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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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磐梯朝日国立公園 裏磐梯

171件の記事があります。

2012年08月17日今年も実施しました!特定外来生物オオハンゴンソウ防除活動

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

8月9日(木)裏磐梯地区の五色沼(主に毘沙門沼)周辺において、特定外来生物に指定されているオオハンゴンソウの防除活動を行いました。今年も環境省が中心となり、福島県、北塩原村、福島県自然保護協会、裏磐梯エコツーリズム協会、福島大学等の関係団体の皆様に集まって頂いた他、一般参加として地元北塩原村の住民の方からも多くのご参加いただき、総勢59名で作業を行いました。

開会式の様子


作業の様子とオオハンゴンソウの花

昨年より作業日を一週間程遅くしたため、オオハンゴンソウの特徴ともいうべき、黄色い花がところどころ目立つように咲いていました(上の写真:右)。花が咲くことにより、在来種のハンゴンソウやヨモギとの見分けも容易につき、作業もよりはかどります。
歩道から目立つ個体は、刈り取りまたは抜き取り後、袋に詰め込み焼却処分します(上の写真:左)。


林内の作業は日陰で涼しいですが、スズメバチやアシナガバチに遭遇する危険性があるため、注意しながら作業を進めていきます。

このような一斉の防除活動も平成19年に始まり、今年で6年目を迎えます。今のところオオハンゴンソウの分布や生育状況に目立った変化は見られませんが、こうした活動を通じ、広くたくさんの人に外来生物のことを知ってもらい、根絶することの難しさや貴重な在来種を守っていくという意識をぜひ高めてもらう機会にしていただけるよう、今後も同様の取り組みを継続していきたいと思います。
当日参加された皆様、大変暑い中での作業でしたが、ありがとうございました。

○参考までに、特定外来生物や外来生物法については下記URLをご参照ください(環境省外来生物法のページです)。
http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html

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2012年07月26日『夏のデコ平湿原とブナの森ハイキング』を開催しました

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

少し報告が遅くなりましたが、先日行われた自然ふれあいイベントのご報告です。

7月16日(月・祝)に裏磐梯の早稲沢・デコ平ふれあい探勝路にて、今年度最初のふれあいイベントを開催しました。コースは、ゴンドラ山頂駅から百貫清水(ひゃっかんしみず)までの往復約4.5km。コース内には、様々な植物が観察できるデコ平湿原や名水百選にも選定されている湧水の「百貫清水」、過去人の手が加えられていないブナの自然林など、変化に富んだコースです。比較的アップダウンも少なく、歩道の整備もされており、気軽な散策には丁度よいコースです。

当日は、まだ梅雨明けが発表されない中、夏を感じさせる素晴らしい晴天に恵まれ、一般参加者14名が集いました。今回もメインで自然解説をしてくださるのは、裏磐梯の自然や歴史などを知り尽くしたパークボランティアの皆さんです。コース内で見られる植物や動物、眺望ポイントからの磐梯山や猪苗代湖などについて、ユーモアを交えながら懇切丁寧に解説をしていただきました。


ゴンドラ山頂駅付近から見える山はな~に?(もちろん誰もが知っている磐梯山です)


各班の自然解説の様子。参加者の皆さんは熱心に耳を傾けていいます。
(右下の写真は、白い砂底から美しい水が湧き出る「百貫清水」周辺の様子)


7月も半ばですが、デコ平湿原のワタスゲの小穂もまだまだ見頃でした。
風に吹かれゆらゆらとゆれる姿、また風にのって綿毛がふわふわと飛ぶシーン。
天気も爽やかなだけに、とても身体も心も癒されてしまいそうです。
デコ平湿原はゴンドラ山頂駅から10分ほどで行けるため、多くの来訪客で賑わっていました。
時期的には、あまり見所や目玉となるものが少ない時期ではありましたが、無事怪我もなく終了することができました。今回も県内県外遠いところから参加された皆様、またリピーターとして参加された皆様、さらに毎回お世話になっているパークボランティアの皆様、本当にありがとうございました。
次回のふれあいイベントは、10月の紅葉の時期に予定しております。ぜひ、機会がありましたら、ご参加ください!

