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アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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磐梯朝日国立公園 裏磐梯

171件の記事があります。

2014年02月03日イエローフォールに行って来ました。

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

こんにちは。
裏磐梯の渡部です。大変ご無沙汰しております!

裏磐梯も冬真っ盛りとなり、一面まっ白です。桧原湖は結氷し、ワカサギ釣りに訪れる人が穴釣りを楽しみ、スノーシューで冬の森を楽しみに来ている人たちで賑わいを見せています。


結氷した桧原湖とワカサギ釣りのテント

さて、少し前の話になりますが、1月24日にイエローフォールを見に行ってきました。イエローフォールは磐梯山の火口壁に冬だけ現れる氷の滝です。

さて、いったいどんな滝なのでしょうか。裏磐梯スキー場から出発です!今回はスキー場のリフトを利用したので、上りはとても楽でした。
裏磐梯スキー場の頂上からはスノーシューを履いて銅沼の方へ歩いて行きます。銅沼も凍っていて、その上をずっと歩いて行きます。
途中、ノウサギの足跡や噴気を間近に見ることができます。動物の足跡や野鳥、磐梯山の迫力ある景観を楽しみながら歩いてどんどん行くと…何やら遠くに黄色いものが見えてきます。


イエローフォール

名前の通り黄色い滝でした!火口壁から鉄分を含んだ水が染み出て凍ってできたのがこのイエローフォールです。黄色い氷の欠片が落ちていたのでちょっと舐めてみました・・・。

強烈な味です!!!鉄味というよりも錆の味でした!


この日は朝から青空で、磐梯山の山頂も雲に隠れることもなく、吾妻連峰や飯豊山、さらには朝日連峰まで望むことができました。山どうしで「お~い!最近調子どう?」なんて会話をしているようです。イエローフォールに行く間も、もとても楽しい道のりでした。


結氷した銅沼と磐梯山

イエローフォールがある爆裂火口壁は磐梯山ジオパーク(大地を楽しむ場所)のジオサイト(大地の面白いポイント)にもなっていています。冬の裏磐梯に来た時にはぜひイエローフォールを見に行ってみて下さい。

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2013年11月19日磐梯朝日国立公園パークボランティア合同研修会(2日目)

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

こんにちは。裏磐梯の渡部です。

羽黒自然保護官事務所、白銀アクティブレンジャーに引き続き、11月9日~10日に行われました、磐梯朝日国立公園パークボランティア合同研修会、2日目の様子をお伝えしたいと思います。

羽黒地区で行われた、パークボランティア合同研修会2日目は月山ビジターセンターで行われました。研修のテーマは「自然体験活動の安全管理」で、たいない自然学校代表理事の佐藤陽志氏を講師にお迎えし、「自然観察会時のリスクマネジメント」について講義とワークショップを行いました。



講義では自然観察会や野外活動で起きた実際の事故を事例に、事前に〝リスクを洗い出して″おくことが事故を未然に防ぐための重要な作業であることを学びました。

リスクの洗い出しとは、観察会の前にどのような危険が潜んでいるのかを事前に予測し、危険を見つけ出す作業です。

講義の後は2グループに分かれ実際に羽黒自然の小径(裏山コース・池コース)を散策し、リスクを見つける作業を行いました。
雨の降る中での活動でしたが羽黒地区のパークボランティアの皆さんのガイドで楽しく散策することがでしました。



散策後、予想されるリスクを洗い出し、被害の大きさや頻度などそれぞれのリスクの評価や分析、予防策を書き出しました。また、事故が起きてしまった時の対応も考え、見つけたリスクや予防策の発表も行いました。
パークボランティアのみなさんは経験から、そしてイメージを働かせながら、たくさんのリスクを見つけだしていました。



裏山コースでの危険はスズメバチの巣や坂道での転倒、枯枝の落下などが挙げられ、池コースでは転倒や池への転落、交通事故等が予想されました。
予防策としては下見を充実させることや事前に危険を周知しておくことが重要であること等が挙げられました。
また、子どもの行動特徴にも触れ、子どもを見失わないこと、役割分担を決め監視体制を充実させることが事故を未然に防ぐために重要であることを学びました。

