陽が照りつけることもなく、かすかに秋の気配を感じさせる心地よいそよ風に吹かれ、のんびりした時間を過ごすことができました。
ほとんどの方は、一切経山まで来たあと、五色沼を眺め、そのまま来た道を引き返すことと思いますが、余力があればぜひ家形山へ登頂し、いつもと違った角度から五色沼、そして一切経山を堪能してみてはいかがでしょうか?


こちらがお馴染みの、一切経山からみた五色沼。別名、魔女の瞳です。
家形山は、左上のちょっと平らになったところです。
裏磐梯の五色沼は有名ですが、それに比べると吾妻山の五色沼はちょっとマイナーかもしませんね。ぜひどちらの五色沼も訪れてほしい、おすすめスポットです。

ページ先頭へ↑

2010年08月16日安達太良登山道巡視

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

立秋も過ぎ、そろそろ夏の暑さも一段落してくる頃でしょうか。
夏休みも中盤に差し掛かりますが、皆様楽しく過ごされているかと思います。
ぜひ、磐梯朝日国立公園の磐梯吾妻地区へも遊びに来てくださいね。

さて先日(8月11日)、猪苗代町の沼尻登山口から安達太良山登山道の巡視・点検に出掛けました。今回の巡視ルートは、沼尻登山口から湯ノ花採取所を通り、胎内岩くぐり、鉄山避難小屋、船明神山を経由し、再び沼尻登山口へ戻ってくるという周回コースです。二本松市側からゴンドラを使うコースに比べれば、多少健脚向きかもしれませんが、風景の変化に富んでおり、迫力ある景色も楽しめるのでオススメコースです。

当初予定では、馬の背・牛の背分岐から安達太良山(乳首)へも行こうとしていたのですが、午後から雨の予報も出ていたので、今回は断念しました。(そのため未だに安達太良山へ登れていないので、ちょっと残念…)


沼尻登山口から出発して約2時間で鉄山避難小屋に着きました。
上の写真は、避難小屋付近から箕輪山を写したものです。
箕輪山は標高が1728mで、安達太良連峰の中では最高峰。箕輪山へは、横向登山口もしくは野地温泉から旧土湯峠、鬼面山を経由して登ることもできます。


鉄山避難小屋から20分ほどで鉄山(1708m)山頂に着きます。
上の写真は、鉄山山頂から撮影したもので、中央奥に聳えているのが、安達太良山(乳首 1700m)。そして、尾根沿いに続く登山道の辺りを「馬の背」「牛の背」と呼んでいます。
ここから眺めるだけでも、日本百名山に数えられるだけの迫力を感じます。


こちらは「馬の背」から見た、沼ノ平と呼ばれるところです。
荒々しい姿をした噴火口で、現在も有毒ガスが発生しているため立ち入ることはできません。ちなみに写真の手前あたりは、かつて沼ノ平を経由していたころの登山道跡が残っています。ぜひ、安達太良山へ登った際には見ておきたい風景です。

この後、予報通り下山まもなく雨が降り出しました。天候も変わりやすい季節ですので、雨具、天気予報のチェックはお忘れなく!

ページ先頭へ↑

2010年08月06日今年もオオハンゴンソウ防除活動実施

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

皆さん、こんにちは。
すっかり世間は夏休みモードに入ったようですが、私は今年も残念ながら夏休みはなさそうです…。夏休みがある学生がなんとも羨ましく感じる今日この頃です。

さて裏磐梯では、毎年8月上旬に特定外来生物であるオオハンゴンソウの防除活動を実施しています。今年も8月5日に関係機関が集まり、五色沼自然探勝路のオオハンゴンソウの刈り取り作業をおこないました。今回は昨年に比べ若干人数は減ったものの、総勢51名でオオハンゴンソウの防除活動に取り組みました。

昨年の記事にもあるように、オオハンゴンソウは北アメリカ原産の植物で、明治中頃に園芸用に導入され、現在では日本各地に分布し在来生物の存在を脅かしています。そのため、全国的に大規模な駆除や防除活動が行われています。