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2012年05月29日晴天の磐梯山開きと携帯トイレのお知らせ

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

5月27日(日)第55回磐梯山開きが開催され、保護官と共に出席しました。
安全祈願式典は例年と同じく猪苗代登山口にて行われ、多くの登山者や報道関係者が詰めかけていました。今年も残雪が多いということで、山開きは延期されていましたが、当日は素晴らしい晴天に恵まれ、登山道の残雪もすっかり解けて無くなり、安心して山行を楽しむことができました。


安全祈願式典の様子。今年一年の安全を祈願します。


休憩小屋がある弘法清水も昼時にはたくさんの登山者で賑わっていました。
山開きの日のみ開局する「青空郵便局」も、その名の通り澄んだ青空のもと、配布された記念ハガキに皆さん思い思いのメッセージを書き込み、投函されている様子でした。


磐梯山の山頂からは、磐梯朝日国立公園を代表する、猪苗代湖や裏磐梯の湖沼群、吾妻連峰、安達太良山、飯豊連峰などを眺めることができ、すばらしい大パノラマを満喫することができました。また、登山道のところどころでは、ショウジョウバカマやヒメイチゲ、ミヤマキンバイ、ムラサキヤシオツツジなどの花が咲き、山に彩りを添えていました。

最後に、昨年度から試行的に導入が始まった携帯トイレについてお知らせいたします。

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◎平成24年度~ 磐梯山携帯トイレのお知らせ
平成23年度から環境省で磐梯山における携帯トイレの導入を試行的に実施し、今年度より磐梯山周辺観光推進連絡協議会(事務局:猪苗代町)のご協力のもと、本格的に導入を開始しました。携帯トイレの販売については、弘法清水の休憩小屋(弘法清水小屋、岡部小屋)にて、有料(1セット300円)で販売している他、携帯トイレブースも各小屋に1箇所ずつ設置されています。また、使用済みの携帯トイレを回収するための専用回収箱を、八方台登山口、猪苗代登山口、裏磐梯登山口の主要な登山口3箇所に設置されています。回収箱に設置されていない登山口へ下山された場合は、各自持ち帰っていただき燃やせるゴミとして処分してください。
なお、先にも述べましたが、弘法清水の休憩小屋の携帯トイレブースは各小屋に1箇所ずつしか設置されていないため、団体客利用時や土日祝日などは混み合うことが予想されます。できる限り、登山前にトイレを済ましてから登るようにしましょう。磐梯山の美しい自然を後世に残すためにも、皆様のご理解ご協力をお願いいたします。

※昨年度の試行実施については下記をご参照ください
http://c-tohoku.env.go.jp/to_2011/0524a.html



使用済みの携帯トイレは上の専用回収箱に捨ててください。

※下記は、今年度から配布しているチラシです。


【携帯トイレチラシ:表】


【携帯トイレチラシ:裏】

その他、磐梯山携帯トイレに関することは下記にお問い合わせください。
●磐梯山周辺観光推進連絡協議会
 事務局 猪苗代町商工観光課
 電話 0242-62-2117

●環境省 東北地方環境事務所
 裏磐梯自然保護官事務所
 電話 0241-32-2221

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2012年04月18日ようやく春らしくなってきました

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

新年度初の日記です。
今年度もよろしくお願いいたします。

さて、4月の初めに台風並みの低気圧の影響で、裏磐梯一帯は暴風雪に見舞われ、湿った重い雪が積もるなど、春はいつ来るのかと少々不安な日々を過ごしていました。
先週あたりから晴れの天気も続き、だんだんと気温が上がるにつれ雪解けも進み、ようやく裏磐梯にも春の訪れを感じるようになってきました。

