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東北地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [東北地区]

初夏の十和田八甲田・奥入瀬渓流

2020年07月22日
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ

時は加速度を増すように感じられ

あっという間に7月も残り少なくなりました。

十和田湖の遊覧船が運航を開始し、

事務所まで響く汽笛が哀愁を誘います。

やはり十和田湖には遊覧船が似合います。

〈7月1日に運行が開始された遊覧船:休屋~子ノ口は7月16日より再開〉

この時期十和田神社付近などでは、ヒメボタルが優雅に儚く舞う姿も見られました。

例年7月の初旬頃から見られますが、今年は6日頃から見られたようです。

残念ながら私自身は今年は見る事ができませんでしたが、

一昨年の湖水祭りの際に見た、十和田神社のヒメボタルの幻想的な光景が忘れられません。

(湖水祭りは今年は詳細未定です)

7月に入り、5月末まで中止となっていたパークボランティア活動が始動しました。

新型コロナウイルス対策のガイドラインに添って、十分な注意のもとに活動を実施しました。

6月7日は、北八甲田の田代平湿原に踏み込み防止のロープを設置しました。

〈田代平湿原から北八甲田をのぞむ〉

〈湿原の木道にロープを設置するパークボランティアの皆さん〉

〈田代平湿原のワタスゲとバッタ?〉

〈田代平湿原のヒメシャクナゲ〉

6月21日は、北八甲田薬師沢の雪渓に道迷いのためのロープの設置と、

酸ヶ湯周辺の草刈りと清掃でした。カメラを十分に充電しておらず、

写真を撮れなかったのが残念です。

〈駐車場周辺の草刈りと清掃します〉

活動の前には、4月に急逝したパークボランティアの事務局の方に黙祷を捧げてからの活動となりました。 とてもお世話になり、信頼していた方が突然居なくなるということは、  

ご家族の方はもちろん、私をはじめ皆さんの悲しみや落胆は計り知れないものとなりました。

さて、現在7月はツキノワグマの餌が森の中に少ない時期のようで、

人里や幹線道路に頻繁に出没しています。畑のトウモロコシの食害なども報告されています。

子育て中の母熊は子供を守るために神経を尖らせ、オスは繁殖期で活発に活動している時期でもあります。

近頃は山に入る時だけでなく、普段の生活圏でも危険は潜んでいますので、十分にお気をつけください。

私自身も通勤路でたまに遭遇しますが、昨日は小熊2頭と別の場所で会いました。

おそらく母熊が近くにいることでしょう。注意が必要です。

人間も動物も、日々真剣に生きていても、明日のことは誰も想像することができないですね。

だからこそ、毎日を大切に生きていきたいものです。

〈綠濃く初夏の花に彩られる奥入瀬渓流〉