毎年行われているパークボランティア合同研修会ですが、私は初めて参加させて頂きました。講義はもちろん、両地区のパークボランティアの皆さんの経験や考えに触れ、私自身がとても良い経験をさせて頂きました。

羽黒地区、裏磐梯地区、それぞれ活動するフィールドの特徴は異なっていますが、両地区のより良い活動につながるよう来年度も引き続き開催できればと思います。

講師としてご協力下さいました皆様、大変貴重なお話をありがとうございました。教えて頂いた事を私自身も今後の活動に活かしていきたいと思います。
そして、合同研修会に参加くださいましたパークボランティアの皆様、本当にありがとうございました。

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2013年10月23日猪苗代湖岸ヨシ刈り・清掃活動に参加してきました

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

こんにちは。
裏磐梯の渡部です。

今日は福島県が中心となって開催された、猪苗代湖岸のヨシ刈り・清掃活動に参加してきました。

ヨシは湖に流入した窒素やリンといった富栄養化の原因となる栄養塩を吸収する働きがあり、水質浄化に役立っています。しかし、そのまま放っておくとヨシは枯れて腐り、今度は水質を悪化させてしまいます。
今回行われたヨシ刈り作業は、ヨシが枯れて腐ってしまう前に刈取りを行い、湖の水質悪化を防ぐことに繋がっています。



ヨシの群落

今日のヨシ刈り・清掃活動には243名の参加者が集まり、ヨシ刈り班・河川班・ゴミ拾い班に分かれての作業となりました。
私は河川班で、湖岸に打ち寄せられたゴミを集めました。ペットボトルや空き缶、農業用肥料袋、ボール、靴など様々なものがヨシの群落の中に浮いていました!!


ヨシ群落に入り込んだゴミの回収作業

そして、ヨシ刈り班の人たちは3メートルもあるヨシを刈り、丁寧に束ねて運んでいました。
一面に広がっていたヨシですが、きれいに刈取られていました。


刈取り作業によってたくさんの栄養塩がヨシと一緒に回収されていきました。


数年前までは水質1位を誇っていた湖だったのですが現在では富栄養の一途をたどっています。
しかし、多くの人が猪苗代湖の水環境を守るために活動しています。猪苗代湖ではこのヨシ刈り作業の他に、水草回収活動やヒシの刈取り作業など水質の悪化を防ぐため、希少植物の生息域を守るための活動が行われています。
平成24年度の環境測定調査では大腸菌の数が減ったということもあり、ひとつひとつの活動が水質改善につながっていることを実感しました。


そして、今年も白鳥がやって来る季節となりました。今朝も白鳥の鳴き声が空から聞こえてきました。今日のゴミ拾いが白鳥や鴨などの水鳥のケガを防ぐのに繋がっていればいいなと思いました。

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2013年09月26日自然ふれあいイベント「五色沼 オオハンゴンソウ駆除作戦!」

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

こんにちは!
ご無沙汰しております。裏磐梯の渡部です。

今日は9月14日に行われました、自然ふれあいイベント「五色沼 オオハンゴンソウ駆除作戦!」の様子をお伝えしたいと思います。


写真:五色沼自然探勝路散策の様子(青沼)

14日に自然ふれあいイベント「五色沼 オオハンゴンソウの駆除作戦!」を開催いたしました。
午前中は五色沼自然探勝路を歩き、裏磐梯の豊かな自然を満喫しました。
探勝路にはオオツリバナやマルバフユイチゴの赤い実がなり、ハシバミやミツバアケビなどの実も美味しそうになっていました。
そして、五色沼とよばれる湖沼群では深い青や透き通る水色、緑色など、美しい水を湛えていました。

午後からはいよいよオオハンゴンソウの駆除作業です。
9月の半ばとなり黄色の花が目立たなくなっていましたが、参加された皆さんは、袋いっぱいにオオハンゴンソウを抜き取って下さいました!
ジャガイモほどに大きくなったオオハンゴンソウの根っこを掘り出した方もいらっしゃいました!