あいにく、巡視へ出かける日に限り、天気が良くないことが多々ありましたが、最近の公園内の様子をお伝えいたします。


毘沙門沼 2012/04/11

五色沼自然探勝路は、まだまだ積雪に覆われており、普通の靴やスニーカーで散策できる状況ではありません。巡視時は、なんとか長靴でも歩けましたが、時々踏み抜くこともあり注意が必要です。スノーシューでも良いかもしれませんが、今の時期は何が一番適して歩けるかは、判断が難しいところです。散策予定の方は、裏磐梯ビジターセンターに立ち寄って、状況を確認するのが良いでしょう。
春先だけあった、沼の色も非常に鮮やかです。また、沼を遮る植物もないので、沼をじっくり観察するにはちょうど良い時期です。


中瀬沼と磐梯山 2012/04/16

今年の2月に観察会を行った、中瀬沼展望台からの様子です。
空模様は微妙な感じですが、磐梯山はくっきりと望めました。中瀬沼の結氷も解け、沼ではカルガモ達の姿を確認しました。時折、キツツキのドラミングも聞こえ、春らしい雰囲気に包まれています。
レンゲ沼・中瀬沼周辺の探勝路は、五色沼と同様ほぼ積雪に埋まっています。初めは長靴でも行けるかと思ったのですが、あまりにズボズボと深く踏み込んでしまうので、仕方なくスノーシューで歩くことに。つぼ足で歩かれた跡もありましたが、こちらも何が良いか判断が難しいところです。最新の探勝路情報は、裏磐梯サイトステーションで確認するのが良いでしょう。


磐梯吾妻・スカイラインの雪の回廊 2012/04/17

所変わって、4月8日に再開通した磐梯吾妻・スカイラインの様子。
再開通からゴールデンウィーク頃までの風物詩となっている、雪の回廊も中々の高さで見応えがあります。ビジターセンター等がある浄土平も例年に比べ、雪が多く施設関係の方々は大変苦労されているようです。浄土平湿原も周辺の登山道もまだまだ雪に覆われおり、登山等を計画をされている方はそれなりの装備が必要になります。浄土平周辺の登山道、探勝路の最新の状況につきましては、浄土平ビジターセンターで確認することをおすすめいたします。また、今年も有料道路、駐車場が無料開放されていますので、ゴールデンウィーク期間中はかなりの混雑が予想されます。時間に余裕を持った計画で、お出かけください。

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2012年02月27日自然ふれあいイベント『冬の裏磐梯 スノーシューハイキング』開催

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

今冬の裏磐梯は、積雪量が多いような少ないような、トータルすると例年並みかな(?)という印象ですが、冷え込みは昨年よりも厳しく感じます。2月の初めには、北塩原村桧原で観測史上最低の-22.9℃記録するなど、その数値が厳冬の裏磐梯の様子を物語っています。
ここ最近は、幾分寒さも和らぎ、そろそろ春の気配を感じる頃となってきました。
さて、遅くなりましたが、冬に開催したイベントの報告です。

去る2月19日(日)に毎年恒例となっている、スノーシューでのふれあいイベントを裏磐梯のレンゲ沼・中瀬沼周辺にて開催しました。当日は、今年で4回目となる裏磐梯雪まつりの開催もあり、集合場所の裏磐梯サイトステーション周辺は、多くの人で賑わっていました。
今回のイベントは、昨年と同じ開催場所でしたが、大半の方が初参加ということもあり、とても興味津々に、解説を担当するPV方の話に耳を傾け満足されている様子でした。


まずは、出発前にしっかり準備運動。それからスノーシューが外れないようにしっかりと装着を確認し、軽く足慣らしをしてから、白銀の森へ出かけます。


ちょっとネバネバするこの実は何だろう?