開会式の様子


刈り取り作業はいくつかの班に分かれておこないました。
歩道から見えるところにあるものは楽に刈り取れるのですが、場所によっては藪の中に入らなければならないところもあり一苦労です。
夏休みでもあることから、探勝路を行き交い人も多く、作業をしていると「ご苦労様」や「頑張ってください」と労いの言葉をかけてくださる方も多く、とてもやりがいを感じました。


今日の成果です。袋にして全部で22袋回収しました。
たった1時間半ほどでこれだけの量を刈り取れたのは、大勢の参加者方のおかげです。
大変暑い中の作業でしたが、参加してくださった皆様お疲れ様でした。ありがとうございます。
また、8月下旬にも裏磐梯地区パークボランティアのみで防除活動をおこなう予定です。

ページ先頭へ↑

2010年08月03日清涼な場所を求めて・・

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

皆さん、こんにちは。
連日暑い日が続いていますが、熱中症対策は大丈夫ですか?
外へ出掛ける際には、必ず飲み物を持っていきましょう。

裏磐梯では、朝と夕は涼しい風が吹き心地よいのですが、日中はそこそこ暑いものです。
(特に私のデスクは西側に向いており、西日がかなり強烈!)
夕方頃になると、ゴロゴロと雷も鳴り出しますが、意外にも豪雨が降るということはあまりないように感じます。

先日もそんな日中の暑さから逃れる(?)べく、涼しさを求め小野川不動滝へ行ってきました。(もちろん巡視が目的です)
 小野川不動滝へは、グランデコリゾートへ向かう途中にあります。駐車場から往復30分程度で行くことができます。


小野川不動滝探勝路の入り口です。
ちょっと鳥居が小さめなので、背が高い人だと頭をぶつけてしまいそうですね。

さて、入り口からは多少登り坂になっており、滝へ辿り着くまでは、ちょっとしたエクササイズです。


駐車場から約15分歩くことで、小野川不動滝に到着。
激しい水しぶきと共に、爽やかな涼しさに心も身体も癒されます。
是非、夏の季節にオススメしたいところです。
なお、滝の近くは岩場なので大変滑りやすくなっています。足下には十分ご注意ください。
ちなみに、対岸にも探勝路が整備されており、グランデコリゾートからも行くことができます。こちらは周回コースで、1周約50分の探勝路です。


滝へ行く途中、カワトンボの仲間に出会いました。(ニホンカワトンボかな?)
水辺の周辺に生息するトンボのようで、眺めるだけでもちょっとした涼しさが感じられます。

ページ先頭へ↑

2010年07月30日猫魔ヶ岳巡視

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

皆さん、こんにちは。
東北南部は梅雨明けをしたようで、すがすがしく晴れ渡る日が続いています。さらに夏休みにも入り、ぞくぞくと観光される方も増え、裏磐梯は活気づいています。

裏磐梯は標高が約800mとやや高いところに位置することと、大小様々な湖沼群があることで、都会に比べれば幾分涼しく感じられると思います。まさに夏の避暑地としてはオススメなところです。

さて先日、夏のまぶしい太陽が照りつける中、八方台登山口から猫魔ヶ岳へ巡視に出掛けました。猫魔ヶ岳(1404m)は八方台登山口から約1時間で行くことができますが、八方台登山口までは、公共の交通機関がありませんので、マイカーかタクシーで行くことになります。また、八方台登山口以外ですと、雄国沼方面から約1時間半で登頂できます。
磐梯山に比べれば標高は低いですが、天気が良ければ猪苗代湖や裏磐梯の湖沼群、磐梯山、雄国沼などが一望できます。

磐梯山へ登るのもいいですが、猫魔ヶ岳からの大パノラマを楽しんでみるのはいかがですか?


