ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

東北地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年5月

23件の記事があります。

2021年05月19日パークボランティア活動&新綠の奥入瀬

十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ

「目に青葉 山ホトトギス 初がつお」

今朝浮かんだ山口素堂の一句なのですが、

朝いつものように窓をあけてコーヒーをいれていたら、

耳に飛び込んできたのは、カッコウの声でした。

今期初の鳴き声です。5/13の奥入瀬渓流では、エゾハルゼミが鳴いていました。

奥入瀬渓流や蔦野鳥の森は、訪れるたびに綠の色の変化に目を見張るものがあります。

言葉や思考を捨て去り、ただそこにいるだけで、心の靄が晴れていくように思います。

新緑のはかなく淡いミントグリーンから始まり、生き生きとして躍動的なフレッシュグリーン、

鮮やかな葉を広げて風に揺れるディープグリーン、緑も色合いが何種類もあり、

日々変化する様子に心躍る毎日です。

                〈ホオノキ:もうすぐ咲きます〉

5/9に十和田八甲田地区パークボランティアの皆さんによる、蔦野鳥の森の歩道整備が行われました。

蔦野鳥の森の遊歩道は、残雪のため一部を除いては連休明けに解放されました。

例年であれば、歩道に残った残雪の上に、歩きやすいように踏み跡を付けたりする作業もあるのですが、

今年は歩道上に残雪が全くありませんでした。

歩道の笹刈り、倒木処理やぬかるみの対策など、手際良く作業していただきました。

美しい風景に心を奪われ、皆さんの活動写真を撮ることが疎かになり、反省です。

                   〈手際良く倒木処理〉

〈まばゆいばかりの綠の中の活動は気持ちがいい〉

〈ブナの目覚め〉

〈綠の競演:青き菅沼〉

〈私も主役:ムラサキヤシオ〉

また先週の木曜は、奥入瀬渓流を走るオープンバスの試乗会があり、体験してきました。

〈バスについて説明をうけます〉

奥入瀬渓流に建つ唯一のホテル「星野リゾート奥入瀬渓流ホテル」さんが、昨年までは宿泊者限定で運行していたオープンカーバスによるツアーが、期間限定で宿泊者以外でも乗ることができるということです。

                  〈新緑が手にとるようです〉

新緑の中、風を切るように進む屋根のないバスは、人生初体験。

〈子の口でバスを降りて湖畔の風を浴びます〉

綠の風に吹かれながら。

平穏な日々が、早く世界中に訪れて欲しいと願うばかりです。

オープンバスは人数制限がありますが、ご興味のある方は、

ホームページ等で詳細をご確認のうえお申し込みください。

https://www.oirase-keiryuu.jp/activity/detail.php?id=131&m=

十和田湖畔は遅い桜の、カスミザクラ、ヤエザクラが咲き、春本番の趣です。

静かに時が流れる十和田湖畔ですが、躍動感ある動植物の営みを肌で感じることができます。

私は、氷点下であろうと朝必ず窓を開けて、新鮮な空気で部屋を満たすのが日課です。

あふれる自然の素晴らしさを、肌で感じられることにいつも感謝しています。

そんな体験を自由に出来る日が来ますよう願います。

              〈5/7桂浜の満開のカスミザクラ〉

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2021年05月18日待望の砂浜

三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子

こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。

岩手県大槌(おおつち)町の三陸復興国立公園浪板(なみいた)海岸は白砂青松、サーフィンや海水浴が盛んで岩手県の三陸海岸を代表する美しい海水浴場でしたが、東日本大震災による地盤沈下と大津波によって砂浜と多くの松が流されてしてしまいました。

かつての美しい砂浜と賑わいを取り戻したいと地元の方々の署名運動が始まり、2019年にやっと砂浜再生のプロジェクトが動き出しました。そして2020年度内を目指していましたが完成時期は、漁期と工事との兼ね合いや時化などの影響でもう少し延びるそうですが、今の浪板海岸にはたっぷり砂浜ができています。

地域の皆さん念願の海開きはもう目の前です!

