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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

10年目に寄せて

2021年03月17日
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ

今年も私の3/11が何事も無く過ぎました。

〈芽吹きはじめたヤナギと兜島〉

岩手在住の頃は、必ず仕事を休み、三陸の地に向かい黙祷していました。

青森に着任してからは、遠くなりましたが、平穏な日常に感謝しながら、

その場所で遠く離れた故郷を思い黙祷しました。

〈マンサクの祈り〉

震災後訪れた陸前高田の、真っ暗だった空に、星が綺麗だったこと。

明かりが全く無くて、砂利道を運転していたらすぐ側が海だったこと。

毎週のように通って、倒壊した家の片付けを手伝った時の臭い。

忘れたと思っていましたが、今朝、雪解けが始まった茶色の地面とそこに置かれたものが、

瓦礫の山に見えてしまいました。

実際に被害に遭われた方々の心を思うと、胸が締め付けられました。 

復興という言葉を耳にする機会が、秋田在住の今はほとんど無くなりましたが、岩手、宮城、

福島などは、10年が経っても復興はこれからも続いて行くと感じています。

何があろうと、花咲き乱れる春、綠深き夏、実りの秋と季節は流れて行きます。

〈はじらいながら。。〉

〈花 葉芽 いがいがした虫こぶ:マンサクメイガフシ〉

これから訪れる桜の季節は、別れの時期とも重なりセンチメンタルになりますが、門出の春でもあります。

心を癒やしてくれる風景や花々、自分しか見られない瞬間をこれからもお届けします。

〈穏やかな夕暮れ〉

たくさんの方々の命日に、合掌。

〈乙女の像が黙祷しているように見えました〉