猫魔ヶ岳山頂と磐梯山

晴れていれば猪苗代湖が一望できます

行く途中には立派なブナの木もありました

ページ先頭へ↑

2010年07月15日登山者カウンター計測中

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

皆さん、こんにちは。
梅雨の季節だけに、最近は曇りや雨の日が多い裏磐梯です。
昨年、東北南部は梅雨明け宣言されませんでしたが、さて今年は無事明けてくれるのでしょうか…。

現在裏磐梯事務所において、磐梯山の各登山口(渋谷、翁島、川上、八方台、裏磐梯、猪苗代)に6ヶ所、雄国沼(雄子沢、八方台)に2ヶ所、飯豊山(川入)に1ヶ所と、計9ヶ所に登山者カウンターを設置しています。最近では、全国各地の国立公園や山岳地域でも設置されることが多くなり、他地区のAR日記でも紹介がされています。
計測期間はおおむね、登山シーズンの6月から11月まで計測する予定で、日常の保守点検は、2週間に1度アクティブレンジャーがおこないます。

さて、長雨が続く最近では草木が伸びるスピードが速く、しばらくカウンターの保守点検をしないでおくと、とんでもないことになります。
それが下の写真です。


(渋谷登山口 登山者カウンター周辺の様子 H22.7.14)
ご覧のように、登山者が少ない登山道では草木が伸び放題の状態でした。
右にみえるのが登山者カウンターですが、このような状態にしておくと誤作動や故障の原因になってしまいます。


なんとか必要最小限のところだけを刈払いし、カウンターを助け(?)だしました。
カウンターの保守点検は意外と大変なものです。


先日、保守点検にいった際いろんな昆虫と出会いました。いろんなところから拾ってきた写真のように見えてしまいますが、すべて渋谷口登山道で撮影しました。
(左上:ミヤマカラスアゲハ、右上:クジャクチョウ、左下:ミヤマアカネ、右下:モンキチョウ H22.7.14撮影)

渋谷口登山道は磐梯山の登山道の中でもあまり利用が多くない登山道で、比較的に他の登山道と比べると生きものの種類が多いという印象を受けます。山頂まで行くのに決して楽なコースとはいえませんが、多様な生きもの達に出会いたいのであれば、渋谷登山口をオススメいたします。なお、雨が降った後は、ぬかるみや滑りやすい箇所が多いので注意して歩くようにしてください。

ページ先頭へ↑

2010年07月09日日本のいのち、つないでいこう! COP10まで100日前 

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

○雄国沼のニッコウキスゲ

前回行った6月に引き続き、7月5日に雄国沼へ行ってみました。

前日の新聞記事でニッコウキスゲが見頃を迎えていると報じられていたことから、この日は県内から多くの観光客で賑わっていました。


(雄国沼湿原 ニッコウキスゲ 2010.7.5)
・ゼンテイカ(別名:ニッコウキスゲ)
 ユリ科 ワスレグサ属
ニッコウキスゲという名は別名であり、本名はゼンテイカ(禅庭花)と呼びますが、一般的にはニッコウキスゲがメジャーでしょうか…。
一日花なので、花は朝開いて夕方にはしぼみます。

湿原一面ニッコウキスゲが咲き乱れ、黄色の絨毯のようになっていました。
雄国(おぐに)の由来通り、まるで別天地のような雰囲気が漂っています。
私もこれほど多くのニッコウキスゲを見るのは初めてです。


シャトルバス発着所の金澤峠からも、うっすらですが黄色くなっているのがわかります。
ですが、そのニッコウキスゲもレンゲツツジなどと同じように、年々数が減ってきているとのことです。(毎年来ている利用者からの話)


前回の記事にも書きましたが、雄国沼湿原は国の天然記念物に指定されています。
一時期雄国沼は、ニッコウキスゲの大群落が見頃となる季節には多くの観光客が訪れ、湿原を踏み荒らしたり、交通渋滞など周辺環境に悪影響を及ぼしていました。最近では、マイカー規制が実施されるなどオーバーユース対策がおこなわれ、公園の保護と利用が見直されてきています。

湿原には大群落となるニッコウキスゲだけでなく、多様な生きものたちが生息し、互いに支え合って生きています。これからも生物多様性の面から、そして貴重な湿原を守るためにも、公園の適正な保護と利用にご理解ご協力をお願いいたします。

ページ先頭へ↑

2010年07月02日西吾妻山巡視

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

皆さん、こんにちは。
時が経つのもはやく、7月になりました。
あともう少しで夏休みがはじまりますね。

さて先日(7月1日)、西大巓(にしだいてん)から西吾妻山間の登山道で荒廃や浸食が問題になっていることから、保護官と林野庁職員と共に現場を確認しつつ、西吾妻山までの巡視をおこないました。