ここに至るまで様々な観測や研究、地域の努力があり感動もひとしおです。

浪板海岸の過去と工事途中の現在の姿をご覧ください。

【左】2016年12月の北側       【右】2021年5月の北側

【左】2016年12月の南側       【右】2021年5月の南側

この浪板海岸をはじめとする三陸リアスを存分に目で楽しめる場所があります。山田町と大槌町にまたがる『鯨山』。みちのく潮風トレイルのルートにもなっています。

標高610メートルとそれほど高く聞こえないのですが、海抜ゼロから自分の足で登ると歩きごたえたっぷりで植生の変化や風の強さのちがい、見える水平線の高さの変化など登山気分を気軽に楽しめる山です。山田町側には鎖やロープを使う岩場もあり、夏の登山シーズンに備えてトレーニングとして足を運ぶ登山愛好家たちもいます。

なんと言ってもこの山の魅力は山頂からの眺めです。リアスが一目で分かる太平洋側はもちろん、内陸側の山々が眼下に広がる風景も素敵です。海側の見える範囲ほとんどが三陸復興国立公園指定エリア、贅沢な眺めです。

この時期は芽吹いたまぶしい新緑と咲き出した色とりどりの花々に励まされながら登山ができます。三陸海岸を山から楽しむのはちょっと上級者の気分ですね。

待ちわびた砂浜とそれを見下ろせる登山、セットで大槌町を満喫してみませんか。

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2021年05月17日みちのく潮風トレイル洋野町区間の現地調査

三陸復興国立公園 八戸 大友千夏

八戸自然保護官事務所の大友です。

先日、みちのく潮風トレイル洋野町区間の現地調査を洋野町役場の方と合同で行いました!

当日はちょうどウニの口開けの日で、漁港では大量のウニを見ることが出来ました!

迷いそうなポイントに目印があるかのチェックや標識の状態、

トイレの状況なども調べつつ、またハイカーのサポートとなるトレイルエンジェルさんの募集について、

沿線にあるお店などに立ち寄り制度等を説明して回りました。

トレイルはもちろん、その地域にあるお店などを実際に訪れることにより、

トレイルの認知が増えていることやトレイルファンが増えていることを実感しました。

今後も関係者の皆様やトレイルファンの皆様と情報共有しながら、

みちのく潮風トレイルの維持や普及をしていきたいと思います。

(撮影のためにマスクを一時外しております)

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2021年05月17日みちのくの歩き方

名取 富樫信雄

こんにちは、名取自然保護官事務所の富樫です

今回は、みちのく潮風トレイルにおける名取保護官事務所の担当エリア

(トレイルの最南部に位置する宮城県東松島市から福島県相馬市)の特徴をお伝えします。

日頃の担当業務を通じて感じるところを率直に記しています。

・みちのく潮風トレイル北部~中部エリアのような雄大な大自然が続くエリアではない。

・市街地の中の舗装路もけっこう歩く。

・地域に根付いた日常生活を垣間見ながら歩く。

・高台から、平地から、街を広く眺望できる所がある

・過去の災害の記憶を目の当たりにする場所がある。

さて、みなさん、どんな印象をお持ちになったでしょうか。

大きな感動を感じる要素は少ないエリアなのかな..と思われたでしょうか。

【写真:亘理町】

写真からは伝わらないのですが、この時は道路を挟んだ向こう側から

カエルの大合唱が聞こえてきて、

ああ、もうすぐ田植えが始まる季節だな~と思ったり。

そうすると、道路の両側に広がる畑にも目が行き、

畑を維持するのってすごいよな~とか

すると、目についた空缶を拾ってみたり。

今日の雲の形はダイナミックだな~とか

空を見ているだけなのに幸福感を感じている自分に気づいたり。

一見特別ではない日常の情景ですが、

普通(日常)であることの素晴らしさや尊さを、歩くことによって再発見し、

そして、そこから昨日までとは違った、より深い幸福感を感じている自分に気づいたりします。

この時は、ああ、今日もいい日だなあ~と思ったのでした。

特別なことは何もなかったのですが。。

地域のみなさまにも、ここを訪れるみなさまにも

この地に息づく日々の素晴らしさや尊さに触れていただけますように。

みちのく潮風トレイルとともにある様々な情景をこれからもお届けいたします。

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2021年05月14日夏の訪れの予感

磐梯朝日国立公園 羽黒 風間彩野

気温が一気に上がってきました。

田んぼにも水が入り、蛙の鳴き声が合唱のように聞こえます。

夏の訪れを感じる今日この頃です。

羽黒山の麓に、月山ビジターセンターがあります。

ここでは、月山登山や周辺の散策に役立つコース案内、周辺の自然の季節情報の発信や出羽三山の資料の掲示等を行っています。週末にはイベントも行われていることがあるので(新型コロナウイルスの影響で延期、中止等になることがございます。あらかじめご了承ください。)、是非足を運んでみてください。