答えは、主に落葉広葉樹などで丸く鳥の巣のような形で寄生しているヤドリギの実。ヒレンジャクやキレンジャクなどの野鳥が大好物で、ネバネバする種子はそのままフンとなり、フンが付着した樹がまた新たな宿主となり、ヤドリギが寄生します。こうして、ヤドリギは実を鳥に食べられることで、広がっていきます。


ヤドリギの実。冬場は葉が落ちて遮るものがなくなるので、すぐに見つけることができます。


中瀬沼の展望台に着きました。ここは、1888(明治21)年の磐梯山の噴火により形成された小高い丘(流れ山とも呼ばれます)で、荒々しい姿をした磐梯山が望める絶好のビュースポットです。当日は、雪も風もなく、昨年に比べればコンディションは悪くないのですが、磐梯山は雲に隠れてしまっています。裾野から中腹までは見えているのですが、あと一歩山頂付近だけが現れません。少しもどかしい気持ちで一杯でしたが、また次回天気が良い時に見たいものです(昨年も同じようなことを書いていたかもしれません…)。

この他にも、写真ではご紹介できませんが、たくさんの動物たちの足跡、樹木の冬芽や葉痕を観察し、冬場にしか行くことのできない場所へ行ってみたりと、冬ならではの自然を満喫しました。

遠くは関東からご参加された方、また毎回欠かさず参加されている方、毎度お世話になっているPVの方々、本当にありがとうございました。

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2011年11月18日平成23年度磐梯朝日国立公園パークボランティア合同研修会(1日目)

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

11月12日(土)~13日(日)にかけて、磐梯朝日国立公園出羽三山地域の月山ビジターセンターにおいて、裏磐梯地区PVと羽黒地区PVとの合同研修会が実施されました。
昨年は、裏磐梯地区で開催されたこともあり、今年は羽黒地区での開催です。
私も今回、初めて出羽三山地域また月山ビジターセンターの訪問となりました。
同じ磐梯朝日国立公園でも、裏磐梯とは全く違う雰囲気が印象的でした。

初日は、普段自然観察会において、目や耳が不自由な方が参加された際にどのような対応ができるか、またどのような方法で自然とふれあっていただけるかをテーマに、鶴岡市社会福祉協議会羽黒福祉センターの五十嵐氏他職員の方から、車いすの使用方法、目が不自由な人の歩行体験、誘導方法などを学び、疑似体験も行いました。
福祉体験学習後は、筑波大学非常勤講師の鳥山由子氏より、ネイチュア・フィーリングについて、先生自身が取り組んでおられる盲学校の生徒さんたちとの自然観察活動の様子や、ネイチュア・フィーリング自然観察会の進め方、また障害についての考え方など、いろいろと興味深いお話を聞きました。
普段、私たちは視覚を通し、自然(森や木、花々)を観察していますが、目が不自由な方に、自然を知ってもらう、あるいは感じ取ってもらう、伝えるということの難しさを改めて理解しました。またそういった不自由さはあっても、触覚や嗅覚、聴覚などあらゆる五感を使うことによって、自然を観察することは十分にできることも知りました。


福祉体験学習の様子


鳥山氏の講義

講義後は、磐梯朝日国立公園内の環境省における取り組みとして、裏磐梯自然保護官事務所の新田首席自然保護官と羽黒自然保護官事務所の坂本自然保護官より、それぞれ管内の業務内容や取り組み、活動などの紹介を行いました。
あえて、詳しい内容をお伝えするまでもありませんが、簡単にご紹介すると、裏磐梯自然保護官事務所では、特別保護地区内で問題となっている特定外来生物のオオハンゴンソウの防除活動の様子、今年度試行導入した磐梯山での携帯トイレ普及啓発活動についての紹介がありました。羽黒自然保護官事務所では、山岳地域保全の取り組み紹介として、飯豊朝日保全連絡会や朝日連峰保全協議会の概要や活動の様子、また今年から始まった子供パークレンジャー事業についての紹介がありました。PVの皆さんも大変興味深くお話を伺っている様子で、私も他の事務所の取り組みについては大変参考になりました。


