2021年3月
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2021年03月11日黄色いハンカチ
名取 富樫信雄
時が経つのは早いのか遅いのか
止まっているのか
進んでいるのか
日々を過ごしていると目の前のことに一杯で、それ以外のことを
常に意識することは困難です。
好むと好まざると時と共に記憶が薄れている自分に気づく瞬間があります。
ただ今日も山元町の空には黄色いハンカチたちがパタパタと音を立て
ただただ夕日に、はためいています。
2021年3月11日
名取自然保護官事務所
富樫 信雄
2021年03月08日国立公園フォトアンバサダー撮影同行
三陸復興国立公園 八戸 大友千夏
八戸自然保護官事務所の大友です。
国立公園フォトアンバサダー事業による、
三陸復興国立公園種差海岸階上岳地域の撮影があり、同行してきました!
フォトアンバサダー事業は、全国のカメラマンに国立公園を訪れていただき、
環境省が業務で使用できる写真素材を撮影していただくものです。
今回は種差海岸階上岳地域の見所をいくつかご案内し撮影していただきました!
撮影に同行中もちょっとした風景の撮影方法のコツなど、ご教授いただく事もでき、
撮影する楽しみが増えました!
撮影していただいた写真は今後、八戸自然保護官事務所の広報等でも使わせていただければと思います!
撮影していただいた写真は下記SNSからご覧いただけます。
ぜひチェックしてみてください!!
https://twitter.com/shin_12t/status/1365161613259497474
https://www.instagram.com/p/CLvgPDkhnuc/?utm_source=ig_web_copy_link
2021年03月05日お宝マップ完成しました2020~陸前高田市広田小学校~
三陸復興国立公園 大船渡 坂本麻由子
こんにちは。大船渡自然保護官事務所の坂本です。
でマップ作りに向けて本格始動したご報告をしていましたが、
すみません、②のつもりが完結編のご報告となってしまいました。
1年間かけて広田小学校6年生のみんなは一生懸命取り組んできました。
そしてとうとうこの2月にマップが完成したのです。
中の地図にはルートを見やすく、トイレや買い物施設などの
歩く人にとって必要だろうと思うポイントが書いてあります。
そしてみんながおすすめする、広田で是非立ち寄ってほしい
『広田半島みどころスポット』20カ所が
生徒自身の言葉でまとめられています。
11月の授業では、近隣のガイドマップを参考に
自分たちのマップはどのようにしようかとみんなで考え、
様々なアイデアを出し合いました。
完成したマップをみんなでじっくり見て
1年間の取り組みを振り返る時間。
「トレイルハイキングの感想」
・なれていない道だったのでけっこう大変だったけど、いろんな花を見れて楽しかった
・山道を歩いて行くのが大変だった
・広田は海だけじゃなくて、山もいいんだな~と思った
「おすすめポイント探しの感想」
・小祝浜へ写真をとりに行ったとき、海に足を入れてとったので冷たくて大変でした
・家の隣によいところがあったので楽だった
・友達と一緒に夏休みに行ってポイントを探していろんな景色が見れてよかったです
「完成した地図の感想」
・広田を知らない方にも興味をもってもらえるところや一人一人の思いがあふれた
パンフレットになってよかったです
・この地図が人の役にたてばいいなと思いました。
・来年も、こうゆう行事をやって、もっといい地図をつくってほしいです
「全体の感想」
・アポなしとか、普段やってないことを体験できてとても楽しかった
・広田のことをもっと知れたいいきかいだった
・授業したらこのトレイルハイキングの勉強ができなくなるのが悲しいです
・広田にこんなに歴史があることが分かりました
そしてできあがったマップは一人でも多くの方に渡したい
ということで、代表生徒4人で市の観光物産協会さんへお願いしに行きました。
地元について自分たちで調べ、まとめ、発信するツールを作る
とても素敵な授業だったと思います。
私もこの取り組みに関われて幸せです。
みちのく潮風トレイルを歩くハイカーにはもちろん、
地元の方にもこのマップ片手にトレイル散歩を楽しんでいただけたら嬉しいです。
今年度の広田小の授業はこれで完了です。
岩手県立大学島田先生、ありがとうございました。
広田小学校の先生方、色々教えてくれた地域の方々、
ずっと支えてくださった親御さんたちなど、たくさんのご協力があり
6年生の楽しく取り組むパワーで大成功ですね!