さて、月山ビジターセンターの裏には、散歩道があることをご存じでしょうか。

GW頃から木々が青々としてきました。

すてきな小道です。

頭の上では鳥たちが会話をしていました。夏が来たね、気持ちいいね、なんて話していてほしいものです。

森などの、自然の中を歩くと、ふと気持ちが良くなったり悩み事が軽く感じられたりした経験はありませんか。この現象は科学的にも根拠があり、「森林セラピー」として療法に用いられることがあります。現在では「自然欠損症」という症状まで認識されるようになっており、あまり自然に触れた経験のない子供は、暴力的になったり落ち込みやすくなったりする傾向があることがわかっています。人間の心のどこかにはまだ森で暮らしていた頃の名残があり、無意識に自然を求めているのかもしれません。

また、街中では厄介視される落ち葉ですが、森の中では様々な機能を果たしています。昆虫のえさ、動物の寝床、菌類の菌床、雨水をため込む効果まであります。そしてこの落ち葉がボロボロになって腐ることによって木や草の栄養となります。森のなかの生き物は、自分が落とした葉で自分の栄養を作るのです。これを専門用語では、「自己施肥」といいます。自然には無駄がないということです。まさに資源の循環ですね。

奥に歩いて行くと、展望台があります。

展望台からの景色は来てみてのお楽しみです。

今年も新型コロナウイルスの感染拡大により、思うような生活ができませんが、そんななかでも自然はいつもと変わらず、常に営みを続けているのですね。

月山ビジターセンターに足を運んだ際は、是非裏の小道を散歩してみてください。また、うまくいかないことがあったり悩み事ができてしまったときにも、森に足を運んでみてください。今の季節にしか感じることができないさわやかな森を味わうことができるはずです。そして、帰る頃にはきっと気持ちが晴れ晴れしているはずです。

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2021年05月14日クロコシジロウミツバメを迎える準備万端!

三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子

みなさん、こんにちは。宮古自然保護官事務所の古館です。

爽やかな春風に包まれた512日、国指定鳥獣保護区に指定されている日出島に上陸してきました。

 

上陸は昨年の9月以来8ヶ月ぶり。

9月の調査はこちらから

 

今回の目的は、修理した巣箱の再設置ほかいくつかありましたが、まもなくクロコシジロウミツバメが営巣にやってくるので、設置している巣箱の入口をきれいに整えてきました。

巣箱の中はクモの巣などがあったりする場合もあるので、快適に住みやすいよう綺麗に掃除。

【左:作業前 右:作業後】

 

そんな中、2箇所の巣箱にクロコシジロウミツバメよりも先に飛来するコシジロウミツバメを確認。1箇所には1羽、もう1箇所はペアで巣箱を使用していました。

オスメスの外見は一緒で見分けが難しいですが、山階鳥類研究所の方に教えていただいたところ、おなかの抱卵班(卵を温めるために、お腹の羽毛が抜けて皮膚が見えているところ)が濃いほうがメスだそうです。

【赤丸部分が抱卵班】

※鳥獣捕獲の許可を得た専門家が捕獲しています。

 

昨年は、クロコシジロウミツバメの成鳥と雛も確認しているので、今年も巣箱を利用してくれることを願います。

では、また!

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2021年05月13日おしえて先生!知るしるするる探検隊の隊長になりました!!

三陸復興国立公園 八戸 大友千夏

八戸自然保護官事務所の大友です。

青森県立図書館で幼児・児童向けのお話会の講師として参加してきました。

「風を感じて歩こう 春 自然の中で」というテーマで、

自然の中を歩くことによって見えるものや感じるものを伝えるため、

みちのく潮風トレイルについてお話したり、

また太刀川レンジャーは森の中を歩くことによってどんな生き物がそこにいるか、

実際にネズミやリスがかじった木の実を見せて説明しました。

ちなみにこのハットは知るしるするる探検隊の隊長の証との事で被ることに!