写真:オオハンゴンソウ駆除作業の様子

今回のイベントでは自然の美しさや豊かさとともに、外来生物の侵入といった2つの面を見ることができました。改めて、自然界の絶妙なバランスや尊さ、外来生物の強力さを感じました。

イベントに参加下さった皆様、関係者の皆様に心から感謝申し上げます。探勝路の散策や駆除作業を一緒に行うことができて、とても充実した楽しい1日を送ることができました。ありがとうございました。

~イベントのお知らせ~
今週、9月28日(土)に福島市の浄土平で自然体験イベント「まるごと一日、浄土平」を開催いたします。
イベントの一つ、「②登山ガイドと山を愉しむ」は定員に達し、現在は申し込みを締め切ってしまいましたが、当日受付のイベントでは「①スタンプラリーで山を巡る」を行います。皆様、ぜひ遊びにいらして下さい。


スタンプ(例):コース①吾妻小富士

詳しくは下記HPをご覧ください。
東北地方環境事務所HP http://c-tohoku.env.go.jp/pre_2013/0913a.html

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2013年08月23日自然の大イベント ブナアオシャチホコの大発生!

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

 こんにちは、裏磐梯の渡部です。
 磐梯山周辺でブナアオシャチホコが大量発生しました。

 みなさん、〝ブナアオシャチホコ〟という蛾の幼虫をご存じでしょうか。今年はそのブナアオシャチホコという虫の大当たり年で、磐梯山周辺で大量発生し、ブナの葉っぱを食べ尽くしています。

 ブナアオシャチホコは緑色で、蚕のようなしっとりとした手触りです。8~12年周期で大量発生するそうで、今年はその大発生の年になったようです!


写真:岩にくっつくブナアオシャチホコ

 ブナアオシャチホコと同時にたくさん見ることができるのが〝クロカタビロオサムシ〟です。クロカタビロオサムシはブナアオシャチホコの天敵で、ブナアオシャチホコをモグモグと食べる姿を見ることができます。


写真:ブナアオシャチホコを食べるクロカタビロオサムシ

 磐梯山や猫魔ヶ岳、雄国沼周辺の厩岳山、古城ヶ峰などのブナ林は既に晩秋の装いとなっています。
磐梯山の登山口、八方台駐車場周辺のブナ林は既に葉が無い状態で、磐梯山山頂や雄国沼の展望台からは褐色になった山々がよく見えます。


写真:八方台からの登山道

 葉っぱが1枚もなくなってしまったブナはどうなってしまうのでしょうか・・・

どうやら心配ご無用なようです!葉っぱが食べられても何ともないようで、ブナアオシャチホコの大量発生が収束すると普段通りに葉を茂らせるようです。

 幼虫たちはブナを求めて移動をしていると思われるので大量のブナアオシャチホコに会えるのか、会えないのかは行ってからのお楽しみです!ぜひ、現場を見に来て下さい。

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2013年08月12日オオハンゴンソウ一斉駆除

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

 こんにちは、裏磐梯の渡部です。

 各地でオオハンゴンソウの防除作業が行われています。
 ここ、裏磐梯でもオオハンゴンソウがたくさん生育し、黄色の花が続々と咲きはじめています!

 裏磐梯でのオオハンゴンソウ防除活動は7月のはじめ頃から始まります。
 福島県自然保護協会の方々が中心となって行っているグリーンワーカー活動という防除活動や裏磐梯地区パークボランティアの方々が行っているオオハンゴンソウ防除活動などがあります。

 そして、平成19年から、オオハンゴンソウ一斉駆除という作業も行われています。毎年50~60名という大勢の人で行っている活動です。
この活動では通常の活動では手がまわらない場所まで、オオハンゴンソウの駆除作業を行うことができます!!