当日は、雨の予報がでていましたが、まったく雨が降ることなく順調に登山することができました。(但し、前日まで雨が降っていたので、登山道はぬかるみ、水たまりが多いです。また滑りやすいところもあるので、登山される方はご注意ください。)


現場確認の様子です。(西大巓から西吾妻山方面へ少し下った箇所)
足場はガレ場で、もとから地盤がもろく、長い間放置されてきたことから山側の斜面が浸食され、登山道の道幅も広がりつつあります。こうした荒廃は、雪解け水や降雨時に登山道を流れてくる水が原因のようです。今のところ一時的な応急処置として、水の通り道をつくるなど、まずは水はけを良くすることが考えられます。今後、解決に向けた取り組みが必要です。


ちょうど登山道沿いでは、色とりどりの高山植物が綺麗に咲き乱れていました。
今が一番種類豊富で見頃の時期です。
(左上からベニバナイチゴ、右上ヒナザクラ、左下チングルマ、右下イワカガミ)


吾妻山の最高峰こと、西吾妻山(2,035m)の山頂まで行きました。
山頂だからといっても眺望はまったく期待できません。林の中です。
ちょっと残念。

ページ先頭へ↑

2010年07月01日写真展はじめました(浄土平)

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

6月より開催している東北地区アクティブレンジャー写真展ですが、7月からは浄土平ビジターセンターでも開催いたします。
浄土平は、磐梯吾妻スカイラインの中間地点に位置し、福島市内から車で約1時間です。また福島駅からは、1日2便スカイライン巡回というバスが出ており、浄土平までの所要時間は約1時間半です。
ぜひ、浄土平へお立ち寄りの際は、アクティブレンジャー写真展をお楽しみください。

以下、開催内容です。


開催内容:いきもの達のいる風景2010
開催場所:浄土平ビジターセンター(レクチャールーム内)
開催期間:平成22年7月1日~7月30日(開館期間中無休)
開館時間:午前9時~午後4時
入館料:無料
電話:024-543-0986
※事情により開催期間、展示内容が変更されることもあります。ご了承ください。


写真展会場は、ビジターセンターのレクチャールーム内です。(写真では、ちょっと薄暗い感じもしますが、落ち着いた雰囲気で鑑賞できるかと思います…)
また、東北各地区の国立公園のビジターセンターや観光案内のパンフレットも配布していますの、ご自由にお持ち帰りください。

※浄土平へ行く方へお知らせです


浄土平の一切経山は、平成20年の11月より大穴火口から大規模な噴気を上げており、今現在も続いています。風向きによっては、火山ガスが浄土平周辺へ流れることもあります。特に、呼吸器系疾患を患っている方はご注意ください。目や鼻、喉に異常を感じたら、建物や車などへ避難をお願いいたします。

ページ先頭へ↑

2010年06月25日白い絨毯のデコ平湿原

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

6月もそろそろ終わろうとしていますね。
雨の日も続き、すっかりエゾハルゼミも鳴りを潜めたかのように静かになりました。

今日は久しぶりの晴れ間とあって、西吾妻山方面のデコ平湿原へ行ってみました。

湿原一面にワタスゲの果穂が白い絨毯のように広がっていました。
私もこれほどたくさんのワタスゲを見たのは初めてです。
バックには少し霞んでいますが、宝の山で有名な磐梯山が見えます。


今年は当たり年(?)なのでしょうか、コバイケイソウも綺麗に咲きそろいました。


日当たりの良い湿原などに咲く、食虫植物のモウセンゴケを発見。(ちょっと小さくて見つけづらいかもしれません…)
葉にある粘毛からネバネバした粘液を出して虫を捕まえます。今日は特に獲物はないようでした。

デコ平湿原へは、グランデコリゾートからゴンドラリフトもしくは、デコ平口の駐車場から行くことができます(ただし駐車場までは砂利道なので運転にはご注意ください)。

天気の良い休みの日は多くの観光客で賑わいそうですね。
デコ平湿原おすすめです。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