各保護官事務所の取り組み紹介の様子

以上で、初日のPV合同研修会は終了です。
二日目の様子は、羽黒の佐々木ARがお伝えいたします。

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2011年11月02日『雄国沼の紅葉ハイキング』開催

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

報告が遅くなりましたが、10月22日(土)に全国・自然歩道を歩こう月間中の取り組みとして、当所主催で『雄国沼の紅葉ハイキング』を開催しました。

当日は、前日からの予報通り天気は雨。雨脚によっては中止も視野に入れていましたが、幸いにも、開会直前には一時止むこともあり、散策中も小雨程度で済みました。ただ、足元が落葉や雨で大変すべりやすい状況でしたので、参加者の安全を考え、予定を一部変更し午前で終了することにしました。参加者の方々には、大変物足りない内容になってしまい申し訳ありませんでした。




毎度ながら、パークボランティアの皆さんにご協力いただき、自然解説などをしていただきました。


今回歩いたコースは、【雄国せせらぎ探勝路】(東北自然歩道 新奥の細道の支線)片道約3.3㎞です。ところどころ綺麗に色づいたカエデ類の紅葉は楽しめましたが、先日と当日の雨、風などで落葉している木々が多い状況でした。このコースでは、磐梯山の噴火の影響を受けなかったブナの木が多く、探勝路を歩いていると立派なブナの巨木に圧倒されます。
予定していたスケジュールの変更により、結果として雄国沼休憩舎までの往復で終わってしまいましたが、怪我や事故もなく無事終了することができました。参加者の皆様、そしてご協力いただいたパークボランティアの皆様、ありがとうございました。
次回、当所主催のイベントは、来年の2月ごろにスノーシューのイベントを予定しております。機会がありましたら、ぜひご参加ください。

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2011年10月06日秋を通り越して冬のような寒さ

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

10月3日、季節外れの強い寒気が入り込んだ影響により、全国各地で初冠雪を観測したというニュースが盛んに取り上げられていました。福島県でも福島市の吾妻山で昨年より24日、平年より20日早く、初冠雪が観測されました。同じ磐梯朝日国立公園では、安達太良山、飯豊山でも積雪があったようです。

初冠雪の翌日に、吾妻山周辺の巡視を行ったのですが、こんなにも早く雪をみるとは驚きです。この日は幸いにも、風は全く無かったものの、標高1,900m付近はかなりの寒さでした。吾妻山に限らず、裏磐梯も朝晩の冷え込みが厳しくなってきました。
標高の高い山へ登山される方は、防寒着などが必需品となります。


10/4 一切経山山頂近辺の積雪


浄土平や吾妻山周辺では、紅葉が見頃になってきたことから、平日でも多くの登山者で賑わっていました。


10/4 姥ヶ原方面から吾妻小富士を眺める

今年の紅葉は、1週間ほど遅れているとのことで、昨日の段階では浄土平(1,570m)より少し上部の辺り(1,600~1,700m付近)がピークのようです。赤や黄、橙色と様々な色の紅葉が目を引きます。とりわけ【ナナカマド】の赤と【ミネカエデ】の黄色が色鮮やかで目立ちます。その他、【マルバシモツケ】【ドウダンツツジ】【ハナヒリノキ】などの紅葉も確認できました。

今年は、有料道路と駐車場が無料開放されていますので、土日祝日は混雑が予想されます。
お出かけの際は、ご注意ください。

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2011年09月26日パークボランティアスキルアップ研修会実施

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

9月17日(土)に裏磐梯地区パークボランティアのスキルアップ研修会を実施しました。

スキルアップ研修会とは、パークボランティアに登録されている方々を対象に、パークボランティア活動で必要となる知識や技術などの習得や向上を図ることを目的に行います。
今回は、磐梯山の地質や地形といったことをテーマとし、福島県立博物館の専門学芸員の竹谷陽二郎氏を講師に「磐梯山の誕生と生い立ち」「磐梯山ジオパークの魅力」について、午前と午後の2部構成で研修会を行いました。