 今年も、オオハンゴンソウ一斉駆除を8月8日に裏磐梯の五色沼周辺で実施しました。




 環境省をはじめとして、会津地方振興局、福島県自然保護協会、北塩原村、裏磐梯エコツーリズム協会、福島大学、猪苗代土木事務所、福島県自然保護課、裏磐梯ビジターセンター、裏磐梯地区パークボランティア、そして当日申し込みをされた参加者の方々からなる総勢55名での活動となりました。




 6班に分かれてオオハンゴンソウの抜き取り作業を行い、川沿いや藪の中、探勝路の脇、群生している場所など活動の範囲は広く、たくさんのオオハンゴンソウを抜き取ることができました。




 平成19年から続けている活動ですが、オオハンゴンソウは大変強く、なかなか減ってはくれないようです。ですが、もともと生活していた生き物の生活の場が保たれるよう、これからもオオハンゴンソウの防除活動を一歩一歩すすめて行きたいと思います。

 オオハンゴンソウ一斉駆除活動にご協力くださった各関係団体の皆様、当日ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。心より感謝申し上げます。

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2013年07月23日さくら小学校3、4年生によるウチダザリガニの駆除活動が行われました

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

こんにちは裏磐梯の渡部です。7月16日に北塩原村のさくら小学校3、4年生によるウチダザリガニの駆除活動が行われました。

みなさんはウチダザリガニという外来種のザリガニをご存じでしょうか。
このウチダザリガニの大きさはなんと標準のもので15cm(アメリカザリガニは標準のもので10cm)もあります。もともとアメリカ合衆国北西部の涼しい地域に生息しているザリガニです。


(写真 左:アメリカザリガニ 右:ウチダザリガニ)

日本には食用として渡ってきました。今では逃げ出したものが北海道やここ裏磐梯の水が冷たい涼しい地域で増加しています。
ウチダザリガニはただ一生懸命に生きているだけなのですが、もともと裏磐梯に住んでいる生き物の生活する場所を奪ってしまいます。
ウチダザリガニは法律で規制されている特定外来生物に指定されており、もともと住む生き物の棲家を確保するためには駆除をし、数を減らしていかなければなりません。

そういった外来生物について、さくら小学校の3、4年生37人の皆さんが事前学習を行い、実際にウチダザリガニの駆除活動をして下さいました。



みなさんが一生懸命に池や川で石の裏側を探したり、仕掛けを作ったりして沢山のウチダザリガニを捕まえてくれました。2時間の間に121匹という数のウチダザリガニを捕まえ、裏磐梯の環境保全のために力を尽くしてくださいました。



今回捕まえたウチダザリガニは残念ながら処分という形になりますが、食用として入ってきたこともあり、エビに似てとてもおいしいザリガニです。
特定外来生物なので生きたままの移動は法律で禁じられています。捕まえた際は飼ったり放したりせず、処分するか、または、食べてみてください。

裏磐梯には現在、オオハンゴンソウなど7種類の特定外来生物が生息しています。また、その他にも要注意とされる外来生物が沢山います。
みなさんの周りにはどのような外来生物がいるのでしょうか、ぜひ見つけてみてください。

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2013年07月03日ごあいさつ

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 渡部 のり子

 はじめまして、6月より裏磐梯自然保護官事務所のアクティブレンジャーに着任致しました、渡部のり子と申します。
 着任してからひと月になりますが、磐梯朝日国立公園の自然も日々変化し、移ろう季節を追いかけるのに必死な毎日を過ごしています。これからの裏磐梯を始めとする国立公園内の魅力をお届けします。どうぞよろしくお願い致します。

 去る6月30日、自然ふれあいイベント「パークボランティアと歩こう!磐梯山の噴火口と銅沼(あかぬま)」を開催しました。
 始まる2時間ほど前は雲に覆われ、磐梯山が全く見えない状態でした。雨が降らないか心配しましたが、参加者の皆さんが集まると次第に雲が薄れ、磐梯山が迎え入れてくれたように青空となりました。


 当日は5名の参加者の皆さんとパークボランティアの方の案内で噴火口と銅沼へ向かいました。
 噴火口は荒涼とし、火山の莫大なエネルギーを実感できる場所でした。


 噴火によって流れた土砂の跡や川がせき止められてできた桧原湖などを眺めながら昼食をとりました。

 銅沼は水位が下がり、赤い水酸化鉄が岩や沼の底に付着しているのがよく観察できました。
濃い橙色の沼と初夏を迎えた周囲の緑、そして、それらを抱くようにそびえる磐梯山がとても引き立ち美しい光景が広がっていました。