今回初めて幼児・児童向けにみちのく潮風トレイルや自然の話をしましたが、
子供が興味を持ってくれるようなお話作りはとても難しかったです。

ですが子供たちがお話に夢中になってくれ、

また一緒に来ていた親御さんもお子さんと一緒に興味を持って下さり、大変貴重な時間となりました。

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2021年05月12日夏の訪れの予感

磐梯朝日国立公園 羽黒 風間彩野

気温が一気に上がってきました。

田んぼにも水が入り、蛙の鳴き声が合唱のように聞こえます。

夏の訪れを感じる今日この頃です。

羽黒山の麓に、月山ビジターセンターがあります。

ここでは、月山登山や周辺の散策に役立つコース案内、周辺の自然の季節情報の発信や出羽三山の資料の掲示等を行っています。週末にはイベントも行われていることがあるので(新型コロナウイルスの影響で延期、中止等になることがございます。あらかじめご了承ください。)、是非足を運んでみてください。

月山ビジターセンターの情報はこちらです。

さて、月山ビジターセンターの裏には、散歩道があることをご存じでしょうか。

GW頃から木々が青々としてきました。

すてきな小道です。

頭の上では鳥たちが会話をしていました。夏が来たね、気持ちいいね、なんて話していてほしいものです。

森などの、自然の中を歩くと、ふと気持ちが良くなったり悩み事が軽く感じられたりした経験はありませんか。この現象は科学的にも根拠があり、「森林セラピー」として療法に用いられることがあります。現在では「自然欠損症」という症状まで認識されるようになっており、あまり自然に触れた経験のない子供は、暴力的になったり落ち込みやすくなったりする傾向があることがわかっています。人間の心のどこかにはまだ森で暮らしていた頃の名残があり、無意識に自然を求めているのかもしれません。

また、街中では厄介視される落ち葉ですが、森の中では様々な機能を果たしています。昆虫のえさ、動物の寝床、菌類の菌床、雨水をため込む効果まであります。そしてこの落ち葉がボロボロになって腐ることによって木や草の栄養となります。森のなかの生き物は、自分が落とした葉で自分の栄養を作るのです。これを専門用語では、「自己施肥」といいます。自然には無駄がないということです。まさに資源の循環ですね。

奥に歩いて行くと、展望台があります。

展望台からの景色は来てみてのお楽しみです。

今年も新型コロナウイルスの感染拡大により、思うような生活ができませんが、そんななかでも自然はいつもと変わらず、常に営みを続けているのですね。

月山ビジターセンターに足を運んだ際は、是非裏の小道を散歩してみてください。また、うまくいかないことがあったり悩み事ができてしまったときにも、森に足を運んでみてください。今の季節にしか感じることができないさわやかな森を味わうことができるはずです。そして、帰る頃にはきっと気持ちが晴れ晴れしているはずです。

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2021年05月11日十和田湖日記

十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ

「おとこもすなる日記といふものを 女もしてみむとてするなり」

通勤路でふと頭の中に浮かんできたフレーズは、

高校時代大好きだった授業のひとつ

「古典」のなかにあった「土佐日記」の冒頭でした。

日々、外の業務が増えるこの季節、

日記を記す時間がなかなか無いのですが、

写真だけは増えていきます。

そんな日常を写真でお伝えしようと思います。

〈5/2奥入瀬渋滞対策業務に向かう途中の奥入瀬渓流〉

〈5月2日:奥入瀬渓流渋滞対策業務〉

朝はみぞれの寒い一日、大きな渋滞もありませんでした。

〈5/6満開のサクラと橙色から萌葱色に変わりつつあるカツラ〉


〈満開のオオヤマザクラと白きたおやかな櫛ヶ峯〉

〈5/7休屋から子の口に向かう途中、宇樽部湖畔のニリンソウ群落〉

〈花びらは5枚~9枚までを見つけました〉

〈5/9十和田八甲田地区パークボランティアの皆さんと西湖畔自然観察会〉

〈雨だからこそ見られる花の風景〉

長い雨にあたった花びらが、水分を含んで透き通ってガラス細工のようです。

〈愛おしくて近くに顔を寄せてしまいます〉

〈西湖畔に多く見受けられる、クルマバツクバネソウ:葉が5~8枚まで見つけました〉

〈オヒョウの葉っぱは何故にこんな形なのでしょう?〉


〈カルガモの毛繕い:器用に足も使う〉

〈カツラの倒木には様々な植物が根付いて小さな庭園になっています〉

〈西湖畔の歩道は今ニリンソウロードになっています〉

日々刻々と変化する季節を楽しむ、そんな心のゆとりを持って生きたいものです。

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2021年05月11日いよいよ始動開始!

