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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

伊豆沼にトンボの季節がやってきた!2021

2021年06月25日
鎌田 和子

こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。

6月も下旬になり伊豆沼・内沼の巡視をしていると、トンボが目に付く季節となりました。この周辺では、

春から秋までに観察できるトンボの種類は40種を超えますが、その中でも今が旬のトンボを紹介します。

  オオセスジイトトンボ♂、鮮やかな空色の大きなイトトンボです。これからもっと鮮やかな色に

変化します。

 オオセスジイトトンボ♀、優しいグリーンが目印です。

このオオセスジイトトンボは国指定伊豆沼鳥獣保護区で行われている自然再生の指標となる「目標生物」の一つとなっています。伊豆沼・内沼を代表するトンボ、幼虫期は沈水植物群落で生活し、成虫は浮葉植物や抽水植物群落、水際の植物で生活するので、水辺の環境が大切なのです。毎年確認できること、生息数が少しでも増えること、生息地が増えることなどが、伊豆沼・内沼の自然再生の目安となります。

 水中にはクロモ(沈水植物)などの、水面にはアサザやヒシ(浮葉植物)、岸にはハス、マコモ、ヨシ、ガマ(抽水植物)などが生育しているような伊豆沼・内沼がオオセスジイトトンボにとって好ましい環境なのです。クロモも「目標生物」です。このために、自然再生ではエコトーンの復元やクロモやマコモの植栽が実施されています。

植物が、昆虫が、魚が、貝が、鳥が、様々な生きものたちのつながりとその生息環境の大切さ、一つ一つの役割を考えながら、この季節の伊豆沼を楽しんでみてください。