 これからの季節、裏磐梯の自然はどのように移り変わるのか楽しみです。
そして1000年後、2000年後、どのように遷移して行くのでしょうか。荒涼とした地は緑に覆われているのかもしれません。
 今回の自然ふれあいイベントでは磐梯山を通じて「自然と時」に触れることができたと感じています。

 ご参加いただきました皆様、噴火の歴史や植物のこと、動物のこと等を話しながらとても楽しい時を一緒に過ごすことができました。本当にありがとうございました。
 また、パークボランティアの皆様、裏磐梯ビジターセンターの皆様、ご協力くださりありがとうございました。

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2013年02月22日冬恒例 スノーシューハイキングを開催しました!

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

去る2月17日(日)裏磐梯の五色沼周辺にて『冬の五色沼スノーシューハイキング』を開催しました。今シーズンの冬は、私が3年間裏磐梯にいた中で最も寒く、積雪も多く感じます。そんな厳しい自然環境の裏磐梯ですが、土日祝日ともなればスキーやスノーボード、ワカサギ釣りなどを楽しみに来訪する利用者の方々で、朝夕は道路が混雑するほど賑わいます。イベント当日は、低温注意報が出る真冬並みの寒さの中、県内県外から多くの参加者の方が集いました。

今回歩くコースは五色沼自然探勝路周辺で、冬のフィールドとしては利用者も多くメジャーなコースではありますが、当所で開催する自然観察会のコースとしては、久しぶりの設定でした(昨年、一昨年は、レンゲ沼・中瀬沼周辺で行いました)。


【開会式の様子】
出発前まで雪がちらつき、あまり天候は期待できないだろうと考えていましたが、出発と同時に雪は止み、日差しが照りつけるほど天候が回復してきました。きっと、参加者の皆さんの日頃の行いのおかげですね^^


【自然解説の様子】
今回もメインで自然解説をしていただくのは、裏磐梯地区パークボランティアの皆さんです。総勢22名の参加者を4つの班に分け、五色沼周辺の樹木の冬芽や葉痕、果実など観察し、裏磐梯が誕生した歴史や毘沙門沼に飛来する水鳥などの解説を交えながら、冬ならではの裏磐梯の自然環境を堪能してもらいました。


【竜沼】
冬の裏磐梯の魅力と言えば、グリーンシーズンには見ることや近づくことさえ困難な沼に容易に行くことができることでしょうか。上の写真は、五色沼自然探勝路のほぼ中間に位置する竜沼です。他の沼に比べて色の鮮やかさはありませんが、何とも幻想的な雰囲気に包まれた沼のように感じます。


【毘沙門沼】
五色沼の中でも最も大きい毘沙門沼は、一見結氷しているように見えますが、水の流れがある部分は凍らず、冬場はカモ類(マガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ等)やコハクチョウ等を観察することができます。


【閉会式】
このように冬の裏磐梯は、スノーシューさえあれば、様々なフィールドに出かけることができます。今回は、午前中のみであることと五色沼自然探勝路を途中で引き返してくるコースであったため、少しもの足りない部分はあったかもしれませんが、冬の裏磐梯の自然環境を参加された皆さんに感じていただけたかと思います。このイベントをきっかけに、今後は四季を通じて裏磐梯の自然に親しみ、ふれあって頂けることを期待しています。
今回、ご参加いただいた皆様、またご協力いただいた裏磐梯地区パークボランティアの皆様、裏磐梯ビジターセンターの皆様、ありがとうございました。

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2012年11月29日今年もパークボランティア合同研修会を行いました!

磐梯朝日国立公園 裏磐梯 星 彰

ご報告が遅くなりましたが、今年も磐梯朝日国立公園パークボランティア合同研修会を実施しましたので、その様子をお伝えしたいと思います。佐々木ARとは内容が重複してしまう部分があるかもしれませんが、私の方では研修を受け入れた側の視点で日記を綴りたいと思います。

今年は、11月10日(土)~11日(日)にかけて、磐梯朝日国立公園の裏磐梯地区にて行われました。平成22年度よりスタートした合同研修会も今年で3年目を迎えました。
初日は、裏磐梯地区パークボランティアの活動拠点でもある裏磐梯ビジターセンターにて、裏磐梯ビジターセンター主任自然解説員の金野氏による手作り展示について講義と実習が行われました。


