2017年6月
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2017年06月02日早春の月山
磐梯朝日国立公園 羽黒 澁谷 満紀
こんにちは。
羽黒自然保護官事務所の澁谷です。
ご紹介遅くなりましたが5月28日(日)、第10回月山を外来種から守ろうイベントが行われました。
あいにくの雨の為計画を変更、除去時間を30分に限定しての作業でした。
寒い中参加者の皆さま、パークボランティアの皆さま、関係者の皆さま
どうもありがとうございました。この場を借りて御礼申しあげます。
例年より開催時期を早めたこと、雪解けが遅かったこともあり、開花前・わた毛が飛散する前の
セイヨウタンポポを31kgを除去することができました。
本来は除去作業の後に、早春の弥陀ヶ原観察会が行われる予定でしたが
荒天の為見送りに。
下見に行った時の弥陀ヶ原の様子をご紹介します。
雪解けを待ってましたと可愛い花をみつけました。
左からミツバノバイカオウレン、ショウジョウバカマ、ミズバショウ。
標柱はまだ半分雪の中です。
公園線が開通するのは6月下旬と聞いております。待ち遠しいですね。
2017年06月02日白神ライン開通
白神山地 髙澤和大
こんにちは。
西目屋自然保護官事務所の髙澤です。
去る5月30日正午、今年もいよいよ白神ラインが開通しました。
白神ラインとは弘前市を起点として白神山地の北部を横断し、日本海へ至る青森県道28号線の愛称です。一部区間が工事通行止めとのことで、開通とはいうものの現時点では通り抜けることはできませんが、ブナの巨木「マザーツリー」がある津軽峠などにアクセスできるようになりました。
白神山地世界遺産地域を所管する西目屋自然保護官事務所にとっても、白神ラインは遺産地域へアプローチするための重要な道路で、開通後には調査機器の設置などで急に慌ただしくなります。これまでも周辺の道路の冬期通行止めが徐々に解除され、それに合わせて業務を進めてきましたが、本丸といえる白神ラインの開通はシーズンの本格的な幕開けを感じさせてくれます。
入り込み数を調査するための機材を設置する佐々木AR
標高の高い峠付近や谷には残雪があり、
フキノトウがその端からようやく芽を出していました。
登山や山岳道路の運転などで垂直方向に移動すると、
それに合わせて季節が戻ったり進んだりするのが大好きです。
半年ぶりに対面するマザーツリー
今シーズンも無事に業務を遂行できるよう、お祈りしました。
なお、白神ラインはいくつもの峠を越えていく山道で、しかも40km超という長大な未舗装区間が残る、なかなかに険しい道路です。事前に情報収集を行うなど、計画的に通行されるのがよろしいかと思います。
道路の開通状況は下記の白神山地ビジターセンターホームページなどで公開されています。
2017年06月01日十和田八甲田からの新緑便り
十和田八幡平国立公園 伊藤 あけみ
こんにちは。
十和田八幡平国立公園管理事務所の伊藤あけみです。
新緑の緑は、ほんとに心安らぐものですね。
遠くの山に目をやると、ブナ、カツラ、トチノキ、ヤナギ、ナナカマド、イタヤカエデ、
ミズナラなどの競演です。
近くに目を移すと、ブナの雌花がありました。今年の実の豊凶はどうでしょうか?