白神山地 神孝子

みなさん、こんにちは。西目屋事務所の神です。

めっきり春めいてきたなと思っていたら、もう5月も半ばになろうとしています。

今年の冬は雪の降り方が面白く、降っては消え,降っては消えの繰り返し。
昨年より、雪かきをしたなぁと感じた割には、あっさりと消えてくれました。

雪解けと共に、こちら(西目屋)では、いよいよグリーンシーズンの到来です。

野外活動を開始してから早1ヶ月が過ぎてしまいましたが、

今日はその活動の一部をダイジェスト版でお伝えしたいと思います。

カウンタの設置作業1

↑まずは、こちらの写真。これから一体、何をしようとしているのでしょう・・。

※右手にあるのは毘沙門天の「如意宝棒(にょいほうぼう)」ではありません。

正解は・・・・

←こちらです。

入山者数カウンタの計器の支柱を設置するために深さ40cmー50cmほどの

穴を開けているところです。こちらの写真は、昨年の4月、着任後すぐに白神岳に設置に行った時の雪本保護管です。(西目屋に来るや否やこの作業・・・・。この時は地盤が堅くて、なかなか刺さらず木槌がへこみました。)

・・・という訳で今年は「かなてこ」を購入してもらい作業もラクラクに。

この作業を疎かにすると計器が風で倒れてしまします。

大体1ヶ月に1度、データの回収に行くのですが、

もし、倒れてしまっていたら次のメンテナンスまで、入山者の人数が

カウントされない事態になってしまいます。

目には見えませんが、この作業はとても大事なことの一つなのです。

 【中・大型哺乳類自動撮影カメラの設置】

時々、クマの顔が"どアップ"で写り、迫力のシーンが撮れます。    

また、この日、白神岳の登山口付近に、見慣れない物体が多数ありました。

下記の写真をご覧下さい。

保護色のビニールシートなので、分かりにくいのですが何かを覆っているようです。

2021_4_13白神岳ナラ枯れ伐倒くん蒸処理処理 (2).

拡大してみましょう。

ナラ枯れアップ写真

ナラ枯れくん蒸 

こちらにはドリルで開けた穴が・・・・。もしや、これは・・・

ご存じの方もいらっしゃると思いますが、昨年、白神山地周辺で確認されたナラ枯れのくん蒸処理です。

写真は白神岳(日本海側)の様子ですが、内陸の西目屋村側でも確認され衝撃が走りました。

上の写真は、被害木に付いたカシノナガキクイムシ(以後カシナガ)

を伐倒くん蒸処理し、ビニールで覆い駆除する方法で、

下の写真は木に直接、薬剤を注入する立木くん蒸処理という方法です。

この作業は、カシナガが活動を休止している間(雪が降る前)にしなければなりません。

活動期に木を切り倒せば、別な木に移動し、さらに被害が拡大するからです。

なので活動が停止した秋に、一気に処理をします。

西目屋村の今年の冬は、厳しい日もありましたが比較的暖かな冬だったと思います。

今年は被害が増えないことを願いつつ、日々の巡視にも目を光らせたいと思います。

山での巡視は観察力、注意力、危険察知能力やリスクマネジメントが常に求められます。そして何より豊富な知識と経験は、自分の足で歩かなければ手に入りません。

私はまだ、白神山地のほんの入口を少し覗いたばかりなので、今年はもっと掘り下げて調べてみたいです。

白神は知れば知るほどおもしろい!

【白神山地高倉森のスプリング・エフェメラル達】

【高倉森からの津軽富士「岩木山」の展望は素晴らしい】

210422 ブナ林カウンタ設置 (3).【おまけの話】

ブナ林散策道へ向かう入口の所に、環境省の世界遺産地域境界の標柱が立っているのですが、ここにくっついているこのクマゲラ君。

実は今年、お嫁ちゃんをもらうことになりましたー!

西目屋村では世界自然遺産登録30周年を前に、この標柱の向かい側にメスのクマゲラを置くそうです。完成すれば「つがい」のクマゲラが誕生。

もう、うちのクマゲラ君も寂しくはありません。

ここ数年、白神山地では声さえ聞かなくなったクマゲラですが、希望を捨ててはおりません。

この広大な白神山地のどこかに、きっとひっそり暮らしていると信じています。

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