2021年03月05日浄土ヶ浜園地の今日この頃
三陸復興国立公園 宮古 古館 百合子
みなさん、こんにちは。宮古自然保護官事務所の古館です。
3月5日が二十四節気の1つ【啓蟄(けいちつ)】ということもあり、虫たちが
土の中から姿を現すなど、2月下旬からたたみかけるように日々春を感じる場面が
増えました。
浄土ヶ浜園地では福寿草が開花。春の到来を感じますね。
(上写真は2月26日撮影)
園地内の竜神崎展望所では、園地内の汚れていたテーブルとイス、看板の掃除を行いました。
この場所からは遠くの山々の峰や漁業風景のほかに、水門の建設や埠頭の延伸など、
東日本大震災を乗り越えて復興への歩みを日々進める様子を垣間見ることができます。
(2月26日撮影の写真3枚をつなげたもの)
自然環境にも大きな影響を与えた東日本大震災から、まもなく10年という節目を迎えます。
浄土ヶ浜ビジターセンターでは、【東日本大震災から10年~浄土ヶ浜の歩み~】と題し、
この10年の浄土ヶ浜園地の変化を写真にまとめ、3月3日(水)~31日(水)まで開催しています。
震災前の浄土ヶ浜園地の様子や被災した歩道の工事、現在の様子など、計50点を
超える写真とともに紹介しています。
お近くにいらっしゃった際にはご覧ください。
では、また!
2021年03月05日春の使者
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
弥生とはいえ、氷点下に冷え込んだ朝は、木々の霧氷がキラキラ輝き、穏やかな湖面にはガラスのような氷の膜がはり、言葉にならない美しさです。
車を停めてカメラを構えている方をちらほら見かけました。自分はスマートフォンカメラですが、4日の朝の風景をお届けします。
〈この上を歩いて行けそうだと思いました〉
〈4年前に着任してすぐに、白きたおやかなる峰と勝手に名付けた櫛ヶ峯〉
※手前の御鼻部山は標高1010m。車道と展望台があり、晴れた日は岩手山が遠望できます。
〈十和田三山と休屋;今日も一日見守ってくださいと祈る〉
〈お馴染みの風景:ひょっこりひょうたん島と名付けています〉
〈誰の足跡でしょう?:湖畔に下りて踏み抜いた私の足と手の跡です〉
〈春はまだですか?と顔をのぞかせているマンサク:くるくるの花弁を控えめに広げています〉
思えば、十和田湖に来てから毎年この時期は、マンサクとカツラを追いかけているように思います。けして派手さはありませんが、きびしい冬を乗り越えて真っ先に私達に春の彩りを運んでくる可愛らしい子達が、とても愛おしくてたまりません。過去の日記を振り返ると、マンサクとカツラの写真ばかりです。3月になると毎回のようにマンサク載せていましたね。
(日本海側は主にマルバマンサクで、少し色が薄いと言われていますが、交雑種も多いです)
(昨年の日記に掲載したマンサクの様子です)
http://tohoku.env.go.jp/blog/2020/03/post_516.html
http://tohoku.env.go.jp/blog/2020/03/post_514.html
http://tohoku.env.go.jp/blog/2020/03/post_512.html