研修会の様子

午前の講義は「磐梯山の誕生と生い立ち」をテーマとし、磐梯山誕生の歴史から磐梯山を取り巻く周辺の地質、また1888年の磐梯山の噴火などについて、県立博物館所蔵の標本などを用いて、わかりやすく解説していただきました。
普段から動植物の知識が豊富なパークボランティアの皆さんですが、地質学の分野についてはあまり縁がなかった分野だけに、皆さん興味津々に耳を傾けている様子でした。


室内の講義だけではなく、野外でのフィールドワークも行いました。
歩いたコースは中瀬沼探勝路で、このコースには磐梯山噴火によって形成された流れ山や中瀬沼、また展望台から見える荒々しい磐梯山など魅力溢れるコースです(この日は残念ながら、磐梯山は雲に隠れていました…)。


午後の講義は、「磐梯山ジオパークの魅力」について講義していただきました。
さて、ジオパークといえば、あえて詳しい説明をしなくてもわかると思いますが、地質や地形をみどころとする大地の公園であり、地質遺産とも言われます。自然遺産や文化遺産を保全・整備し、観光や教育等に利活用される地域です。
先日、磐梯山も日本ジオパークの加盟地域に見事認定されました。震災後、急速に落ち込んでいた福島県の観光業にも、新しいニュースとして今後大いに期待が寄せられます!裏磐梯地区パークボランティアがジオパークと直接関わることはありませんが、これから世界ジオパークまた地域の発展に向け、応援していきたいと思います。
当日、参加された皆様、講義をしていただいた竹谷先生、本当にありがとうございました。


余談ですが、今回、磐梯山がジオパークに認定されたのは、9月5日。9月5日といえば、磐梯朝日国立公園が指定された日でもあります。これも何かの縁でしょうか^^

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2011年09月26日安達太良山の点検登山

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

9月15日(木)に、猪苗代地区山岳遭難対策協議会と合同で安達太良山の点検登山を行いました。今回は、9月はじめに発生した鉄山南面の大規模崩落箇所、また昨年発生した鉄山山頂近辺の落石箇所、また今年3月の震災の影響と思われる船明神山周辺の地割れ箇所等を確認してきました。

上の写真は大規模崩落をした鉄山の南面で、下の写真が崩落した土砂が堆積している箇所です。土砂の堆積した東側には、通年営業している【くろがね小屋】が見えます。
地元の各報道機関によれば、鉄山の稜線近くから幅約50~100m、長さ約400mにわたって崩落したようです。幸いにも、人的被害や麓の温泉旅館、登山道への影響はないとのことです。


続いて、鉄山山頂近くの落石現場です。現在は落石注意等の看板を設置し、登山者への注意を促していますが、今後雨水や余震などで、新たに落石が発生することも考えられることから、将来的には登山道の付け替えが必要になると思われます。今回は、登山道を付け替える際、どのルートを通すがの良いか等、現場の状況を確認してきました。


こちらは、船明神山近くの地割れ箇所です。ロープ沿いに地割れができているのがわかると思います(ロープは山開き前の点検登山時に設置)。すぐに崩落する危険性は今のところ少ないと思いますが、こちらも雨水や雪解け水、地震などで崩落する危険性も考えられることから、将来的には登山道の付け替えが必要になると思われます。

今後も、台風、地震等の自然災害で登山道の状況が変わることもありますので、登山される方は、十分に登山道の状況を把握した上での入山をお願いします。


登山沿いには、秋を代表する花【エゾオヤマリンドウ】が咲いていました。
この日は、まだ紅葉している木々はごく一部でしたが、あと一月もすれば美しい紅葉が楽しめることと思います。

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