森のクマさん達も、気になっていることでしょう。
事務所の周りにもいろんな植物が顔を出しました。
ナズナや、ムラサキケマン、クルマバソウ、オドリコソウ、ラショウモンカズラ
など小さな植物園です。
桜が終わって、似たような花が咲いていると思ってみたら、アズキナシでした。
別名ハカリノメ、50以上の地方名があるそうで、土地ごとにどんな名で呼ばれているのか興味ありますね。
※アズキナシの名前の由来は、果実がナシの果実に似ていて小さいため。
ハカリノメは、「秤の目」。枝の皮目を秤の目盛りに見立てたもの。
そして、なんと言っても十和田湖にはヒメマスが欠かせません。
ヒメマスは、魚が住んでいなかった十和田湖で、和井内貞行が明治38年に初めて養殖に成功した魚です。
先日、初めて食べて感動しました。奥入瀬も十和田湖も釣り券を購入すれば釣りが出来ます。
自然に癒やされ、釣りや遊覧船を楽しみ、美味しい食事をいただく。身体中の細胞が喜ぶこと
間違いなしです。
※ヒメマスは、十和田湖観光交流センター「ぷらっと」の水槽で見る事が出来ます。
山の緑が濃くなれにつれ、湖の青も濃さを増して来たように見えます。
深い緑と青に囲まれた湖のほとりでゆっくりしたり、新緑の中を散策したり、釣りをしたり、楽しみいっぱいの十和田八甲田エリアです。
こんにちは。
十和田八幡平国立公園管理事務所の伊藤あけみです。
6月の幕開けとともに、あちこちから山開きの便りが聞こえてきました。
ここ十和田湖でも6月4日に、十和田湖の外輪山に位置する白地山(標高1034m)の山開きが、小坂町教育委員会の主催のもとに行われました。
前日からの雨が降り続く中、集まった30人ほどで、鉛山登山口を5:30分に出発しました。まずは鉛山峠を目指しました。
30分ほどで白雲亭展望台ですが、当日は景色が全く見えません。立ち止まると寒いくらいです。
登山道では、春を待ちわびていた花々が我先にと咲き誇っていました。この山で沢山見られるツバメオモトが、登山道のあちこちで私達を迎えてくれます。シラネアオイは雨に打たれて少ししょんぼりしているように見えますが、天然のシャワーを浴びた後のすがすがしい翌日の姿を想像して嬉しくなりました。
雨のブナ林の楽しみの一つに、樹幹流があります。ブナの葉っぱは自分の根元に水を集めるような形状になっていて、雨が降ると幹を雨水が流れ落ちます。その様子を見ていると、自然の不思議さや、植物の生命力を感じられるような気がしました。
そして一時間ほどで標高866メートルのミソナゲ峠に到着。登山道は所々が開けていて、晴れていたら十和田湖の展望が素晴らしいと思われる場所が沢山ありました。それは、次の楽しみとすることにします。
登山開始から二時間半ほどで997分岐、麓では終わってしまった桜が今咲き始めたところでした。
そして雨の日の登山の楽しみのひとつ、サンカヨウの花。
白い花びらが雨に濡れて透きとおり、まるでガラス細工のようです。
雪がとけたばかりのところには、みどりのキノコのようなサンカヨウの赤ちゃんもいました。
3時間弱で長引分岐、しばらく歩くと木道が敷かれた湿原が広がります。様々な早春の花が咲き始めていました。秋の草紅葉を想像し、またわくわくしてきました。
湿原の中を歩いていくと15分ほどでの別の登山道とぶつかり、10分ほどで1034メートルの山頂です。山頂からの展望も全くありませんでしたが、晴れていたら八甲田の山々も眺められるそうです。
身体が冷え低体温症が心配されるので、休憩は少なめにして、下山開始です。
下りは十和田西湖岸の大川岱に下ります。雨でぬかるみ、所々が沢のようになり、歩きにくいなかを慎重に歩きました。
下山後は、関係者や登山者が参加しての登山シーズン開始の安全祈願が執り行われました。
晴れていれば、十和田湖畔鐘の鳴る丘「樹恩の鐘」(小坂町町政40年と十和田八幡平国立公園指定60周年を記念して建てられたドイツ製の鐘)の前で行う予定でしたが、雨のため小坂公民館十和田分館(旧十和田小中学校)で行われました。
その後みなさんは十和田ふるさとセンター(学校カフェ)でヒメマス料理を食べたり、十和田湖プリンスホテルで入浴したりと、楽しんでいました。
十和田八甲田地域には他にもたくさんの山や湖沼、湿原などがあり、体力に合わせてコースや場所を選択して楽しめます。登山後は温泉もいいですね。登山が好きな人も、これから挑戦してみようと思う人も、それぞれの楽しみがきっと見つけられるはずです。ぜひどうぞ十和田八甲田エリアへお越し下さい。