冬の間は自然の中で五感を働かせようにも、凍てつく空気が五感を鈍らせるようです。しかし3月に入ると、春の色や香りがあちこちにあふれ出し、身体中の細胞を刺激するような気がします。マンサクのイエローとカツラのピンク、そしてその香りは砂糖菓子と肉桂のように感じられ、食欲をそそります。香りや虫の少ないこの時期に、マンサクが繁栄するための手段でしょうか。また、枯れ葉が香るという通説のカツラは、若葉の頃も香ります。(樹木を害虫から守る香りとも言われます)樹木のそばを歩く時は、少し立ち止まって嗅覚を研ぎ澄ませてみてください。
マスクを外して、思いっきり深呼吸したいですね。
なかなか落ち着かないご時世ではありますが、こんな時だからこそ、物事をじっくり見たり考えたりする機会かもしれません。
自分自身は外に出るといつも、花や空や木々に見とれたり、まじまじと細部まで見てしまったりして、肝心の業務の写真が一枚足りなかったりということが良くあります。高い場所にあるマンサクやカツラの花を、背伸びして首が痛くなるまで凝視して、カメラを向けている姿を想像してみてください。
そんな業務中に撮影した写真を展示した「十和田八幡平国立公園写真展」の、今年度最後の会場となる、鹿角市文化の杜交流館「コモッセ」では3月10日までの間、開催しております。図書館では、普段は書庫にある八幡平の貴重な資料の展示もしています。最終日の10日は、私と鹿角のアクティブレンジャーが10:00~15:00の間、写真の解説等をしながら会場にいますので、お近くにお越しの際にはどうぞお立ち寄りいただき、ご意見をいただけたら幸いです。
10日は、アンケートにお答えいただいた方へ、展示写真で作製したポストカードを用意しています。
〈展示写真の1枚〉
どうぞよろしくお願いいたします。
最後に、4年目にして初の、十和田湖と私の写真を勇気を持ってご披露します。
業務で自分の写真を撮る必要があり、人に撮られるのが苦手な自分は、湖畔で自分で撮影して提出したところ、背景が大きく写った写真が欲しいと言われ、再度撮影することになりました。
村田アクティブレンジャーに撮影をお願いして、何とか業務完了しました。
思えば、いつもファインダーをのぞいているけれども、自分を撮ってもらうことは皆無でしたので、とてもいい記念になりました。ありがとうございました。
〈不採用写真:撮影者 伊藤〉 〈採用写真:撮影者 村田〉
今後とも十和田湖と伊藤をどうぞよろしくお願いいたします。
〈穏やかな一日の終わり:3/4 十和田ビジターセンター前の夕景〉
2021年03月03日爽緑を待ちわびて
名取 富樫信雄
気づけばもう3月..
みなさま、いかがお過ごしでしょうか、
名取自然保護官事務所の富樫です。
名取トレイルセンターの園庭工事も終盤を迎え、芝張りも完了いたしました。
これからはしばらく根が張るまでの養生期間となります。
足裏と背中が覚えているフワっとした感触は
トレイル沿線各地にある芝生地を思い出させてくれます。
気仙沼市の岩井崎
唐桑半島 半造の園地広場
そして八戸市 種差海岸の天然芝生地
黄金色(冬季の芝生の色をこう呼ぶことを八戸自然保護官事務所のOさんに教わりました)から
爽緑色に変わる頃、このフワっとしたやさしさに触れていただきたいと願っております。
この芝生の感触がみなさまの憩いの場となりますように..
そして、トレイルを旅したみなさまの記憶再生装置となりますように..