まずは、各自簡単に自己紹介とビジターセンター館内の展示物で気に入った展示を挙げてもらいます。羽黒地区の方にとっては、あまりなじみのない土地や見慣れないビジターセンターの展示物だったと思いますが、皆さん、それぞれお気に入りの展示を見つけられ、羽黒地区の拠点である月山ビジターセンターの展示の違いや新しい発見、驚きもあったようです。
その後の講義では、裏磐梯ビジターセンターで実際に手がけた手作り展示の事例解説や手作り展示のポイントについて学びました。


さて、ひと通り展示に関する講義を受けた後は、実際に展示作成へ取りかかります。
裏磐梯地区、羽黒地区それぞれ2チームずつ計4チームに分かれ、展示物を作成していきます。今回の研修会はもちろんパークボランティアの皆さんが主役ですが、事務局のレンジャー、アクティブレンジャーもチームに参加して展示作成に協力していきます。どのチームも真剣な面持ちで黙々と作業を進めていきます。皆さん、観光パンフレットや図鑑などを参考に、動物や植物のイラストを描いたり、公園内の見所や景勝地などの解説文章を書いたりと、着々と作品を仕上げているようです。一部、粘着性のパネルを使用して立体的に仕上げたチームもあったようですが、どのチームも個性豊かで工夫も凝らされ、すばらしい手作り展示ができあがりました。


作品が完成した後は、「良かったところ」や「改善が必要なところ」をお互いに意見を出し合い、作品の評価をしていきます。その後、各チームの代表者が作品について発表を行い、最終的に講師の金野氏から総括的なアドバイスをいただき、初日の講義は終了しました。裏磐梯地区では、今まで年数回しか展示作成の活動はありませんでしたが、今回受けた講義をきっかけに、展示作成の活動回数や内容をバージョンアップしていきたいと考えています。

手作り展示の講義と実習後は、各地区の活動報告会を行いました。毎年、同じように報告会を行っていますが、両地区共に充実した活動に向け、日々奮闘や新しい試みをうかがわせる内容でした。


研修会二日目は、磐梯山ジオパーク協議会の蓮岡氏と阿部氏に銅沼(あかぬま)トレッキングのガイドを担当していただきました。
まずは、出発前に磐梯山ジオパークについてレクチャーを受けます。
裏磐梯地区パークボランティアにとっては、昨年もジオパーク関係の研修会を行ったため、復習的な内容だったかもしれませんが、羽黒地区の方は、初めての内容だったのではないでしょうか。羽黒地区にはまだジオパークはないと思いますが、最近注目を集めているジオパークだけに、しっかりと知見を深めていただきたいと思います。レクチャー後は早速、銅沼への出発点となる裏磐梯スキー場へ向かいます。


裏磐梯スキー場からのんびりと登りながら、スキー場の上までやってきました。あいにくの曇り空でしたが、裏磐梯高原一帯や吾妻連峰などが一望でき、羽黒地区の皆さんは全く違う公園の風景にとても感動されていたようです。

出発から1時間半。ようやく赤茶けた沼底をのぞかせた銅沼にたどり着きました。今年は特に夏場の雨量が少なかったためか、銅沼の水量は少ないです。沼の近くには、今もモクモクと噴気が立ち上るところもあり、磐梯山ジオパークの中では、一番大地が生きていると実感できる場所だと思います。もう少し時間があれば、磐梯山山頂まで足を伸ばしたいところですが、時間も限られているためそのままスキー場へ引き返し、そこで解散となりました。

二日間という長いようで短い研修会でしたが、主催した事務局側もいろいろと勉強になることもあり、羽黒地区の方々にも同じ公園内にいながら、まったく違う自然にふれあい、また磐梯山ジオパークについて驚きや発見がたくさんあったのではないでしょうか。ぜひ、また来年も充実した合同研修会が実施されればと思います。両地区のパークボランティアの皆さん、ビジターセンター職員の方々、講師を担当してくださった方々、保護官事務所の皆さん、大変お疲れ様でした。

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