春を飛び越えて初夏が待ち遠しい今日この頃です。
2021年03月02日「ブルーフォール」
磐梯朝日国立公園 裏磐梯 小野寺浩詩
裏磐梯自然保護官事務所の小野寺です。
ここ裏磐梯の冬の楽しみ方は、スキーやスノーボード、ワカサギ釣り、温泉など様々ありますが、スノートレッキングも人気です。
そのトレッキングの目的地として最近脚光を浴びている場所に「イエローフォール(磐梯山の爆裂火口壁からしみ出す水が少しずつ凍ってできる氷瀑で、厳冬期にのみ見られます。水に含まれる地中の様々な成分により黄色に見えるそうです。)」があります。
今回はその「イエローフォール」ではなく、「ブルーフォール(ブルーアイス)」と呼ばれる場所を目指しました。雪のない時期は多くの人が訪れますが、冬期にどの程度人が訪れていそうか、安全面はどうなのか、最近強風が続いていたのでその影響はどうなのか、そのようなことを確認しに出かけました。
雪のない時期は、滝に向かう探勝路(参道)のすぐ前に駐車場がありますが、今回は雪のため車で行くことができませんでした。近くに車を止め、スノーシューで目的地まで向かいました。
道路(ガードレール)や探勝路入口にある鳥居などは目印となり歩きやすいのですが、その鳥居を過ぎると夏場に見えていた探勝路はほとんど分かりませんでした。
ただ、スノーシューのトレース(疑わずにたどっていくとルートからはずれてしまうことがあるので注意)が幾つかあったことと、方角は分かっていたので、迷うことなく歩みを進められました。思った程雪はなく、また風の影響による倒木等も見られませんでした(枝等はたくさん落ちていましたが)。
30分ほど歩くと小さなお社が見えてきました。
なかなかの雪です。
滝を正面から見ることができる橋も欄干の高さを超えたところまで雪が。これは結構な危険度です。
気をつけながら進み、滝の方に目を向けてみると雪に囲まれた小野川不動滝が。
幅約10m、落差約25mの滝は、雪の白さと空の青さに包まれ、その流れと水しぶきはひときわ輝いて見えました。
滝の水しぶき等が周囲から少しずつ凍り、できた氷塊が青く輝くといわれる「ブルーフォール」。
しかし、ブルーはどこに・・・。おそらく数日間気温の高い日が続いたため氷塊が溶けその姿を見ることは叶いませんでした。それでもわずかに(見ようによっては)滝の左端の方が青白く見えました。
さらに、お社背後の崖の上部にミニイエローフォール(つらら)を発見。ブルーとイエローを一度に見ることができました。
帰りは少し脇道を歩きながら、そして冬ならではのものを観察しながら戻りました。
結局誰とも会わずに、滝と森を独占する贅沢な時間となりました。
この時期に訪れることがあまりなかっただけに、探勝路等の様子が見られたこと、倒木等も見られなかったこと、雪景色の中に滝を見られたこと、持ちも晴れやかになる巡視でした。
※冬期に滝をご覧になりたい方は、よく知っている人と一緒に行くか、ガイドツアーなどに参加されることをお勧めします!
こんにちは、仙台自然保護官事務所の鎌田です。
東日本大震災から10年、あの日と同じ伊豆沼を巡視してきました。
あの日は雪がちらつきとても寒い日でしたが、今回は快晴、遠くの山々や白銀の栗駒山を望める日となりました。ついこの前までマガンやカモ類がににぎやかな声が響き渡る沼は静かに、湖面も穏やかです。
3月6日に行われた野火でヨシがきれいに焼け、その向こうに栗駒山がみえます。この野火は毎年行われてましたが昨年は新型コロナのため中止されてましたので2年ぶり、スッキリしたところで、春の農作業がはじまります。(野火:伊豆沼・内沼では渡り鳥が少なった3月に沼の周りの環境維持のために行っています。)
オオハクチョウの群れが鳴き交わしながら、青空を高く、高く高度を上げながら、北へ向かって旅立つ場面に遭遇しました。
出会う人出会う人と10年前のあの時の話になり、誰もが忘れられない、何年経っても忘れない大切な日なのだと。午後2時46分には、私も巡視の車を止めて、黙とういたしました。
静まり返った伊豆沼、野火、北へ向かう冬の渡り鳥、大切な3月11日に春を感じた日となりました。